演習戦闘シーンです。
艦娘たちの戦いにロマンは必要ってそれ一番言われてるから。
演習海域>
「舞鶴鎮守府の第一艦隊旗艦、長門型の長門だ。今日はよろしく頼む」
「横須賀辺境鎮守府の第一艦隊旗艦、鳳翔です。こちらこそ、よろしくお願い致します」
鳳翔は彼女より一回り大きい長門の手を握り、笑顔を彼女に向ける。
長門の横に並ぶように瑞鶴、翔鶴、北上、大井、神通が互いに辺境鎮守府の艦娘たちと握手を交わしていた。
「……今日は、よろしくお願いします。五航戦」
「だーかーらっ! 五航戦って呼ぶんじゃないわよ! いくら先輩だからって、名前で呼んでくれないとあたし怒るわよ! 」
「ず、瑞鶴! 落ち着いて……! 」
眉一つ動かさない加賀と睨み合う瑞鶴を横目に、大井と北上は姉妹艦である木曾の方に視線を向ける。
木曾は二人の視線に気付くと少しだけ笑みを見せ、再び腕を組んで神通を見据えた。
「こら、いきなり戦場に立って喧嘩などしてどうする。少し落ち着いてくれ、瑞鶴」
「でも……! 」
「上官の命令には従うべきだ。その怒りは存分に演習で発揮しろ」
長門の一喝により渋々瑞鶴は持ち場に戻り、渋々加賀と握手を交わす。
「随分と嫌われてる様ね、加賀? 」
「……まあ、それは仕方のない事。それよりも、思ってたより手ごわそう」
普段はあまり見せない不安そうな加賀を激励するように、足柄が彼女の肩を叩いた。
「いいじゃない。手強かったらそれでこそ倒す価値があるものよ。それに貴女、後輩に負けられないでしょ? 」
「わかりました。そう言う事なら私も本気を出します。そう激励されてしまっては、流石に気分が高揚します」
そう言うと加賀は一足先に自分も位置へと着き、鳳翔の隣に立つ形となる。
6人は各々の艤装を展開し装備すると、舞鶴からの艦娘6人と対面するように並んだ。
『みんな、聞こえるかい? 』
「えぇ、大丈夫です。他のみんなは? 」
「問題ないぜ、提督。いつでも指示してくれ」
『いい返事だ。今回私がこの演習のバックアップを行う。あくまでも今回は演習で艤装や君たち自身にキズが付くことは無いが、君たちの耐久値は専用の砲弾や魚雷、艦載機・特殊装備に命中する事で減少する。くれぐれも気を付けてくれ』
「了解。まあ、当たらなきゃいい話だろ? 」
『そう言う事だ。本当は君たちの服が破れるとこ見たかったけどね』
私の言葉に全員がため息を吐く。
下ネタで場を和ませようとしたんだけど……どうやら効果はイマイチらしい。
ちなみに私はこの6人がいる海域とは別で、鎮守府の管制室で第一艦隊のみんなと無線を共有している。
それは相手方の舞鶴提督の艦娘たちにも同じ事が言えるようで、たった今彼女たちも通信を終えたところだ。
「では、この信号が青になった瞬間演習開始とします。どちらかの艦隊全員の耐久値が1以下になった瞬間、その艦隊の敗北となります」
海軍の兵士の通信を合図に、この場にいた全員の神経が張り詰められる。
深く私は息を吐き、目を見開いて6人を映すモニターに視線を固定した。
「…………始めっ!! 」
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<辺境鎮守府・近海>
戦闘開始の合図が為されると同時に、霧島の装備していた電探が警報を鳴らす。
相手方の北上と大井による、先行雷撃の合図。
同時に霧島と木曾、天龍はニヤリと笑みを浮かべる。
「姉御! およそ3秒後に着弾! 」
「了解」
天龍の言葉に頷くと共に霧島は全身に力を込め、迫り来る雷撃をその全身で受け止めた。
直後魚雷が炸裂し、彼女の周りには全身を包み込む水飛沫が上がる。
『霧島、耐久値は? 』
「損害は小破に抑えられました。まだ行けます」
『それでこそ金剛型だ』
霧島の身体に今にも水飛沫が降り掛かろうとした瞬間、二つの影が彼女の上を易々と飛び越え、互いの得物を抜刀した。
『木曾、天龍、分かってるね。"蛮勇の抵抗"だ』
「任せておけ。出るぞ! 」
「天龍様と木曾様の抜錨だァッ!! 」
二人の抜刀により水飛沫は両断され、霧島は笑みを浮かべる。
天龍と木曾が遊撃しに行くのを待っていたかのように、鳳翔と加賀は矢を番えて射出した。
「航空機、発艦! 」
矢が放たれると同時に艦載機へと変貌を遂げ、鳳翔と加賀の"零式艦戦62型"と"彗星一二型甲"が瑞鶴と翔鶴の艦載機"流星改"と"烈風"と空中戦を繰り広げる。
