暇潰し?面白いから転生?まあいいですよ。頑張ります。★更新停止中 作:写身
頑張らねば。
5話
夜も更けて全員が寝静まったころ、一つの家に影が集まる。
「来たか。おい起きろ」
「ナツ」
「………………………………」
「グレイ」
「………………………………」
「ハッピー」
「………………………………」
「………………天照」ボソ
「起きたぜ!」
「おはよう!」
「寝てないよ!」
天照スゲー(笑)
「気配が集まっている。どうやら予想通りなようだ」
「つまり戦闘ってことだよな?」
「そうだ」
「寝ているように細工して、死角に隠れろ」
「わかった」
「わかった」
「あい」
俺達は息を殺し、ソファやタンスの陰に隠れる。
それからしばらくして、部屋の回りに百前後の気配が集まる。おそらく村人全員。
ドアがそーっと開く。入ってきたのは村長だ。そして一番手前のベットに行く。そして村長の姿が変わる。人から魔物へと。その姿は狼に似ていた。
「クックックッ、馬鹿めが。いただきます」
村長(元)が襲いかかる。
「な、なに!これはどういうことだ!?」
村長(元)が人と思ったのは、布団を丸めたもので、それに驚いて隙ができる。
「行け、ナツ」
俺の合図で、一番近いナツが攻撃に移る。
「火竜の咆哮」
ブレスによる範囲攻撃で、万が一にも避けられないように攻撃する。
「なんだと!くそっ」
村長(元)はすぐに窓から外に出る。その動きは凄まじかった。避けるのは無理であったはずの攻撃をその身体能力にものを言わせて避けきったのだ。
「ナツ!グレイ!ハッピー!こっちにこい!」
「おうっ」
「了解っ」
「あいさっ」
俺の後ろに庇うように前に出る。
「おのればれていたか」
村長(元)が戻ってきて話しかけてくる。
「まあな。少し話が胡散臭くてな。次からはもっと信憑性のある話をする事をお勧めするよ。まぁ次があればだけどな」
「忠告ありがたく受け取っておこう。次のためにな!!!」
風遁大突破。周りの壁を吹き飛ばす。
「ぐうぅぅぅぅ」
「こっちだ」
全員を連れて敵のいない方に行く。出入口と窓の周りにいたからそれ以外のところはいない。逃げやすい。しかし挟み撃ちされやすいのも事実。俺は事前に気配で探知していたが、皆はその魔物の数に驚いている。その数は、ざっと見て村人全員くらいだった。
「なんだよこの数は!」
「いいから走れ」
できるだけ狭い一本道を探す。しかし村は小さく、そのような場所はない。結局村外れまで来てしまった。
「仕方ない、ここで迎え撃つ」
「なんであそこでやらなかったんだ?天照なら一発だろ?」
「あそこは狭い。もし天照を受けたやつらが飛び込んできたら交わしきれん」
「確かにな。じゃあここで迎え撃つしかないのか」
「そうだ。ハッピーは空に逃げてろ」
「シスイ、もう逃げてるぜ」
「はやっ!」
マジか。速いなハッピー。
「まずは俺が大技をぶち込むから、そのあと確固撃破だ」
まだ魔力が回復しきっていない。できればこれで相当数減らしたいところだ。
「おっしゃー」
「わかった」
「お前ら、これはS級だ。無理はするなよ」
「そこにいたか。もう鬼ごっこは終わりか?」
「生憎だが、鬼の交代だ!風遁螺旋手裏剣!」
螺旋手裏剣をあいつらの中心に投げる。その線上にいるやつらは避けようと動くが、当たらないように少し横に移動するだけだった。
しかし、この技にはその程度では避けたうちに入らない。突然巨大化し、そのスピードに対応できず。手裏剣の範囲外にいたやつ以外はそれで真っ二つになる。村長(元)も真っ二つだ。
「よし、行くぞ」
残りは三十匹ほど。思ったより残ったが、対処できない数ではない。
「火竜の咆哮」
「アイスメイクランス」
「天照」
遠距離系の技に、次々と倒れていく。威力が足りないのか、ナツやグレイの攻撃では一撃で倒れない。俺の天照も必殺だが、範囲が狭いので一気に片付けることができない。
