鎮守府に変態が着任しました。   作:「旗戦士」

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提督「深海棲艦ってなんであんなエロい格好してるんだろうね」
不知火「司令みたいな人を誘惑してぶっ殺す為じゃないでしょうか」


第充弐話

<鎮守府・執務室>

 

 

 

 「吹雪君、私たちを題材としたアニメが終わったね」

「いや、何か月前の話ですかそれ」

 

「マジ? そんな経ってる? 」

「はい」

 

ある晴れた平和な日の事。

相変わらず執務をこなす私に秘書艦の吹雪君は相変わらず私にゴミを見る視線を向ける。

 

「時が経つのは早いねぇ、なんにもなかったけど」

「いや何すっとぼけてるんですか司令官。ホワイトデーの時にチョコ食いすぎて鼻血出したりしたでしょ」

 

「そういやそうだった。でも精液って血液の一部だからみんな私のアレを触った事になるよね? うっひょい興奮してきた」

「司令官のえのきを触るなんて死んでも嫌ですけどね」

 

"童貞の股間は神聖なるもの"とは誰が言った言葉か。

神聖なものにえのきって悲惨すぎるよ神様。

 

「というかまだアニメって録画してある? 」

「まあ、してありますよ。それがどうかしましたか? 」

 

「いや、君たちのパンチラシーンだけをかき集めた動画をニヤニヤ動画にアップしたらすごくウケたからさ。またやろうかと」

 

瞬間、吹雪君の連装砲の銃口が私に向けられる。

うん、今日もよく整備されているな!

 

「失礼するヲ……ってふぶきん何してるヲ!? 」

「今しがたこの変態の権化を滅殺しようかと」

 

「誰が変態の権化じゃボケ! 変態って呼べよ興奮するから! 」

「それを変態の権化って言うんだよこのクソ司令! 」

 

直後、ゴム弾ではあるものの連装砲から黒い弾が射出された。

だがこんなところで死ぬ私ではないッ!

 

「甘いぜふぶきん! ヲ級ちゃん、後は任せた……ってうっほいっ!? 」

「きゃあっ!? 」

 

柔らかい感触と共にシャンプーのいい匂いが私の鼻を刺す。

それが叢雲君のスカートの中だと気付く事に約3秒掛かった。

ちっ……また私は世界に置いていかれたのか!!

 

「走ったら危ないヲって言おうとしたのに……」

「なんだこのむちむち黒ストッキングは! エロい、エロいぞ! 挟まれて死にたい脚ランキング上位に入る! 」

 

「こんの……早く退きなさいよっ!! この変態バカアホ司令っ!! 」

「ぬわーっ!! 」

 

「あっ、叢雲の槍が提督の尻に刺さったヲ」

 

どうも皆さん、お久しぶりです。

我が鎮守府はいつもこんな感じです。

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<医務室前>

 

 

 ケツに刺さった叢雲君の槍をそのままケツの筋肉で固定しつつ、よれよれと私は医務室に向かう。

その矢先、エメラルドグリーンの長髪を携える重巡洋艦の艦娘、鈴谷に出会った。

 

「あれっ、提督じゃーん! そのケツどうしたの? 」

「君はつい最近熊野と一緒に着任した処女ビッチ感半端ない鈴谷じゃないか! 」

 

「なんでそんな説明口調なのさ、というかビッチは余計」

「処女は否定しないんだな」

 

コクリ、と彼女は頷く。

性に関してアバウトすぎるのが彼女のいい所である。

 

「叢雲君の槍が刺さった。医務室まで運んでほしい」

「うわぁ……叢雲の槍かわいそう……」

「何? 私武器以下? 泣くよ、漏らしながら泣くよ? 」

 

加賀さん曰く"連装砲ちゃんの方が可愛いに決まってます、というか連装砲ちゃんが司令になってほしい"と言われた事を思い出す。

 

「もう、提督はしょうがないなぁ。ほら、鈴谷の肩に掴まって」

「ありがとう鈴谷。あっやべっ鈴谷女の子特有のいい匂いする」

 

「でしょー? 最近香水変えたんだー」

「そのまま女の子特有の柔らかい感触を味わいたいんだけどいいかな」

 

「足払い」

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!! 」

 

もう止めて!

