テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編    作:onekou

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どうもonekouでございます。

ちょっと過ぎちゃったけど、長くなったから仕方ないですよね? ね?


『stage16:戦争なんさ! しょうがないだろう!(開き直り』

 

 ハローハロー、みんな元気ですか?

 私は絶不調なのですよ。

 

 少女補正は未だ解呪できず、お城に戻ったときはイリヤに弄られ……。

 散々なのです。

 

 イリヤの弄り…ですか…?

 はあ……。

 着せ替えなのですよ、着せ替え。

 

 イリヤが令呪で私に命じたのは『女の子らしくすること』なのです。

 そのせいか女の子らしい服を着せられる時、何故か身体が動かなくなったのですよ。

 

 原作で凜がアーチャーに向かって『私に従え』みたいな曖昧な令呪のつかいかたをしていましたがマスターとしての適性が高いゆえに成立していたのです。

 私の場合も、自滅+イリヤのマスター適性の高さもあってか『女の子らしくすること』という曖昧な命令である故に女の子らしくするためのあれやこれやをイリヤに無理矢理…、無理矢理……。

 もうお嫁にいけないのです!

 行く気もありませんが。

 

 とりあえず今の状態だといつもの調子が出にくいので、本気を出すためにも女の子化を止めてもらうためイリヤに謝りまくったのですがあのどエス…もといあの幼女は今日出かけるまでは止めないって言ってきました。

 悪いのは私ですが根に持ち過ぎじゃないですかねぇ!?

 

 と、とりあえず、色々試して満足したのかイリヤが着ている服の色違いの黒を着せられてお開きとなりました。

 私の目は死んでいることでしょう。

 もうね、わけが解らんのです。

 いくら令呪だからってここまで私の男としての尊厳を破壊しまくって良いのでしょうか。いや、良いわけないのです。反語。

 令呪やら私の能力がどうたら以前に、世界そのものから弄られてる気がするのですよ。

 

 

 閑話休題。

 

 

 そんなこんなでお城に帰ってきた私なのですが、現在は自室で新しい力について絶賛修行中なのですよ。

 実は今日は慎二君終了のお知らせの日なのです。

 イリヤに今日の夜出かけるとも言われました。それが先に言ったお出かけですね。

 丁度、綾子の為にもとっちめる予定でしたからある意味では丁度良かったのです。

 現在正午過ぎだから大体10時間ほどすればライダーvsセイバー戦が始まるであろうというところなので、それまでに色々と準備をする必要があるのです。

 とはいえ、ワカメをコウゲキ(・・・・)するために必要なものの半分は既にあのお優しいイリヤが代わりに集めてくれてあるのです。

 準備したいものを伝えた時にソレは私がやると言ってくれたのですが、まぁ暗示とかは苦手だったので助かったわけですがその前に私の状態を戻してほしいと思うのは贅沢なのですかね?

 

 さておき、攻撃に関しては何とかなると思うので、あとは汎用性が高い能力を二つほど得たいと思うのです。

 その能力は『空中戦闘』と『空間移動』に関するもの。

 何故今それが必要かというと私が考えた原作ブレイク計画にも関係があるのですが、対ライダー戦も含めて無いと困るのです。

 名前は『サーヴァント補完計画』。計画名は適当なのです。

 内容は―――いや、今言ったら面白くないのでその内にしましょう。

 

 今は、能力習得が先なのです。

 

 まず一つ目、空中戦闘に関してですが実はこっちはほぼ決めてあったりします。

 考えた方法は箒で飛ぶか、翼で飛ぶか。

 ただここで一つ考えてほしいのです。

 魔法使いは箒で飛ばない。箒で飛ぶのは魔女なのです!!

