テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編 作:onekou
今話と次話で最終戦を終わらせられそうです。
思ってたより引っ張ってしまいました…。
「貴様!! 何故生きている!!」
一通りの説明が終わり、俺達は前線へと来た。
それに合わせ、先程までの攻防は一度止まる。
同時に金ぴかが俺へと声を掛けてくる。
どうやらあちらさんも聞きたい事があるようだ。
「言うと思うのかい?」
「ふん…、相も変わらずのその言い様。まあ良い。一度で死なぬなら何度でも殺してやるまでのこと」
相も変わらずはあんただよ。
まぁでも何回も殺されるのは勘弁してほしい。
なんだかんだで結構覚悟が要るんだぞ、あれ。
ラーニングの為でもなければ早々にやりたいことではない。
それに、ギルガメッシュの宝具の中に“殺し続ける”なんて宝具があった場合はどうなるか分かったもんじゃないしな。
とはいえここからは死ぬつもりないから、殺られる前にヤッちゃうけどね。
「出来れば私も聞いてみたいものだな。何故ランサー達が生きているのか」
今度は麻婆が聞いてくる。
それに対し俺は指を一本立ててニヤリと笑う。
「ふふん、仕方ないからヒントだ。ギルガメッシュの言ってる方もランサー達の方も種は一緒だよ。種も仕掛けも御座いますってね?」
それに対し言峰は一瞬考えるそぶりを見せた後、一つ頷いた。
「ふむ…命のストックといったところか…。それも回数制限もしくは数が豊富な…。そして譲渡も可能とは恐れ入る」
「何故バレたし…」
『当たり前だ!!!』
「はうあっ!!?」
何人かから同時にはたかれる。
大きい帽子かぶってるからってそんな威力で叩かなくても良いじゃないか!!
身長伸びなくなったらどうすんだよ!!
伸びるかどうかは置いとくけど…。
「ま、まぁさておきだ。一度や二度殺した程度では俺は死なないのさ。この俺を倒しても第二第三の俺が現れ貴様を倒すであろうさ!!」
「ふん、面白いではないか。かの英雄は十二の試練を超えたという。貴様は何度殺せば死ぬのか、それを知るのも一興よ!!」
そう言って、ギルガメッシュが宝具の雨を降らせる。
「待てギルガメッシュ!! ちっ!!」
マーボー神父もギルガメッシュを止めようとするが、無駄だとすぐに判断し、自身も聖杯の触手から泥を撃ち出す事に切り替える。
それをアーチャーとイリヤがローアイアスで防ぐ。
「しゃーない。ホントのホントに最後のバトルだ。とっとと終わらそう」
ラストバトルっぽく舌戦とか無いけど、あっちが仕掛けてきたんだから良いよね?
答えは聞いてない。
「コウジュ、さっき言った通りギルガメッシュはこちらで潰すわ。だから…」
「おーけ-。マーボーと聖杯はこっちでだな。行くぜ!!」
俺はロンギヌスの槍を取り出し、アイアスを飛び越え突き進む。
「俺も行かせてもらうぜ!! 最初っからクライマックスだ!!」
「私も行かせてもらおう!! ふむ…目標を斬り捨てる!! …これは中々しっくりくるな」
クー兄さん、小次郎も続けてアイアスの隙間から飛び出て、ギルガメ達の方へ走り寄る。
何気に距離がある上に、この弾幕をくぐりながらだから中々たどり着けない。
3人で弾幕を潜り抜けながら、時には武器で弾きながら向かう。
「さっすがに! …多い!! …なっと!!!」
「けどよぉ!! っりゃぁぁ! 数だけだ!!」
「確かに!! むっ!? 泥は弾くな!!」
三人で進んでいる途中で、突然小次郎が離脱する。
比較的近くに居たランサーが小次郎への射線上に入る。
小次郎の方を見ると、小次郎はその手に何も持っておらず、小次郎が寸前まで居た所に泥に取り込まれていく小次郎の物干し竿があった。
「マジかよっ!!?」
続いて、小次郎の援護に回ったランサーも飛び退く。
その手にあの紅い槍はもう無い。
近くに泥に飲み込まれていくそれが見て取れる。
