提督「ほう。どんな? 」
ビスマルク「私と他の艦娘が繰り広げるレズ官能小説コーナーよ」
提督「採用」
<翌朝・鳳翔さんの寝室>
完全に事後みたいな雰囲気になってしまった昨夜の事。
もちろん私は鳳翔さんに手だしをしてないのだが、朝起きた瞬間に鳳翔さんの美しい寝顔で息子が朝勃ちしてしまった。しかも何故かパンツ一丁という明らかに変態が夜這いした感じになってしまい、正直私は焦っている。
「鳳翔さーん? 起きてますかー? 」
この声は霧島君ッ! 今の状況を彼女に見られてしまったら間違いなくスタンドでフルボッコにされる。かくなる上は隠れるしかない。…………鳳翔さんの拘束が強すぎるけど。
「入りますよー…………えっ」
「…………おはよう」
「いやぁぁぁぁぁぁ!? 司令!? お酒の力を借りて鳳翔さんとヤったんですか!? 」
「一番してほしくない誤解だよ! 誓って私はやってない! とりあえず私の股間を証拠として見てくれ」
「……クッソ小さい上に汚いですね。まさに粗チン」
「つまり私はやってないんだ。心に傷を負ったけど」
そこはお世辞でもビッグマグナムと言ってほしかった。私はパンツを履き直し、未だに寝息を立てている鳳翔さんの隣に座る。寝汗を掻いている彼女は女神の域に達しており、程なくして息子が再び勃起した。
「まあでもこれで手を出してない事は分かったので私朝食を食べに行ってきますね。司令と鳳翔さんの分も持っていきましょうか? 」
「助かるよ。ちょっとだけ鳳翔さん触ってもいい? 」
「駄目です」
「分かった」
霧島君が立ち去った直後、私は即座に鳳翔さんの胸に手を当てる。普段はサラシで隠している様だが、私は既に彼女が巨乳だという事は知っていた。
「テメー思いっきり触ってんじゃねぇかオォン? 」
「いや、ちょっと魔が差して」
「魔が差したレベルじゃないですよね。いいからその手を止めろ」
「あぁっと手が滑って霧島君のおっぱいに! 」
素早く私の手を掴んで背負い投げをする辺り霧島君の防犯対策は完璧だろう。何故朝から私はこんなにボコボコにされなければいけないのか。おそらく理由はない。
「……んぅ? てーとく? おはようございます……ふわぁ~っ」
「おはよう鳳翔さん。なぜ私がパンツ一丁なのかは置いといて、壁にめり込んだから助けてほしい」
「朝から相変わらずですね……ほらもう提督、立ってください」
「既にここは勃っているよ」
気が狂う程爽快な金的。思わず私も本能的に呻き声を上げ、その場で悶絶する。
朝の眠気覚ましには最適だ。
「おはようございます、霧島さん。朝から提督の面倒を見て貰った様で、ごめんなさいね」
「お気になさらないでください。というかめっちゃこの人鳳翔さんの胸揉んでました」
「あっお馬鹿! そんな事言うんじゃありません! 」
「いやバレバレなんですけど! 何で私の胸触ってるんですか!? 」
「これには深い訳がある……。君たちは、もしそこにイケメンの裸体があったらどうする? 」
「蹴りますね」
「喉と目に一撃を」
「容赦ねぇなオイ」
我が鎮守府の治安は今日も安泰だ。いやそうじゃなくて、私はどうにかしてこの状況を打開する言い訳にしたかったのだが……。そんな私に構わず、二人はジリジリと私に迫って来る。聞こえはいいが、彼女たちが殺気を纏っている事を追加しておこう。
「……まあいいです。私だって酔って寝てしまったのですから悪いのは私でもありますから」
「わぁい鳳翔さん優しい! お母さんみたい! 授乳して! 」
「やっぱ殴っていいですか? 」
「ごめんなさい」
以前に増して鳳翔さんの威圧感が増した気がする。とりあえず二人には土下座してなんとか許してもらったという事で、霧島君が私の元へ来た用事を聞くことにした。
「……コホン。司令、貴方の後輩に当たる呉鎮守府の後藤提督から言伝です。司令と二人で会って話したい、と」
「へぇ、タカシくんが……。分かった。とりあえず彼の元へ行きたいから部屋に戻ろうと思う」
「了解です、榛名にそう伝えておきますね。では」
霧島君は一礼して部屋を出る。再び鳳翔さんと二人切りになった私は、迷わず彼女の肩を掴んだ。
「さあ鳳翔さん! 二人で愛を育み合おうじゃないか! 」
「とっとと行け」
「ごめんなさい」
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<旅館・廊下>
「あっ先輩! おはようございます! 」
「やあタカシくん、おはよう。相変わらずクッソ爽やかだね」
「ありがとうございます……? って先輩なんでそんなに顔が腫れ上がってるんですか? 」
「鳳翔さんと霧島君のおっぱいを揉もうとしたら……」
「アンタ朝から何やってんだよ」
