リリカルなのはW.C.C   作:さわZ

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投稿おくれてすいません。
いや、艦これがね。E-3がね。
未だにクリアできねェええええええ!!


第五十五話 邪神様の聖典。

 

 「私、明日。団長に、裕君に告白します」

 

 

 

 裕がイスカンダルしている間、なのは達は女子のみで構成されたイエーガーズと翌日のパーティーの打ち合わせを終えた所だった。

 パーティーの細かい所までイエーガーズ男子で殆ど終えたので備品のチェックと集合時間だけを済ませるだけだった。

 それなのにそれを終えると同時にイエーガーズ№3で女子団員リーダーの森下千冬。ちーちゃんと呼ばれる彼女はなのは達が揃って帰る所に開口一番にそれを伝えた。

 なのは達は何かの冗談かと苦笑しながら彼女と話していたが、彼女の纏う雰囲気は真剣そのものであり、冗談と思えないほど強い目だった。

 

 「団長は今の今まで本当に忙しかったんだと思います。そして、それはあなた達に関係している物だと前々から感じ取っていました」

 

 「ち、ちーちゃん?」

 

 「だからこそ、今、あなた達に伝えておきたいんです。私はユウ君の事が好き。彼の事を何とも思っていないなら。友達以上に想っていないのなら明日は邪魔をしないでください」

 

 黒い髪を肩まで伸ばした文学少女然としたちーちゃんはなのは達を見据えて正面から言いきった。

 

 「ちょ、本気なの・・・」

 

 「はい。だから、私と裕君が付き合うようになったら彼にもうこれ以上ひどい事をしないでください」

 

 「付き合えなかったらひどい事をしていいの?」

 

 「アリシアちゃん、そう言う事じゃなくてね・・・」

 

 アリサはちーちゃんの言葉に気圧され、アリシアは変な事を言うとすずかがそれを嗜めた。こういう所は裕と似ている邪神というのは皆こういう物なのかとフェイトも変な方向に考えていた。

 

 「じゃあ、私も好きっていう」

 

 「ちょ、アリシアまで」

 

 「ただの好き嫌いではなく」

 

 「結婚したいの好きでしょ?」

 

 「あ、アリシア」

 

 先程までおどけていた様子を見せていたアリシアの声室まで真剣なものになっていた。

 

 「そりゃあ、ね。ユウは私達に大きく関わってきた。ユウがいなかったら私達はここに居なかった。だからこそ、ユウを誰かに取られたくない。だからそうなる前に私が取るよ」

 

 「・・・アリシアさん。では、正々堂々勝負です」

 

 「オッケー、望むところだよっ」

 

 アリシアは堅く握手すると先に家に帰るちーちゃんを見送った。

 そんな二人をぼんやり眺めていたなのはをよそにフェイトはアリシアに本気なのかと思いとどまるように言っていた。

 

 「裕君が、誰かにとられる?どこかに行っちゃう・・・?」

 

 「・・・べ、別にアイツが誰と付き合おうと私の知ったことじゃないよ」

 

 「わ、私はいやだな」

 

 幼馴染トリオは慌てふためきながらも家路に帰っていく。

 街並みはすっかりクリスマス一色に染まり、電飾でピカピカと光を灯し、そこを通る人の心も明るくしてくれそうな街並みの中にいるのに彼女達の心は暗い。

 そうだ、いつもこの町の電飾の様に自分達の心光を灯してくれたユウがいなくなる。

 いつでも愉快な空気に変えてくれた邪神が、事も無く地球の危機を、自分達を助けてくれる彼が自分達から離れていく。そう考えていくだけでなのは達の心は裏路地のように薄暗くなった。

 

 「裕君、ちーちゃんが告白したら私達から離れちゃうのかな・・・」

 

 「そ、そんなこと。あり得るわけないじゃないっ。だ、だって、あいつはいくら私がアプローチしてものらりくらりと躱しているのよ、きっと、色恋だって察するわけ…」

 

 「私はアリサがアプローチかけていたのにびっくりだよ」

 

 裕がバニングス邸に加工の依頼をされるたびにちょくちょくと足を運んでいる時にアリサはいろいろと裕の気を引こうとしたが、往来の性格が災いし、いつも素直にならず裕にアイアンクローやボディブロウなどをかましてしまう。悪ふざけが過ぎる裕も悪いのだが・・・。

