目の腐った能力者   作:ウルトラマンイザーク

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禁書目録

 

 

 

「………暇だ」

 

自宅謹慎を喰らって三日。本当にすることない。まぁ自宅謹慎とか言っても晩飯買うくらいなら外で歩くくらいはしてもいいんですけどね。

ちなみに、我が家には人祓いのルーンが貼られてて白井による空間転移も無理です。あーすることねぇ…生活リズムも崩れるし…とりあえず外に出るか。晩飯買わなきゃ…そう思って時計を確認したら12時を回ってた。もう日付変わってるじゃん…。

とにかく、食わなきゃ死ぬ。そう判断した俺はコンビニに行くことにした。その途中で、

 

「あれ?ヒキタニ?」

 

そんな声がした。おぉっと、俺が他人の声に耳を傾けるなんて珍しい。さっさとコンビニ行かないと。

 

「おい、無視するなよ」

 

肩をグイッと掴まれた。そっちを見るとどっかで見たことある奴がいた。

 

「あれ?ヒキタニだよな?」

 

誰だよヒキタニ…。

 

「比企谷だ。お前は…」

 

「クラスメイトだろー。上条だよ」

 

「あー上条ね。うん上条だ、上条に違いない」

 

「お前、俺の名前知らなかっただろ…」

 

苦笑いで言われてしまった…。

 

「で、なんか用か上条」

 

「あーいや、変なこと聞くようなんだけどさ…人の記憶がパンクすることってあるのか?」

 

いきなりなに言ってんのコイツ。

 

「答えてくれ。割と真面目に聞いてるんだ」

 

………なんかわけありか。

 

「そんなこと言われても具体的な例を上げてくれないとなんとも言えないんだが…」

 

俺がそういうと上条は少し迷うような仕草を見せる。だが、すぐに俺の目を見て言った。

 

「例えば、だからな?すでにとある人の記憶が85%埋まってるとする。残りの15%でパンクしちまうから1年ごとに記憶を消す必要ってあるのか?」

 

……こいつ、今なんつった?記憶が85%埋まってる?それじゃまるで…いや、その前に回答だけしとこう。

 

「アホかお前は。数学的に考えてみろ。一年に付き15%もの容量を失ったら人間なんて7年で死ぬぞ」

 

「………へ?」

 

「や、だから100÷15はいくつだよ。それにどっかの本で読んだ話だと人の脳は元々140年分の記憶が可能だ」

 

それを聞いて上条はかなり驚くような顔をする。や、そんな衝撃の事実を知ったような顔されても…。その瞬間、上条は走り出す。

 

「すまん!サンキュー比企谷!」

 

「待て」

 

その上条を呼び止めた。その前に確認しないといけないことがある。

 

「なんだよ!急いでるんだが…」

 

「その前に聞かせろ」

 

俺が真面目な顔で言うと、上条も足を止める。

 

「お前、禁書目録って知ってるか?」

 

 

_______________________

 

 

 

俺は上条と月詠先生の家へ行った。そこにはステイルと神裂がいた。

 

「比企谷!?謹慎中になにを…」

 

「神裂、緊急事態だ。戦闘の準備しとけ」

 

「なにが起こるというんだ?」

 

ステイルが冷静に聞いてくる。

 

「禁書目録を救う」

 

「「なっ!?」」

 

二人が驚くが、それに付き合う暇はない。

 

「上条、頼む。説明は俺がしとく」

 

「分かった」

 

上条は部屋に入り、俺は説明をする。その瞬間の二人の反応はキン肉マンみたいな顔だった。

 

「そんな…では私達は…」

 

「彼女を意味もなく傷つけていたというのか…」

 

うん、まぁ冷静に考えれば理数系苦手の僕でも分かることなんだけどね。なんて思ってると、急に部屋のドアが吹き飛び、中にはなんかすごいのがいる。

 

「おいおい、マジかよ…」

 

「インデックスが、魔術を!?」

 

「そんなバカな!」

 

「見ての通りだ!インデックスは魔術を使ってる!お前らは教会に都合のいい嘘を吹き込まれてたんだよ!」

 

上条は右手で攻撃を弾きながら叫ぶ。え、てかなんで防げてるわけ?どうなってるのそれ。

 

「いい加減始めようぜ!魔術師!」

 

そう言った上条の右腕が弾かれる。

 

