提督「むっちゃんと火遊びしたい」
陸奥「(無言でライターとスプレー缶を取り出す)」
<執務室>
「提督、こちらが大本営からの書類です」
「うん、ありがとう」
ある晴れた平和な日の事。
今日の秘書艦は鳳翔さんで、彼女は課せられた仕事をてきぱきを手早くこなしていき、私の机に書類の入ったバインダーを置く。
深海棲艦の侵攻も他の鎮守府の提督たちによって抑えられているのか、この横須賀鎮守府の艦娘にもある程度の休暇を与える事は出来てきた。
「提督、そろそろ休憩にしませんか? 私、お茶淹れてきますね」
そう言うと彼女はパタパタと執務室に備え付けられた台所へ向かう。
まるで新婚夫婦みたいな雰囲気に思わず息子が勃起した。
鳳翔さんを視線で見守りつつ、私はある事を強制的に思い出される。
(うんこ漏れそう)
昼に食った足柄特製狼かつ丼が効いているようだ。
おのれ飢えた狼、私のお腹を物理的に持っていくとは何事であろうか。
さすがに鎮守府内で脱糞したら尊厳もクソもあったもんじゃない。糞だけに。
「提督? どうなさったんですか? 」
「あ、あぁ……なんでも、ないよ……」
彼女に"トイレへ行く"と告げるだけで私のお腹にケアルが施されるのに、それを為す事は出来なかった。
首を傾げつつお茶の入った湯呑みを持ってきてくれる鳳翔さん天使そのものだが、お茶って結構カフェインあるのでよりお腹にダメージが来る。
「はい、どうぞ」
「うん、ありがとうね鳳翔さん」
そう言って一口飲むと、日本茶の心地良い香りと渋みが私を襲う。
同時に腹の痛みもダイナミックエントリーしてくる。
空気読めよ腹痛。
「あの、提督? 」
「ん? どうかしたのかい? 」
「どうかしたって……すごい脂汗が顔から噴き出してるんですけど……」
鳳翔さんの口から噴き出してるとかいう言葉が聞けてさらに息子はビルドアップ。
俺も下の口から何かが噴き出しそうなのは百も承知である。
「どこか、痛いところでも? 」
直後、彼女は俺の身体を所々さすってきた。
このそそり立つ我が魔剣"約束された短小早漏の剣(テイトクカリバー)"が彼女の優しく触れる手にまた反応する。
だが鳳翔さんの手は今の私には弱点とも言えるべきお腹に到達し、思わず私は呻き声を上げた。
「て、提督? ここが痛いんですか? 」
「い、いや、大丈夫だよ」
「でも、今呻き声が……」
「だ、大丈夫だから! あっ、ちょっと私用事思い出した! 行ってきます! 」
逃げるようにして執務室から飛び出し、約100m先にある男性用トイレへと十傑集よろしく猛ダッシュする。
向かい側には艤装を外した扶桑姉妹が見え、私が走り去った後によって発生した風でスカートがめくれた。
「姉様……もう私たちの事を提督は認識してくれないのでしょうか……」
「大丈夫よ山城……私達が来たとき"幸薄系おっぱい"って提督は喜んでくれたわ……」
「姉さまが性の捌け口に使われるなんて……不幸だわ」
もちろん二人のスカートの中はばっちり撮影しておいた。
扶桑も山城もピンクと水色だなんて、なかなか可愛い色を穿いているようだ。
だが悦に入るのも束の間、私の隣に黒いリボンを携えた露出狂艦娘"島風"が現れる。
「提督、ついに私とかけっこしてくれるんだね! 負けないよ! 」
「し、島風! 違う! 私はただトイレに……」
「提督おっそーい! 」
ラディカルグッドスピードよろしく島風はどんどん加速し、彼女の姿はついに見えなくなった。
そんな島風を放置しつつ私はついに男性用トイレの看板を視界に捉える。
「ぬおおおおおおおお!!!間に合ぇぇぇぇぇぇ!! 」
「清掃中です」
直後、男性用トイレの周辺で轟音が鳴り響いた。
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<執務室>
「て、提督……大丈夫ですよ、ね? 」
「そ、そうだヲ! 人間生理現象には抗えないヲ! 」
「俺もガキの頃漏らしたりしたしなぁ」
爆音と共に腹に抱えていた爆弾が暴発し、シャワーを浴びて着替えて今に至る。