「足柄、まだ残ってる艦載機が来るわ」
「分かってるわよ。ちょっと霧島、手貸してくれる? 」
「いいけど……私の肩に乗ってどうするつもり? 」
「決まってるじゃない。飛ぶのよ」
『霧島、そのまま足柄を投げてくれ。"滑空する狼"を実行する』
はぁ、とため息を吐きながら霧島は足柄を自分の肩に乗せ、空中へ足柄を押し出す。
直後彼女は空高く舞い上がり、迫り来る艦載機の一機を足掛かりにして更に高く飛び上がった。
「流石は飢えた狼……ってとこね。艤装を着けながら飛ぶとか意味分かんないけど」
直後、霧島の電探が再び彼女に警告を告げる。
敵艦娘の反応を示すと同時に魚雷の爆撃音が鳴り響き、彼女の視界を水飛沫が覆う。
「貰った」
瞬間、弾丸のように水飛沫の中を突っ切って現れた北上が現れ、霧島に15.2㎝連装砲改の砲口を向けていた。
焦らず霧島はその砲口を自らの拳で無理やり逸らし、反撃として蹴りを北上の腹部に叩き込む。
防いだ様子の彼女は後方に飛び退いて衝撃を殺し、霧島の少し離れた正面に立つ。
「いやぁ、やっぱりそう上手くいかないかぁ~。さすが霧島っち」
「お褒めに預かり光栄よ、北上。でもね、こんなところで私は足止めを食らってる暇はないのよ」
「おおっ、珍しくやる気だねぇ」
「えぇ。――司令、許可を」
『了解。霧島の改二実装を許可する』
その瞬間、霧島の艤装から光が映し出され、彼女を包み込んだ。
北上はその眩しさに耐え切れず、思わず目を逸らすが直後衝撃が彼女の身体を突き飛ばす。
「いててっ……もう、何なのさ一体」
「――霧島・改二。抜錨」
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<天龍・木曾視点>
「おいおい木曾、姉御が早速改二システム使い始めたぞ。ありゃかなりキレてるな」
「余所見してると反撃を食らいますよ? 」
言葉を発すると同時に天龍はしゃがみ込み、風を切る神通の蹴りを肉薄する。
反撃として右手に握っていた"爆装刀"を右斜めに振り下ろすと、神通の耐久値を削った。
「くっ……! 」
「おいおい! 華の二水戦の名が泣いちまうぞぉ! 」
「貴方の方こそ、世界水準の名が泣いちゃうんじゃないの? 」
天龍の身体に殺気が走る。
大井が彼女の背後で主砲の砲口を向けていると気付く頃には、既に彼女の砲撃を天龍は背中に浴びた。
「いってー……。やるじゃん大井! 普段は北上の事にしか頭にないお前がなぁ! 」
「北上さんと勝つ事以外は結構どうでも良く思えてくるの。ほら、お喋りしてるとどんどん耐久値が削れていくわよ? 」
「けっ……挟み撃ちかよっ! 」
背後からの神通の砲撃により、天龍の耐久値は小破にまで追い込まれる。
舌打ちをしつつ彼女の背中に搭載された艤装の20.3cm(2号)連装砲の砲口が火を噴き、大井の周辺の海面から水柱を生み出した。
「木曾ォッ!! 」
「隙有りだ、大井姉」
木曾の発射管から4つの61cm酸素魚雷が射出され、隙を晒した大井を嘲笑うかのように彼女を追跡する。
「なっ……! 囮……ッ!? 」
警告に気付いたが直後、魚雷の爆発が彼女を覆った。
水飛沫が晴れて大井の耐久値が大幅に減少している事を予測したのか、天龍と木曾の顔には自然と笑みが零れる。
しかし、二人の予想は大きく外れる事となった。
「――次発、装填済みです。当たって」
神通の声が響いたかと思うと、天龍と木曾の身体が模擬魚雷の爆風に包み込まれる。
そのせいか木曾の耐久値は小破、天龍の耐久値は中破まで追い込まれる事となった。
『天龍! 木曾! "覚悟する脱兎"! 』
「……了解! 」
提督が作戦名を口にした直後、水飛沫の中から軍刀を抜刀する体制をとった木曾が躍り出る。
彼女の標的は魚雷を撃ち尽くした神通であり、それを察知した大井はすかさず神通の援護を請け負う。
だが、大井を襲ったのは天龍の爆装刀。
火薬の爆発を伴いつつ威力を増した彼女の斬撃は、大井の耐久値を易々と削り取る。
「大井さんっ! 」
「構わないで! あなたは木曾を! 」
「頂くッ! 」
発射管で木曾の軍刀を受け止めていた神通を襲うのは、どこからともなく現れた艦載機の爆撃。
直撃したと気付く頃には、神通の耐久値は残り半分を切っていた。
「どこから……!? 」
「第二波航空部隊、発艦」
