鎮守府に変態が着任しました。   作:「旗戦士」

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提督「飛龍に"めっ!"ってされたい」
飛龍「滅ッッッッッ」



第二重七話

<提督の部屋>

 

「提督。何故わたしがスパナブチかましたか分かります? 」

「明石君の下着がババくさいってみんなに言いふらしたから? 」

「違いますよ。つーかそんな事してたんかオメェ」

「嘘! 嘘だから! 本当は熊さんパンツだって言った! 」

「尚更悪いわ! 」

 

まさか明石君に速攻で見つかるとは私も紳士として名が落ちたものである。

現在私は鬼と化した彼女に正座させられており、今もなお明石君は手に持った鋼鉄のスパナで殴りかかろうとしていた。

 

「止せ明石君! そのスパナで私を叩いたら穴と言う穴から変な汁が出てくるぞ! 」

「エイリアンか何かなんですか提督は!? 」

「ちなみに変な汁というのはもちろん精液だ」

「言わんでいいわ」

 

ちなみに山城君も明石君のスパナの餌食となり私の隣で伸びている。

非常にいやらしい身体を晒しているので後でじっくり楽しもうと思う。

 

「何か騒がしいと思ったら明石じゃない。何してるの? SMプレイ? 」

「そうだよ足柄君。君も混ざる? 私を叩く側で」

「あ、普通にキモいから無理」

「辛辣」

 

私の今の格好は縞パンを頭から被りボクサーパンツ一丁で正座させられていた。

足柄君がガチで嫌がるのも無理はない。

しかも尚更見下してくるので結果オーライである。

 

「まあどうせ提督が変な事考えてただけなんでしょうけど。明石も提督に構ってばかりだとお風呂の時間逃すわよ? 」

「か、構ってなんかませんっ! 」

「そうだぞ足柄君! むしろ彼女は私をフルボッコにしてただけだ! おかげで私の股間もフル勃起」

「韻を踏むな韻を」

「踏むのは顔だけにしてくれ」

 

直後豪快なハイキックが飛んできた。

それ踏んでるんじゃなくて蹴ってるよねという言葉を無視させられるほど彼女の蹴りは強烈。

思わず変な声が出た。

 

「あ、夕飯は6時半からだそうですよ。提督も遅れないでくださいね」

「了解、どうにかしてこの傷を癒してから行くよ。ところで足柄君はどうしたんだい? 」

「一緒に煙草でも吸おうと思ってね。どう? 」

「これで行っていい? 」

「駄目に決まってんだろ」

 

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<喫煙所>

 

灰皿が設けられた喫煙スペースに辿り着く事僅か数分。

足柄君は待ち望んでいたかのようにブラウスの胸ポケットから煙草とライターを取り出す。

「フゥーッ……ようやく吸えたわ。リムジンの中吸えなくてちょっと辛かったのよねー」

「ヘビースモーカーの足柄くんにそれは辛いね。メンソール吸う? 」

「いや、こっちでいいわ。ありがとね」

煙草が似合う女性というのも中々セクシーな感じがする。

このまま酔わせてベッドインしたい所であるが、普通に気絶させられそうなので遠慮しておく。

 

「ねぇ提督。この戦いって、いつになったら終わるのかしらね」

「……今は答えられないよ。それが情けないけど、今私たちにはヲ級君がいる。もし彼女がこの戦いを終わらせられる鍵なら、それは大きな進歩だ」

「あの子が重要な役割を担ってたなんて信じられないけど……。今はそれに縋るしかない、っていうことかしら」

「あははっ、本当に辛辣だなぁ。まあでも、間違ってはないさ」

 

私は視線を上げつつ、咥えた煙草を吹かした。

 

「今まで戦い続けた意味がようやく見つかるかもしれない。それは素晴らしい事だろう? 足柄」

「……それもそうね。んじゃあ、そろそろ男の一人でも引っかけなきゃ私もヤバいかな」

「はいはい! ここに超イケメンで金も揃ってて将来職も安定してる男が一人います! 」

 

足柄君は微笑みつつ私との距離を縮め、耳元まで顔を近づける。

大人な女性特有の香りが私の鼻を刺激し、思わず息子が勃起した。

 

「本気にしちゃうけど……いいの? 」

「…………」

「あれ。提督? おーい……って気絶してる……」

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<旅館・喫煙所>

 

 

 随分と長い間気絶していたようで、外の喫煙所は既に夜の帳に包まれている。

周囲を見渡すと私一人だけのようであり、物哀しさに私は涙した。

 

「煙草の灰が頭に散乱して大変な事になってる……。精神的苦痛を与えてくるとはなかなかやるじゃないか足柄君。つーかまた童貞卒業チャンス逃しちゃったよ! 神様はどれだけ私に禁欲を命じるんだっ!! 」

「多分一生」

「答えんでいいわ」

 

いきなり変なオッサンの声が聞こえてくる辺り本当に私は神様から憎まれてるのかもしれない。

今度お詫びにエロ本渡してみよう。

 

「はぁ、こうなればヤケだ。もう一本吸うかな」

「じゃあ僕も一緒に」

「憲兵さん!? 私まだ何もしてませんけどっ! 」

「既に何回か公然猥褻罪してるからね。いい加減自覚しようね」

 

私より遥か上を行くイケメン憲兵さんは懐から煙草を取り出して火を点ける。

何をしてもイケメンが様になるのは悔しい。

 

「しかし憲兵さん、なぜここに? 」

「大広間が女性だらけじゃ僕も流石に空気を読むよ。というか提督さんの方こそどうなんだ? 」

「足柄君に誘惑されたら気絶して変なオッサンに声かけられてた」

「は? 」

 

しかし憲兵さん、そんなにキレ気味で応えなくてもいいんじゃないかな。

事実変なオッサンの声聞こえたし。

 

「……まあいいや、それよりも提督さんに聞きたい事があったんだ」

「ん? なんだい? 」

「今度の"ケッコンカッコカリ"、どうするんだい? 」

「全員」

 

ごめん憲兵さん、私の胸倉を掴んだ手を離してほしい。

 

「じ、冗談冗談! この紳士である私がそんな事する訳ないでしょ! 」

「あんたが言うと一番怪しいんだよ! 」

「うるさい! 現に君だって艦娘とヤりたいって言ってたじゃないか! 」

「それは否定しない」

「だよね」

 

固く握手を交わす辺り、憲兵さんもどこか紳士の道へ通ずるものがあるらしい。

気を取り直して、私は再び煙草の煙を吐く。

 

「でも、正直なところ私も迷ってるとこなんだ。誰が一番エロいかを見極めてる」

「そろそろ性欲から離れなよ。あくまでも性能を強化するのと士気向上の目的で製作されたんだから」

「私とおそろいの指輪付けて喜ぶ艦娘いると思う? 」

「…………」

「なんか言ってよ!? 」

 

無言という事は肯定と見た。

こんなに嬉しくない肯定は久々である。

 

「うわーん! もう嫌だー! 雷ママと曙ママに慰めてもらうー! 」

「提督さん、そっち行くと刀持って酔ったあきつ丸が徘徊してるよー」

「良い刀の錆を(以下略」

「もっと早く言って!? 狙ってるでしょソレ!? 」

 

この後あきつ丸君との逃走劇が1時間以上続き、尚且つ無理やり殺陣(ガチ)をやらされた。




今回ちょっと少ないです。

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