テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編 作:onekou
私は結構テイルズ好きで、特に変わった戦闘方法をとるキャラをよく好きになります。
ジュディス姐さんは槍使いなんですけど、まぁ、色々常識破りでしたね。
さておきどうぞ!
「っはあぁぁぁ!!」
「なんの!!」
ランサーの鋭い突き、それを払いながら近づく。
「あめぇっ!!」
だが俺が近づくより早く戻した槍で再度突きを放ってきた。
「っ!? 月光!!」
元々払われる前提の一手だったのであろう。
予想よりも早くに次の手が来た俺は用意していた札の一枚を切る。
突き出される槍、それを潜る様に身体を沈めて避けた後、俺はランサーの真上に
「ちっ!」
だがそれは横に飛ぶ事で避けられる。
結果、槍はズガンっ!と槍によって起こされたとは思えないほどの音と共に小さなクレーターをクー兄さんが居た場所に作り出した。
「ま、そう簡単に当たらないよねー」
「あったりめえだ。妙な技だが、投擲されたものは何とかなく分かるんでな」
「それじゃぁ…」
俺は着地し、トラクラを再び手に取る。
「…月影刃!!」
身体を伸ばすように素早く突く。
自らも槍の様に、踏み出した一歩目で思い切り大地を蹴りだし、突く。
ただし今の俺の身体能力でやると音を置いていける程のスピードだ。
「っらぁぁ!!」
だがそれも、突きに合わせて横に払うのと同時に自身の身体をずらされた。
「今のを反応するとはさすが最速と名高いサーヴァント!! うりゃっ!」
「おらっ!その最速に本気でガードさせた嬢ちゃんに言われると嫌味にしか聞こえねぇ…ぜっ!!」
突きや払いの応酬で、互いの槍を反らし、避け、防ぐ。
本気かもしれないけど絶対全力ではなかったよね今の…。
やっぱり技術じゃ中々追いつけないか。槍兵に槍で勝負で挑んでるわけだし余計に。
でもこれにも理由があるのだ。
というのも、ランサーに対して理想的な状態で勝つための方法が俺には無かったのだ。
例えばランサーが持つ矢除けの加護、それを貫通するほどの遠距離攻撃を俺は持っているが、それをやると被害が甚大だし
さらに言えばランサーは生存に関しての技能を持っているはずだ。
そしてそれを俺は知っている訳だから、見えない遠距離から吹っ飛ばしても生きてるかもしれないと
だから遠距離戦は却下。
そうなるとランサーとの戦いは近接戦闘となる訳だが、俺の持ち味は速さと馬鹿力と獣の様なしなやかさ。
でもこれはランサーと似てしまっている。
妖怪キャラ被り…は俺視点からすればキャラを食われちゃうのは俺になっちゃうから置いといて、現時点でランサーに勝っていると自信を持って言えるのは馬鹿力くらいなのだ。
だがここで思い出してほしい。いつだったか小次郎が言っていた言葉、『当たらなければ意味が無い』を。
速さでの単純な勝負では分からないが、あちらは歴戦の戦士だ。
いくら馬鹿力があったとしてもランサーには経験の差で負ける可能性がかなり高い。
そこで槍だ。
でもただ槍を使ったんじゃ負ける。
一番扱いなれているルゥカや双剣を使うことも考えたが、ルゥカも双剣も相手の懐に近づく必要がある。
だが相手は槍だ。俺の技量では近づく前に突き殺される可能性が高い。
双剣はさておき、ルゥカも長物と言えばそうだが、あれは自身の身体を起点に斬ることを前提としたものだ。その形状も、刃の長さもかんがえれば、点での攻撃に長けている槍相手ではやはり相性が悪い。
ならば同じ土俵に立ち、その上で奇策を用いる。
うん、これを思いついた俺ってなかなかやるんじゃないかと自画自賛してしまう程度に舞い上がってる。
