テンプレ…まじで?(リメイクしてみた) ※現在このすば!編 作:onekou
これで一先ずストック終了。あとは私の執筆速度次第ですね!
あ、絶望逝ってきます(ダメなやつ
森の中を歩いていたが一人なのもあってドンドンスピードが上がり、最終的にはフリーランニングしていたでござる。
どうも、おはこんばんちはコウジュです。
実は、身体能力チートのおかげで樹を飛び移ったりとか余裕できるようになってしまいました。
町に出た後は誰も居ないのを見計らってビルの壁面を走り上がったりしたけど案外できるもんだね。
【獣の本能】の御陰か、念で言うところの“絶”っぽく気配を消すなんてのもできたから誰にも気づかれずにビルの上を飛び跳ねたりもしてみた。何これ超楽しい。
獣って言う位だから狩猟本能的なもので気配を消すなんてことができたのかねぇ?
何回か気を抜いて見つかりそうになりましたけどねw まぁ見間違いだと思ってくれてるだろたぶん。
『アイエェェェェ!?』とか聞こえたりなんてしてない。うん。
それにしても、気配を消す…というか気配遮断ってアサシンのお家芸だと思ってたんだけど、思い付きでやったら出来たのでホントびっくり。
せっかくだから今度は【幻想を現実に変える能力】を使って何かしらの”理由付け”を考えて、ガチアサシン目指してみようかな。
ほら、『いつからそこに居た!?』『最初から居たさ』的な駆け引きとかやってみたくない?
もしできたらアサシンさんごめんね!
ああでも第五次聖杯戦争で召喚されるアサシンはアサシンやってないんだっけ。まぁいいか。
そんなことより、ついに念願の原作アニメでも見た覚えのある街中へと到着しました! 今居るのはその中でもよく見た商店街だ。
まだまだ時間は昼下がり。主婦の方々や授業が早く終わったのか学生の姿が数多く見える。
眼鏡を掛けた学ランの少年が金髪美人と一緒に歩いていたり、わかめヘアーが女の子たちと歩いていたり、ツンツン頭の少年が女の子に追いかけられてたり、かと思えば着物に皮ジャン?の女性が魚屋さんの前でメモとにらめっこしていたり、おや、パン屋さんから泣きながら走り出来てきたポニテ奥さんをパンを持ったイケメンの旦那さんが追いかけていく…。む、あっちには将来大変なことになりそうなほどオールバックにした金髪イケメンが…。
なんかこの町纏めて爆発させたくなってきたんですが…。
って駄目だ駄目だ…、冷静になれ俺。
今見た光景は全て忘れて、当初の目的を思い出せ。
ふぅ、なんだかあまりにもリア充してそうな光景に心が闇に蝕まれそうになったが踏みとどまることができた。沈まれ俺の右腕!!
よし、折角だからここで一服入れよう。甘いものでも食べて心をリセットさせようじゃないか。
商店街の中を進んでいき、店を見ていく。
何やらこっちを見ている人が多い様な気がするが何故だろう。外国人が珍しいとか?
視線がどういったものか伺っていると、どうも俺を見ているというより、俺の少し上を見て不思議がっているようだ。
その視線の意味が解らず手を頭の上に持っていき――
―――しまった帽子だ!!
下は普通の服なのに、これだけ大きい帽子をかぶってたらそら浮くわな…。帽子外してくるのなんで忘れたし…orz
着替えるために一回脱いだというのにいつもの癖でついかぶってしまってたようだ。
どおりで目立ってるわけだぜ。
下は普通なのに帽子だけ現代社会に馴染みそうもないデカい帽子かぶってたら気にもするわな。
例えるならヲっきゅんが頭の上はそのままなのに下は普通の服着て街中歩いてる感じ? 何を言ってるんだ俺は…orz
とにかく、人前でアイテムボックスに入れるわけにもいかないので、一旦路地に入り改めて帽子を外す。
ケモミミがばれないか心配だが、幸いにも髪色と同色で、動かしでもしなければ、髪がはねている程度にみえるだろう。
再び商店街の通りに戻り、店を物色していく。
しばらく歩いていると、甘い匂いの混じった芳ばしい香りが鼻をくすぐってきた。
スンスンと鼻を鳴らしながら出所を探ると、スーパーの前でやっているたい焼き屋さんにたどり着く。
これは買いだな。
財布を開けて中を見ると、1000円札が一枚と小銭が少々。
あれー? 昨日までは諭吉さんが何人か居た筈なのになぁ…。
しかしそうなると買える味が限られてしまう。
粒あん、こしあん、白あん、バナナあん、クリーム、チョコ、抹茶―――etcetc…。
個人でやってる割にはレパートリー多いっすね!?
