テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編 作:onekou
滅茶苦茶変な時間ではありますが、どうぞお楽しみください。
あと、遅れてごめんなさい<(_ _)>
時は遡り、衛宮切嗣がコウジュに遭遇するほんの数分前。
冬木市ハイアットホテルの最上階スイートルームにおいて、とある者達が会話をしていた。
「何故一騎も落とせなかった! 宝具まで使ったのだぞ!?」
「返す言葉も有りません、我が主」
「それどころか、セイバーに付与した癒えないはずの呪いも解呪された? 貴様の槍の呪いはそこらの木っ端魔術師と同じような吹けば飛ぶ程度のものだったのか!?」
「いえ、それはありえません。妖精王より賜った
話しているのは、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトとそのサーヴァントであるランサー、ディルムッド・オディナだ。
ケイネスは極上のスイートに相応しいソファーに座りながら、床に膝を付き頭を垂れるランサーを責め立てる。
そしてランサーはそれに甘んじていた。
何しろ成果を得ることが叶わず、自慢の槍の呪いも何もなかったかの如く雲散霧消と化した。
昨夜の邂逅においてで言えば、客観的に見れば宝具と真名を明かしただけに終わったランサーは他陣営に対して一歩譲っている状態だ。
真名に関してはセイバーやライダーの陣営もそうだし、何より本来ならばセイバーなどは槍の呪いで癒えぬ負傷を背負う事になっている筈であった。
しかしセイバーに掛かっている筈の呪いは無くなり、宝具の名は分かれどもその真の力を知るには至っていない。
ただ、思い当たる節はあった。
むしろ、それしか思い当たらない。
「主よ、原因は恐らく―――」
「分かっている、バーサーカーであろう。どうやってかは知らぬが、あやつは確かに呪いを解いていた。それの効果範囲内に居たのか、それとも同じアインツベルンを名乗る以上裏でやり取りがあったか・・・・・・」
「あのバーサーカーの正体も、あの奇天烈さも考えれば名のある英雄というよりは妖精の類いに連なる者かもしれませぬ。それも、妖精王マナマーン・マック・リールに勝るとも劣らぬ力の持ち主」
ランサーがそう口にすると、ケイネスは顎に手を当て熟考を始める。
内容は当然、バーサーカーの正体だ。
突如現れたキャスターとバーサーカー。
キャスターに関しては、規格外の宝具を持つアーチャーとやり合っている姿しか見て取れていないが、バーサーカーはランサーとやり合っていた為、その一挙手一投足を見ることが出来ていた。
そしてその中で、幾つもの常識破りをバーサーカーは行っていた。
初めの擬態はまだ良い。
しかしその後には、『呪いそのものをどうにかしただけ』と、心臓を貫かれたというのに事も無げに回復して見せた。
そして最後、その場を去る際には空間転移もしてのけた。
アーチャーの様に霊体化して消えたのではなく、空間を繋げてバーサーカーは消え去った。
それは魔法の行使と言っても良い程の奇跡の使用だ。
“
一応、ケイネスの中で予測は付いている。
ケイネスが見る限り、バーサーカーもまた幾つかの宝具を持っており、アーチャーとは違って纏めて射出するのではなく使い分けているように思えた。
獣化、戦闘、回復、空間転移。
獣化はともかく、それ以外に関してはそれぞれ違うものを手にしていた。
そして最悪の事態として考えるのならば、アーチャー程では無いにしろ、他の効果を持つ宝具をバーサーカーは所持している可能性があった。
そこまで考えて、ケイネスはふとある事に思い至った。
「ランサー、貴様の宝具は例えば空間回帰や時間回帰においてもその効果を及ぼすのか?」