ゲーム内での槍を用いた挙動は実は少なく、ほぼ突くことを前提としたもの。でも今は現実だから、槍で突く動作に加え、ルゥカの様な両剣の動きを取り入れることが可能だ。
その結果がさっきからしている動きですよ。
ファンなら技名ですぐに出てきたかもしれないな。テイ○ズオブヴェス○リアに出てくるジュディスの槍術。実はあれを参考にしている。
それをイメージしながら俺は槍を使っているのだ。
これなら槍の持ち味である大きな間合いを用いつつ、得意な両剣の動きもできる。そしてここ最近で出来るようになってきた転移の感覚を用いた元ネタ技の再現。
ま、まぁ、アサシン相手に練習したとはいえまだまだ回数を経ていないからイメージを補正する為に技名を言葉にしないといけないのだが、先程使った“月光”のような初見殺し技も多いし大丈夫だろう。
避けられたけど。
でも、次は当てる。
俺は槍を上段に上げて再び走り出す。
そしてそこから薙ぎ下ろしながらランサーに突っ込む。
「幻狼―――」
「甘いって言ってんだろぉがぁぁ!!」
その俺に対しランサーはより早く神速の突きを以てして対応する。
が――、
「っな!?」
ランサーが俺に突きを喰らわせてる時点で既に俺はランサーに背中を合わせるように居る。
いや、正しくはランサーの槍が貫いている方にも
俗に言う残像っていうやつだ。正確には俺のは幻影だが…。
幻狼斬。
TOVの技の一つ。本来は、正しく残像を残すほどの急加速で敵の後方に抜ける技だが俺がしたのは、前にキャスターと話した技としてのカレイドスコープ(もどき)を応用して自身の幻影を置いて自分は敵の後方へ
いや、本当はちゃんとした技を練習してたんだが、ゲーム内エフェクトのイメージが先行し過ぎて能力のせいでこういう技として出来てしまったんだよね…。
そういえば、某“狩人×狩人”に出てくるカストロというちょっと可哀そうな人の“ダブル”という能力に似ているかな。
現段階ではチートに頼った上で制限が付いている荒技、幻狼斬もどき(笑)。
時間があったらちゃんとした武術として再現したいようなきもするが、これはこれで役に立っているので構わないかな。
「――斬っ!!!!」
「ぐあっ!!」
後方に出た俺の斬撃と同時に、ランサーの前に居る俺は霞と消える。
斬撃を喰らったランサーは前方へ吹っ飛ぶ。
いや、感触がおかしい!!
「っ痛ってぇな…。ったく、今のはどういう理屈だ…?」
立ち上がったランサーの背中には確かに俺の斬痕があるが、致命傷には程遠い。
垂れ落ちる血液。しかしその程度。
さすがは、英雄ってことか…。
「あの状況で反応して前方に飛んだわけか…。フィクションみたいだけど、まさか目の前で見るとはね」
「仮にも英雄って呼ばれてんだ。わけねぇよ」
振り向き、俺の方を向くランサーの顔はまだまだ余裕の笑みを浮かべている。
ああ、楽しいなぁ――
―――っと、ダメだダメだ。
ナノブラスト使っちゃうと目的を果たせなくなる。ケモってる場合じゃない。
アーチャーの時みたいに後でならともかく、今なる訳にはいかない。
冷静に、ランサーの槍を捌かないと…。
まったく、獣の本能ってやつは厄介だな。すぐに戦闘が楽しくなる。
獣って言う位なんだから生存本能優先しろっての。
何にせよ、何とかランサーの動きに対応できている。
でも、それでやっと追いついたというだけだ。
「まったく、ズルしてこれかよ…」
ほんと、全く持って“当たらなければ意味が無い”ね。
だが、苦笑する俺にランサーの兄貴は漢前に笑いながら告げる。
「ズル? はっ! さっきのは嬢ちゃんの技なんだろ? だったら使えばいいじゃねぇか。手加減してる奴に勝ってもなにも嬉しくねぇ。全身全霊で来い。我が槍で貫いてやるからよ」
そう言いランサーは構える。
か、かっこいい…。
さすがは兄貴。そこに痺れる憧れる!!