私のケツのライフポイントはマイナスよ! 」

 

「ほんま死ぬ……これアカン……死ぬコレ……」

「そんな事女の子に言うからだよ。ほら、行くよ? 」

 

私の首の襟を掴みながらズルズルと引きずっていく鈴谷。

士官学校時代、自ら望んで地面を這った事を思い出す。

 

「明石さん、いるー? 」

「はい……って提督!? お尻に槍が刺さってますけど!? 」

 

白衣姿の明石君が私たちを迎え入れた。

彼女のスカートのスリットに手を突っ込みたい、大淀さんにやったらバインダー頭に刺さったけど。

 

「これ、抜いてください……あ、抜くってのは私の股間の方でもいいよ? 」

「あっ、手が滑りました」

 

「悔しいでも感じちゃうぅぅぅぅぅぅぅっ♡」

「うわぁ」

 

痛みが快感に変わってきたのは事実である。

 

「ごめんなさい……マジでこれ抜いてください……」

「最初からそう言ってください。じゃ、いきますよ」

 

スポン、と軽快な音を立てて槍は抜けたと同時に噴水のようにケツから血が溢れだした。

我ながらこれでピンピンしてるのが不思議でしょうがない。

 

「刺さった所に絆創膏を……これで大丈夫です。さ、もう行っていいですよ提督」

「触診は!? 私の股間がさっきから以上にビンビンなんだけど!! 早く触s」

 

「憲兵呼びますよ」

「すいませんでした」

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<居酒屋"鳳翔">

 

 

ケツの治療も無事に終わり、時刻は既に夜の19時。

私は秘書艦である吹雪君を部屋に帰らせ、パソコンで大本営にメールを送ると私も鞄を取り出しつつ帰る準備を始めた。

 

「今日もよく働いたなぁ。明日休みだし鳳翔さんとこで一杯やってくかー」

 

そんな独り言をつぶやきつつ、私は鎮守府を出ると最寄り駅周辺の商店街へとたどり着く。

アーケード街をくぐり抜け、裏道を抜けた先に綺麗な外装の"居酒屋鳳翔"が悠然と建っていた。

 

「鳳翔さーん、お仕事終わったよー」

「あら提督、いつもお疲れ様です」

 

「いよーう提督ー、あんたも一杯やろうぜー」

「もう隼鷹は出来上がってるのか。そのままホテル連れてって一晩洒落込みたいな」

 

「あ、酒飲んでても提督とだけは絶対寝ないわ」

「急に素面になんなよ」

 

派手な紫色の長髪を揺らす隼鷹の隣に座ると、私は私物を詰めた鞄を荷物置き場に置く。

カウンター席では襷をかけた鳳翔さんがちょうど魚を捌いているところであった。

 

「む、司令ですか。いらっしゃいませ」

「ほんとだプロデューサーだ! 」

 

「那珂ちゃんにぬいぬいもいたのか。こっちでバイトしてるの? 」

「はい、艦娘を辞めても社会復帰できるようにと鳳翔さんがシフトで雇ってくれています。他の艦娘もバイトしていますよ」

 

居酒屋鳳翔と袖に書かれた制服を着こなす不知火と那珂ちゃんに思わず興奮する。

 

「へぇ、頑張ってるね。さっそくだけど生ビールいいかな? 」

「かしこまりましたー! 那珂ちゃんいっきまーす! 」

 

その直後彼女は冷えたビールジョッキを私に渡すと、他の客の方へ消えていく。

まさか艦娘がここでバイトしているとは……なんだか作った甲斐があった気がする。

 

「じゃ、提督。乾杯」

「おう、乾杯」

 

ジョッキと日本酒の入ったコップを合わせ、私はビールを口に注いだ。

冷えた液体と炭酸が喉を刺激し、思わず声が出てしまう。

 

「仕事した後の酒ほど美味しいものはないねぇ。今まで隼鷹は一人で飲んでたのかい? 」

「酒飲める奴は忙しかったり訓練してたりで、なかなか一緒に飲める機会がないんだよねぇ。一人酒もいいけど、隣に誰かいる酒は格別だよ」

 

「おっ、これは隼鷹にフラグが立った感じかな? 」

「……気付くの遅いっての、スケコマシ」

 

ビールジョッキに口をつけた瞬間、確かに彼女は聞こえないように呟いた。

いや丸聞こえなんだけど……。

 

「なーんて言うと思ったか? へへ、あたしも演技上手くなったもんだ」

「人のトラウマ抉るのも上手くなったよなお前」

 

直後、私は地面に膝を着く。

士官学校時代、女子生徒に呼び出されて告白だと思った矢先、まさかの罰ゲーム告白であった事はいい思い出だったなぁ。

 

「ちくしょうムカつく! 今日は飲んでやるぞ! 鳳翔さん、テキーラ持ってきて! 」

「はいはい、ショットグラスですね? けどこの間みたく閉店時間まで寝ないで下さいよ? 」

 

「大丈夫大丈夫! 今日は隼鷹が連れて帰ってくれるから! 」

「はぁっ!? ちょっ、聞いてないんだけど!? 」

 

「うるせぇさっきの仕返しじゃボケ! 男の心を弄んだ罪は重いぞぉぉぉ!! 」

 

 

その後私はテキーラ一杯でぶっ倒れた。





お久しぶりです。

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