「ふぅーん、それでお前はこんな所にいたのか」
「いや、本当にビビったわ。お前がこんな所にいるなんて。ここ学園都市の外だぞ?」
「ふぁ!?マジで!?」
なんて緊張感のない会話。
「あの、比企谷さん?その人は一体…」
「あぁ、浦上。こいつはナントカ正教とか関係ない。高校のクラスメートだ」
「へっ?」
「上条、ここは俺達と会わなかったことにしないか?なんか立場的にお互いアレだし」
「あ、あぁ…そうだな。…ってそうは行くかよ!お前天草式がなにしたか知ってるのか!?」
「知ってるよ。お前こそローマ正教についてどのくらい知ってるよ」
「そ、それは…」
「まぁ今はとやかく話すつもりはない。俺達の邪魔をするなら俺はお前を殺…しはしないな。骨折くらい?」
「お、おう…随分妥協したな…じゃなくて!お前こそ俺の邪魔するなら…」
と、睨み合う。そこで、どさっと音がした。
「オルソラ!?」
「どうしてこんな所に…」
と、言ってる場合じゃない。俺はオルソラを保護しようと走るが、その俺の手を上条が掴む。
「させるかよ!」
「ちっ」
俺は浦上に言った。
「浦上、オルソラを保護しろ。こいつは俺がやる」
「了解です!」
そのまま睨み合う俺と上条。しばらく殴り合うが、素人の上条に勝ち目などあるはずもない。俺はボッコボコにした。
「おい、もう諦めろ。なにも俺達はオルソラを殺そうとしてるわけじゃない」
「くっそ……」
と、思ったら外ですごい音がした。ステイルが建宮にボコられているようだ。
「外も決着が着いたみたいだぜ」
「………っ!」
だが、後ろからシスター軍団が援護に入る。建宮達は一気に不利になった。俺はステイルが外にいるため、外に出れない。
「マジかよ…敵ってあんなにいたのか…」
その瞬間、上条が外に出てしまった。建宮の後ろにはオルソラがいる。で、上条とステイルのコンビに建宮は敗れ、オルソラを取られてしまった。
こりゃ、負けだな……。別に見捨てるわけじゃないが、天草式の連中は捕まり、建宮まで体をルーンで封じられた今、俺一人に出来ることなんてない。とりあえず身を隠すことにしようとしたら、
「ステイル、まだ一人比企谷がいるはずだ!」
どうして余計なこと言うんですかねー。俺は捕まり、建宮と仲良く封印されている。
「悪い建宮…力になれなくて…」
「いや、比企谷のせいじゃねぇのよ。あの制服の奴の右手がイマイチ読めなかったのよな」
あーそーいえばなんかあるんだっけあいつの右手。あー暇だー。どーせ俺は上条が助けてくれるかもしらないからいいとして天草式の連中がどうなるか分からない。死刑とかはやめて欲しい。
で、建宮が上条になんか声を掛けていたが、俺は興味がないので寝ることにした。と、そこでデコピンが飛んでくる。目を開けるとインデックスがいた。
「もう!どうしてそっちにはちまんがいるのかな!?ちゃんと説明して欲しいかも!」
「や、成り行きで…」
「それじゃ分からないんだよ!」
「はぁ……いや、なんか俺の記憶がある時に天草式の連中となにか縁があったみたいなんだわ…だから仕方なくだな…」
そこで、爆発音がした。見ると、上条が向こうのシスターに攻撃を受けていた。
「なっ!?」
だが、なんかインデックスが唱えてその攻撃を邪魔する。そのまま、向こうのシスターは後退した。
「分かったか?これがローマ正教の裏のやり方よ」
建宮がそう言うが、俺は話を聞いてなかったのでなんとも言えない。そこにステイルが来てなんか話して俺と建宮は解放された。
建宮は天草式を助けに行くと言った。俺も行くと言ったが、なんか断られた。で、上条、インデックス、ステイルと帰宅の途中。
なにを思ったか、急に上条は立ち止まった。
「悪い、ちょっと晩飯でコンビニ行くわ」
「それなら私も行きたいかも!」
「お前がいるとあれもこれも入れちゃうだろ〜」
「場所は分かっているのかい?」
「なに言ってんだ。コンビニなんてその辺にあるだろ」
「なら結構」
そのまま上条は行ってしまった。
「ステイル、俺も行ってくるわ」
「頼むよ、彼のこと」
「あぁ」
俺は上条を追った。
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「上条!」
「比企谷!?なんでこんな所に…」
「コンビニ行くんだろ?」
俺の台詞にコクッと頷く上条。で、そのまま俺達はオルソラ教会へ向かった。
そして、ドアを開けると、オルソラがボロボロになっている。それを見るなり俺と上条はあのちっこいへんなハンマーを持った奴を睨む。
「先に聞くけど、もう言い訳する気はないんだな?」
上条がだいぶご立腹の様子で聞く。
「はぁ?この状況みてわかんねぇんですか?」
うわあ、口の悪い幼女だなぁ。だが、そんなことに構ってる暇はない。
「上条、お前はオルソラを頼むぞ」
「は?お前は…」
上条の返事を聞かずに俺はあの赤髪の奴に一発ぶち込んだ。その隙に上条はオルソラを救出。
「あなた…どっかて見たと思ったら比企谷じゃねぇですか…!」
「あ?俺を知ってるのかよ」
「最近顔出さないんで死んだかと思ってましたが…まぁ、これから死ぬんですけどね」
周りには武器を持ったシスター。そしてこっちは丸腰の上条と俺しかいない。ハッキリ言ってピンチだ。だが、その瞬間に壁がぶっ壊れる音、振り向くとステイルが突っ立っていた。
「ステイル…!」
「まったく、勝手に始めないで欲しいね。せっかく結界の穴から上手く侵入出来たというのに。せめて十分にルーンを配置するくらいの時間ぐらいは用意させてもらいたかったんだけど」
悪かったな…てかなんでお前がここにいんだよ…。
「チィッ!2人が3人に増えた所で…!」
「3人で済むとか思ってんじゃねぇのよ」
「た、て宮…」
「ま、俺が戦わなきゃいけない理由はわざわざ問うまでもねぇよな」
さらに、後ろからカツンと音を鳴らして白いシスターがあるってきた。
「まったく、すぐにとうまもはちまんもどっか行っちゃうんだから」
「インデックス…」
「ま、こうなっちゃ仕方ないよね。助けよう、オルソラを」
さぁ、これで役者は揃った。と、思ってたら、もう一つあった。どっかで見たことある緑色の閃光が壁をぶち壊し、そこから四人ほど影が見えた。
「比企谷ぁーっ!助けに来たぞぉーっ!」
「む、麦野!」
なんでこんな所にいんだよ。ここ学園都市の外だぞ。
「なんでこんな所にいるんだお前は!てかなんでここにいるって分かるんだよ!発信機とか言うなよ!?」
「てめぇ!うちの滝壺舐めてんじゃねぇぞ!例え世界の裏側にいても追跡出来んだよこちとら!」
「むぎの、それは無理」
冷静に突っ込む滝壺。まぁあいつらが仲間になるだけでこっちの戦力は増量した。心強いどころか心最強。でもこれだけは言っとかないと。
「おい麦野!敵はさっきの奴じゃないぞ!この辺にいるシスターだから!」
「うるせぇ!知るか!」
うんまぁ伝わったよね。そして、相当頭に来てるのか、赤髪の奴が言った。
「殺セ」
さぁ、戦争の始まりだ。