「いいえ、その場合は槍で傷を負ったことそのものが無かったことになると思われるため効果はあるでしょう。・・・・・・まさか、バーサーカーがそれを?」
「可能性の一つでしかない上に否定したいところではあるがな。しかし、確かに奴が去る際に行ったのは空間転移だ。魔法に程近いそれを行えるのならば、時間の回帰が行えても不思議ではない」
ケイネスの言葉に、ランサーは目を見開いた後、再び頭を垂れた。
戦士であるランサーとは違い、確実にバーサーカーについての思考を広げていく自身の主に敬意を現したのだ。
「慧眼、恐れ入ります」
そして言葉にもしたランサーにケイネスは鼻を鳴らし、しかし満更でもない様子で続けた。
「世辞は良い。それよりも、奴を早々に打倒する必要がある。分かっているなランサー」
「御意に」
「まぁ、直接戦闘に関してはどうやら貴様の方が上のようだ。バーサーカーはそのクラスとは違い多種多様な武器を使うようだが、所詮はそれだけだ。武器を持ち替えなければそれに対応する効果は得られんのだろう。故に、貴様が得意とする速さで以て屠れ」
「御身の御心のままに」
ケイネスの言葉に、騎士の誓いを立てるランサー。
それは、その言葉は、ランサーが待ち望んでいたものであった。
生前叶わなかった、主への“忠義”の為だけに戦う
それが今ここに叶った。
ただ、その姿を見るケイネスには、些か胡散臭い物を見る目が混じっていた。
というのも――――、
「話は終わったの?」
「・・・・・・ソラウ」
―――ケイネス達の許へ歩いてきた女性、ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリが関係している。
彼女は、降霊科学部長の地位を歴任するソフィアリ家の息女にして、ケイネスの婚約者だ。
しかしその彼女は近づくなり、ランサーへと熱い視線を送っていた。
そう、ソラウの心はランサーへと向いているのだ。
というのも、ランサーには女を惑わす黒子があるのだ。
それは一種の呪いであり、自身でどうにか出来るものでもない。
ランサーの過去においてもそれが原因で非業の最期を遂げていた。
そしてそれが故にランサーは魔貌と呼ばれることもあった。
そんな愛の黒子が、ソラウを絡めとってしまったのだ。
勿論、ソラウもそれなりに魔術を嗜んでいるためレジストすることも可能だった。
しかし、普段から感情を波立たせることなく生きてきた彼女には、その燃えるような感情が新鮮であり、気付けば抵抗することを止めていた。
それからだ、彼女がランサーへと熱い視線を送るようになったのは。
別に彼女とてケイネスが嫌いでは無かった。
ただ、好きでも無かっただけだ。
産まれてからこの方、政略結婚の為だけに生かされてきた彼女にとってケイネスとの婚約には何の想いも無い。
それどころか、今までの生そのものに沸き立つ何かが在った訳ではない。
その中に合って、ランサーが齎したその感情はソラウという女性の全てを引っ繰り返してしまった。
言い換えれば、初めてであるがゆえに彼女にはソレを制御しうる術を持っていなかった。
そしてその感情に、ソラウは自身の全てを任せてしまった。
国すら燃やすこともあるその感情に。
「ケイネス、首尾はどうかしら?」
「ああ、順調だともソラウ」
「そう? 先程はランサーを叱咤していたように聞こえたけど」
「っ!? それは! ランサーが一騎すら落とせなかった故であって―――」
ソラウの言葉にケイネスは思わず慌てて返した。
それは無意識だ。
無意識に、ソラウからの評価が下がるのを恐れ、如何にか穴埋めするために言葉を開いたのだ。
そしてそんなケイネスに、ソラウは落胆を表すように溜息を吐いた。
それを見てケイネスは、更に言葉を紡ごうとするが、それよりも先にランサーが声を上げた。