「上条…っ!」

 

「salvere000」

 

神裂が魔法名を唱え、上条を助ける。さらにステイルまでもがイノケンティウスを出して、上条を守る。

 

「別に、君の口車に乗せられたわけではない。あの子を助けられればいいだけだ」

 

「なぁ神裂、あれは捻デレじゃないのか?」

 

「比企谷、ホント黙れ」

 

「お前はあとで燃やしてやるからな」

 

そのまま奮闘するふたり。俺はといえば特に出来ることがあるわけでもないのでただその様子をいかにも仕事してる風に見ていた。そして、上条がインデックスの首輪を破壊する。

 

「竜王の殺息…?」

 

「まずい!上条逃げろ!」

 

俺が声を張り上げるが、上条はダメージがあるのか動けない。ていうか、それ神裂のせいじゃね?……仕方ないか。

 

「神裂、学園都市のスパイに俺の代わりはいるか?」

 

「? え、えぇまぁ…」

 

「なら、あと頼むわ」

 

「え?な、なにを…」

 

悪いが、上条はこんなところで死んでいい奴じゃない。俺みたいに碌に魔術も使えなくなった魔術師より、インデックス一人のためにあそこまで奮闘する奴のが必要なのは目に見えてる。なにより、あの右手を失うわけにはいかない。

俺は走って上条とインデックスの元へ行き、二人を落ちてくる光の羽から守った。

 

 

______________________

 

 

 

目を覚ますと病院。えっと、なんでここに運ばれて来たんだっけ…。てか、

 

俺、誰だっけ……。

 

その時、病室に四人入ってくる。普通の学生っぽいのと、なんかちっこい白いのと、38歳くらいのベッピンさんと、中二病。

 

「……あの、比企谷?」

 

「……あ、それ俺に言ってる?てか君達誰?」

 

ついそう言うと、四人とも少し申し訳なさそうな顔をする。だって知らないんだもん。なんとか気を取り直してツンツン頭のやつが言う。

 

「えっと…紹介するぞ比企谷。俺がが上条当麻、そしてステイル=マグヌス、インデックス、神裂火織だ」

 

「知り合いすか?」

 

「あぁ。僕と神裂とインデックスは君と同じ仕事をしてた」

 

「仕事?俺この歳で社会人だったの?」

 

「や、そういうわけではなく…」

 

マジかー結構ショックだわー。俺中卒か高卒なのかー。

その俺の襟を神裂さんが掴む。

 

「あなた…なにが『俺の代わりはいるか?』ですか…あなたの代わりなんてあなたしかいないに決まってるでしょ…」

 

「や、そんなん言った覚えがねぇんだけど…」

 

「せっかく…変わったと思ったらそれですか…あなたは…」

 

「はぁ?変わる?」

 

「神裂!」

 

す、ステ…ステイル?ステイルが名前を呼ぶと、おとなしく引き下がる神裂。そして、ステイルが煙草に火をつけて言った。

 

「君に、事後報告…」

 

「病院で煙草はないだろ」

 

上条に取り上げられた…。で、咳払いすると続ける。

 

「君の記憶喪失に関して、教会側は君を見捨てることにした。つまり、君はもう必要悪の教会のメンバーではない」

 

あの、その前にね、ネセサ…なんとかってなんですかね…。

 

「君はここで暮らしてもらう。だが、他の魔術師達はそうはいかない。君は元々、僕や神裂なんかよりかなり凄腕の魔術師だったからね。命を狙われるだろう」

 

え?俺、魔術師だったの?てか俺、命狙われるの?賞金首なの?4億ベリーくらい?海賊王に、俺はなる!

 

「だから、ここ数週間の間だけ君を神裂が護衛することになった。その間に精々、自分の身だけでも守れるようになるんだな」

 

それって別に見捨てられたわけじゃなくね?むしろ首にされたのに手当が付くとかどういうことなの?いやこっちとしてはこんな綺麗な人に介護してもらえるとか幸せなんですが…。

 

「では、僕達は行くぞ」

 

そのままステイル、上条、インデックスは病室を出る。なぜか会釈してしまった。てか神裂はなんでいるの?

 

「あなたの身の回りのことを教えておきますから、それだけ把握しておいて下さい」

 

あーなるほどね。まぁ、そんなわけで俺はこの歳で記憶を失った。

 

 

 


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