「かっこいいなぁほんと。羨ましいよ」
「お褒めに預かり恐悦至極ってか? けど、俺も嬢ちゃんみたいな気の強い女は嫌いじゃないぜ」
「っ、な、何言ってるのさ?!」
一瞬思考が止まる。というより理解を拒否した。
けどその意味が解って俺は混乱する。
「何だよ照れてんのか? ますます気に入った。その技量を持ちながらも女らしい可愛さも持ってるとか中々無い逸材だぜ」
なんかランサーの兄貴がナンパ男みたいになってる!?
ってか女らしいとか言うな!!
「っ!!」
「うお!?」
槍を腰だめに構え、そのまま槍に乗る様にランサーへと突き込んだ。
だがそれも後ろに下がることで避けられる。
「ちっ」
「照れ隠しにしちゃぁ物騒なことしやがるぜ」
「うっさい! 女らしいとか言うな!!」
さっきまではカッコいいと思っていたが撤回だ。
こんなナンパ野郎はさっさとぶっ倒す。
あと照れてない!!
「ここからは諸事情で全力は出せないけど本気で使える技使っていくから!!」
「おーおー来やがれ来やがれ。もっと俺を楽しませてみな、嬢ちゃん」
「ラウンド2だ!!」
再び腰だめに構えて、槍自体に乗る様にしてランサーへと突き込む。
「それは今見たぞ!!」
そう言いながら鋭い眼光でこちらを見るランサーは容易く避ける。
そして流れるようにこちらへと突きを放つ。
でもこの次は見せていない。
乗せていた腰をてこに槍を地面に当てて身をランサーの上へと跳ねさせ、ランサーの槍を避ける。
それにランサーも驚く―――恐らく槍のぞんざいな扱い方にだろう―――がすぐに槍を引き、自身の上に来た俺へと槍を向け直す。
だがその時点で俺も槍をランサーへと向けていた。
「っるぁぁぁ!!!」
「そうだっ!! それだっ!!! 良い感じじゃねぇかっ!!!」
互いに突きの連打。
互いの間にて火花を散らす槍が、双方の槍の進路を弾いていく。
「っは!」
だけどたとえ馬鹿力とはいえ空中では発揮し辛い俺は、普通に考えたらわかるが地に足付けたランサーに途中で上手いこと槍を反らされ、それに合わせて体が流れる。
そこへ放たれる槍。
今使った技は本来3段式、長槍系PAドゥース・マジャーラ。
でも3段目は身体を流されたせいで出来ない。
でもそれで良い。
「月光!」
「ちっ、またか!」
再び俺は
でも同じ技じゃぁ芸がねぇよな!!
ランサーは背後を見る。
でも俺はそこに居ない。
「―――烏!!」
ランサーの更に後方、その上空。
そこから槍を投げ放つ。
「っ!」
それをランサーは冷静に払いのける。
避けられた俺の槍はランサーの背後へと落ち、ドンと重たい音を立てる。
そしてその瞬間には空中で無防備となった俺へとランサーは飛んでいた。
止めと言わんばかりに彼は槍を突き出す。
でも残念。
「月光・烏! 月光・烏! 月光・烏! 月光・烏! 月光・烏! 月光・烏! 月光・烏! 月光・烏! 月光・烏! 月光・烏! 月光・烏! 月光・烏! 月光・烏! 月光・烏! 月光・烏――――」
ランサーが俺へと届く前に、俺は槍を手元へ呼び戻す。
そしてそれを再び投げつける。
否、投げつけ続ける。
「はぁっ!?」
驚愕の声を上げるランサー。
そして彼は今空中に居る。
対する俺が今使っているジュディ姐さんの本領は空中戦。
はは!! ただのカカシですな!!
