暇潰し?面白いから転生?まあいいですよ。頑張ります。★更新停止中   作:写身

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31話

31話

 

妖精の尻尾一行は、馬車で集合場所である青い天馬マスターの別荘を目指していた。

 

「なんでこんな作戦にあたしが参加してるのよ!」

「ルーシィ、マスターの人選だ。私たちはそれに答えるだけだ」

 

ルーシィの今さらな言葉にエルザがこれぞ武人って言いそうな言葉を返す。

 

「でもシスイが負けた相手にあたしが勝てるわけないわよ」

「まぁ影分身だけどな。噂通り、強かったぞ」

「シスイが強いって言うなら相当だな」

 

グレイはいつも通り?服を脱いでいた。

 

「影分身でも負けは負けよ!」

「そうだけどよ。一応本人がここにいるんだからもう少し優しく言ってやれよ」

 

グレイの指差す方を見ると、シスイが落ち込んでいた。

 

「ご、ごめん」

「いいよ。まぁ強かったけど、1対1なら負けねぇよ」

「まだつかねえのか~」

 

ナツは相変わらず乗り物酔いを発動していた。

 

 

 

 

妖精の尻尾一行が集合場所の建物に入ると、先に来ていた奴が声をかけてきた。

 

「「「我等青い天馬より選出されしトライメンズ」」」

「百夜のヒビキ」

 

爽やか系イケメン。

 

「聖夜のイヴ」

 

童顔のショタ。

 

「空夜のレン」

 

ワイルド系イケメン。

 

3人は自己紹介するとエルザをエスコートしだした。ついでにルーシィも。

 

その時ナツは酔いが治っておらず、グレイは脱いでいた服を着ていて、シスイは我関せずのごとく壁にもたれていた。

 

3人はエルザとルーシィを口説き始めた。二人は無言だった。

 

そこに一夜が現れた。そしてエルザに向かって

 

「会いたかったよマイハニー。あなたの為の一夜でぇす」

 

無駄に甘い声で戯れ言を言い出す一夜。ルーシィとハッピーがマイハニーというところに驚き、エルザが嫌なものを見たみたいな顔になった。

 

「君たちのことは聞いてるよ。エルザさんにルーシィさんにシスイくん、その他……むっ!」

 

なぜか一夜が鼻をくんくんしてルーシィの匂いを嗅ぐ。

 

「いい香り(パルファム)だ」

「キモいんですけど」

 

本気で嫌がっているルーシィを見て、シスイが動く。

 

「一夜、久しぶりだな」

「うむ。聞いているよ。負けたんだって?油断でもしたのかな」

「ははは、相手の連携にやられました。1対1なら勝てますよ」

「しかし君はニルヴァーナを調べるとか」

「ああ、だからここには顔合わせだけしに来たよ」

「なるほど」

 

シスイと一夜が話をしている間に、トライメンズとナツとグレイが言い合いをしていた。

 

「やめないかおまえたち」

 

エルザが止める。

 

「エルザさん、相変わらず素敵な香り(パルファム)だね」

 

シスイの隣にいた一夜が一瞬でエルザの後ろに行き、エルザの匂いを嗅いでいた。

 

エルザは気持ち悪かったのか、一夜を殴り飛ばした。一夜は建物の入り口の方に飛んでいった。

 

そしてちょうど新なメンバーが到着して、飛んできた一夜を掴んだ。

 

「貴様らは蛇姫の鱗上等か?」

 

そこにいたのは、かつて悪魔の島で敵対したグレイの兄弟子のリオンだった。

 

グレイとリオンは互いを見て驚き、ナツはリオンがギルドに入ったことに驚いていた。

 

リオンに続いて入ってきたのは、リオンの手下だったシェリー。

 

一夜を雑に扱うリオンにトライメンズが切れる。リオンはリオンで、弟弟子のグレイと睨み合う。ナツはいつも通りケンカに交ざる。そしてルーシィとシェリーが睨み合う。さらに、復活した一夜がエルザの匂いを嗅ぐために逃げるエルザを追いかける。

 

