男の娘アイドルによるスクールアイドル育成譚   作:片桐 奏斗

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スクフェスやスクパラをやっていくうちに書きたくなったので書いた作品です。完全な見切り発車なので、完結まで上手く持っていけるかどうか不安ではありますけど、よろしくお願いします。


ちなみに作者が好きなキャラは、真姫ちゃんです。
携帯の待ち受けやLINEの画像を真姫一色にしたり、スクフェスでBiBi限定で大量に回すぐらいには。尚、結果は……。





第1曲目 アイドルってなんだろう

 

 アイドルってなんだろう――。

 

 

 ここ最近、俺こと『新垣 蓮(あらがき れん)』を悩ませる問題。それは人からすれば贅沢なんてレベルじゃない些細な問題だった。

 

「……なぁ、アイドルってなんなんだろうな」

「俺に聞くよりは自分に問いかけた方が良くない? 現に蓮はトップアイドルの座についているんだから」

 

 トップアイドルねぇ。

 確かに今やテレビやラジオで『新垣 蓮』改め『REN』の名前を聞かない日はないよ。街へ出て買い物に行こうと思っても、「ちょっと近場に買い物行ってくる」ってな感じに家を出れない。気付かれないよう身なりに最大限の注意をしながら行かなければいけない。ホント、面倒くさい。

 

「そういわれてもなぁ」

 

 ちなみに俺と今、会話をしている相手は『新垣 遥(あらがき はるか)』っていって、俺の実の兄であり、『REN』のマネージャー兼作詞家だ。

 今までに出したシングルの曲は全てネットで「私の曲、使ってください」という人達から正式に頂いたものをアレンジし、兄貴がそれに合う歌詞を考えて『REN』が歌うっていう流れだ。

 

「……だってわかんないし」

「で、いきなりそんな話を出したってことは、アイドル活動に飽きたか?」

「うーん。飽きてはいないと思うんだけど……。ただ、何かが足りない気がする」

 

 俺一人のために何十万人が一同に集まってくれる。天候が雨だったとしても、雨具を着ながらでも楽しみにしてくれている。こんな子供に大舞台を用意してくれる大人の皆さんにも感謝している。

 そんなファンの人達や協力的なスタッフが大好きで、一緒に盛り上がったり出来る仲間が大切だよ。……けど、何か重要なナニカが俺には欠落してる気がするんだ。

 

 俺の真剣に悩む表情を読み取ったのか、兄貴は……。

 

「……仕方ない。来月から無期限で活動停止ってことにしとくよ」

「ありがとう」

「気にするな。……ただし、早めに見つけてくれよ。お前が活動しない限りは俺が無職なんだから」

「わかってるよ」

 

 一応、両親にも一報は入れておかないとな。

 正直何を言われるかわからないけれども、俺が考えていることはきちんと伝えておかないと後々面倒なことになるからね。

 父親はまだ仕事中だろうからという理由で、先に母親にメールを送っておく。

 タイトルは「重大発表~♪」と軽めにしておきつつ、本文で「アイドル活動、一旦終わります」と。

 

「これでよし、っと」

 

 送信画面をきちんと見届けてからスマホをポケットに仕舞おうとした……その時。

 手にしていたスマホから音が発せられる。

 十秒経っても音楽が終わらない。その時点で嫌な予感がビシビシと来るが、おそらく着信が入っているのだろう。そして、相手はきっと……。

 

 『新垣 陽菜(あらがき はるな)

 

 うちの母親の名前が発信者のところへ書かれていた。

 やっぱりな。と思う反面、送ってすぐに電話をかけてくるなんて暇人かとすら思った。

 発信ボタンを押し、スマホを耳に当てる。

 

「もしもし……」

『もしもしっ!? いきなりどうしたのよ。そんな兆候、今まで出さなかったじゃない? 病気、怪我!?』

「あ、いや、そんなんじゃないんだけど。えっと……」

 

 兄貴に相談した内容に付け加えて俺が思っていたナニカが欠落しているような気がするって話も母親にしたら、ようやく合点がいったと納得するような声を出していた。

 

 そして、その直後、驚愕の一言を告げる――。

 

 

 

『ねぇ、蓮。あなた、音ノ木坂学院に行ってみない?』

 

 音ノ木坂学院――確かそこって、女子校だったはずだよな。どうやって通うんだよ。

 

『あ、ごめんなさい。言葉が足りなかったわ。私、そこの学院理事長と知り合いなんだけど、生徒が年々少なくなっていく一方で、廃校寸前っていうじゃない? そこで、彼女は外部の人の評価を聞きたいっていうのよ。だからといって、先生って役目じゃ目立つじゃない。だから、外部の生徒を招きたいっていうんだけど、あなた行ってみない?』

 

 音ノ木坂学院か。

 そういえば、そこってうちの母親の母校でもあったよな。

 まともに親孝行出来てない俺だけど、少なくとも母校を救う協力をするぐらいはしてもいいか。

 勿論、たかが俺如きが協力して評価したところで、何かが別段変わるってわけでもない気がしなくもないが、やらずに諦めるのは嫌だからな。

 

「わかった。行くよ。詳しい話はまた後日ね」

『りょ~かい!』

 

 こうして、俺こと『新垣 蓮』は音ノ木坂学院へ編入という形で通うことになったのだった。

 それが母さんの策略であったなんて知らず、廃校を救う協力なんて言葉に騙されたと嘆くのはそう遠くない未来の話だった……。

 

 

 

 

 




まず最初に、まだまだ小説を書き慣れてないので、うまく描写出来なくて申し訳ないです。

これからもこんな感じの文面になると思いますが、暇潰し程度にでも読んでいただけると嬉しいです。


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