その優しそうな声からは想像も出来ないほどの容赦ない爆撃が神通を覆う。
瑞鶴と翔鶴との戦闘を離脱した鳳翔の艦載機が彼女を攻撃している事に気付く頃には、神通の耐久値は大破の所まで追い込まれる。
『…………神通。改二システムを使用しろ』
「ッ!? 提督! 神通の耐久値は大破にまで追い込まれています! 今改二システムを使用したら彼女の身体が持ちません! 」
『大井、貴様はいつから上官にそんな口が叩けるようになった? 』
「くっ……! も、申し訳ありません……! 」
舞鶴の遊佐提督の冷酷な声が、大井と神通の無線に響いた。
木曾の斬撃を捌きながら心配そうに神通を見つめる大井の視線に神通は微笑むと、彼女は懐から鉢巻を取り出す。
「有難う御座います……大井さん……。改二、実装」
「大破の耐久値で改二システム!? おい馬鹿!! 身体が持たなくなるぞ!! 」
木曾の警告も虚しく、艤装から発せられた光が神通を包み込む。
普段は冷静な彼女が声を荒げて警告するのにはある理由はあった。
艦娘の性能強化を狙ったこの"改二システム"は一定の練度に達していないと導入する事が出来ない。
もし練度の足りていない艦娘が改二状態へ移行すると、艤装の急激な変化に身体が耐えられないからであった。
先程の霧島のように練度の足りていない本人の意思でも改二を発動する事も可能だが、その場合は艤装との共鳴と急激な変化に耐えうる耐久値が必要になる。
「神通、改二――抜錨します」
一昔前の侍を彷彿とさせる衣装と鉢巻を纏い、彼女は腰に装備されていた発射管から61cm四連装酸素魚雷を動きが止まっている天龍に放った。
雷撃を受けたと気付く頃、既に神通は鬼気迫る勢いで天龍との距離を詰める。
「ちィッ!! 」
「天龍っ!! 」
4門の雷撃を受け、天龍の耐久値は大破目前にまで追い込まれた。
彼女に追い撃ちを掛けるように神通の足刀蹴りが唸りを上げて天龍の艤装に叩き込まれる。
大破――戦闘続行不可能。
天龍の脱落が決定づけられると同時に、神通の改二状態が解除された。
「提、督……天龍の……戦闘不能を確に――――」
直後、神通の身体は海に投げ出される。
改二状態で動き回ったせいもあるが、何より艤装の変化に耐えられなかった身体を酷使したのが原因であった。
「提督!!! 俺は神通の救助へ向かうぞ!! 反論は受け付ねぇ!! 」
『私の命令などいいっ! 早くするんだ!! 』
天龍は自身の艤装をいち早く解除すると、海中に沈み続ける神通を救出する為海へと飛び込む。
常備している眼帯を外し、視界を広げると彼女の視界に昏倒する神通の姿が目に入った。
神通の身体を利き腕で掴むと天龍は無我夢中で彼女を海面へと押し上げる。
直後天龍は着ていたセーターを脱ぎ、自分の身体と神通の身体をそのセーターで縛りつけて岸まで泳ぎ始めた。
「明石っ!! 急いで応急処置してくれ! 」
「は、はいっ!! 」
鬼気迫る天龍に気圧されつつも明石は急いで神通の呼吸を確認し、人工呼吸を開始する。
ずぶ濡れになった彼女は先ほどまで自分がいた海域を恨めしそうに睨む。
「……提督。あの糞野郎をぶっ潰してくれよ」
天龍の悲痛な声が、演習海域に響いた。
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<特設観戦場>
先程の神通に起こった事件を見るなり、元帥は腰に差した刀の握る力が強まっていく事に気がつく。
なぜ年端もいかない艦娘に、あのような非道な事が出来るのか。
今まで戦場を共に駆け抜けてきた艦娘たちは戦友同然であったのだが、遊佐にとってはただの深海棲艦に対抗する駒にしか過ぎないのだろう。
「テートクゥ!! 遅れてしまってゴメンナサイデース!! 」
「……おおぅ? 金剛か。もう演習は始まっておるぞ」
「すみません、提督。ここまで来るバスが随分と遅れてしまったもので……」
「なら仕方ない。ま、隣に座ったらどうじゃ」
慌ててこの場所を訪れてきた金剛を筆頭に、大和、赤城、妙高、球磨が元帥の隣にやって来る。
静かに震えだした怒りを抑えて彼は5人を迎え、普段通りのにこやかな笑顔を彼女らに向けた。
「にしても、ここまでお前達が時間をかけて来るとはのう。どういう風の吹き回しじゃ? 」
「私のマイシスターの晴れ舞台デス、観戦しない訳がありまセーン! 」
「私も金剛さんに同じく、です。足柄が頑張っているようで、安心しました」