 というわけで、方法は翼で飛ぶという方法で可決ですね。

 も、勿論、それだけが理由ではありません。

 確かに人間にはそもそも翼というものが存在せず翼が生えたからといってすぐに飛べるイメージを掴めるかというと謎です。

 しかし箒で飛んだ場合だと箒の制御に手を使わないといけなさそうなので戦闘という面に関しては不利になると思うのです。

 カードキャプっちゃう桜ちゃん理論ですね。まぁあっちは杖ですが。

 ちなみに、箒の場合は長杖(ロッド)系のウィッチブルームという武器を使うつもりでしたが今回はそのまま倉庫に入れておきましょう。

 

 というわけで翼なのですが、今まで使ってきませんでしたがPSPo2にはビジュアルユニットという通常防具とは別の、文字通り見た目にアクセサリーを加えることができるものがあります。

 この身体になって防具というものがどういう扱いなのか必要なくなりましたが、ビジュアルユニットに関しては使用できることが分かっています。

 その中で今回使用するのが『ホワイティルウィング』という名の、これまた文字通り白く輝く光で形成されたような翼です。

 同じ種類でダークネスウィングとかもあるんですけどちょっと見た目が禍々しくなりそうなので白翼でいくことにしました。

 そんなホワイティルウィング。使用方法は簡単です。

 翼なんだから飛べるだろうと思い込んで飛ぶだけ。

 

 ね、簡単でしょう?(震え声

 

 

 

 さて、次の空間移動ですがこっちがまだ悩み中なんですよね。

 

 真っ先に思い付いた空間移動の方法は東方projectの八雲紫が使うゲート方式なのです。

 あの能力は空間の『境界』を操って別の場所につながるゲートを作ったり、異次元空間へつなげたりとかなり汎用性が高いし、チート臭いのです。

 しかし、今の私でできると思えてないので却下。

 後々使えるようにはなりたいですし、出来ないこともないでしょうがイメージし辛いのですよ。

 そもそもあれは能力の一部として空間移動を可能にしているだけで、今の私が求めるものとは微妙に主旨が違うと思うのです。

 なので却下。

 

 次に思いついたのは、オンラインで使うのはやや敬遠され気味だった武器、双小剣(ツインダガー)系のツミキリヒョウリなのです。

 これには時間と空間を支配する的な概念があって、それを使えばいのでしょうけど、そもそも空間支配ってどうするの?

 とりあえず空間を移動する為にイメージしたのは裂け目を作ることなんですが、それをするとしたら空間を斬る必要がある思うんですよね。

 けどあの武器、一定確率で即死効果が付いてるんですよね…。

 PSPo2では連続攻撃(チェイン)によってレア率が上がるというのが定説だったのもあって即死攻撃系の武器は敬遠されてた訳ですが、く、空間に対して即死効果発動とかってなりませんよね? ね?

 当然BOSSとかに対しては発動しなかったし大丈夫だとは思うんですが、まだ能力を操り切れてない内は自重した方が良いかなーって思うのですよ。

 だから試すのは今度ですね。

 

 というわけで、他にゲートタイプの能力者は―――。

 

「ふむむ……あ……」

 

 目についたのは部屋の入り口、ドア。

 ティンと来た!

 

「これなら…」

 

 取り出すのは真っ白なカード。

 ここに概念を書き込むことで新たな技、能力にするのが私が編み出した技術。

 ドアとは違う空間と空間との隔たりであり出入口であるもの。

 この概念を使用して、イメージ。

 

 イメージするのは国民的人気アニメの青いたぬk…コホン…猫型ロボットが使う道具。

 

「……ッ!!!!」

 

 一気に概念と共に力をカードに込める。

 そうすると、カードが白く光りその中に絵柄や文字が書き込まれていく。

 自らのイメージが求めていたものに近ければ、その求めたモノそのものを彷彿させる何かが描かれるのです。

 

「よし完成!って、なんなのですかこれ…怪奇移動『どこでもドア』……。ふむ、とてつもなくいやーな予感がするのですよ?」

 

 怪奇移動?

 微妙に猫型を間違えそうになる雑念が入ったからなのですかね?

 でもまぁ試しに使ってみないとどうしようもないですし…。

 細心の注意は必要でしょうでしょうけど、とりあえず使いましょうか。

 

 ドアの方に向かい、正面に立つ。

 そして、宣言。

 

「怪奇移動『どこでもドア』!! 目標!! 日本の人気がないところ!!」

 

 ぺかぁぁ〜……っと、手にしていたカードが光となって消えていき、代わりに目の前のドアが同じように光ります。

 ただ、なんか光方が胡散臭い。とんでもなく嫌な予感がするのです。

 と、とりあえず、ドアの先はどうなったですかね。

 

 ドアをくぐり、つながった場所へと足を踏み出す。

 

 どうやら成功のようで、比較的周囲の建物が見えないことからどこかの屋上に出たようです。

 ただ、問題あるとしたら、そこかしこから噴煙のようなものが立ち上がっているのが見えます。あ、どこかで爆発した。

 これ、空間移動というか世界そのものを移動してやがりませんかね? しかもやっべぇ世界に来たんじゃないですかね?