そして小次郎とランサーがバックステップをしつつ避けて行くが量が量だ。
得物が無い二人にはいささか捌ききれない。
俺は慌てて2人の射線上に入る。
「厄介…ちょっとだけ…!!」
某ピンクの髪をした写メ取るのが趣味な騎士様の口マネをして余裕ぽく振舞うが実際は無いです。
俺もロンギヌスを振り回すが宝具は弾けても泥に触らないというのは難しい。
そしてついに泥を避けきれず、自らに当たるよりはとロンギヌスで弾いてしまった。
慌てて振り払うように振るうが無駄だった。
泥が生物のように手元に上ってくる。
なるほどな、これに二人の武器は飲まれたわけか。
ロンギヌスを一度消す。
それによって泥は登る対象を失う。
だが、無駄だった。
泥は地面にぐちゃりと落ちたかと思うと、身をねじるようにグネグネと形を変え、そしてこちらへと再び飛んできた。
「キモイっての!! 適当にシールド×10!!」
それを見て、俺は言葉通りに適当にシールド関係のランクが低いのを10個眼前に出した。
「悪ぃな嬢ちゃん!」
「恩に着る!!」
同時に2人と共に後方へ下がる。
「ほう、いくら不死者でもこの泥は避けるのか。ならば!!」
言峰は俺達が引いた事に気を良くしたのか続けて攻撃してくる。
泥は波のように質量を持ち始め、俺が出した盾を飲み込まんと迫る。
それに対抗するために盾の数を増やしてみる。
だがすぐに、すべての盾は飲み込まれていった。
「ふははははは!!! 他愛もないではないか!!」
なんか腹立つんですけどあいつ!!!!
俺達三人とスイッチする様に再びアーチャーとイリヤが前に出る今度は二人が投影した大剣をいくつも格子状に地へと突き刺していき、波の進行を防ぐ。
しかし、言峰はそれ諸共に飲み込もうと大きな波を泥で作りこちらへ向かわせる。
やっぱり生半可な盾では圧倒的な質量の前では意味をなさないか。
まったく、いくら不老不死でもあの泥に触れた瞬間に俺の
この世全ての悪が中に入ってるチートスペックな身体とかどんな絶望だ。
「調子にのんなぁぁ!! 予定より早いけどツミキリオモテ!! サイカオモテ!!」
でもだからこそ対処法は考えてある。
俺が出したのはツミキリヒョウリ、サイカヒョウリの片手ダガーverをそれぞれ一本ずつ。
込められた概念はツミキリの方が『絡まりし事象の鎖から、その姿を表すとされる断罪の小剣。全ての悪しき罪を調律し、怨念や苦悩を絶大な力へと昇華させる』、サイカの方が『絡まりし事象の鎖から、その姿を表すとされる連鎖の小剣。哀しき事象の因果律を集約させ、その身に取り込み力と成す』。
つまり、この世全ての悪だろうと濾過して自分の力にする!!
「スイッチだ!!!!」
一人、泥と宝具の雨の中を駆ける。
泥は斬り、宝具は弾く。
地面に擦りそうなほど体制を低くし、最短距離を走る。
とは言え一人では限界がある。
宝具と泥の雨を抜けてもまだ泥の波が残っているのだ。
しかし心配する必要はない。
後ろには心強い味方がたくさん居る。
『チャージ完了よ』
『おーらい』
念話を通してキャスターから言葉が届く。
同時に俺は地に両の剣を刺すようにして身体を止める。
目の前には丁度泥の海。
それを前に、身体を止めるために使う慣性を地を蹴ることで上へと向ける。
空中へと飛び出す俺の身体、それを追う様に波はうねりながら俺へと向かってきた。
「ふぉいやーってね」
そこへ叩き込まれるいくつものキャスターの砲撃。
それによって波は押し遣られた。
いや、よくて拮抗か。
あの泥は魔力の塊でもある。
いくら神代の魔女と呼ばれるキャスターといえどあれだけの密度には拮抗がやっとのようだ。
キャスターには結界も頼んでるし、仕方ないか。
けど、それで十分。
道は開かれた。
空中に居た俺は宙を蹴り、金ぴかたちに肉薄する。
「ちぃぃっ!!?」
舌打ちをするギルガメッシュ。
金ぴかはそのまま空中から大鎌を取り出す。
あれってまさか…セイバーを追い詰めるのに使われてた鎌!?
