暇潰し?面白いから転生?まあいいですよ。頑張ります。★更新停止中 作:写身
何をやったかは読んだらすぐわかると思う。
ではどうぞ
7話
「シスイはまだなの?」
私は倒れた仲間を回収して、中で治療してもらっている。
もう立っているのはエルザ、ナツ、グレイしかいない。ギルドもボロボロ。なんで?どうしてこんなことするの?誰でもいいから皆を助けて。
「ミラァ!」
「あ」
ナツの声で我に返る。しかし時すでに遅く、砲撃が目の前まで迫っていた。
「…シスイ」
私は砲撃に備え、目をつぶって、シスイの名を呟く。
しかし一向に砲撃が私にこない。恐る恐る目を開けてみると、そこには壁ができていて、砲撃を防いでいた。こんなことをできるのは……。
「シ…スイ…」
「悪い。遅くなった(自分の家に飛雷神のマークしてあるからギルドは要らないと思っていたが、今後はつけるか)」
シスイが私の後ろから来ていた。そしてその目は万華鏡写輪眼だった。
「シスイ、ギルドが!ギルドが!!」
「分かってる。マカオ、皆を頼む」
「任せろ!お前も頼むぜ!悔しいが俺たちじゃ無理だけど、お前なら!」
「任せろ!ミラ、よく耐えた、よく頑張った。あとは任せろ」
「うん。お願い」
シスイに任せろって言われて、頭を撫でられて、こんな状況なのにすごく安心する。気づかないうちに涙が出る。
「ぁんのやろう」
ミラの目から涙が溢れるのをシスイは見て、怒りに燃える。
「ナツ!グレイ!ハッピー!下がれ!」
「シスイ!」
「遅かったじゃねえか、シスイ」
「シスイ~おいら怖かったよ~」
「また虫けらが増えたか。貴様も死ねえ!」
エルザに放っている砲撃以外の砲撃が全てシスイに向かってくる。
「シスイ!」
「心配するなミラ。この程度……」
シスイが影分身って言ったあと、シスイが五人に増える。そして全員が天照で砲撃を燃やしていく。
「シスイが増えたー!」
「どうなってんだ!?」
「天照が一杯だぁー!」
「シスイ?」
「これは実体を持つ分身だ」
そんなこともできるんだ。初めて知った。シスイはまだまだいろんな魔法を持ってるんだなーって場違いにも思ってしまった。
「離れろエルザ!」
「分かった」
シスイが自分に向かってくる砲撃を燃やし尽くすと、エルザの方の砲撃も燃やしていく。
「ななな、なんだよその技はぁぁぁ!!!」
「敵もシスイの技に驚いてるぜ」
「さすがだね」
そして砲撃を燃やし尽くし、砲門に燃え移ったところで、敵は砲門を切り離した。
「よし!皆行くぞ!」
エルザが一斉攻撃しようとする。
「おっしゃー」
「あいさ」
「行くぜ」
三人と一匹が駆け出した。
「待て!」
そこをシスイが止めた。
「何でだよ」
「そうだ。何で止める?」
「今がチャンスではないか。行くぞシスイ」
「待てって。俺が一瞬で終わらすから、下がっていろ」
皆がまた駆け出そうとするのをシスイが止める。
「どうするの、シスイ?」
「まあ見てろって」
シスイはこっちを向いて笑いかけてきた。けどその目を見たとき、私は寒気がした。
その目は瞳を中心に波紋のように模様が広がっていた。
「こうなったら踏み潰してくれるわ!」
砲撃が打てなくなったから、踏み潰そうと突進してくる。
「こっちだ」
シスイは一瞬で敵の上空に移動した。
「神羅天征」
両手を敵に向けたあと、シスイがそう呟くと、敵の機動兵器は見事と言っていいくらい粉々に砕けた。
「すっげぇ~。なんだよ今の!」
「かっこいい~」
「一瞬で粉々って…」
「すごい威力だな」
ナツとハッピーは興奮し、グレイは何か呟いて震えている。エルザは単純に技の威力に感心している。
確かにすごかったけど、それより私はあの目が気になる。
「ね、ねぇシスイ。あの――」
「悪いミラ。後にしてくれ。皆、怪我人を連れてきて。治療する」
「分かった」
「あいさ」
「了解」
「すぐ連れてこよう」
「分かったわ」
そうよね。気になるけど、今は怪我人の治療が先よね。
「これで終わりか?」
「そうみたいよ」
最後の人の治療が終わり、一息つく。夜も遅いし帰れる人は帰り、直すのは明日になった。
「ナツたちは?」
「あそこ。疲れて寝てしまったみたい」
私が指差した先には、ナツとグレイが背中を合わせて寝ている姿が見えた。
「普段喧嘩ばっかりしてるくせに」
「クスッ、そうね」
そこでしばし沈黙が訪れる。
聞いても…いい、のかな。
「ねぇシスイ」
「何?」
「さっきのあの目は何なの?」
「さっきの目?」
「ほら、機動兵器を倒す時にしていた目のことよ」
「ああ。そういえば言ったことないな。あれは輪廻眼って言って、万華鏡写輪眼より上位の目だ」
輪廻眼、万華鏡写輪眼より上位だなんて。万華鏡写輪眼でさえすごい力を持っているのにそれより上の力。
「本当は使うつもりなかったんだけどね。ミラが泣いてたからついカッとなってムカついたから使っちゃった」
なっ!