空中で器用に俺の槍を弾いていくランサー。
でも先程の俺と同じように空中では万全の体勢とは言えない。
徐々に表情が苦しげになるランサー。
弾かれた俺の槍がやがて土煙を上げ、辺りを隠していく。
「―――月破墜迅脚」
空中で身を翻し、そのまま
「っらぁ!!」
しかしそれも弾かれた。
見えていないと思ったが俺自身が放たれた以上、矢除けの加護が発動したんだろうか?
まぁ別に決まればいいなと思っていた程度でしかない。
「まだまだぁぁっ!!」
一度俺はバックステップで下がり自身の槍、トラクラを両手で腰だめに構える。
「突き合いか? おもしれぇ!!」
ランサーも同じように構えた。
さぁ、次は突き勝負と行こうか。
「ドゥース・スカッド!!!」
フォトンアーツの技の一つ、連続突き技のドゥース・スカッド。本来は最後に槍投げをする槍スキルだがそんな無粋なマネはせず、ただただ突きの部分を繰り返す。
ちなみにこの技、空間を貫き次元を破壊する衝撃により敵を吹き飛ばすという概念が存在する。
今は使ってないよ?
ってか早々使う気ないけどそんな物騒なの…。
突きを繰り返す俺にランサーは付き合ってくれて、突きを繰り返す。
「っしゃああぁぁぁぁ!!!!」
突く突く突く突く突く突く突く突く――――――
互いに突いて突いて突きまくる!!
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラぁぁぁっ!!!!!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁぁぁっ!!!!」
…!?
俺はもう一度後ろに一旦下がり、もう一度同じ技を繰り返す。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラぁぁぁっ!!!!!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁぁぁっ!!!!」
…!!?
ま、まさか…。
これは確認が必要だ…。
槍を大きく薙ぎ払うように振り、ランサーを飛ばす。
飛ばされた時に自身から飛んだのか、軽々と後方で着地するランサー。
そこで俺は一旦槍を下ろす。
「どうした嬢ちゃん?」
「貴様(ジョ〇ョを)、見ているな!!」
「…何の事言ってんだ?」
「ジョ〇ョだよ!! ジョ〇ョ!!! あんたぜぇったい読んでるだろっ!!?」
少しの沈黙の後…。
「な、何の事を言ってるんだかわからねぇぜ…」
何の事やらといった風に掌を上にして否定するランサー。
いやそれもろに嘘ダウトだろ。
だって――――、
「動揺しすぎだし、ついでに言うと…その見事なジョ〇ョ立ちをやめてから否定しやがれぇっ!!!」
「なん…だと…!?」
おい、何なんだよこのランサー。何か無駄に親近感わくんだけど…。
なんだあれか? 大きいお友達(イケメン)なのか?
ランサーじゃなくてらんさーなのか!?
ってか、無駄にセリフやらポーズが似合うなおい!!
「……」
「おい嬢ちゃん…。その目やめてくんねぇか?」
「いや、だってさ…、さっきあんなかっこいい事言ってさ、場を引き締めて、良い感じの空気になったと思ったらこれですよ? 俺が言えるこっちゃないのは重々承知だけどさ…なんというか…ねぇ…?」
「は、はまっちまったもんは仕方ねぇだろ!!? 良いじゃねぇか別に!! あれか!? サーヴァントはマンガ読むなってか!? そいつはサーヴァント差別だろ!!」
これ俺の所為じゃないよね!?
サーヴァント勢がキャラブレイクしまくってるのは分かるよ。俺が関わった結果だからさ。
けど俺、ランサーとまだ関わった覚えないよ!!?
なんで既にキャラブレイク!!?
あれか!? バタフライエフェクトとかいうやつか!?
それともマスターであるマーボー神父の所為か!? テコ入れ!?
あーもう誰か助けて!!
わけ分からん!!