何が店主にそこまでさせるのか、というか端の方にキムチとか鯛みそとかあるんだけど!? 恋するジュース味…? マヨ!?
全味一個ずつ頼んでも1000円じゃ到底足りない。一個100円なのに…。
買えても10個とは、神はなんて過酷な試練を!!
イリヤ、リズ、セラさんにもお土産に買うとして、粒あんこしあん2つずつ。これで4個。
残りは6個なわけだが、外れではないであろうクリームやチョコにするかな?
お土産だし3人に2個ずつ買えば良いと思うから、スタンダードなあんこともう一個なわけだが、やはり比較的馴染のあるであろう洋菓子系の味なら合わないことはないだろう。
いや、待て。待つんだ。まだ焦る時間じゃない。
スタンダードは4つもあるんだ、残り6個くらい遊び心が出てもいいんじゃないか?
出店の軒先に並べられたメニューを改めて見てみろ。
あの右端に寄せられている、誰が買うのか疑問に残るイロモノメニューを見て何故に普通なメニューを考えられようか。いや考えられない、反語。
ああでも、たださえ無駄遣いしてるのに変なの買って帰ったらイリヤに怒られる…。
「むぅぅぅぅぅ~…」
「えっと、何か困りごとか?」
俺が悩んでいると、後ろから声を掛けられた。
◆◆◆
学校からの帰りに、いつものたい焼き屋さんで桜たちへのお土産を買おうとしたら怪しい子を見つけた。いや、どちらかというと変わった子?
たい焼き屋さんの前でずっとうんうん唸りながら何かを迷っているようだ。
後姿での判断でしかないが、外国の子だろうか? 迷子?
店員さんもどうしようかと困り気味だ。
この子は周りから注目されていることに気付いていないみたいだし、少し声を掛けてみよう。
ひょっとすると力になれるかもしれないし。
「えっと、何か困りごとか?」
「ん?」
声を掛けた俺へと振り向く少女を見て、思わず息を飲んで見とれてしまった。
文字通り、美少女…というべきなのだろうか。
腰ほどにも長い白銀の髪にルビーのような瞳、透き通るような肌。小さく細い身体でどこか儚げであるのにも関わらず力強さと快活さも見て取れる。
対して服装は、仕立ては確かに高級そうではあるが白いセーターにジーンズという組み合わせ。
氷でありながらも炎でもあるような、幻想が現実を着ているような、相容れない筈の何かを内包しているように思える矛盾。
でもそこがまた彼女の魅力を引き出しているような気がする。
ただそう思った。
ああ、これは確かに人の目を集めるだろう。
人の容姿に頓着しないだとか朴念仁だとか不名誉な言われ方をする俺でも目を止めてしまったのだ。
確かに穂村原にも美女・美少女と呼ばれる子たちは居る。クラスメイトを始め、各学年から他校にまでもファンが居るほどの美しさを持つ子も居るほどだ
しかしこの子は何故か“気になる”のだ。そして一度気になってしまうと、引き込まれる。
「えっと、ぶらう…じゃなかった、おにーさん何か用かい?」
しまった。
声を掛けたのに何も続きを言わないから訝しまれたようだ。
「まさか、これは事案では!?」
「違う!!」
「じゃぁ何なのさー…」
ジトっとした目でそんなことを言ってくる少女は予想外に日本語が上手だ。少なくとも日本語が通じなくて困ってるという訳ではないようだな。
しかし、そうなると何を悩んでいたんだろうか?
「ずっと何か悩んでるみたいだったからな。何か力になれないかと思って」
「おっとそれはThanks。でもそんなに悩んでたっけか?」
「あー…、周りを見てみるといいさ。かなり注目されてるぞ」
「おうふ、しまった。目立ったら怒られるのに…」
……? 目立ったら怒られるとは、どういうことなのだろうか。
複雑なご家庭なのかな?
