テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編 作:onekou
活動報告で相談に乗っていただいた結果、タグの方に一先ず『世界軸移動』を追加することにしました。
また何か問題が起こった際は改めて対応したいと思います。
飛んできたワイバーンを避けきれずパクンといかれた時は一瞬思考が止まってしまったが、何とか無傷で脱出できたので良かった。どうやらあのワイバーンは俺の防御を貫けるほどに強い訳ではなく、俺を噛み砕こうとしても文字通り歯が立たなかったようだ。
ただ、食われていることを頭が理解した時に思わず全力でワイバーンを殴った所為でスプラッタにしてしまった。うえ、今思い出しても気持ち悪い。
一応ワイバーンに乗っていた騎士さんが空中に放り出されたので意識を奪ってそこらに放置したが、まぁなるようになるだろう。
それにしてもさっきから一体どれほどの数を倒しただろうか。
数えるのも億劫な程の異形や騎士を倒したが、溢れ出るように門から這い出てきたそれらは未だ留まるところを見せない。
間に合わなくて事切れた命も一つや二つじゃない。胸糞悪い。
だが、そこで落ち込んでいる暇はない。そんな暇があるなら次の場所で命を助けるべきだ。そう割り切って走りながら目につく敵をひたすら倒す。未だ命を失っていない人には辻斬りのごとくすれ違いざまに
ただ、予想外にレスタを掛けることが出来る存在は少ない。
しかしそれはいい意味でだ。
運良く初動で対応できたからか、俺がヘイトを稼いでいる間に結構な数が逃げれたようだ。
問題は、俺が所詮一人であること。
後続の幾らかが俺を無視して逃げた人を追う様にビルの隙間を駆けて行った。
速くこいつらをどうにかして追いかけなければ…。
「まったく数ばっかり多いなぁ!!!」
「HUGYAAAAAAAAAA!!!!」
「HUGOAAAAAA!!」
「うるっさい!!」
目の前から迫ってくるゴブリンとオークが唾液を撒き散らしながら汚らしい剣を握って俺へと迫る。
着ている服もみすぼらしいものだ。囚人服の方がまだ綺麗だろう。
そんなやつらへと俺は何も握っていない右手を向ける。
そしてそのままコインを弾く動作。
すると、バシュンと小気味良い音と共に俺の右手からとあるものが発射される。
「HUGYO!!?」
俺が撃ち出したものは狙い違わず前側に居たゴブリンを貫く。
いや、突き抜けたのは衝撃のみ。
撃たれたゴブリンは感電しながらうめき声を上げ地に沈んだ。
遅れるようにして、キィンとゴブリンの腹を撃ちぬいたかのように見えた
“
元ネタは『とある魔術の禁書目録』に出てくるヒロインの一人、電撃姫こと御坂美琴が使う技の一つ。
とはいえ本家本元ほどの威力は到底無い。
PSPo2iにおいてコラボし、ハンドガンとしてされたこれは、威力も迫力も段違いに低く設定されている。
だが利点がある。
この武器は装備していることが分からないのだ。そして何よりも、特殊効果の感電効果が高い。
ゲームとは違い、コインを用意する必要があるがアイテムボックスのある俺には関係のないことだし、未強化状態で使えば殺傷力を落とした状態で感電させることで相手を無力化できる優れものだったりする。テキストとして超高速のコインが射出されるとあるから避けることも叶わないし使い勝手がスゴく良い。
実は夜のバイト(コンビニである。怪しいことではない)をしていたとき、夜に出歩くからか時々襲われたことがあり、それ以来密かに装備していたのだ。ほら、チートパワーでうっかりグチャぁっとやっちゃったらダメだし。
だからまだ生存者も居る中でぶっぱするわけにはいかないのでこれを使っているわけだ。
まぁ、後もう一つ切実な理由もあったりする。
というのも、先程から血の匂いの所為か身体が疼く。
あ、いや、左手が疼く的なあれでもエロい意味でもなくて、たぶん疼いているのは獣の本能ってやつだ。
約10年ぶりに嗅いだ戦闘の臭いにどうやら