「あのさー、らんさー…」
「なんかニュアンスが…気のせいか? いや、それで何だ?」
「ランサーの趣味って釣りじゃないの?」
「ああ? 何で知ってやがる?」
「それは気にしない」
「まあ良いが…確かに釣りは好きだけどよ、サーヴァントの俺が釣りできる所までマスター放っぽって行く訳にはいかんだろうよ」
「それでマンガやらに?」
「いや、近所の変なガキ共が持ってくるんだよそういうのをよ。まぁ警戒しながらでも十分読めるから読んでたらいつの間にかって感じだ。このポーズもそのガキどもが会う度にやらせるものだから身に着いちまってな。笑いたけりゃぁ笑え、今の俺はコスプレ兄さんだ」
なんか近所の子に懐かれてる!!?
まぁ戦闘時以外は気の良いイケメン兄さんだから分からんでもないが…。
それにしてもよっぽど気にいったんだね…。まだジョ〇ョ立ちしてる位だし…。
というか自然に出るくらいにさせられたんだね。
「じ、事情は分かったよ。おれもマンガとか大好きだから分からんでもないし」
「そうか…。ちっ、どうせなら違う出会い方したかったぜ。良い話ができそうじゃねぇか…」
そう言って槍を構え直す。
ちょ、いきなりシリアスに持って行かんといて!
俺そんなに器用じゃないっすよ!?
「ん、うん、そだな。確かにランサーとはゆっくり話とかしてみたいね」
実際してみたい、色々と楽しそうだ。
よし、落ち着いた。
俺もシリアスに突入―――
「OHANASHIは嫌だけどな」
「それも知ってるの!?」
なんと、ランサーはなのは式OHANASHIも知っていた。
って、だから空気の上下が!!
「だがもう遅ぇ。俺のマスターの
いやはや、えらく警戒されたもんだね。
でも当然っちゃ当然だわな。
チートって言葉すらあほらしくなる位にチートだもの。使いこなせてないけど…。
そして、宝具…ってことはゲイボルグだよな?
それを使うことを態々指定してきた。何故だ?
いや、今までの事を見られていたと考えればそこに行き当たるか。
金ぴかに一度殺されたのに復活した所から高速再生かなんかだとマーボー神父は考えたってところかな?
そんでもって、回復後は技を覚えられる…と考えたと…。
だったら回復できない効果を持つ武器で傷を付けて死んでもらおうと…そういうことか。
でも残念。
多分俺って、直死とかを喰らっても死なないと思うよ…。
今までに何度か試した結果、やはりスケドの効果は転生に近いことが分かっている。
例え治らない傷を植え付ける武器だろうと、一度に幾つもの命を奪っていくほどの効果を持とうと、スケドがある限りは復活する。
おそらく、魂とかを吹っ飛ばされても治るんじゃなかろうか。
いや、さすがにそれはないか。
無いよね?
ともかく、こと生存に掛けては過剰なほどのチートである。
例えゲイ・ボルグでも一度死ぬだけだ。
やられる気はないけどね。
ってかこれ以上死ぬことに慣れるのは嫌だ!
「おい嬢ちゃん!」
「のわっ!?」
「たく、いきなり何黙り込んでんだか」
しまった…。
いつの間にか思考に没頭してた。
「えっと、ごめんなさい…」
「それは良いんだけどよ、半分は俺の所為でもあるからな。それより続き、どうするんだ? やるなら構えな」
そう言いランサーは再び構える。
「あ、待った」
どうせなら今言っとこうかな。
「あのさランサー。俺があんたを倒したら俺のお願いを二つほど聞いてほしいんだけど」
「…普通言うなら一つだろ? それで、なんだ?」
「それはまぁ後のお楽しみって事で」
「はっ! そんじゃあ聞くことはなさそうだな」
「そいつはどーかねぇ? んじゃラストバトルと行こうぜ!!」
・
・
・
「いやー楽しいね?」
「否定はしねぇが、やればやるほどこっちの技術が吸い取られていくってのはあんまり良い気分じゃあねぇな」
どれ位やってるかは分からないが、第3ラウンドを始めてそこそこ経った。
ちなみに、軽く言っているが実際はそうでもない。
刹那の間に何度も攻防を繰り返し、死が見え隠れする死合いの真っ最中なわけで余裕はない。
ランサーが言うようにちょっとずつランサーから学べているから何とかもっているだけだ。
でも何か一つ間違えるとすぐにアボンしちゃうね。
「考え事とは余裕だなぁっ!!」
またやってしまった!!
