目の腐った能力者   作:ウルトラマンイザーク

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アイテム

 

 

退院した。やっぱり気持ちいいもんだ、我が家は。支部にもまだ退院したとは言ってないし、今日は寝て過ごそう!と、思った瞬間、携帯に連絡が入る。

 

『少しお話がありますので、支部に来てください。黒子』

 

俺は携帯の電源を切り、ソファーに寝っころがる。OK、これでイベント回避…と、思ったら目の前に白井が飛んできた。

 

「zzz…」

 

「3、2…」

 

「ごめんなさい」

 

「では、行きますの」

 

そのまま俺は連行された。支部には固法さん、枝先しかいなかった。

 

「なんか、少なくね?」

 

「初春は有休ですのよ。春上さんと佐天さんと遊びに行きました」

 

「枝先は行かなくてよかったのか?」

 

「私は比企谷さんに会いたかったので!」

 

「お、おう。そうか」

 

なんてストレートな奴だ。パワプロだったら余裕でS。コントロールがFだけど。

 

「で、なんか用か?」

 

「用もなにも、あなた風紀委員じゃない」

 

その通りです固法さん。

 

「や、じゃなくて話があるんじゃないのか?」

 

「その、お姉様の様子がおかしいんですの」

 

「は?風邪引いたんじゃね?」

 

「ぶっ殺しますわよ」

 

怖い子ですね…。

 

「なんか、普段から怖い顔しておりますし…夜は毎日のように出掛けておりますし…」

 

「……ふーん」

 

「それと、最近はどっかの研究所がよく襲撃されてるみたいですの。しかも、電気を通したような焦げ跡がそこら中に残っていたそうですわ」

 

なるほどな。

 

「で、俺にどうしろと?」

 

「何か知りませんか?そのことについて」

 

「悪いけど、俺は力になれそうにないな。知らないし」

 

「そう、ですか…」

 

落胆するように座り込む白井。

 

「ここ最近、ずっとそうなんですの…私はそんなお姉様が心配なんですの、でも聞いても答えてくれませんし…」

 

そこでグズっとしゃくり上げた。……相当心配なんだな。

 

「とりあえず、その狙われてる研究所を教えてくれ。なにかしら共通点があるはずだ」

 

「……! はいですわ!」

 

さて、また面倒なことになりそうだ。

 

 

_______________________

 

 

 

研究所、おそらく次に狙われるのはここのはずだ。もう一箇所あるのだが、うだうだ考えるのは面倒なので俺の独断と偏見でここに来ました。と、思ったら中で爆発音がする。うわあ、大正解。俺は急いで中へ向かった。

中へ入って音のする方へ向かう。

 

「フレンダぁー生きてる〜?」

 

そんな声がきこえた。なんだ?殺し合いか?とりあえず様子を見ることにした。話を聞く限りでは、麦野、フレンダ、滝壺、絹旗という四人の女の子が研究所襲撃者を倒しに来たようだ。しばらくなんかお話ししてると、急に緑色の光球が麦野とかいう人の周りに浮かぶ。え、なにあれ…。

そこからレーザーが放たれた。ヤバイだろ、あれ!俺はその辺にあった鉄パイプを持ってそのレーザーを弾く。弾けたは弾けたが、鉄パイプは溶けた。怖っ…。だが、出てきた以上はビビっていられない。

 

「風紀委員だ。お前ら全員拘束する」

 

俺がそう言うと、全員が全員ギョッとする。

 

「あ、あんた…なんでここに!?」

 

後ろから聞こえる声はやっぱり御坂だ。

 

「言っとくけど御坂。拘束するのはお前も例外じゃないからな」

 

「…なんですって?」

 

「研究所の襲撃に能力使用した喧嘩。拘束するには充分過ぎる動機だ。それに、白井が心配してたぞ」

 

俺が言うと、俯く御坂。俺は麦野の方も向く。

 

「あんたもだ。鉄パイプ吹っ飛ばす威力のもんを人に向けるってことは喧嘩する気満々ってことだろ」

 

「てか、あんた誰よ。殺されたいの?私が誰だか分かってんの?」

 

こっちも反省する気なしか…。

 

「ま、邪魔すんならあんたも消えてもらうわ」

 

飛んでくるビーム。俺はそれをよけた。それに、驚く麦野の周り。

 

「この距離で麦野の原子崩しを…!?どういうわけよ!」

 

あの外人さんがおそらくフレンダだろう。日本語上手いな…。と、思ったら御坂も臨戦態勢に入る。

 

「あんたさ、私の邪魔するってことは、あの子達の命が壊されるのに賛成ってことよね?」

 

「あの子達の命…?」

 

「無能力者のあんたが、私に勝てるとでも思ってるわけ…?」

 

なんの話だ?と、思ってると電撃が飛んでくる。それをまた避ける。まさか、こいつまで俺と喧嘩する気満々とは…。と、思ったら御坂はそこら中に電撃をブチまけて後ろに走り出す。どうやら自分の目的を先行するようだ。

まぁ、そうしてもらわないと逃がした振りができない。とりあえず形だけでも言っとくか。

「おい待て!」

 

その瞬間、後ろからビームが飛んで来る。また回避した。

 

「絹旗とフレンダ、あんたらは滝壺を守りながらこの風紀委員さんを処理しな。私は超電磁砲を追う。いいね?」

 

「超了解です」

 

「任せてってわけよ!」

 

いや、それは困る。御坂に死なれたら風紀委員の連中が悲しむ。それは俺としてもおもしろくない。なら、挑発してやればいい。

 

「逃げんのかババァ」

 

世界が止まった。絹旗やフレンダは世界の終わりを見たかのような顔をしてる。そして、ギギギと音を立ててこっちを向く麦野。

 