アニメで見たことのある鎌、それの能力は俺が言うのもなんだがかなりのチートだ。
俺は慌てて、勘に従って再び地を蹴るように宙を蹴り、身体を無理やりに後方へと捻る。
ギルガメッシュからは少しの距離ができた。
大鎌ではあるがその刃は届きそうにない。
でもそうじゃない。
あれの能力は―――、
「ふんっ!!!」
「っぐぅ!?」
刃先の空間跳躍と斬った相手の魔力吸収。
その刃が俺の背を裂く。
同時に抜け出る魔力の感覚。
幸いにも少し掠っただけだからかそれほど抜け出てはいない。
俺はそのまま、変な体勢で避けた所為で地面にぶつかり、そのまま地を滑る。
だけどすぐに、追撃を警戒して身体を起こす。
すると案の定、俺に向かって泥の波が来ていた。
俺は痛む背を無視してバックステップし、下がる。
そして下がった俺の前に後方から魔力弾が雨の様に降り注ぎ、地面ごと抉ることで泥の波を防いでくれ始めた。
感謝だキャスター。
「…避けられたか」
そう不満げに言いながら鎌を消すギルガメッシュ。
その様子にちょっとイラッとしながらも一つ疑問を持つ。
何故直すんだろうか。
何かの制限があるから?
そう言えばアニメでも一度使った後は違う武器に変えていたか。
王としての
そこまで行くと慢心も一つの境地じゃないかと思えてくるから不思議だ。
でもおかげで助かったわけだ。
勘の御陰で何とか致命傷を防げたけど、次はどうかわからない。
あーくそ、やっぱり自分の選択とはいえあんな設定するんじゃなかった。
「無事か!」
「コウジュ無事なの!?」
俺の横に駆け寄ってきたアーチャーとイリヤが心配してそう声を掛けてくれた。
「ごめん、隙作れんかった。やっぱり作戦1は無理っぽい」
「馬鹿! 最初から無理そうならしないって約束だったでしょう!?」
「あははー、すまねっす」
少し涙目になってそう言うイリヤに、苦笑をこぼす。
ほんとは最初から分かってはいたんだけど、つい魔が差したんだよ。
けど、今更だけど
その所為なのか、俺が居ることでの乖離なのか、慢心してはいるけど、目の前のギルガメがなんか動く。
いや一応は生物(?)なのだからそれは当然っちゃ当然なんだが、そういう意味ではなく、原作知識で持っている人物像よりギルガメッシュが宝具を射出だけではなくちゃんと手に持って使ったりとアクティブなのだ。
制約の所為ならちょいと厄介だねぇ。
自業自得ではあるんだけどさ。
「うーん、やっぱ作戦Bしかないかぁ。予想以上に金ぴかが邪魔だ」
言いながらアイテムボックスから
口の中に広がる苦味を我慢すると、先程からあった背中の熱感が消えていく。
うし、回復。
「ってか、そのための俺らなんだろ?」
「うむ、とはいえ武器を奪われたがな」
俺の横に並び、そう言うランサーとアサシン。
その二人にもあははと苦笑を漏らす。
頼りにしてるともさ二人とも。
でもアサシンの言う通り、今の二人は武器が無い。
そこで俺は二人に自らの武器を渡すことにした。
「おいで、コクイントウホオヅキにロンギヌス」
大太刀と槍、それらを二人の前に落ちるようにしてアイテムボックスから出す。
「代わりにこの子達を使ってくれ。泥が厄介だけど、2度目は無いっしょ?」
「はん、誰に言ってやがる」
「愚問だな」
言うなり、それぞれ目の前の武器を手に飛び出したランサーとアサシン。
二人は先程までの戦いのように泥を真っ向からたたき切るのではなく、幽かに触れることで軌道を反らすようにしていく。
うへぇ、あれが本物の英霊ってわけか。
俺には到底無理だな。
というわけで、今度は俺がバックアップに入るか。
徐々に金ぴかたちへと近づいていくランサーとアサシン、その二人を追いかけるようにしてアーチャーとイリヤも突き進む。
俺は一度両手のオモテを直し、代わりに出すのは
「シフタ! デバンド!」
距離を考えて、数メートル下がった状態で
俺から立ち上る魔力が赤と青のオーラとなって俺を中心に広がっていく。
そしてオーラに触れた味方達の攻撃の重みが増した。
「サンキュー嬢ちゃん!」
ランサーが金ぴかたちから目を離さずにではあるが礼を言ってくれた。
他のメンバーも一瞬の間にこちらへと視線を送ったりと感謝の意を告げてくれる。
そのことに少しテンションが上がる。
俺は突っ込むだけが能ではないのだ
ちなみに今俺がつかったのは、炎系テクニックであるシフタ、氷系テクニックであるデバンド。
効果はそれぞれ味方の攻撃力と防御力を一定割合分上げるというもの。
効果時間は短いが、これの凄い所は筋力とか皮膚の固さを上げるというのではなく概念的に攻撃力と防御力が上がるという部分。
だからボディイメージが変わることなく、能力値を向上させることが出来る。
まぁ、未だにフレンドリーファイアをしないようにテクニックを使えるようにはなってないので、自分の立ち位置を考えないと敵まで強くしてしまうんですがね。
「コウジュ、今のは?」
今まで後方で静観していた士郎が話しかけてきた。
静観というか唖然としていたが正解なのかね?