なんとか無理矢理平静を保つようにしているが、ここで暴走しちゃうとこいつらの所為どころではない血の海が広がってしまう。
そんなわけで、こいつらには相応の報いを受けさせたいのも山々だが出来る限り命を奪わずに対処している。
それ以前に殺したくないというヘタレ精神もある。
聖杯戦争を潜り抜けた所で命を奪う行為になれるわけもないのだ。
「GOAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!」
「甘いわ!」
左手でコインを弾く動作。
同じように感電しながら崩れ落ちるオークを見てすぐさま次の目標へと駆ける。
本来であれば右手にしか持てないものも、2丁出せばそれぞれの手で持てる。
それを駆使し、駆けては撃ちを繰り返す。
「だ、誰か!?」
突如聞こえた叫び声。
慌ててそちらを見れば、少し離れた場所で襲われそうになっているスーツ姿の青年がいた。
慌てて構えて、敵を撃ち貫く。
「ひいいいいいいいい!?」
青年が顔を膝の間に埋めるようにして身体を丸める。
今まさに刃を突き立てようとしていたゴブリンが目の前で吹っ飛んだのだから仕方ないだろう。
だがそんな所で止まられていると、次の行動に移れない。
案の定、その青年目掛けて次のやつが来た。豚顔のやつだ。
「ちぃっ」
このままここで遠距離攻撃してても意味が無いか。
そう判断し、両手の超電磁砲を倉庫へと返して次の武器を呼び出す。呼び出しながら青年へと駆けよる。
「セイクリッドダスター!」
「PUGYA!?」
青年を襲おうとしていた豚君を、近づくと同時に殴る。
飛び掛かるように襲おうとしていた豚君の、柔らかそうなレバーへと叩き込まれる俺の右腕。さすがに全力でいくと突き抜けそうなので押し出すような感じで弾く。
すると豚君は吹き飛びながら甲高い音を立てつつ凍っていき、しまいには氷塊に包まれ重々しく音を立てながら地面へと落ちる。
うし、成功。
3本の青い爪が付いた手甲で、青く輝く粒子を産みだしながら攻撃した相手を一定確率で凍らせる凍結効果を持つ武器である。
ゲーム内では凍結効果に有効時間もあったしライダーに使った時もすぐに凍結は解除された。だが武器としての凍結効果ではなく、テキストの凍結効果を意識することで効果時間なんてものはあってないようなものに変わる。
とはいえまだ使い慣れてる訳でも無いので格下にしか使えないし直接触れる必要はあるが、こいつらの速さはサーヴァント達には遠く及ばない。鈍っているこの身体でも十分反応できる。
だから、死なない程度にこれで殴って端から凍らせていく。
「あ、おいあんた! 速くここから逃げろ!!」
「ひいいいいいいいいいいいいいいい!?」
いつの間にかこっちを見て口をパクパクして驚いていた青年。
とりあえず近くに居たやつらを軒並み凍らせたところで思い出して彼に逃げるように促すが、鞄も拾わずに何故か悲鳴を上げながら逃げ出した。
いや俺を見て逃げなくてもいいじゃないか。ちょっとショック。
『GYUAAAAAAAAA!!!!』
と思いきや、俺へと影が掛かり上を見て見るとワイバーンが3騎飛んでいた。
青年はこれが見えたのだろう。…そう思いたい。
さておきその3騎は俺を排除対象としているようで、囲う様に旋回しながら飛行を続けている。
しかし、高い所から見下ろすだけだがどうする気だろうか。
3騎も居るし、ジェットストリームアタック的な感じで連携攻撃してくる気かね。
さっきから飛んでたワイバーンは粗方落としたはずだし、こいつらを倒せばある程度楽になる筈だから来るならさっさと来てほしい。
そう思っていると、飛んでいるワイバーンの内の1騎、乗っている騎士が首元からホイッスルのようなものを取り出す。
それは事実笛だったらしく、取り出すや否や騎士がそれを吹いた。甲高く鳴り響く音は何処までも届きそうなほどだ。
突然のその行動につい呆けてしまう。
そしてそれもやがて止まった。なんだったのだろうか?