「変更だ。全員でそこの奴肉塊にするぞ」

 

「「(超)了解(ってわけよ)」」

 

さて、どうするかな…。と、思ってたら目の前にミサイル。かわしたらビーム。からのパンチ。全部かわすがこの女どもめっちゃ怖い。

やっぱり御坂なんて庇わなきゃよかった。

 

「オラオラ!どうしたよ風紀委員さんよぉ!」

 

クッソ…マジかよ。正直甘く見てたわ…まさかこんなに面倒だったとは…。だからと言って逃げてるだけじゃ勝てねぇし…。とりあえず御坂から離れるように仕向けるか…。

 

「むぎの、おちついて」

 

「あぁ?なんだよ滝壺」

 

「あの人、なんだかんだでミサイルも原子崩しも一発も被弾してない。多分、つよい」

 

「……それは私より強いって言ってんのか?」

 

「そうじゃなくて、長引くと本来の目的も果たせなくなる」

 

「………絹旗、フレンダ。あいつの動きを止めろ」

 

なんだ、なにして来るんだ?二人がこっちに迫ってくる。その二人が蹴りとパンチをしてくるが、両方ともかわす。そのまま後ろに下がって間合いを取るが、その瞬間にビームが来る。うーわ、なにこのコンビネーション。と、思ったらまた二人が殴り掛かってくるし。

 

「っのやろ…こんなことなら来るんじゃなかったぜ…」

 

「今更、後悔しても超遅いですよ」

 

その瞬間、絹旗の突きが俺の腹に入った。ぶっ飛ばされた所をまたビーム。その辺にあった岩の残骸でなんとか軌道を逸らして回避。そのまま奥に逃げ込んだ。てかなんだよあの絹旗の腹パン。超重いんだけど…。

とにかく、このままじゃ逃げ切れない。少し休憩しよう。

 

「休憩できるとでも思ってるんですか?」

 

声に反応して振り返ると絹旗が立っている。すぐに殴り掛かって来た。かわそうとしたが、バランスを崩して転倒してしまう。なんとか当たる直前に拳を掴む。

 

「あ、あなた…窒素装甲のパンチを掴むとか超どうなってんですか?」

 

「あ?オフェンス…なに?」

 

なんて言ってると、後ろから緑の閃光が見えた。

 

「おい!後ろからビーム来るぞ!逃げろ!」

 

「私には問題ありません」

 

「お前にも当たるかもしれねぇんだぞ!?」

 

「だから問題ないと…」

 

こいつ、自爆覚悟か!俺は巴投げの要領で、足で後ろから絹旗を蹴り飛ばす。

 

「なっ!?」

 

バランスを崩すが、前転して態勢を立て直す絹旗。俺の右肩をビームが貫いた。

 

「ぐあぁっ!」

 

クソッタレ…!とりあえず逃げるか。俺はそのまま走って逃げる。

 

「あいつ…私を庇ったんですか…?」

 

「大丈夫!?絹旗!」

 

「ふ、フレンダ。問題ありません。むしろ…」

 

「?」

 

 

_________________________

 

 

 

俺はなんとか奴らが追って来なくなる所まで逃げた。さてどうするか…おそらく御坂はもうこの建物から消えたとは思うが、問題はあの四人だ。しかも滝壺とやらの能力はまだ分かっていない。このままじゃジリ貧だ。

とにかく、敵の位置を知らないと。そう思って、ポケットからチョークとルーンを取り出す。神裂に習った通りに魔法陣みたいなのを作り、追跡魔法を発動。そこにはあの四人がくっきり写っていた。

そして、俺の腹から血が出る。やっぱり魔術を使うとこうなるか…。だが、これしきのことでやめるわけにはいかない。あの四人を観察してると、なんか滝壺がなにかを飲む。その瞬間、SEED覚醒したような目になる。そして、なにかを見付けたようにそこを見つめてなにかをしゃべった。そこに向かってビームを放つ麦野。

おいこれって…。

 

「っぶね!」

 

ギリギリでかわした。おかげで追跡魔法が崩れる。だが、向こうもこっちを追跡してきてるのだ。こんなことしてる場合じゃない。

ドンドン放たれるビーム。それをギリギリかわす。くっそ…見境なしかよ…。そして、なんか橋っぽいとこまで来た。気が付いたら囲まれている。

 

「鬼ごっこはここまでだにゃーん。風紀委員さん」

 

「…た、確かにそうっすね……」

 

いやーこれヤバイわ。マジヤバイわ。

 

「あのー今さら助けてなんて…」

 

「ねぇーよ」

 

「ですよねー知ってました」

 

あーあ…詰んだな……。まぁ、今更ジタバタしても仕方ないか。右肩穴空いてるし、ぶっちゃけ生き残る術がない。

 

「いやでも、こうしよう。私の年齢を当てたら返してやる」

 

「へ?」

 

「ほら、言ってみな」

 

おいおいマジか。実は結構好い人なんじゃねぇの。命の掛かった大事な問題だ。慎重にいかないと…。さっきババァ呼ばわりして怒ったということは俺と歳が変わらないハズだ。なら俺の年齢を軸にすればいい。まず歳上、つまり17歳以上。でも高校生には見えねぇなぁ。でも20歳以上って言ったら殺されそうだし…。

 

「じ、19歳、とか?」

 

「ハズレ。18歳でした」

 

その瞬間、飛んで来るビーム。やっべ…僅差かよ。もう避ける気すらしねぇや…。と、思ったらそのビームがなにかに弾かれた。

 

「ちょっと、そいつに手を出さないでくれる?」

 

声が聞こえたのは上。見ると御坂が天井からぶらさがっていた。

 

 


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