まぁこれだけ戦力が居れば入っていく隙を見つけるほうが難しいわな。
「今のは俺の魔法、いや士郎達的には魔術か。まぁちょいとしたブーストさ。そしてディーガ!」
俺は士郎と話をしながら次のテクニックを使う。
言うに合わせて振り下ろした杖、その先から溢れ出るように魔力が形を得ながら出てくる。
形作るのは今の俺より二回り以上も大きい岩石。
それが放物線を描きながら金ぴかたちの方へと飛んでいく。
「ディーガ! ディーガディーガディーガ!」
連続して岩石を飛ばしていく。
なんだか高画質録画とかできそうだけど、飛ばすのはあくまでもテクニックによる岩石。
しかし、飛んでいく岩石は全て泥や宝具に容易く撃ち落されていく。
だけどそれで良い。
これで倒せるとは思ってない。
そもそも手加減無しでやると他のメンバーを巻き添いにしてしまう。
そのための防御力上昇なのに貫通してしまう威力を出しちゃうと意味が無い。
「くっ、視界が!?」
「ギルガメッシュ!?」
そして次第に、砕かれていく岩石は粉塵となり視界を防いでいく。
特に泥ではなく宝具により砕くことを主にしていたギルガメッシュの方は一段と砂煙が舞い上がっている。
「ランサー…っ」
「ぐぁっ」
同時に上がるアサシンの声とギルガメッシュの声。
アサシンは視界を防がれたギルガメッシュを器用に刀の峰で打ちあげたのだ。
そしてアサシンの声を聞き、打ち上げられた金ぴかへランサーが追いすがる。
「あいよぉ!!! 波動球ってな!!」
「ぬぉおおおおああ!!!?」
そのカチ上げられたギルガメを、ランサーが槍で麻婆から引き離す。
その方法は極めて単純、バットの様にロンギヌスを握り思い切り振りかぶる!!