例えばこの子は“や”とか“マ”とかが付く自由業の娘さんで、人目に付くと狙われてしまうから大人しくしないといけない、とか―――。
何馬鹿なことを考えてるんだか。自分の想像力に呆れる。
第一そんな子が一人で歩き回る訳がない。
「それで、何を悩んでたんだ?」
「なんというかどうでもいい悩みって言えば悩みなんだが…」
自分のバカらしい考えを吹き飛ばすためにも少女との会話に戻る。
そんな俺の考えを知らずに、少女は何故か目を泳がせながら悩みの内容を教えてくれた。
しかしその内容がまた可愛らしかった。
思わずクスリと笑ってしまった俺は悪くないと思う。
『なんだよぅ…』と不満げに俺を見るが、その姿もまた可愛らしくて再びクスリとしてしまった。
なにせ、“食べたいものが多すぎて手持ちでは買えない”なんていう悩みだ。
俺が見かけてからでも5分以上は店の前で唸っていたし、その時点で結構な人が集まっていたことからそれなりの時間をその悩みの所為で立ち止まっていたはずだ。
さらに聞くと、家族の分を数えてから自分の食べたいものが食べられないなんて言うんだから微笑ましくて仕方がない。
役に立つかはわからないが軽く助言してみるか。
「この辺りには今日来たのか?」
「ああそうだよ」
「滞在は短いとか?」
「いや、暫くは居るんじゃないかな。やらないといけないこともあるし」
「それじゃあまた買いに来ればいいんじゃないか?」
「少年は天才か!!」
「いやまぁ色々とツッコミたいけど置いておくよ…」
まるで稀代の天才を見るかのようにキラキラした目で見てくるのでどこか居心地が悪い。
それにまさか自分より小さな子に少年扱いされるとは思わなかった。
けど、不思議なことに流暢な日本語が少々男勝りなこともあってか違和感は無い。
むしろそれが当然のような…、でもそれとは反対に可愛らしい一面も先ほどから見える。また矛盾だ。
なるほど、これが以前慎二が言っていたギャップというやつか。
自分の中で一人納得していると、少女は店員へと注文をしていた。同時に周りの人だかりもいつもの風景へと戻っていく。
よくわからない邂逅だったが、一段落といったところか。
……いや、俺もたい焼きを買いに来たんだった。
俺は帰ろうとしていた足を、嬉しそうに店員さんと話す少女の方へと向けるのであった。
「待った、お兄さん!」
「ん?」
少女に次いで目的の物を買い終えた俺は、改めて家路へと着こうとしていた。
しかしそこへ先程の少女から声が掛かった。先程とは逆のシチュエーションだな。
「今、時間ある?」
「えっと、この後は家に帰るだけだけど」
「じゃあさ、一緒に食べない? お礼」
そう言って少女が掲げるのはさっき買ったたい焼きの袋。
「いや、それはお土産も入ってるんだろ?」
「だいじょぶだいじょぶ。それに、また買いに来ればいいんだろう?」
くふふと楽しそうに笑う彼女に、俺も笑みがこぼれる。
そのままたい焼きの袋を俺へと向けてくれたので、言葉に甘えて一つもらった。
「なら…お言葉に甘えるよ」
食べ歩きもなんなので、すぐ近くの公園に移動し二人して座る。
少女も自らの分を取り出したのを見て、俺もまずは一口かじる。
うん、うまい。
焼きたてなのもあって表面はカリッとしており、中に入っている優しい甘さの餡子を引き立てる。
以前に聞いたのだがこの餡子は店の親父さんが手間を掛けて手作りしたものだそうで、さすがに小豆は市販の物だそうだがそれでも手間を掛けたと分かるだけの味を感じさせる。
餡を作るにはそれなりに手間がかかるものだ。
餡を柔らかくし、舌触りを滑らかにするために丁寧な作業と的確なタイミングが必要となる。火の強さひとつをとっても味は変わってしまう。
でもだからこそあの人気なのだろう。
売り子をしている店員さんはお弟子さんなのだそうだが、それまでは親父さんと奥さんで店をやっていた。
しかしお客さんが増えてきて、需要と供給が釣り合わなくなってきてから親父さんは餡づくりに掛かり切りなのだとか。
親父さんと奥さんは元和菓子屋さんで、お店をお子さんに譲って今の屋台をやるようになったそうだが、老後の道楽がまさかこうなるとはと嬉しい悲鳴を上げていたのを覚えている。
「うっま、何これ想像以上に美味いんだけど!!」
「それは良かった。あそこの親父さんも喜ぶよ。それに、俺もよくあそこでたい焼きを買うんだ」
「へぇ〜お兄さんのお勧めの店ってわけだ」
話をしてはいるが、彼女の目線はたい焼き一直線だ。ずっとはむはむとたい焼きを隣で食べている。
けど、それがまた見ているだけでこちらも幸せになる位に、表情の全てで美味しさを表現してくれている。
よかったよかった。
「あ、そういえばまだ名前を言ってなかったね。俺の名前はコウジュだよ」
「俺は、士郎。衛宮士郎だ」
コウジュ、か。少し不思議な名前だな。
日本名のような響きだけど、容姿に合っているような気もするし。
それにしてもこの子、話し方が男の子みたいだ。
外国の子とは思えないくらい日本語が上手なんだけど、間違えて覚えたんだろうか。
「あのさ、お節介だとは思うんだけど、話し方が男の子みたいだ。
分かっててその話し方なのか?