「ソラウ様、我が主には何も失態はありませぬ。成果なしであるのも、私の未熟が故。どうか御理解頂きたく・・・・・」
「いえいえ違うのよランサー! 私が言いたかったのは―――」
ケイネスを庇うように言葉を発したランサーに、今度はソラウが言い訳染みた言葉を出し始めた。
それがまた、ケイネスを苛立たせる。
そう、ケイネスはソラウに恋していた。
ケイネスは頑なに認めはしないが、彼は一目見た時から彼女に惹かれていた。
自身の血脈を次世代へと繋ぐに相応しいからと言い訳染みた言葉を自身に言い聞かせながら、あらゆる根回しをして彼女の婚約者となったのだ。
婚約自体は持ちかけられたものだが、その際には歓喜したほどだ。
そして惚れた弱みか彼女には頭が上がらないケイネス。
だから、ランサーと話をするのを止めるようには強く言えず、また、彼女の瞳が向けられているランサーには嫉妬してしまっている。
そんな感情を、ケイネスは認められない。
そして認められないが故に、ただただランサーを疎ましく思ってしまうケイネス。
ランサー自体は、この聖杯戦争においては、過去に選んでしまった“愛”ではなく“忠義”だけを貫こうとしているのだが、ランサーの過去を知っているのもあってケイネスはイマイチランサーを信じきるに至れていなかった。
いや、そもそもがケイネスは“魔術師”であるが故にサーヴァントも所詮は道具でしかないと割り切っていた。
割り切っていた筈だった。
なのに、彼の頭の中をいつまでも消えずに残る、ノイズの様な悪感情。
それは泥の様に彼の中で滞りながら、確かにこの陣営を引き裂く呪いへと変わり果てようとしていた。
――――ジリリリリリリリっ!!――――――
突如、部屋中にベルが鳴り響いた。
それはホテルに異常を知らせる音だった。
しかし、その場の誰もが急いで避難するような素振りを見せない。
「どこの陣営かは知らんが、些か無粋に過ぎるな」
「ケイネス、これはやはり敵が?」
「まさしくそうであろうな。一般人を避難させるためにでも鳴らしたのであろう」
「それで、ここへおびき寄せるのかしら?」
「ああ、フロアひとつ借り切った完璧な工房だ。結界24層、魔力炉3基、猟犬代わりの悪霊、魍魎数十体、無数のトラップ、廊下の一部は異界化させている空間もある。これを抜ける者が居るのならば、是非見てみたいものだ」
ケイネスは、自慢の工房についてソラウに印象付ける様に言う。
実際、このケイネスが造りだした工房は即席にしてはかなり高度な部類と言えよう。
時計塔における鉱石科の
いや、今も尚高みへと進む途中だ。
何せ彼は時計塔においても稀代の天才と言われ、更には鉱石化だけでなく他分野においても才能を見せる程の有能さだ。
そんな彼が知識の全てを使って生み出した工房が、そこいらの魔術師に突破される程度のものであるわけがないのだ。
そしてそれはソラウにも分かった。
魔術刻印を受け継いでいないとはいえ、ソラウとて名門魔術師の血筋だ。
たった今ケイネスが口にした工房の過剰とも言える防備に思わず笑みを浮かべた。
ケイネスはソラウの笑みを見て、自身のやり方は間違っていなかったと確信する。
そして、更にソラウの気を引くためにもランサーという異物を排除しようとして声を掛けようとする。
しかしそれと同時に、ドアベルが音を鳴らした。
何事かと扉の方を見る面々。
そんな彼らへと声が掛かった。
「お客様! 大変申し訳ないのですが、避難をお急ぎください!! 現在各フロアを回り避難誘導に当たっております!! 貴重品のみお持ちになった後、こちらへと御出で下さいませ!! 避難場所へとご案内いたします!!!」
慌ただしくコンシエルジュらしき若い女の声が聞こえてきた。
それに対し、ソラウは扉を開けるために近づいていく。