「な、泣いてなんかないわよ!」
「俺が来たとき泣いてたじゃないか」
そ、そんな。自分でも気づかないうちに泣いていたというの?は、恥ずかしい。それに私の涙を見てカッとなったって……。え?え?そういうことなの?
「ミラ?」
「なななな何っ?」
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫よ」
「それで輪廻眼の能力の一つの斥力を使ったんだ」
「斥力?」
「そう。物体を引き寄せたり吹き飛ばしたりする力だよ」
「すごいね。そんなことができるんだ」
単純だけど、すごい力よね。
「そう。それで、吹き飛ばす方の力を全開で使ったら、あの機動兵器みたいに簡単に潰したりできるんだよ」
「へー、シスイはすごいね」
本当にすごい。私は何もできなかったから。
「そう?」
「うん。そんな力があるなんて。私なんて最初からここにいたのに何もできなかった」
「そんなことないよ」
「そんなことあるよ」
「ねぇミラ。人が一番強くなるときってどんなときかな?」
「えっと…………」
「人それぞれだと思うけどけど、俺は何かを、誰かを守ろうとするときこそ、人は最も強い力が出せると思う」
「どういうこと?」
「つまり、ミラがいたから。ギルドだけでなくミラもいたから皆はいつも以上に力を出せて、最悪の事態の前に俺が間に合ったんだと思うよ」
「……ッ」
「だからもしミラがいなかったらギルドは完全に倒壊していたかも知れないし、誰かが死んでいたかもしれない。そこにいるだけで皆の力になってる。だから何もできなかったってことはないよ」
「ッ!」
それを聞いたとき、嬉しくて涙が出てきた。慌てて俯いて泣いてる顔を見せないようにした。
だけどシスイは黙ってハンカチを出してきて、泣いてることがお見通しだと言われてるみたいで恥ずかしくなった。
「ミラはよく頑張ったよ」
「……ッ」
そう言って頭を撫でてくれる。それが嬉しくて心がドキドキする。これって……。
「ま、また明日!」
「また明日」
私は足早にそこを離れる。それ以上いたらどうにかなりそうだったから。家に帰ってもドキドキは収まらなくて、なかなか寝付けなかった。
翌日。顔を真っ赤にしながらハンカチを返すミラがいたのはマスターしかしらない。
~~~~~回想終了~~~~~
あの頃から気になりだして、シスイを目で追うようになって、そうするとシスイの何気ない優しさとか、面倒見の良いところをよく見かけるようになって好きになったのよね。
私は思わず微笑んでしまう。それを見たシスイが聞いてくる。
「どうしたんだミラ?」
「クスッ、何でもないよ」
「変なミラ」
変なのはシスイの方だよ。こんなにアピールしてるのに気づかないんだもん。はあ、シスイは鈍感だなぁ。早く気づいてくれないかなぁ。
というわけで、やってしまった天照のチート性能。
作者はどんだけ天照好きなんだよ~って話だよ(苦笑)
砲撃のスピードよりも早く燃やし尽くすって…………(汗)
反省はしているが後悔はしていない。だってタグにチートってつけているんだから!!!
それにミラとの買い物の話だったはずが、回想で終わるという…………これが俺の限界か!!!