 

 ドアが閉じないようにストッパーをしてから、もう少し辺りを確認するために恐る恐る探索を始める。

 

 どうやらここは屋上の中でも一段高い場所に建てられているようで、ドアを出てすぐに柵があり、下へ降りるためには端にある階段を使う必要がありそうですね。

 人気の無い所を指定したはずが何やら聞こえるため、角まで行き、そーっと覗くと―――。

 

 

『グゥア〜』『ガァーッ!!』『アァ……』『ウゥアァ〜』…………

 

 

 なんぞこれ?

 なんかゾンビちっくな、色々と飛び出たり足りなかったりする方々がいらっしゃる。

 というかかなりゾンビだよこれ!

 確かに人気は無いけど! いっぱい居るじゃないですか!?

 

 いやいやいやいや、いつから日本はこんなことに?

 死徒とか? いやでも今はこっちも日が出てるし違うですよね。

 周囲の建物とかを見るに確かに日本だし、ここは学校の屋上みたいなんだけど、私は一体どこに来てしまったのですか?

 

「確かに私が言った条件に当てはまりますけども何なのですかこれは!? どこ!?」

 

 見つからないようにしていたのに、脳の許容量がバーストしてしまって思わず叫んでしまったのです。

 

 「あ」

 

 

『『『『グゥア?』』』』

 

 

 しまったのです!! 一斉にこちらへとゾンビが向いて殺到しはじめたのですよ!!

 戦略的撤退!

 

 ってあれ、割と遅いのですよ。

 

「あれ、これって割と行けるパターンですかね」

 

 ふむふむ、数は8ってところですか。

 

「あ、そうだ。レスタ」

 

『ヴァー…ア…アァ……』

 

「あ、効いた」

 

 ふと思いつきで回復してあげたら、地面に倒れ込んで動かなくなりました。

 

「ソォーイ」

 

『『『『ヴァァー・・・・』』』』

 

 あ、終わりました。

 屋上の安全、クリアなのです。

 

 そこでふと、日本、ゾンビ、学校という単語から一つの作品が思い浮かびました。

 

「はっ、ひょっとしてここって…」

 

 HOTD、学園黙示録、スクデッドなんて呼ばれてるアレ。エログロ系のあれです。

 

「ま、まさかねぇ…」

 

 

 

 

『アシクビヲクジキマシター!!』

 

 

 

「あああ!!! もう!!!!」

 

 嫌な予感というのは当たるものなのですね。

 アニメでも、それ以外の作品でも一時期よく使われたワードが無駄に高性能なこの耳に届いてしまったのです。

 

 慌てて、屋上の中でも声が聞こえた側、運動場等が見える場所に走っていくと、玄関から少し離れた場所に一人の少年が倒れ込んでいるのが見えました。

 

「来るのです! リベリオン!」

 

 呼び出すのは一丁のライフル、リベリオン。

 猟神と呼ばれた男が肌身離さず携えていたとされる長銃で、すさまじい殺傷能力の弾丸が目標を確実に捉え射抜くとされているものです。

 今回は威力は度外視で、対象を巻き込まないようにする必要があるためこれを選びました。

 

 私は早速リベリオンを構え、少年に近づこうとしていたゾンビを撃ちぬいていきます。

 

 というかあの男子、逃げるのにそんなに本を持つなです!

 あと、そこの教師! 今何しようとしやがった! ほらあっち行け! 当てるぞなのです!

 

 アーチャーの時とは違い目視でも対象を確認できるため、私は次々に周囲のゾンビを撃ちぬいていきます。

 

 少年は何とか立ち上がって走り出すも何せ遅い。

 見た目通りのがり勉君のようですね! 時間があったら鍛えるといいのですよ! 図書館で戦争が起こらないとも限らないのです!

