暇潰し?面白いから転生?まあいいですよ。頑張ります。★更新停止中   作:写身

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今回はミラ視点

上手く書けてるといいけど…………


6話

6話

 

「お早う、シスイ」

 

翌日。昼前にシスイを呼びにいく。シスイは用意できていたらしく、すぐに出てきた。

 

「どこいくの?」

「とりあえず私のを見るわ。そのあとはギルドの食器とか食材とか、壊れたテーブルやイスの修理とか補充とか色々よ」

「お、多いな」

「でも付き合ってくれるでしょ?」

「約束だからな」

「それに荷物は神威でしまっておけばいいじゃない」

「まあな」

「ほら、早くいきましょ」

 

私は腕を組んでシスイを引っ張っていく。

 

「お、おい。そんなに急がなくても」

「急いでないわ。シスイが遅いだけよ」

「明らかに違うと思うぞ」ボソ

「何か言った?」

「いーえ、何も」

「そう?なら、行くわよ」

「はーい」

 

用事がついででデートが目的なんだから。買い物はさっさと終わらせて時間は有効に使わないとね。

 

 

 

 

 

 

 

 

「これなんてどう?」

 

私は服を自分に当てて、シスイに感想を聞く。

 

「似合ってるけどちょっと肌露出しすぎじゃない?」

 

突然だけど、私はシスイの事が好き。でもこんな気持ち初めてで、どうしたらいいか分からない。結構アピールしてるつもりなんだけど、シスイは全然気づいてくれないし、相談できる人もいない。

 

今だって恥ずかしいけど大胆な服とか選んでいるのにシスイの反応は普通すぎる。確かに今の服は私も露出しすぎかなとは思ったけどね。

 

そういえば、私がシスイのことを気になり出したのは、シスイがS級になってから二ヶ月後の事だったわね。

 

 

 