ケイネスも、慌てずにランサーへと指示を出すためにそちらへと向いた。
何せこの警報は恐らくブラフ。
その隙にこの場所へと辿り着くのが敵の目的だと考えられる。
ならば、慌てずにこの場へと誘き出し、圧倒的優位に立てるこの場で処断するだけだ。
そう思ったところで、 ケイネスは違和感を感じた。
それが何かは一瞬分からなかった。
しかしすぐに思い至る。
あまりにも自然なタイミングであった為見逃しそうになったが、
何故ならこのフロアは全て借り切っており、その全てが工房となっている。
更に言えば人避けの魔術もかかっているため、来られるはずが無い。
「ソラウ!!」
すぐさま声を掛けるケイネス。
しかしその時には、ソラウはドアノブへと手を掛け、扉を開き始めていた。
ケイネスの言葉に扉を開きながらも振り向くソラウ。
そして、そのゆっくりと開かれていく扉の向こうから、来客の顔が見て取れた。
「どうもー、ルームサービスでーす」
そこに居るのは、ケイネスが以前に見た姿とは少しばかり違うが、確かにバーサーカーであった。
◆◆◆
「・・・・・・バーサーカー」
「うぃ、始めまして衛宮切嗣さんや」
そう言って切嗣の前で微笑んでいるのは、バーサーカーたるコウジュであった。
切嗣は、すぐさまこの場から離れるための策を練る。
しかしコウジュは、不敵に笑いながら切嗣を見ていた。
「何の用だ」
「そう邪険にしないでくださいな。悲しくなるじゃないっすか」
実際に悲しそうにしながら言うコウジュを、切嗣は訝しむ。
しかしコウジュはすぐに気を取り直し、再び口を開いた。
「いやいやー、こうして会えるのは光栄の極みだねぇ」
「僕にか? だというなら些か趣味が悪いな」
コウジュの言葉に皮肉交じりで返す切嗣。
そんな切嗣の態度に少し怯むも直ぐに立て直し、コウジュは言葉を続ける。
「あなたはイリヤのお父さんだから。だから会いたかったんだ俺は」
「っ! ・・・・・・それが、どうした?」
「いいや、どうもしない。今のあなたには、“正義の味方”であるあなたには
コウジュが口にした“正義の味方”という言葉に、一瞬顔を顰めるがすぐに戻し、コート下に隠し持っていた
それを見て苦笑するコウジュ。
当然、自動小銃程度ではコウジュに傷はつかない。
ただ、それは切嗣も承知している筈なのだ。
しかしそれでも構えるのは、一瞬でも気を引くためかも知れない。
そう考えたコウジュは、あえて切嗣へと近づいて行った。
切嗣はとある魔術を持っており、それを使われては敵わないからだ。
そしてやはりというべきか、切嗣は
自動小銃から吐き出される幾つもの弾丸、それが真っすぐコウジュへと突き進む。
そしてその後ろで、切嗣の身体が突如ぶれる様に動き出した。
しかし―――、
「っと、危ない危ない」
「くそっ! 放せ!!」
この魔術は、衛宮の家伝である“時間操作”の魔術を戦闘用に応用したもので、本来であれば大魔術式が必要なのだが、その発動範囲を体内に固定することで戦闘に利用できる様にダウンサイジングしたのがそれだ。
そしてそれによって切嗣は体内時間を加速させることで相対的に周囲を減速させ、端的に言えば自身を加速させたうえでこの場を離れようとした。
しかし寸ででコウジュが後方から切嗣へと抱き付く形で逃走を阻止した。
「うーん、今のじゃ全部食えなかったか残念」
「・・・・・・何を言っている?」
「いや、こっちの話ですよ。ってそれより、いきなり逃げるとか失礼過ぎやしません?」
体格で言えばかなり違うのに、ビクともしないコウジュに切嗣もやがて無駄な動きを止めた。
そんな切嗣に満足しながら、先程の事についてコウジュが呟くも、それが聞こえた切嗣の言葉を遮り話を戻した。
「さて、放すと逃げられそうだからこのまま幾つか聞いちゃいますね。切嗣さんの願いはやっぱり。聖杯で世界から哀しみを無くすってことで良いのかな?」