 

 だからといって放置するわけにもいかないので、引き続き少年が必死に走るところへと近づくゾンビどもを撃っていく。

 

「私は一発の弾丸! なのですよ!」

 

 しかし、撃って撃って撃ちまくりますが数が全然減らないのです。次から次へと校舎からゾンビは出てきます。

 

 そこでカチンっと、手元から高い音が鳴りました。

 トリガーを続けて引くもカチンカチンと音を鳴らすだけで弾は出ません。

 

「しまった、龍脈と接続できてないから!」

 

 どうやら世界を越えているせいか龍脈との接続が切れており、自らのP.P.(魔力っぽいアレ)を弾丸として飛ばしていた為に弾切れ状態のようですね。

 

 少年を見ると、他の人達と共にマイクロバスに乗ることができたようです。

 ほぼ同時にバスが走りだし、門を突き破って視界の向こうへと消えていきました。

 

 ギリギリ行けましたか。

 ふぅ、世話が焼けるのですよ。

 

 

 ギィィ……

 

 

 一息ついていると、そんな音が横から響いてきました。

 同時にいくつもの唸るような声が…。

 そちらを見れば、やはりというか何体ものゾンビが扉を押しのけてこちらへと進んできます。

 

 あー、ライフルの音が原因…、ですかね?

 

 

「戦略的撤退!!」

 

 チートの限りを尽くし走って自分が通ってきたドアを通り、思いっきり閉めました。

 

「何なのですかあの地獄絵図…」

 

 周囲を確認すれば見慣れたアインツベルンの屋敷なのです。

 一応軽くドアを開けて向こうを覗く。

 うん、いつもの城内に戻っていますね。

 

 まったく、怪奇にもほどがあるのですよ

 

「それにしても、やっぱりはいすくーるおぶざでっど…なのですかね…?」

 

 私が転生する直前にアニメ放送が開始されて、一話だけ見たから覚えているのです。

 コミックの方も読んでいたし、雑誌もよく立ち読みしてたのですよ。

 

「いやいや、確かにあのマンガは好きですけどね…。勘弁してほしいのですよ…」

 

 まぁ確かにバイオみたいに走るゾンビとか武器を持ってるゾンビとかに比べたら難易度は低いかもしれません。

 このチートボディもあるし、不老不死だし、魔法も使えるし、銃もある。

 

 けど、行きたくないのですよ!!

 ゾンビは嫌なのです!!

 主に嗅覚とかSAN値的意味で!!

 

 あ、でもちょっとだけ鞠川先生に癒されに行く位なら……ってダメなのですよ! そんなこと考えたらフラグが…。

 

 

 『てててて〜て〜てってってて〜♪』

 

 

「このFFで聞いたことのある音楽…。あ、メールの着信音なのですか?」

 

 恐る恐る携帯を取り出し、画面に表示されていたメールを開く。

 

 

『やったねコウジュちゃん! 行ける世界が増えたよ!』

 

 

「くそーっ!! なのですよ!!」

 

 おいやめろなのですよ!

 

 いつものように携帯を床へと投げるも、忌々しいことに傷一つ付かない携帯電話。

 とりあえず拾い上げ、直しておく。

 

「うおぉ~、立ってしまったのですよフラグ…」

 

 はぁ…、鬱なのです……。

 あのエミリア神が言っていた“いくつかの世界”にあの世界が入っているとかないですよね?

 

「はぁ、溜息を付くと幸せが逃げると言いますが、溜息を付いた時点で幸せが逃げているとおもうのですけどどうなんですかね…」

 

 とはいえ取り留めもないことを考えて現実逃避するも何かが変わる訳でもないですよね。

 仕方ないので改めて本来の目的、空間移動の能力を得るため修行なのですよ。

 

「さてさて、今度こそ成功させましょう」

 

 再びカードの作成に入る。

 立ち上がり、カードを生み出して集中。

 今度こそ、雑念が入らないように力を込める!!

 

 すると今度は、カチリと頭の中で鍵が開いたような感覚が生まれた。

 確認の為に目を開けると、うん、成功のようなのです。

 

「空間移動『どこでもドア』、完成したみたいなのです」

 

 とりあえず試すとしましょうか。

 

「空間移動『どこでもドア』!! 目標は無難にこの城の玄関!!」

 

 今度は、先程とは違ってきれいに光り輝き、手にしていたカードが消えていき、代わりに目の前のドアも同じように光ります。

 

 さっきのことがあるのでそっと扉を覗くと、そこは見覚えのある景色でイメージした場所でした。

 

「やったのですよ!! 成功!!」

 

 ああ、これで作戦を進められる。

 そのためにも、イリヤとの作戦会議ですね。

 

 先程は準備を手伝ってくれはしましたが、綾子と出会い、私の勝手で計画に修正を加えることをまだ伝えられてはいません。

 だからイリヤに計画を話して協力を得る必要があります。

 

 私が思い付いた計画は、当初の予定よりイリヤにかなりの負担をかけてしまうのです。

 ここまで来れば、できればサーヴァント達も救いたいのですよ。

 そのためにも……。

 

 

『てててて〜て〜てってってて〜♪』

 

 

 おや、またメールなのですか?

