「あ、あいつは…三下ァ?」
やっべ…一方通行と上条は殴り合ったって言ってたな…。
「おい、全員走るぞ」
「え、でも私お守り持ってるんですけど…」
佐天さん持ってんのかよ…ぶっちゃけ科学の街にお守り持ってる奴なんて佐天さん以外にいないだろうし…。だからって「こいつと上条は殺し合った中です」なんて言えねぇし…。
「じゃ、渡して来ますね」
ちょっ…待て!いやもう言っちまった!でも絹旗と一方通行は仲悪いから二人きりにさせるわけにはいかないし…うん、佐天さんを置いていけばいいよね。俺達三人は走ってその場を後にした。
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で、篠原 リキッド マテリアル ファクトリー。進入禁止と書かれている。
「じゃ、行くか」
平気で俺達は中に入る。なんか、まさに廃墟って感じで誰もいねぇな…。と、思った矢先、一方通行に声をかけられた。
「オイ」
振り返ると、口を抑えられて引っ張られる。なにすんだよウサギ、ムーンティアラアクションをお見舞いしてやろうかと思ったら人がいたようだ。なにか機材を運んでいたようで、その後をつける三人。
「一体なにを運んでるんでしょうか…」
流石、絹旗は暗部なだけあって動きはルパン並だ。さて、奴らを捕まえて情報を聞き出そうと思ったら、なんかピッてやって扉が開いた。うわあ、超アバウト。
「専用パスだァ?どォやらただの廃墟じゃなさそォだな」
とにかく逃がすわけにはいかない。俺達が走って機材を運ぶ二人を捉えようとした時だ、俺達の前を誰かが走り込み、閉まる扉の中に入った。見たことある黒髪セミロング、リュックを背負った体操服。あれ?これって…、
「い、今の…佐天さんじゃね?」
俺が言うと、他の二人は滝のように汗を掻き始めた。
この後、扉をぶっ壊して強行突破した。
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無論、強行突破したんだから警報は鳴るわけで、一分も掛からない内に取り囲まれた。佐天さんに至っては勝手に突っ込んだ癖に、今や俺の背中に隠れてる。この野郎…なぜか絹旗は機嫌悪くなるしよ…。
『あれあれー?どっかで見たことあるのが二人ほどいるゾ?』
なにあの気持ち悪いの…俺はお前のこと見たことねぇんだけど…。液状化した変なの。
『まぁいいや、みんなやっちゃえ』
あの変な液状化したのの号令で殴り掛かってくる集団。
「さァて、てめェらはどンなオブジェがお望みだ?」
「仕方ありませんね。超ボコボコにします」
二人が臨戦体制に入り、俺も構えた。だが、その集団の中で一人だけ裏切りをしている女がいた。てかなにあのごっつい剣、超かっこいいんですけど。
『アッレェー?ナニナニ裏切り?』
「裏切り?それは貴様の方だろう。警策」
なんだ?あの女、敵ではないのか?
「メンバーは学園都市統括理事会の特命を受けて動く組織と聞いている。だが、今回の仕事は統括理事会とは無関係だ。貴様は外部の依頼者と共謀し、仲介の立場を利用して我々を使役していた。貴様の指令に懸念を抱いた博士が裏取りして、貴様の背信行為を突き止めたのだ」
そして、剣を構える女の人。
「それに、なにやらたった今、この場所は襲撃を受けた。裏切り者の制裁には最高のタイミングだと思わんか?」
えーっと、つまりどういうことなの?さっぱり内容が飲み込めないんだけど…。
『チェーッ。分かったよ、ここは退こう』
そのまま変な液状かしたものは消えて、その部下らしき連中も退散した。すると、女はこっちを振り返る。
「貴様らは何者だ?ここに何の用だ?」
「え?風紀委員ですけど…」
「お手伝いでェす」
「私もです」
「わ、私も…」
「お手伝いの方が多いのか風紀委員は…」
呆れられちゃったよ…。
「とにかく、出口まで送ってやる」
「待っ…」
「待て、その前にオマエらはなンなンだ?なにが目的だ?」
俺の台詞を取らないでもらえますかねぇー、一方通行さん?それに、最初はためらったものの、すぐに答える女。
「……出口に着いてから話す」
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その後、俺達は絹旗、佐天と一方通行、俺と別れて動き出した。奴らの本当の目的は御坂だ。なら俺達はそれを止めなきゃいけない。その瞬間、地面から雷が出た。
「オイオイ、なンだありゃ…」
「急ぐぞ一方通行」
で、なんかビルに到着。
「一方通行、おそらくミサカは中にいる」
「オマエは来ねェのか」
「俺は、上にいる変なの相手にしなきゃな」
俺の視線の先には、角が生えたなにかがいる。
「俺があっち相手にした方がよくねェか?」
「そうして欲しいのは山々だが、あれ御坂だぜ?お前、仮に戻したとして気まずくね?」
「任せるわ…」
「おう」
さて、行きますか。
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※絹旗に変わります
私は白井さんを連れて変なビルの屋上へ。すると、どっかで見たことある金髪の女がさっきの液体のやつに襲われていた。と、思ったらすぐにその触手がブチ切られる。
「風紀委員ですの!なにやらおかしな方向に事態が大きくなってるようですわね。あなた方には拘束後説明していただきます!」
「え?あ…ち、超風紀委員です!」
しまった!変な嘘を……!