ランサーの槍が顔に向かって迫る。
「こんにゃろぉぉ!!」
それを無理矢理身体を後ろに倒すことでかわすが、ギリギリのため額でかすり、帽子が貫かれて飛んでいく。
この体制じゃぁ追撃をかわせないかな。
これは第3ラウンド終わりかね…。
だが――、
「!!?」
ランサーはそれをせずに固まっている。
何故?
いや、けどこの機会を逃すのは惜しい!!
倒れる身体をバク転の要領で一回転させて体勢を立て直し、改めて槍を後ろ手にランサーに向かう。
しかしランサーはハッとするかのように体勢を立て直し迎撃態勢を取る。
「さっきと同じかぁ!!?」
その俺にランサーの突き、構図としては先ほどと似ている。
だが、そんなことする訳がない。
「無影衝!!」
槍に突かれた俺、それは一瞬で消えるが本体の俺はその
「っち! 今度は前か!!」
突きだしていた槍を跳ね上げ俺の斬撃は防がれる。
「なら、嵐月!!」
大きく袈裟掛けに振り払い、その瞬間に魔力をわざと暴発させることで球形の乱気流をランサーへぶつける。
「くそっ!」
ランサーは大きく後ろへ飛び、それを避けた。
「槍術系混成接続……」
とか言ってみちゃったりしてー。
いや、言いたかっただけだけどね。
「天月閃…」
俺はそのまま近づき、思いっきり踏み込んで上空に蹴り上げる。
「ぐはっ!!」
「如月…」
縦に回転しながら下から連続で切り上げ、最後に蹴り上げる。
「崩蹴月…風月…尖月…」
「かはっ…」
蹴り上げと同時に、踵落とし、落ちたランサーを逆立ち状態でカポエイラをしながら再び蹴り上げていき、さらに空中2段ジャンプで追撃の突きを行いさらに上空へかち上げる。
「止め……我に仇名す者を…冥府へ送りし…朧月の棺!!」
続けて空中で連続で斬撃と蹴撃を流れる様に加え、最後に大きく斬り上げ―――、
「はあああぁぁぁ!!!! 覇王…籠月槍ぉぉぉ!!!!!」
ありったけの魔力を自身の槍に叩き込みッ!!
投げつける!!!!!
矢除けの加護があろうとこれだけ体勢を崩したうえで空中なら避けようもないだろう!!
「なんだ…、嬢ちゃんの槍は空中が本来使う場所だったのかよ…。今のは見事だったぜ…」
俺が投げた槍の所為で腹にドでかく風穴を開けそれでも倒れずに、ゲイボルグを杖の様にしながらも立ったままのランサーが言ってくる。
「ありがと。ってなわけで、先の約束についてなんだけど…」
「ああ、好きにしな。この状態じゃあもって一分もないだろうが…」
よし、了承は得た。
「どもです。んじゃぁ…ってい!」
俺は例のごとくスペカを取り出し、ランサーの残っている胸元の辺りの掌底と共に撃ちこむ。
「ぐほぁあっ…!! 何…しや…がる……」
ランサーは血を吐いた後、そのまま後ろへと倒れ込んだ。
鬼畜? いや、でもしんどい時間は短かい方が良いじゃん。
はたから見たらただの死人に鞭打つ状態だけども。
そんな誰に対する言い訳か分からないものを考えながら暫く待つ。
今までよりは早いだろうか、倒れたランサーの身体が光に包まれていく。
まぁ毎回のパターンだよね。
光に包まれていたランサーの身体が徐々に小さくなる。
やがて光は収まっていき、そして消えた。
すると何と言うことでしょう(劇的ビ○ォーアフ○ー風
辺り一面に血が飛んでいる森の中に青い全身タイツの少年が現れたではないですか。
なんて、頭の中で実況しているとランサーの瞼が震えはじめた。
「って、いってぇぇぇ!! 何しやがる!!! っておお!? どうなってんだこりゃ?」