可愛い見た目とすごいギャップがあるぞ?」
「か、かわいいって……!?
こ、これは分かっててだからいいんだ。これが俺の素だから」
かわいいって言った辺りで何故か微妙に落ち込みがら赤くなるという器用な事をしながら、言ってきた。
まあ、分かっててならいいか。
「さて俺はもう行くよ。コウジュ、たい焼きありがとうな」
「お礼のたい焼きのお礼を貰うのはおかしい気がするんだけど、良いか。それが士郎の性格みたいだからさ」
「はは、すごい観察眼だな」
「まあこれだけ色々してくれたらね」
「困ってる人を見たらほっとけないだけさ」
「お人よしって言われたことない?」
「む、無くは無い」
「まあそうだろうねぇ…。あ、じゃあ、お人よしな士郎にこんなのをあげよう」
そう言って渡して来たのはカードだ。
絵と何かが書いてある。
「なんだこれ、えっと、九死に一生スケープド「読んじゃダメだって!!!!」おおぅ!? わ、分かったけど、なんなんだこれ?」
「御守りみたいなものさ。肌身離さず持っといてね。あと絶対読んだらだめだから」
「御守り…か。よくわからないがいただくよ」
とりあえず、胸ポケットにしまっておくか。
カードゲーム…というやつなのかな? 男の子っぽい性格だし、そっち方面の興味もあって、お礼にくれたとか?
捨てる訳にもいかないし、あとで財布にでも入れようか。
「あ、そういえば結構時間経っちゃってるけど大丈夫?」
コウジュが携帯を見せてくれるがそこに表示されてある時間を見ると、桜に伝えた帰宅時間を越えていた。
予想以上に話し込んでしまっていたようだ。
「や、やばい!!」
「そっか、じゃあ俺も帰るとするかな」
今日の夕食は俺が作る手筈だし、これ以上待たせるのは悪いな。少し走るか。
席を立ち、向かおうとするが、そこで最近の話題になっていることを思い出す。
物騒な話だが、ガス漏れ事故や強盗殺人と思われる事件が多発しているのだ。
話によるとその全てが深夜遅くに起こっている事件とのことだが安心できる要素ではない。
「コウジュ、最近この辺りは暗くなると物騒みたいだし、送っていこうか?」
もう暗くなってきてるし、こんな女の子を一人返すわけにいかない。
そう思って言うが、コウジュはフルフルと首を振る。
「大丈夫大丈夫、ここからなら
そう言いながら、コウジュは公園の出口に向かって走っていった。
これは、気を遣わせてしまったのかな。
とはいえ嘘を言う子には思えないし、走るって言っても1分程度ならほんとに近いのだろう。
「またどこかで会うこともあるだろうし、よろしく」
考えていると、コウジュは出口で1度振り返りそう言ってきた。
「ああ、こちらこそよろしく」
今度こそ彼女はそのまま帰っていった。
不思議な子だったなぁ。
「おっと、のんびりしている場合じゃない」
俺も急いで家へと向かった。
桜は怒ったりしないだろうが、幽かに悲しそうな目で見ることがある。
例えば、バイトが長引いたり少し厄介ごとに巻き込まれて帰る時間が遅くなった時にだ。
あんな目を桜にさせるわけにはいかない。
ただでさえ桜の厚意に甘えてしまっているのだから
そう思い、帰る足をもう一つ速める。
あ、そういえばバイトの帰りに住宅街を歩いていると昼間会ったコウジュみたいに白い髪(こっちはクリーム色に近かった)に紅い瞳の女の子が歩いてきて―――
「早く呼び出さないと死んじゃうよ?お兄ちゃん」
なんて言ってきた。
振り向くと居ないし…。
何だったんだろうか?
いかがだったでしょうか?
この前、クロワッサンたい焼きというものを食べました。ギガウマでした。
でも食べすぎました…。ダイエットまたしてきます…(´・ω・`)
そういえばたい焼きの味でいくつかはチムメンの方にご協力いただきました。ありがとうございます。
実際に売っている物ではそこまで奇をてらったものはありませんが、あるところにはある物なんですかね?