それに二人の様子が常に見えるようにある程度離れていない。風遁だと二人も巻き込んでしまうので、天照と氷遁秘術千殺氷翔で対応する。千殺氷翔は主に二人の援護に使う。
そのうちその攻撃を抜けるやつが出てきた。
「死ねえ!」
鋭い爪で、凪ぎ払うように攻撃してくる。俺はそれを後ろに下がって避ける。
しかし、獣の反応は早く、第二撃が飛んでくる。俺は慌てて瞬進の術で交わし、後ろに回る。
そこに抜けてきたもう一体が腕を降り下ろす。俺はもう一度瞬進の術で後ろに回る。
温存している場合じゃない。俺の方だけでなく、ナツとグレイの方も危ない。今のところは防げているが、いつ崩れてもおかしくない。
「行くぞ!第六景門解!!朝孔雀!!!」
二体まとめて倒す。俺が天照を止めたことで抜けてきたやつらにも、そのまま朝孔雀で攻撃する。
ナツとグレイの方を見ると、二人とも追い詰められていたが無事だった。こいつらレベルなら、一対一ならなんとか勝てるだろうが、二体、三体となると攻撃する暇がないらしい。何にしても無事ならいい。
「ナツ!グレイ!飛べっ!!」
「おうっ」
「わかった」
「千鳥流し」
二人が飛ぶと同時に千鳥流しで倒す。これで全員を倒した。
「二人とも怪我は?」
「ちょっとかすった程度だ。問題ない」
「こっちもだ」
俺は二人に掌仙術を使い、傷を治す。
「おおー、治った!」
「シスイは何でもできるんだな」
「まあな」
「ナツ~」
「おう、ハッピー」
「皆凄かったね~。おいら見てて興奮しちゃったよ」
しばらく雑談したあと、無事な家で寝た。翌朝、と言っても昼前ぐらいに起き、魔導四輪でギルドに帰る。証拠をもって。
その際、ナツとハッピーが報酬がもらえないことに文句を言っていたので、帰ったら飯を奢ってやることにした。当然グレイもだ。
ナツとハッピーは結構食うから出費がでかいが、こんな依頼を選んだ俺にも責任はあるから仕方ない。
「―――って訳でこれが証拠だ、マスター」
「そうじゃったか。ごくろう、シスイ。しかし、災難じゃったな。あいつらのお守り付きだしの」
「ははは。まあ俺が選んだ依頼だし、今回は仕方ないかな」
「はい、スパゲッティ」
「ありがとう、ミラ」
俺はミラが作ってくれたスパゲッティを食べる。
「うん。いつも通りうまいな」
「ありがとう」
「そういやマスター」
「なんじゃ?」
「ラクサスはどうしたんだ?見かけないけど」
2階を見てもラクサスがいない。
「あやつはクエストに行ったぞ」
「そうなのか」
「お前には負けとられんとかで張り切っておるからな。お金が入って儂はウハウハじゃ」
「ははは。それは良かったな」
「うむ。これもS級試験でシスイがラクサスをこてんぱんにしたお陰じゃ。ありがとうの」
「こてんぱんにしてお礼を言われるのもおかしいと思うがな」
「ねぇシスイ。明日は休むんでしょう?」
「そうだよ。どうかしたのか?」
「か、買い物に付き合ってくれない?」
その時のミラは顔が真っ赤になっていた。
「いいぞ」
シスイは全く気づいていない様子だ。
「やった」ボソ
ミラは見えないようにガッツポーズする。
「じゃあ明日迎えに行くから」
「分かった」
「青春じゃの~」
「何が?」
「何でもないぞ。ヒョヒョヒョ」
しかしマスターはミラの様子に気づいていた。
氷遁秘術千殺氷翔
オリジナル技です。元々は水遁秘術千殺水翔です。
千殺水翔は少量の水を大量の針の形に変えて攻撃するとありますが、水がなくてもできますよね。
だってチャクラで水を作り出すとかありましたよね。だからこれも水が周りに無くてもできるはずですよね。
シスイはさらに水を氷にして、攻撃しているということです。
普通に考えて、気体を液体にするより、気体を個体にする方がエネルギーがいるので、千殺水翔より多く魔力を消費しますが、自分的に水より氷の方が好きだから氷で攻撃しました。
それに氷なら最悪グレイに出してもらえばいいだけですしね。そんなことしなかったけど。