「なんだァ?建物の中必死こいて探したけど妹達なンかいやしねェじゃねェか」
また聞き覚えのある声。一方通行が出てきた。
「一方通行!?」
どっかで見た第五位が声を上げる。それに反応して白井さんも声をあげる。
「一方通行って…あの学園都市第一位ですの!?」
その声に軽く舌打ちする一方通行。そして、まったく気にした様子なく、第三位にそっくりな女の子を抱き上げると言った。
「チッ、手間ァ掛けさせやがって」
その一方通行に殴りかかる液体だが、逆にそっちが砕け散った。
「ア?」
『アリャー…やっぱ効かないかぁ』
「テメェか、こいつをこンなンにしやがったのは」
『違うよ違う。まぁ一概に関係ないとは言えないケド』
また舌打ちする一方通行。その間に白井さんが私と第五位を掴んでテレポートした。で、室内。よくわからないけど、早い話があの液状化野郎の本体を潰せとのことだった。
「で、あなたはどうするのぉ?」
「……え?超私ですか?」
「そうよぉ、風紀委員さんなんでしょう?」
「食蜂操祈、彼女は風紀委員ではありませんの。ただのお手伝いです」
「ま、なんでもいいわぁ。なにかしたいからここに来たんでしょお?」
「私は…白井さんのお手伝いします」
「そう、じゃあよろしくねぇ」
私は白井さんとテレポートした。
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白井達が行った後、食蜂の所に一方通行が降りてきた。
「あら、あなたまだ帰ってなかったのぉ?」
「はっ、テメェこそまだこンなところにいやがったのか」
「生憎、私の能力はあなたみたいな便利な能力じゃないのよぉ。それで、私に何か用かしらぁ?」
「ハッ、テメェに用なンかねェよ。ただな、妹達にあンなことさせといて生かしとく理由がねェだろ」
そう言うと、食蜂は少し目を細めた。
「……ロリコン?」
「テメェから消してやろうか」
「冗談よぉ。まったく、第五位と第一位の組み合わせとか、贅沢力高過ぎだゾ」
「テメェと組むなンて言ってねンだけど」
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※八幡視点に戻ります。
御坂(怪獣ver)が降ってきた。
「おいあんた!早く逃げろ!」
呼ばれて振り返ると上条がいた。
「って、比企谷ぃ?なんでこんなところに…!」
「それはこっちの台詞だ。なんでこんなとこにいんだよ」
「あんなの見掛けたらほっとくわけにいかねぇだろ」
「あぁ…やっぱり?お互い大変だな…」
「昨日は運び屋、今日はレベル6と来たもんだ」
「あれレベル6なの?」
「あぁ」
で、お互い顔を見合わせる。
「「はぁ……」」
ため息が漏れた。なんてやってると、飛んでくるビルの残骸の塊。
「ええええっ!いやちょっ…なにあれ!?」
「比企谷!あれ!ヴァンパイアなんとか!」
「そんなすぐに出せるか…って」
「「ぎゃあぁぁぁぁっっ‼︎‼︎」」
あ、死んだわ。と、思ったら、
「ハイパーエキセントリックウルトラグレートギガエクストリームもっかいハイパー…」
誰?なに言ってんの?
「すごいパァーンチッ!」
そのわけのわからんこと言ってた奴がその塊を殴ると一発でぶっ壊れた。俺と上条、悄然、空前、もう全然驚いてます。そいつはそのまま俺達の横に降りる。
「なんかすげぇーのいるなぁ。角なんか生えてらぁ」
「いやお前の方がすげぇよ」
思わず突っ込んでしまった。
「よし、俺に任せろ。お前らは帰れ」
「「はぁ?」」
俺たちの声がハモった。
「あれは俺の知り合いなんだよ。俺が助けないと…」
「まじで?じゃあ任せるから帰るわ」
「いや待てよ」
上条に止められてしまった。で、ウダウダ話してると、電撃が三つ飛んでくる。上条はかき消して飛んで来た奴ははたき落とした。俺?避けたよ?
「俺は削板軍覇。お前、名前は?」
「上条当麻」
「比企が…」
「はっ、足引っ張んなよカミジョー」
「こっちの台詞だ」
僕の台詞は?