床に落ちなかったのが不幸中の幸いだが、それでも私の尊厳を抉るには十分だった。
不知火やヲ級ちゃん、天龍ちゃん、それに扶桑姉妹に鳳翔さんが執務室までわざわざ心配して来てくれたのには有難いが、正直言って慰めの言葉でさえ辛い。
「はぁ……空はあんなに青いのに……」
「提督……嫌な事も人生にはありますから……私、気にしませんよ? 」
妙に説得力のある扶桑姉さまの言葉に、私は涙を浮かべる。
「曙君にクソ提督と言われると精神的に病みそう、糞だけに」
「ちょっと自虐入ってねぇかアレ」
「大丈夫よアホ提督! 今日からしばらくアンタの事はアホ提督って呼んだげるから! 」
クソ提督とほぼ同じ罵詈雑言なのは変わりないが、私にから見たら曙君が天使に見える。
既に憐む視線になっているというのは言わないでほしい。
「すいませんでした提督……。私が異変に気付かずに提督のお腹を……」
「いいんだよ鳳翔さん。貴女は悪くない、それに身体を触られて少し勃起しました」
「じゃあ今から貴方の事糞男って呼びますね。脱糞だけに」
私の心が折れる音が聞こえた。
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<工廠>
「もうやだ妖精さん……私の尊厳と威厳が糞と共に流れ落ちたよ……。トホホ……」
艤装建造の機械にその小さな腰を降ろす妖精さんは私を見て鼻をつまむ。
高校時代にリアルにやられた行為を思い出し、私の身体をゾクゾクと快感が襲う。
「畜生、クソッタレ! こうなりゃヤケだ! 大型建造で可愛い戦艦の子着任させてやりゅううううう!! 」
生憎資材はイムヤたちがかき集めてくれたから腐るほどある。
勿論彼女たちには週3以上の休暇をあげてる為ブラック鎮守府のようなストライキは起きない。
何故か提督を変えろって一度言われたことあるけど。
「さあ来い! 一体どんな艤装だ!? この際だからなんでも受け止めてやるよぉぉぉぉ! 」
直後、私の身体を余裕で越える大きな艤装が開発ハッチに現れた。
最早ヤケクソである、糞だけに。
「この艤装……もしや大和型!? やったぞ! ヤケクソで建造回したら大和型着任待ったなしだ! わーいわーい! 」
年甲斐も無くはしゃぐ私に周囲の妖精さんはドン引きである。
「……ずいぶんと手厚い歓迎じゃないか。待たせたな、私は大和型二番艦の武蔵だ。よろしくな、提督殿」
はしゃぐ私の肩を叩くその女性の姿は、ほぼ半裸。
短く赤い模様の入ったスカート、黒ニーソに褐色肌、アッシュブロンドのツインテとサラシを巻いただけの溢れんばかりの巨乳を携えて彼女は私の目の前で敬礼をした。
「君が武蔵か。歓迎しよう、ようこそ我が鎮守府へ」
なんでこんなにも早く武蔵が早く到着するのか、それはこの鎮守府周辺の街に秘密がある。
基本的に艦娘は鎮守府周辺の街に住んでいる一般女性の中で艤装の適性が高かった人にのみ、艦娘になる資格が与えられた。
「うむ。中々いい男じゃないか、頭に被っているパンツは別として」
「早速この私の本性に気付くとはいいセンスをしている。どう? 一発ヤらない? 」
「悪いが私の初めては好きになった男と決めているんだ」
この鎮守府純粋な子多すぎだろ。
「それで提督、さっそく聞きたい事がある」
「なんだい? 」
「どうして股間部分がそんなそそり立っているんだ」
「君鏡見てきなよ」
そりゃ巨乳褐色ツインテ眼鏡クールっ子とか息子が反応しない方がおかしい。
至って私は健全である、さっき人間の尊厳失ったけど。
「この股間がこうなったのは君のせいだからぶっちゃけた話君に責任がある。こいつを鎮めてくれ」
「いいだろう」
顔を赤らめて嫌がると思った矢先、武蔵は快諾して突然ファイティングポーズを取り始めた。
「ふんッ」
「おごッ」
直後武蔵の重い拳が私の股間に直撃し、痛みに地面へ倒れ込む私。
今度は尊厳と共に去勢しそうである。
「ほら、収まった」
「ほらじゃねーよ!! 」
今回割とクソ下ネタなのでご注意ください。