「何故それを知っているんだ」
「前の時に言いましたけど、俺とイリヤは未来から来たんで色々知ってるんですよ。ただそれだけ」
軽い口調でそういうコウジュだが、それ程容易いモノの訳が無い。
それは魔術師が渇望する魔術の極致、魔法における『時間旅行』に相当するものだ。
確かに聖杯を使えばそれは可能だろう。
しかし、それを聖杯を得てまでする理由が切嗣にはわからなかった。
「どうしてそこまでして、なんて思ってるでしょう。けど、理由なんてのはやりたいからやった、ただそれだけですよ」
切嗣の心を読んだかのように話し出すコウジュ。
そんなコウジュの言葉を、逃げる算段を付けながらも聞いていく。
「俺はどうあっても“正義”の味方には成れなかった。性に合いませんでした。だから俺は、“守りたい人達”の味方になった。そしてその一人がイリヤだっただけ」
切嗣はコウジュの言葉にギリっと奥歯を噛んだ。
そしてコウジュへと声を荒げた。
「傲慢だな。英雄は何時だってそうだ。その裏で流れる血の量や涙を勘定に入れない。騎士道や栄光なんて言葉で隠しながら、それでもやっているのはただの殺人だと言うのにだ」
余程英雄というものが気に喰わないのか、冷静に見えていた切嗣だがかなり語気が荒くなっていた。
そんな切嗣の様子に、コウジュは変わらず背中側から答える。
「ああ傲慢だよ。救いたいものを救う。ただそれだけをやってきたんだから。まぁ、俺の場合は誰かを助けて英雄になったというか、英雄になったから彼女を救えたってだけだから。少しばかり本来の英雄とは違うんだけどね」
そう苦笑するように言うコウジュの言葉の意味が分からなかったが、どちらにしろ英雄とは相容れないと思っている切嗣には関係ない。
とりあえず今必要なのはここから離脱する方法だ。
切嗣の事を知っているらしいコウジュの言葉は一々彼の何かを波立たせる。
だから一刻も早く、この少女にしか見えない狂戦士から離れようと脳内で離脱方法を組み立てては破棄しを繰り返していると、突然コウジュは手を放した。
「うん、終わったみたいだね」
「何を・・・・・・」
手を離され少したたらを踏んだがすぐさま立て直し、コウジュの方を改めて向いた切嗣。
「くっふっふー、悪いけどホテル爆破とその他諸々は阻止させてもらったよ」
「・・・・・・やはり起爆しなかったのはお前の仕業かバーサーカー」
切嗣は一連の流れからそうではないかと予測していたが、やはりそうであった。
そして同時に、ランサー陣営への攻撃が失敗したということでもある。
そのことに切嗣が思考を裂いていると、コウジュはニコニコとしながら、切嗣に何かを放ってきた。
それを慌てず受けとった切嗣は、手のひらを握れば見えなくなる程度の大きさのそれを手にして見た。
「これは?」
「その中には、今回の聖杯戦争に参加する各陣営のサーヴァントやその宝具について書かれてるよ」
「っ!? そんなものを僕に渡してどうするつもりだ?」
コウジュの驚きの言葉に、切嗣も一瞬目を見開く。
しかし彼にとって解せないのはそんなものをコウジュが渡す理由だ。
コウジュ達が邂逅時に告げたことが事実であるならば、互いに聖杯を奪い合う敵同士だ。
だというのに、敵に塩を送る理由が分からない。
そう彼が思っていると、コウジュは予想通りの反応を切嗣がしたことに笑みを浮かべ、そして口を開いた。
「実を言うと、そっちはおまけなんですよ」
「各陣営の情報がおまけ? ならメインはなんだ?」
その切嗣の言葉に、コウジュは一瞬で浮かべていた笑みを引っ込め真剣な表情となった。
「そこに在るのは、この聖杯戦争が根本から意味を成していない理由ですよ。
そこまで言ったあと、コウジュはそのまま踵を返した。
「待てバーサーカー!」