跳ね起きるようにして俺の目の前に立つランサー。
わーい、目線の高さが同じくらいだ。
ようこそ小さな世界へ(血涙
「おお! 令呪が消えてる上に受肉してんのかこれ!! すげぇなおい。でもなんで小さくなってんだ?」
「いや俺にもそこはよくわからない。サービス?」
「誰にだよ」
「それはほら、世のショタ好きな…」
「いやもう良い、それよりもなんで俺を生き返らせた」
「あいあい。えーっとですねぇ――――」
・
・
・
「嬢ちゃん、何でそれを知ってやがる」
キングクリムゾン(笑)中にお願いを言いました。
一緒に身体が陥ってる状態も。
それで、俺が言ったお願いについてだが、1つ目は、この聖杯戦争を終わらす手伝いをしてほしいという事。
そして2つ目がさっきの言葉に繋がる。
その二つ目ってのがダメt…じゃなかった…バゼットさんの所に案内してほしいというもの。
ついでに、ランサーの真名も知ってるし、バゼットさんが本来のマスターなのに、今のマスターに令呪を奪われたせいで従ってる事も言った。
「何で知ってるかって……えーっと、簡単に言うとアカシックレコードに接続できるから…ってことで」
いつものごとくの良い訳。
そういや最近使ってないな。拗ねてたりして(笑)
「ちょっと待て。簡単に言うこっちゃないだろ。っていうか、それなら何で場所がわからねぇんだ?」
「……あは(笑)」
「……」
「痛い!?」
槍の柄の方で小突かれた。
「もう良い。そっちは置いておく。約束とはいえ、これも契約だ。雇われる側に必要な情報でもねぇしな。それで? 何であいつの所なんだ? あいつはもう…」
「死んでないとしたら?」
「!!?」
「確か…自身を仮死状態かなんかにしてまだぎりぎり生きてる筈」
「ほんとなのか!?」
クー兄さんは俺に詰め寄り、首元を掴んで思いっきりゆすりだす。
やーめーてー。
うぅ、吐くってこれ…。
「ちょ、やめて!? 吐く! マジ吐くこれ!!」
「わ、悪ぃ…。 それでマジなのか?」
「まじまじ。そんなわけで案内してほいんさ。ほっといたら死ぬんでな」
「そうか…。あいつが生きてんのか…。ははっ、殺しても死にそうにねぇ奴だとか最初に思ってたがホントに生きてやがったか…」
嬉しそうに微笑むランサー。
ぬおっ!?
さすがイケメンカッコよす。
やっぱりイケメンは小さい時からイケメンなんですね。爆発すればいいのに。スケド使ったとこだけど。
でもまぁせっかくだから、その顔はバゼットさん本人に見せてやってほしいね。
「ま、そんなわけで案内よろしくね」
「ああ。こっちだ」
・
・
・
小さくなったランサーの案内で、なんだっけ、双子館? 確かそんな名前のバゼットさんが拠点にしようとし、そして令呪を奪われた屋敷に来ている。
そして、中々にきれいでいかにも高そうな雰囲気の物がたくさんある部屋の中、血まみれなバゼットさんが転がってる真ん前まで来た。
「うっわ、見事に血まみれ、そして片腕が無い」
令呪を奪っていく際に腕ごと持っていかれたんで片腕が無い。
グロいね。
もっとグロい目に会ってる俺が言うのもなんだけど。
「あのよー、嬉しくなって来ちまったが…、改めてみると死んでる様にしか見えないぞ嬢ちゃん」
「うんや、生きてる…よ? なんか俺も直接見たら心配になってきた……」
「おい…」
ジトーっとした目で見てくる。
おおぅ…。
仕方ない、こんな時は…。
「確認するよ。たららったら~携帯電話~(耳なし青ダヌキ風)」
「ちなみに俺は大〇のぶよのが好きだ」
おいぃぃっ!