妙高の隣に立っていた球磨が大井に斬りかかる木曾を見るなり、歓声を上げる。
「おおっ、木曾も大井とほぼ互角クマね! お姉ちゃん鼻が高いクマ! 」
「木曾さんの雷装の基準値は大井さんより低かったはずですけど……。でも戦略でその差をカバーしているという感じですね。いい司令官に恵まれてるみたいで安心しました」
「当たり前じゃ、なんせ儂の弟子じゃからのう」
「でも、神通さんと天龍さんの姿が見当たりませんけど……何かあったのでしょうか? 」
大和の言葉に、元帥の顔が歪む。
「舞鶴の提督が神通に改二を無理強いした様でのう。彼女は一緒に戦闘不能になった天龍に医務室へ担ぎ込まれたよ」
「……この場に川内さんがいなくて良かったです。彼女、それを聞いたら舞鶴の提督を殺しに行ったでしょうね」
「咎を負うべきはあの舞鶴の提督じゃ。だが戦況はあやつの方が有利……。さて、どうするかのう? 我が弟子よ」
まるで辺境鎮守府の提督の勝利を確信しているかのように、元帥はニヤリと笑った。
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<管制室>
「……不知火。遊佐少将殿に通信を繋いでくれ」
「どうするおつもりですか? 司令? 」
「なに、少しばかり話をね」
そう言うと不知火は無線の周波数を舞鶴の提督の使用する通信機のものと同じように調整し、私は受話器に彼の名前を呼ぶ。
管制室に設置された幾多ものモニターが今の演習の様子を映しており、今しがた足柄と長門が交戦している最中であった。
『……自分の艦娘が演習中だというのに、呑気にお喋りでもするつもりか? 中佐』
「いえ、お喋りという程でもありませんよ。ただ、どうしてあの場で改二を使わせた理由をお聞きしたいもので」
私の言葉に遊佐少将は疑問の言葉を口にする。
『そんなものを聞いてどうする。貴様の役に立つのか? 』
「はい。今後そのような状況に陥りたくありませんから」
『……貴様、上官に楯突くつもりか』
「とんでもない。単なる愚かな質問です」
渋々遊佐少将は口を開いた。
『フン、勝つ為にただ使わせただけだ。だが、あれでは華の二水戦の名が泣くな』
「…………そうですか。有難うございます」
『もう終わりか? 臆病者』
「臆病者……ですか。なぜそう仰いますか? 」
彼を苛立たせるように私はしつこく質問の嵐を飛ばす。
内心、私はあのような行為が許せなかった。
『……はぁ。その態度、今すぐ銃殺刑にしてやりたい所だ。だが臆病者の勇気に免じて教えてやろう。貴様のその"艦娘を守ろうとする"姿勢が気に入らん。所詮連中は深海棲艦に対抗し得る道具に過ぎない。それを守ろうとするなど、臆病者が道具が壊れる事を恐れているようにしか見えん』
私のマイクを握る力がどんどん強まっていく。
少将の言葉を聞きながら、私はモニターに眼を向けると足柄の耐久値が中破にまで減らされながらも長門の耐久値を小破まで追い込む姿が目に入った。
周りにいた不知火君や吹雪も耳にしたのか、悔しそうな表情を浮かべていた。
「……お言葉ですが、遊佐少将。私は彼女らを"道具"ではなく"同じ人間"として見ています。臆病者以前に、それは人として当たり前の事なのでは? 」
『人としてズレているのは百も承知だ。だが、それでなければ勝てない。より多くの人間が死ぬことになる』
「だから彼女らを"道具"として扱う、と。いいでしょう。その貴方のスタンスを、私が打ち砕きます」
『……なに? 』
私は普段被っているパンツの代わりに軍帽を被り直す。
「少将殿。臆病者が"策略"を持つとどうなるかご存知ですか? 」
返答はない。
「策略を持つと――――臆病者は"軍師"へと変わる」
その言葉と同時に、私は霧島へ無線を送った。
「霧島、足柄。"士魂の護り"、発令だ」
『……了解! 』
私の指示を待っていたかのように足柄と霧島は威勢のいい応答を見せ、モニターの中の足柄は格闘戦を繰り広げていた長門に背を向けて後退し始める。
『敵に背を見せて逃げるなど、言語道断! 』
『そうですね。貴女も敵に隙を晒すなど、言語道断です』
直後、長門に向けられた砲撃が彼女の艤装に突き刺さった。
霧島の砲撃だと気付く頃には、既に霧島は長門との距離を詰めている。
『マイクチェックの……時間だオラァッ!! 』
霧島がただの組長になってしまった。
反省します。