まさか後輩にまで辛辣なツッコミを食らう羽目になるとは……。つくづく私の評価も落ちたものである。気を取り直して、さっそくタカシくんからの話を聞くことにした。
「……コホン。先輩を呼び出したのは他でもありません。その……俺、鈍感じゃないですか? だから艦娘のみんなに嫌われてるかもしれないんです……」
「ブチ殺すぞクソ後輩」
「えぇっ!? 」
昨日の摩耶ちゃんの反応を見て確実に分かった事がある。タカシくんはイケメンな割に超鈍感であり、そして彼はその事に気付いていない……。士官学校時代の彼とは大きな違いだ。彼と共に女子へ超絶技巧セクハラアタックを仕掛けたのが昨日のように感じていたというのに……。
「タカシ君は昨日の摩耶ちゃんの反応を見て気付かないの!? 完全に恋する乙女だよ!? 」
「そ、そうでしたかね……。あの後口も利いてくれなかったし……」
「照れ隠しに決まってんだろうがッ! 」
「先輩、なんかキモいです」
「ごめん」
閑話休題。ひとまず彼の悩みを詳しく聞こうと、私はタカシ君を連れて旅館の外へ行くことにした。昨日と変わらず快晴で、寒さが肌を刺激しつつも暖かい日光が私を包む。そんな光景も束の間、私達の視界には多くのカップルで温泉街が賑わっているのが見えた。
「……カップル多いな」
「あ、ほんとだ。でもまあ、先輩なら大丈夫っすよ。ルックスはいいから何しても絵になりますし」
「じゃあここで全裸になっても? 」
「何故そっちの思考に移る」
ベルトに手を掛けた所でタカシ君から止められる。まあ仕方ない、ここは大人しく彼の相談に乗るとしよう。そう思った私は、朝から営業している定食屋へと入った。
「君の鈍感は自覚しないと治りそうにないからなぁ……。それで、皆にどんな感じの対応をされるんだ? 」
「そうですね……俺の艦隊に潮って子と羽黒って子がいるんですけど、俺が話しかけるなり顔を赤くしてから謝ってすぐどっか行ったりとか……。あぁ、あと摩耶とよく口喧嘩しますかね」
「すいません定食屋のおばさん、ちょっと包丁だけ貸してくれませんか」
「いやなんでですか!? おばさんも何食わぬ顔で持ってこないでくださいね!? 」
定食屋のおばちゃんがノリノリで包丁を差し出すものだから思わず私も困惑した。とりあえず注文だけ済ました私は、深いため息を吐く。
「……うん、君の艦娘から話を聞いた方が良さそうだね。誰か気軽に話せる子とかいるのかい? 」
「えーと……伊勢と日向とか……」
「よし。じゃあさっそく私の方から聞き込みを始めてみるよ。アポ取ってもらってもいい? 」
「既に2人にはラインしておきました。多分この定食屋に来ると思いますよ」
伊勢に日向……。その二人の名前を聞くのは久々だ。何せ二人は私が初めて着任した時からの腐れ縁であったはず。よく剣道の試合で二人に叩かれまくったのはいい思い出だ。あのせいで私はMに目覚める事が出来たのだから。
「どーも、タカシ提督……ってあれ? 久しぶりじゃーん! 」
「やあ伊勢。相変わらずクッソエロい乳してるね。揉んでいい? 」
「だーめっ! そういうのは私に勝ってから言うんだね」
「事実クソ強いから何も言えん……。ならば日向! 君の腹筋触らせてくれ」
「いいだろう。ほら」
「何してんだよ! 女の子がそんな晒すモンじゃないって! 」
タカシ君の手によって日向の腹筋は阻まれ、私の視界には何も映らなくなった。気を取り直して二人を席に着かせると、私は伊勢姉妹に事情を説明する事にした。
「今日君たちに来てもらったのは他でもない。タカシ君の鎮守府内の様子を聞かせてほしい」
「提督の? うーん、そうだなぁ……。まあ一つ言えるのは超女たらしって事かな? 」
「ちょっ、伊勢までそんな事言うのか!? 」
「だってアンタ摩耶ちゃんとか夕張ちゃんのアタックに全然気付かないじゃないの。那智も呆れてたよ」
おのれ許さんタカシ君……。私を差し置いてそんな楽しい事をしていたとは……。私は思わず懐から取り出したハンカチを噛み、そのまま歯ぐきから出血する。日向にドン引きされているのはさておき、伊勢が私の方へと視線を傾けた。
「ってか、私たちが呼び出されたのってタカシ提督の日常を教えに来ただけじゃない筈なんだけど……。提督、もう話したの? 」
「あ、ちょっ、伊勢! それまだ言うなって! 」
なんだなんだ、まだ私に隠し事があるのだろうか? この際何が来ても驚きはしないが、深呼吸を繰り返すタカシ君をじっと私は見据え、彼の"本題"とやらに耳を傾ける。
「先輩……いや、小早川中佐。俺と、演習をして下さい」
前言撤回。私は冷静に彼の言葉を飲んだが内心漏らした。
お久しぶりです。
二回目の戦闘シーンへ突入したいところです。
あと少しだけ独自解釈や固有武装を載せる事が多くなる為、ご了承願います。