近所の子どもさん、ランサーにそんなのまで教えてんの!!?
その近所の子見たくなってきた。
「こいつでアカシックレコードに繋いでみて確かめるんさ。えーっと、バゼットさん、現状、仮死…AND検索でいっか」
「アカシックレコードってそんなググる感じでできるもんだったっけか?」
「できるもんは仕方ない。ッと出た出た。え~何々? 現在の状況、『仮死じゃね?ってか案外蹴ったら起きるんじゃね?やってみ?』って書いてあるね。
…………」
「おい、ホントに蹴ろうとするんじゃねぇよ!!」
「……冗談ダヨ?」
ソンナワケナイジャナイデスカー…。
ねぇ?
そう、続けてランサーに言いながら俺は
ちなみにこれを選んだ理由は特にない。
ただ、見た目は魔法少女のステッキといった体だが、ネギよりは杖っぽいからこれにしてみた。
「え~まずは仮死状態を解除して回復すれば良いかな? レジェネ!! レスタ!!!」
バゼットさんが光に二度包まれ、服に血が付いてはいるが血色がよくなり、腕も元に戻ったバゼットさんになった。
寝息がかすかに聞こえる。
ふむ、割りと簡単にできたな。
腕も回復したのは行幸だ。
ちょっと心配だったんだよね。
「ありがとよ、嬢ちゃん」
「良いって良いって。これは俺が勝手にしたいと思ってやった事だからさ」
「それでも、言わせてくれ。感謝する」
「なんか照れくさいな…っとそうだ、このまま地面に寝かせとくのもアレだし移動させなきゃだな。うちまで連れてくかな」
うちといいつつ衛宮亭ですがね。
「おっと、そいつは俺がやるぜ」
「そっか、んじゃ着いてきてくれ」
よし、これでまた一つクリアっと。
順調順調ー。
あとは金ぴかとマーボー神父とに聖杯か。
うん、これは一度にする必要があるから、あとちょっとだね。
戦力はそろった。
そして向こうの戦力は削った。
くっふっふ、後は罠にかかるのを待つばかりだ。
クライマックスは近い。
<小話:バゼットさんのところに行くまでした会話>
「そういやさ」
「あん?」
「おれがランサーに最後の大技くらわす前にランサー一瞬止まったじゃん? あれって何で?」
「ああそれか。それはお前さんの帽子が取れた時に耳が見えたからだよ」
「耳って…これ? なんで?」
「なんだ、それは知らねぇのか。俺はちょいと犬ってのに良い思い出が無くてな。反応しちまっただけだ」
「あ、そういえば犬耳っぽいのだっけ俺…」
「あー、ちくしょう。犬は食わないって
「食べる!? 俺を食ってどうするの!? ってかどっち!?」
「そりゃぁお前、決まってるだろ」
「美味しくないよ!?」
「く、くくっ、そうじゃねぇよ。まぁいいや。どっちにしろ今の状態じゃ難しそうだ」
「お、おおぅ?」
「まぁ、色々楽しませてもらうか。っておい、何で離れるんだよ」
「いや、なんかよく分からないけど嫌な予感がしたから。あ、それ以上近寄らないでください。通報しますよ?」
「ちげぇよ! 違わないけど! ほら行くぞ!」
「あ、うん」
いかがだったでしょうか?
ジュディス姐さんの槍術を文章にするのが難しすぎるw
知らない方でもイメージできたでしょうか。
出来なかったのならば私の表現力が足りなさ過ぎたということですかね。
もっと上手く表現できるようになろう!!
P.S.
報酬期間ですね!
INしてはドゥドゥ&モニカと戦ってばかりで、あまりチャレンジに行けてないですw
そろそろまた行こうと思います。