 

~~~~~回想~~~~~

 

 

 

 

私はクエストから帰ってきたシスイに声を掛ける。

 

「お帰り、シスイ」

「ただいまミラ」

「どうだった?」

「バッチリだよ」

「さすがね」

 

シスイはS級クエストに行っていた。シスイはS級になってからすぐS級クエストに行き、それからずっとS級クエストに行っている。

 

私は昔の事があり、S級クエストには苦い思い出があるから、S級クエストに行くシスイの事が心配でいつも無事を祈っている。

 

エルザやラクサスとかなら安心なんだけど、シスイはまだS級になったばかりだし、ギルドに入ってそんなに経ってないから彼のこと詳しく知らないから、余計に心配。

 

まぁでも、そのエルザにギルドに入った初日に勝っているんだけどね。あはは。

 

「ミラ、いつものお願い」

「はーい」

 

でもシスイはクエストから帰ってくると一日だけ休んで、すぐに次のクエストに行く。シスイが言うには、稼げるうちに稼いどかないとらしい。でもそれだけS級に行ってると相当貯まってるはずなんだけどね。

 

「はい、お待たせ」

「ありがとう」

 

私はいつも通り、スパゲッティを出す。

 

「うん。美味しいよ」

「ありがとう」

 

毎回言われるけど何回言われても嬉しいものよね。

 

それと、シスイは見たことない、珍しい魔法を使う。今まで見せてもらったなかで、一番驚いたのが、“樹界降誕”だったかな。ものすごい量の木が津波のように押し寄せて来る技で、S級試験の時に一回だけ見たことがある。

 

S級試験は、妖精の尻尾お馴染みの島で行われた。内容は森の奥にいるマスターの元まで行くこと。その道程にはエルザとラクサスが居て、行くのを邪魔するというもの。二人は倒しても倒さなくても、マスターの所まで行けば合格というものだった。

 

その年のS級試験受験者はシスイだけで私たちは、映像ラクリマでその様子を見ていた。

 

試験開始時間になり、森の外で待機していたシスイが森の中に入るかと思ったけど、森の入り口で止まり、何か呟いた。

 

私には口の動きがはっきり見えた。“面倒だな”って呟いたのを。どういうことなのか疑問に思っていると、シスイが手を合わせ印を組んだあと地面に手をつき“樹界降誕”と言った。

 

すると地面から大量の木が生えて、それが津波のように森に向かって進む。森に潜んでいたエルザやラクサスを巻き込み、目的の、マスターがいる場所までの道ができ、悠々とマスターの元まで進んだ。マスターはしばし呆然としていて、我に返ったのは十数秒後だった。

 

かくいう私もマスターが我に返ったことで、我に返り、それを見ていた皆も驚きで言葉もでなかった。開いた口が塞がらないってこういうことなのね。

 

「ご馳走さま」

「お粗末様でした」

「それじゃあ帰るよ。また明日」

「ええ。また明日」

 

シスイはスパゲッティを食べると家に帰り、次の日一日休み、その次の日にまたクエストに出かける。そういうサイクルで行動していた。

 

その休みの一日もここに来て、ナツに勝負を挑まれたり、エルザの技の試験に付き合ったりと、休みじゃないような気がする一日を過ごしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

事件は突然起きた。

 

いきなりギルドが襲われたのだ。

 

「何!?」

 

外はもうとっくに暗くなっていて、ギルドにいる人は少ない。そんな時にいきなり砲撃を受けたの。

 

「ハーッハッハ!見たか!我が“毒の薔薇”最終機動兵器の力を!妖精の尻尾め、この前の仮を返しに来てやったぞ」

 

敵は“毒の薔薇”というギルドで、敵が言うには妖精の尻尾に仮があるらしい。

 

その最終機動兵器は人形で、胸辺りに砲撃を飛ばす装置みたいなものが見える。その最終機動兵器に妙な飾りつけのお陰でよく見える。

 

「あいつらか」

 

たまたま遅くまで残っていたナツが呟く。まあシスイに勝負を挑んで、気絶させられて、今の砲撃まで寝ていたというだけだけどね。

 

「ナツ、何か知ってるの?」

「この前、依頼の邪魔しようとしたからぶっ飛ばした。確か闇ギルドとか言ってたぞ」

 

闇ギルド。それは法に触れることも平然と行うギルドのこと。あまり派手に暴れると評議院に目をつけられるから、普通は戦争なんて仕掛けてこない。そんなのに攻められるなんて。それに闇ギルドと戦える人は、今はナツ以外にいない。

 

「早く皆を呼んできて!」

 

ギルドに残っている人に皆を呼んできてもらう。そして戦えない人はギルドの奥に隠れてもらう。

 

マスターはクローバーでマスター同士の会合に行ってるから無理だけど、エルザとシスイ、それにグレイがいる。S級が二人も居れば早々負けない。

 

「ハーッハッハ!脆いな、妖精の尻尾。こんなカスギルドがあったなんてな。強いやつが大勢いると噂があったから最終機動兵器を持ち出したのにこの程度とはな!所詮闇ギルドには敵わないということか!!ハーッハッハッハ!」

 

悔しい。私たちの家を、家族をそんな風に言うなんて。何よりそこまで言われて戦えない自分が悔しい。

 

「てんめえ。妖精の尻尾に喧嘩売ったこと後悔させてやる!火竜の咆哮」

 

ナツが遠距離攻撃の、火竜の咆哮で攻撃する。敵の機動兵器は大きく、ギルドの二倍ぐらい大きさがあって、ナツの攻撃ではびくともしていなかった。

 

「その程度か?かわいそうに。力ない自分を呪うがいい。死ねえ!」

 

砲撃の照準がこちらに向く。まずい!このままじゃギルドが。

 

「ハァァァァッ!」

 

発射寸前、横からの攻撃に機動兵器が傾き、あらぬ方向に発射される。

 

「エルザ!」

「エルザー」

「エルザがきたぞぉぉぉ」

「貴様、何をやっている!」

「虫が一匹増えたか。死ねえ」

 

機動兵器の肩口から、炎、水、雷など様々な砲撃が飛ぶ。エルザは空を飛び難なく交わすが、その段幕に近寄れない。

 

ナツも攻撃するが、ナツの攻撃では機動兵器を傷つけるには弱く、中に入ることもできない状態で軽くあしらわれていた。

 

「皆大丈夫か!」

「グレイ!」

「ミラ、どうなってるんだ?」

「グレイ。ナツが依頼先で邪魔されて追い払ったらしいんだけど、そいつは闇ギルドの毒の薔薇の奴で逆恨みで攻めてきたの」

「なんだって!」

「エルザとナツが戦ってるんだけど、エルザは見ての通り近づけなくて、ナツではあの機動兵器に攻撃が通らないの」

「シスイはどうしたんだ?帰ってきてたよな」

「シスイはまだ来てないわ」

「そうか。ナツがあれを壊せないなら俺でも無理か。あれを壊せるのはエルザかシスイだな。なら時間稼ぎだな。よし、俺も行ってくるぜ」

「気を付けてね」

「ああ」

 

グレイも戦いにいく。相手はこちらを侮っているらしく、本気ではないのが救いね。

 

「……シスイ、早く来て」

 

そうしている間にも、戦闘力の低い人たちがギルドを守ろうとして戦う。一人た一人と倒れていくのが目にはいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃シスイはというと。

 

「本当かマカオ!?」

「マジだ。今ギルドに闇ギルドと戦えるのはナツしかいねえ!早く来てくれ!」

 

シスイは素早く着替え、マカオを置いて出ていく。

 

「先行くぞ!」

「あ、俺も行くぜシスイ」

 

マカオは急いでシスイの後を追う。

 




オリジナルは難しいな。

というわけで、買い物編のはずが回想に………まあ仕方ないよね。

それが頭に浮かんだんだから。

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