 

 再び携帯を開きメールを確認する。

 また嫌なメールかもしれないと一瞬躊躇しましたが、見ないのも怖いので開くことにしたのです。

 

『空間操作に関する適性の一部を取得。これからは次元に関する技術の習得がある程度容易になりました。

特典としてマイルームを差し上げます。

模様換え用アイテムは元々お渡ししてあるのでそちらをお使いください。

部屋の設定は携帯でも行うことができます』

 

 

 ほほーう。

 これはこれは…。ふふっ、御誂え向きに丁度良いのですよ。

 有効活用するとしましょう。

 

 

 全てはハッピーエンドの為に。

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

「どうしたのコウジュ? 出掛けるにはまだ早いわ」

 

 自室で本を読みながら紅茶を飲んでいると、コウジュが訪ねてきた。

 しかしその様子が少しいつもと違う。

 お仕置きを継続をしているのとは別に、どこか元気のないコウジュを見て少し首をかしげながら質問する。 

 

「話があるのですよイリヤ。これからについて」

 

 前に話してくれた計画についてかしら?

 以前に教えてくれたのは、私をどうにかして死なせないというもの。

 いくつか不満はあるし情報として教えてくれていない部分はあるけども私自身としては嬉しいし、コウジュが大丈夫だって言ってくれたから任せているのだけど、ついに全部話してくれる気になったのかしら?

 

 秘密主義という訳ではないのだろうけど、この子は色々と言葉足らずなのよね。

 いや、言葉というか色々足りてない?

 なんというか、心配でたまに見ていられないのよね。

 オチオチ子どもっぽい真似なんてしていられない。

 

「…? えらく楽しそうなのです。何か良いことでも?」

 

 ふふ、まるで妹が出来たようだなんて思ってたんて伝えたら何て言うのかしらね。また拗ねるかしら?

 とりあえず何でもないとコウジュに伝えると、首をかしげるも気にしないことにしてくれたようだ。

 

「とにかく、計画についてなのです」

 

 いつになく真剣なコウジュに、私も真剣に聞くことにした。

 

 

「ふーん、そんなことがあったんだ」

 

「あの、イリヤさん? なんだか声が冷たいような…」

 

「そんなことはないわよ。ただ、その綾子って子と随分よろしくやってたみたいじゃない?」

 

「ちょ、ちょっと待つのです! 重要なのはその後だと思うのですが!?」

 

 コウジュの話を聞き計画変更を了承しようと思ったのだが、何故か声のトーンがいつもより低くなりそんなことを言ってしまった。

 

 何故か、もやもやするわ。

 

 うーん、兄弟姉妹が盗られる感じというのがこれなのかしら?

 

「あーもう! とにかく綾子とはなにもないのですよ! って何ですかこれ不倫の言い訳しているダメ亭主みたいなのですよ!?」

 

 一人勝手に自爆しているコウジュを見ていると、不思議ともやもやも収まってきた。

 

 うーん、ほんとコウジュと居ると全てがどうでもよくなってくるから不思議だわ。

 今まで感じてきたしがらみも、恨みも、死への恐怖も、コウジュが居れば何とかしてくれるような気がするのよね。

 いつもは緊張感の欠片も無いのに、時々ドキリとさせられる。

 

「ふふ、冗談よ。とにかく計画に関してはコウジュに一任してるんだから、ちゃんとやってくれるなら構わないわ」

 

「お、おうなのですよ。というか、もう怒ってないのですか…?」

 

 ビクビクしながら聞いてくるコウジュが可愛い件…、じゃなくて! あーもう、コウジュに毒されてるわねこれは…。

 

「怒ってないわよ。ちょっといたずらしたくなっただけだから」

 

「やっぱどエスなのですよ! あ、今の無しで」

 