そしてそのギルガメは俺達の方へと飛んできた。
それを見た瞬間、俺は後ろで慌てている士郎達はさておき前方へと走り出した。
「んじゃ、後はよろしく!」
その声に、尚更慌てる士郎達。
だけど、俺がお願いしたのは彼らじゃない。
俺とすれ違う様にギルガメッシュを追いかけてきたアーチャーとイリヤ、少し遅れてランサーとアサシンだ。
『『unlimited blade works!!!』』
重ねるように唱えられると同時に士郎達、向こうに居た組は全員消えた…。
「分断されたか…!?」
流石に動揺せざるを得ない様子の言峰。
ふふふ、その表情実に愉悦。
でもこれこそがプランBだったのさ。
「あんたの相手は俺なのさ」
言峰がそちらへ触手を伸ばそうとするがそれを俺が叩き斬る。
「やっぱその聖杯は面倒なんでねー」
「その双剣…厄介だな。だが、生身の部分に当てれば問題はないか」
「はん! 当たらなければどうということは無ぇ!!」
何本もの触手が俺に迫る。
それを斬りつつ、その場に止まることなく動き続ける。
速さはこっちが上だ。
「追い付けんか、ならばこれならどうだ」
早さで追いつけないならばと、麻婆は触手の数を増やしてきた。
確かに、俺にはランサーやアサシンの様に最低限の動きで泥の中を駆け抜けるようなことは出来ない。
だけど、ただ速くぶった切ることなら出来る。
だから、ただただ斬って斬って斬りまくる。
最近じゃぁ空中を蹴るのもお手の物だ。
双小剣系フォトンアーツの中にレンガチュウジンショウというものがある。
この技とか完全に空中を蹴って移動しながら敵を切り刻むんだけど、その技があったからか虚空瞬動もどきが出来るようになってきた。
それを使って3次元的な動きで翻弄しながら触手を斬っていく。
「まずは一手!」
「くっ!!」
俺に迫る触手を何本も斬り伏せ、一度言峰の懐に入り込む。
そしてそのまま袈裟掛けに言峰をも切り裂く。
そしてすぐに離脱。
俺が今まさに居た所へと触手が殺到した。
すぐに回避するために踏み込み切れなかったし、浅かったかな。
でもあの触手の海に身を委ねるつもりはない。
幼女に触手なんて何そのエロゲってなものだ。
絵面的にどこぞの協会に規制されてしまうレベルだ。
そんな益体もないことを考えていると、言峰は傷口を押さえながら何故かこちらへと笑みを見せた。
「くくく、これほどか。これほどなのかイレギュラーサーヴァント。貴様さえいなければ計画は成功していただろうに」
「あんたばかぁ? 例え俺がいなくてもあんたの野望はここで
麻婆の妄言に、俺はどこぞのチルドレンのマネをしながら言う。
「何を根拠に…」
「あんたがしてる事が悪だからさ! 世間一般で考えてな!! 悪は滅びるもんだ」
そしてこの町には正義の味方が居る。
なら当然、負ける宿命にあるさ。
「ならば正義とは何だ!? お前も衛宮親子の様に自身が正義の味方だとでも言うつもりか!?」
「そんなもん俺が知りたいね。いつだってそれを決めるのは自身じゃなくて相手だからな。それに、俺は正義なんて崇高なもんを背負うつもりはねぇ」
「なら貴様は何の為に闘っているというのだ? アインツベルンの娘の為か? 衛宮士郎の為か? はたまたこの町の為か?」
はっ、分かりきった事聞いてんじゃねぇよ。
「そんなもん決まってる…自分の為だ!!」
「自己中心的だな」
「てめぇだけには言われたくねぇよ。だがまぁその通りだ。俺は自己中心的なんだろうよ。
けどな、助けたいから助けて何が悪い?」
「そして偽善か…」
「それこそ正義とは何かって話になるだろうがよ。文字通り偽の善っていう位なんだからな。
けどな、やらねぇ正義抱えるくれぇなら、自分で動く偽善抱えてた方がマシだっての!!」
いちいち正義がどうとか考えて行動するかっての。
助けたいと思ったから助ける。
思ってしまったんだから仕方ないじゃないか。
「その程度で…その程度の考えで私の邪魔をするのか!!?」
「士郎が言ってなかったか? お前さんはた迷惑なんだよ」
「ふん…、お前も衛宮士郎か。どいつもこいつも衛宮衛宮…へどが出る。それほど衛宮が好きか?」
「…へ?」
一瞬思考が止まってしまう。
なんでそんな話になるのかな!?
俺が!? 士郎を!? なぜなにほわい!?
「お前もどこの英霊かは知らんが元は生きていたのだろう? ならば、破壊衝動を感じた事がある筈だ。その身を焦がす思いが!! 全てを壊せと!! 破壊せよと!! それほどの力を持つなら尚更の筈だっ!!!」
あの…聞いてます?
って聞いてるわけないか。
はぁ、1人テンション上げちゃってさ。
斬撃で俺が斬った部分を手で押さえながら声高に叫ぶように言う言峰。
そんなはっちゃけて言うから血がだらだら出てるじゃん。
「破壊衝動ねー…。確かにあるな。特に俺は獣人だし、バーサーカーのクラスを頂いちゃった位だからな」
「そうだろう? ならば私を肯定しろ。そうすれば――」
「だけど、俺は根本的に痛いのは嫌いなんだよ!」
俺は声高に麻婆にすべてを言わせる前に叫ぶ。
ほんと痛いのは大っ嫌いです。
なんかよく死んでる気がするけど…。
それは能力の関係とか、実験とかの為だから!!