しかし、何のために吹いたのか、そう考えるもすぐに答えは出る。
笛とは何かの合図のために吹くものだ。そして今吹く理由なんて容易に想像が付く。
援軍だ。
「うへぇ、いじめ反対…」
瞬く間に集まる敵方の援軍。
俺が他で対応している間に門からは続々と出てきていたようで、十字路の真ん中に居る俺は四面楚歌状態だ。
ビルがあるから4方向から(空の3騎…気づけば増えてるがそれを含めると5方向か)睨まれているだけで済んでいるが、ビルが無かったらもっとむさくるしい囲まれ方をしたんだろうな。考えるだけでもテンションが下がる。
とはいえ、相手方がそれぞれサーヴァントレベルだったら話は違うがそこまで強い訳でも無いのでこれだけの数が居ても勝てるだろう。気が滅入るのは変わらないが。
『『『『『『『PUGYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!!!!!!』』』』』』』
一人テンションを下げていると、四方から一斉に豚顔達が飛び掛かってくる。それも次から次へとだ。
それら全てを凍らせながら
右右左上後前左前、と次から次へと飛び掛かってくる豚君たち。
なんのコマンドだと愚痴りたくなるがそんな暇も無く、俺へと迫る敵は後を絶たない。
「#$%%”#$”#%!!!!!!!!」
飛び掛かる豚顔達を殴り倒しながら、聞こえてきた声の方を見る。
そこには幾らか装飾の多い騎士が、周囲へと叫んでいる。恐らく、お偉いさんだろう。
その上官っぽい人が言うに合わせて隊列の中心が割れ、そこから何人もの騎士が出てくる。
手に持つのは、弓。弓兵だ。
「&%$#!!」
何を言っているのかは分からない。そもそもが違う言語圏なのだろう。
でもたぶん、構え、とでも言ったのだろう。上官の声に合わせて弓兵が一斉に構えた。
当然狙いは俺のようだ。
それにしても、俺の周りにはまだまだ豚顔さんやらゴブリンまで、モンスターの部類に入るだろうがあちらさんの人員はまだまだ居るのに撃つとは中々に下衆いじゃないか。いや、それほどまでに俺を脅威だと見てくれてるってことかな。
とは言え残念ながら普通の弓じゃ俺には届かない。一定以上の攻撃でなければ弾かれて終わりだ。
あの弓に番えられている物がもしもカラドボルグだってなら話は別だが、普通の矢じゃ意味が無い。まぁ周りの豚さん達が被害を受けて終わりだろう。
だがそれをされると血の臭いに俺が反応しちゃうだろうし、かといって態々助ける義理も無いような…。
さてどうするべきか。
敵は四方全てに居り、幸いにも救助者はもう居ない。けど俺が持っている選択肢の中で広範囲を攻撃するものっていうとここら一帯を諸共吹っ飛ばすような代物ばかりなんだよなぁ。
―――周りへの被害?
あ、ティンと来た。
素早く
ゲーム内で言えばボッガ・ズッバという
次に出したのはネギだ。
と言っても唯のネギではもちろんなく、いつものあれだ。ネギウォンド。
それを、掲げる。
「メギバース!」
いかがだったでしょうか?
アニメの方ではロゥリィ先輩がついに出ましたね!
いやぁ今後が楽しみです。
勿論レレイやテュカが動くところも楽しみですが、一番ロマン溢れる戦闘はやはり近接戦だと思うんですよ。動くところもっと見たい。
というか実際にアニメの中では一人だけやたら動きがあったような…。
ま、まぁさておき、今後も楽しみですね!
P.S.
活動報告にてご相談に乗っていただいたお二方、本当にありがとうございます。助かりました。