例としてあげるのならアリサの部屋で裕が待たされているとアリサのベッドの下やら机の下で家探しをしていたり、洋服ダンスに見覚えのないマントを入れたり、何故か緑色のセーラー服を入れたり、模擬刀や鞭などを入れる始末。彼に何の目的があるのかさっぱりだが、何かくだらないを期待しているのだろう。どこから出したのか首輪と犬耳もつけて待機しているんだから・・・。

 

「ユウは体を張って笑いを取りくるタイプだからねぇ。気持ちは分からないでもないかな?」

 

「アリシアはわかるんだ・・・」

 

邪神は邪神を知るという事だろうか。

 

「私だって、綺麗におめかしして裕君を迎えて、感想を聞いても『君が眩しすぎて、何も見えない』とか言いながら携帯で写メを取るばかりだし・・・」

 

すずかはもちろんその写メを削除した。

 裕が所々ではぐらかすのには思い当たる節があるらしい。

 

 「私は裕君の事は好きだよ。いつもふざけてばかりだと思いがちだけどいつも私達の為に一生懸命だもん。それに小さい頃からずっといたんだもん。今更離れられるなんて嫌だよ」

 

 「…でも、森下さんはもうユウにひどい事をしないでって、言っていたけどなのは達、それを我慢できるの?いつも思うけど恥ずかしいのを隠したり、思い通りにいかないからユウにひどい事をしていたのは確かなんでしょ」

 

 「うっ」

 

 「これからはしないようにするよ」

 

 「…努力はするけどアイツ次第よ」

 

 フェイトの言葉に行き詰る幼馴染トリオ。

 

 「じゃあ、私達は明日のパーティーでユウに告白する。抜け駆けは無しでちーちゃんと一緒に告白するでいいかな?」

 

 「うん、それでいいよ」

 

 「私も」

 

 「あいつが誰を選んでも恨みっこなしよ」

 

 今までの事をまとめてアリシアは幼馴染トリオに向かって言う。

 なのは達もそれに問題はないらしい。

 フェイトは自分の姉が裕と付き合うのに不安を覚えているようだが、彼女自身裕に助けてもらった恩がある。それに裕の事は姉程ではないが好きである。それは友人の域を出ないが好意的なものである。

 裕が誰かと付き合う事でこの友人関係が崩れないかと心配していたがそれも無いようだ。

 姉と友達の三人が決意を秘めた瞳で何を思うのか、フェイトは心の中から応援するのであった。

 

 「「「「あ」」」」

 

 「うおっ、お前達。今帰りか」

 

 商店街の本屋から出てきた邪神。裕と遭遇した彼女達は慌てふためく。それは彼も同様で慌てて手にしていた買い物袋を後ろに回す。

 

 「な、なんだ。こんなところで奇遇だな」

 

 あまりにもわかりやすく慌てる態度の裕に幼馴染トリオは怪しげな眼で見ていた。

 

 「ユウ、本屋で何を買ったの」

 

 「そりゃあ、何をっていわれても、ナニを、いや、ナニも」

 

 「・・・裕君」

 

 「健全だから、ちゃんと対象年齢さげたからっ、児童ポルノ法にも引っかかってないから!」

 

 ドサドサ。

 

 裕の必死の自己弁護も空しく、ユウの背中から先程隠したばかりの本が数冊落ちた。

 彼曰く『対象年齢が低く、児童ポルノ法にも引っかかっていない』本。

 

 

 

 褐色レインボー娘写真集(JCアイドル写真集)

 月刊モテ男 DOTEY

 パーティーで許される悪戯集

 

 

 

 フェイトは友人達が先程約束した事が破られる事を心から残念に思うのであった。

 




 聖典の良く末。

 褐色レインボー娘写真集(JCアイドル写真集)
『皆、またな』(本屋に返却)

 パーティーで許される悪戯集
『俺、まだ何もしてねえよ』(本屋に返却)


 月刊モテ男 DOTEY
『助かっ・・・た?』(邪神が死守したのでセーフ)

 目の前で燃やすのは流石に自重した幼馴染トリオでした。

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