どこぞの総領娘みたいにM疑惑は俺には必要ないからな!!
「は…?」
いや、突然素の反応すんなよ…。
「俺はな。痛いのが嫌いだ。不死だから回復するけど、死ぬ度に痛い、当然のごとくな」
「それがどうした?」
「それがどうしただと?
はっ…。俺はな、痛いのが嫌いだ。確かに闘うのとか生来身体動かすの好きな部分あるから闘いに対する喜びがある事は否定しねぇ。
けどそれは相手も望んでこそだ。
競い合うことが好きなんだ。
他人の痛がるのを見て喜ぶドS趣味はねぇ!!
そんなの見る気なんざさらさらねぇんだよ!!
お前みたいに、ただただ一方的に虐殺するのを肯定できる訳がねぇ!!」
「フフ、何を言うかと思えば…」
何が可笑しいのか満面の笑みをこちらに向けてくる。
士郎が気持ち悪い笑みと言いたくなるのも無理が無いと思うな。
「何がおかしい?」
「いやなに、バーサーカーのクラスを得たお前なら理解できると思ったんだが…所詮お前は“そちら側”か…」
「虐殺したくなるような“そちら側”は元よりお断りだよ。あの子達をあんな風にするそちら側なんてな」
「ならばどうする? 私を殺すかね?」
両手を広げ、さぁとでも言わんばかりにこちらへ笑みを向ける。
でも俺はお前をどうするかは既に決めてあるんだよ。
「だが断る。だから、お前に復讐はするがお前だけは殺して“やんない”」
こいつだけは殺すもんか。
こいつの命を背負う気はないし、こいつは生きて償うべきだ。
死んで終わりになんかするもんか。
「ならばっ!!」
言峰の周りにあった泥が言峰を包みだした。
『お前が死ぬが良い!!!』
なぁにこれぇ…。
包む泥がどんどんどんどんとカサを増し、質量を増やしていく。
それは次第に聖杯すらも飲み込み、巨大になっていき――――。
「何というデイダラボッチ…」
―――最終的に、巨大なかろうじて人型の怪物になった。
ホントにどこぞのジ〇リの出てくる獅子神様最終形態みたいな感じになってるよ!?
まぁ向こうは薄い青でどこか神々しさがあったのに対して、こっち真っ黒ですけどね。
というかイリヤ人形ごと取り込みやがったぞこの神父。
神父+聖杯+ロリ=デイダラボッチとかどういう計算式だおい。
『完成した聖杯の力を見せてやろう…』
口?っぽい所がパクパク開閉したと思ったら、腹の底に響く声でそう言ってきた。
やっべぇ…、冬木終わったかもしれない。
とりあえず俺は、改めてオモテの2本を両手に出して構える。
か、カカッテコイヤオラァ!!
とりあえず被害が柳洞寺で留まるように頑張ろう。
だから許してください。
いかがだったでしょうか?
麻婆さんのラスボス力を上げようと頑張ってたら何故かデイダラボッチさんになってしまいました。ボッチさんに…(他意無し
そして5人のサーヴァント+αに囲われたAUOさんや如何に…。
とりあえず言えることは、聖杯戦争なんて無かった。いいですね?
という訳で、前書きでも書きましたが次話で最終戦が終わりです。
そして次々話でその後を書いて、そのまた次でFate関係のifを挟もうかなぁと思ってます。
それだと49話になるんで少しもやっとしますが、まぁ仕方ないですねw
P.S.
コウジュを描こうと頑張るも、元々上手くないのに久しぶり過ぎて色々崩れてしまう…。
助けて上手い人!!
P.S.2
PSO2のFateコラボで斧剣とゲイボルク先輩が迷彩として出たので遊びまくってる私です。
ただ、剣の迷彩でゲイボルク使えた時は色々笑いが止まりませんでしたw
ゲイボルクって上に乗って空飛べるんですね!
ああもちろん斧剣でバーサーカーライフも楽しんでおります。