切嗣は、好き勝手に言うだけ言って去ろうとするコウジュを思わず引き留めようとするが、コウジュは気にせずそのまま切嗣から離れて行った。
そしてそこそこ離れたところで、コウジュは再び振り返り、切嗣へと言葉を放った。
「絶対見てくださいよ! そしてできるなら、俺達を手伝ってほしいです!! じゃ、そういうことで!!!」
そう告げた瞬間には、コウジュの姿が掻き消えた。
切嗣は念のため気配を探るも、反応は無い。
とはいえ、そもそもが英霊の様な人から外れた存在が本気で身を隠せば魔術師程度ではどうにもならない。
そう思い直し、切嗣はコウジュの捕捉を諦めて手に持つ物を見た。
それは小さな小さな機械部品の様だった。
そしてコウジュは、この中に情報が入っていると言っていた。
それを切嗣は指先で持ち、目の高さまで持ち上げながらじっくりと見た。
そしてそのまま、とある疑問を口にした。
「これ、何だろうか?」
第4次聖杯戦争、時は1990年。
未だUSBメモリは普及していない為、科学にある程度触れている切嗣とはいえ、コウジュが渡したそれが記憶媒体とは残念ながら気付けなかったようである。
いかがだったでしょうか?
そして皆さま、改めましてあけましておめでとうございます!
ついにまた一年がリセットされましたね。
皆さまもそれぞれ年明けでのんびりしていたり忙しかったりと様々あると思いますが、今年もまたお暇なときにでもこの拙作を読んで頂ければと思います。
また1年、よろしくお願い致します!
さてさて、それでは内容についてですが、まずはケイネス・エルメロイの魔術工房()は堪能していただけたでしょうか?w
実は滅茶苦茶優秀だったことが分かったケイネスさん。
例えばウェイバーが受けていた授業でケイネスが講師をしているシーンがりますが、アレって実はケイネスさんの分野ではないにもかかわらず、ケイネスさんてば講義を任されていたようなんですね。
その他にも色々優秀らしいのですが、Zeroでは大体ひどい目にケイネスさんェ・・・。
まぁでも今回はホテルごと魔術工房が壊されることもなかったし、SS回でも中々好調な滑り出しを見せたんじゃないですかねケイネスさん。
最後の来訪者が何したかはさておき・・・(目反らし
あと、切嗣へ聖杯穢れてるぜってコウジュ。
でも残念ながら失敗しちゃいました・・・。
コウジュ自体はマイパソコンをアイテムボックスに入れてあるからそれを使って手持ちのUSBにポポンとワー〇を使って文章やらを打ち込んだのですが、まさかの使えないというオチ。
これがジェネレーションギャップってやつですね!(ちが
さておき、今回は思っていたより投稿時間やらがずれてしまいましたが、実は次回もちょっと怪しくて・・・。
私は携帯で書いたりとかもせず、書く時はPCだけでやるようにしているのもあってかなり遅筆なので、また遅くなったら申し訳ないです。
でも、できるだけ週一にはしていきたいので、月曜の朝の定番みたいな感じに読んで頂ければと思います。
ではではまた次回も、よろしくおねがいします!!
P.S.
活動報告でも書きましたが、FGO福袋ガチャで、ジャックちゃんひこうとしてジャンヌちゃん来ました・・・orz
いや、嬉しいんですよ? 嬉しいんですけど、それ以上にジャックちゃんがまた遠のいた哀しみが・・・・・・;;
もうこうなったらジャンヌちゃんにジャックちゃん衣装着せるしかない! そして表記をジャ〇〇にすれば・・・(錯乱
P.S.2
つづけてFateネタですが、アニメ面白かったですね。後ろのふっついていたマル秘情報も中々楽しめましたし、アポアニメやEXTRAアニメもいったいどうなるやら、期待が膨らみますね!
どんどん進化するFateワールドからなかなか目が離せません(`・ω・´)