「まったくもう…」

 

 コウジュと居ると、殺し合いのさなかにあることを忘れそうで困るわ。

 でも嫌いじゃないのよね。

 むしろこの子と過ごす時間は楽しい。好きと言える。

 

「そういえば、変更後の計画でも最後の私を救う方法っていうのは教えてくれないのね」

 

「あ、いや、それは、ちょっとそれを言うと怒られそうだなーって思ってですね…」

 

「その時点で怒られるとは思わなかったのかしら?」

 

「優しいイリヤさんはそんなことしないですよね? ね?」

 

「さぁどうかしら。私ってどエスらしいから」

 

「根に持ってる!?」

 

 マスターたる私に言わないで、何を悪巧みしようとしているのやら。

 まぁそれも込みでコウジュに任せているんだけど。

 きっと私が令呪の無駄遣いをしたのも、そのままお仕置きの意味だと思ってるでしょうね。

 けどあれは、令呪を無駄に使うことであなたから無理に聞き出すつもりはないっていう意思表示のつもりだったのだけど、解る訳ないわよね…。だってコウジュだし。私自身も遠まわし過ぎるって分かってるけどもね。

 

 けど、あなたも教えてくれないんだもの、これくらい解り辛くても良いわよね…?

 

「どうしたのですかイリヤ?」

 

 気づけば私の顔をじーっと見ていたコウジュがそんなことを聞いてきた。

 

「な、なに?」

 

「いえ、何か寂しそうだったのですよ」

 

 何でそんなところだけ鋭いのよ!

 もう、わたしも反撃するんだから。

 

「昨日あなたが家出して、令呪があるから離れてる感覚はなかったんだけどやっぱりどこか寂しさがあったわ。だから帰ってきたときは嬉しかったのよ」

 

「そ、そうなのですか…」

 

 あ、照れてる照れてる。

 

「だってね、よくよく考えたらあなたは初めての友達みたいなものだったのよ。

最初、サーヴァントはサーヴァントって割り切るつもりだったけどね、あなたを見てるとやっぱり友人感覚になってしまう。姉妹って感覚になる時もある。

あなたを召喚してからを思い返すと疲れることが大半だったけど、あなたを召喚できて本当に良かったわ」

 

 あ、耳まで真っ赤になった。

 

「い、一体どうしたのですか?いつもとキャラが違うのですよ? ひょっとしてからかってるのですか?」

 

「なんとなく今言わないといけない気がしたのよ。本当になんとなく…」

 

 そう言うと今度は、何故か口元が引きつっているコウジュ。

 あれ? 

 

「あのーイリヤ? 今のは死亡フラグくさかったのですよ」

 

「え? これもそうなの?」

 

 以前にコウジュから教えてもらった、ある一定の言動や行動を取ることで死を呼び込んでしまうという死亡フラグ。

 しまったわ。

 何が悪かったのかわからないけど、一気にいつものコウジュの空間になってしまった。

 

 まぁいっか。

 

 

「どうせ、コウジュが助けてくれるんでしょ? 私の自慢のサーヴァントだもの」

 

「恥ずかしいセリフ禁止!!」

 

 私の言葉にまた真っ赤になるコウジュ。

 

 どこまでもサーヴァントらしくないサーヴァントよね。

 サーヴァントは対象を指定しなかった場合マスターにどこか似た存在を召喚するというけど、私たちの場合はどうなのかな。やっぱりどこか似ているのかな。

 あなたが全てを話してくれた時、それが知れると嬉しいな。

 

 うん、やっぱりあなたを召喚できて本当に良かった。

 

 

 

 だから、本当に頼りにしているわ。私の自慢のサーヴァント。

 

 

 

 あなたの言うハッピーエンドを私にも見せてね。

 

 

 




いかがだったでしょうか?

とりあえず、イリヤ勢の胸囲の格差社会がすごかったですね。

そういえばリズさんは型月勢の中で2位の胸囲なのだとか。ニコニコさん見てたらコメで書いてました。
ずっと1位だったらしいですけど、圧倒的な持ち主が現れて1位を奪われたそうですね。
この時点で紳士淑女の一部の方は分かったかもしれませんが、堂々の一位はパッションリップちゃんw
身長よりおっきい160cmの数値を見て、思わずwikiを見に行った私は悪くないww

いや、他意はないですよ? はい。

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