カオスができていた。これから協力しようとする者同士とは思えない。さすがに見かねたシスイが止めようと動き出したが、声をかける前に、新にメンバーが入ってきた。

 

「やめい!!!ワシらは連合を組み、六魔将軍を倒すのだ」

 

入ってきたのは蛇姫の鱗のジュラ。ジュラの言葉に全員が争いをやめる。ジュラはラミアのエースで有名な魔導士だ。

 

「これで3つ。残るは化猫の宿の連中のみ」

「連中というか一人と聞いていまぁす」

 

一夜の言葉に全員が驚く。六魔将軍相手にたった一人だけしか来ないとはそれほどの実力ということかと、みんなが驚愕する中、その最後の一人が走って入ってきた。

 

そして何もない絨毯の上で勢いよくこける。

 

「(どじっ子か……?)」

 

起き上がり、自己紹介する。

 

「あ、あの遅れてごめんなさい。化猫の宿から来ましたウェンディです。よろしくお願いします!」

「子供!?」

「女!!?」

 

最後に来たのはどう見ても子供で女性だった。誰がどう見ても六魔将軍相手に戦えるはずがない、と思う。

 

「これで全てのギルドがそろった」

「話進めるのかよっ!!!」

 

何事もなかったかのように話を進めるジュラにツッコミが入る。

 

シェリーがお子様一人をよこすとは化猫の宿はどういうつもりか、と聞く。

 

すると、一人じゃないと言われ、その声の主を見てみると、ハッピーの女の子?版だった。

 

その猫はシャルルと言うらしい。そしてハッピーが一目惚れしたみたいだ。そして改めて挨拶をする。

 

その後、またトライメンズがエスコートしだしたのでシスイが止めて、話を進める。

 

「作戦を説明する」

 

一夜が作戦の説明をする。

 

内容は、ここから北にあるワース樹海というところに、古代人たちが残した強大な魔法が封印されている。それがニルヴァーナ。分かっているのは古代人たちが封印するほどの破壊魔法と言うことだけで、どんな魔法かも分かっていない。それを調べるのはシスイの役目で、残りのメンバーはニルヴァーナを手に入れるのを阻止する為に六魔将軍を討つこと。そして樹海にあるだろうと推測される仮設拠点を見つけ出し、そこに集めて青い天馬が誇る魔導爆撃艇クリスティーナで、拠点もろとも葬り去ること。

 

まずナツが飛び出し、それに続いて妖精の尻尾のメンバーが出ていく。リオンが妖精の尻尾には負けられないと後に続き、シェリーが追う。さらにトライメンズも飛び出し、最後にウェンディが出ていく。

 

残ったのはシスイと一夜、ジュラの3人。

 

「やれやれ、せっかちだな」

 

シスイが二人に近づきながら呆れたように言う。

 

「こっちルーシィ以外武闘派だ。何かあればあいつらを頼れ」

「なに、心配はいらないさ。なにはともあれ我々も行くとしよう。シスイもなるべく早く頼むぞ」

「その前にジュラさん、聖十大魔道(せいてんだいまどう)の一人と聞いてますが、マスターマカロフに匹敵するので?」

「聖十の称号は評議会が決めるもの、同じ称号でもマスターマカロフと比べると天と地ほどの差があるよ」

「ほう」

「謙遜はよせよ、ジュラ。十分強いさ」

「ははは、過大評価だなシスイ」

「それを聞いて安心しました」

「うっ」

「これはっ」

 

急に強烈な鼻につく臭いがした。

 

「これは相手の戦意を喪失させる香りだってさ」

「一夜殿!!?」

 

一夜が側にいたジュラをナイフで刺した。

 

「ぐほっ」

 

そして一夜はシスイに向かってナイフを突き出す。しかし、シスイは間一髪避ける。

 

「くっ」

 

そして一夜の姿が崩れ、2体の星霊になる。いや、戻ると言った方が正しいか。

 

「星霊!?しまった!!ジュラ!大丈夫か!?」

「油断大敵だゾ」

 

姿を現したのは六魔将軍の一人、エンジェル。

 

「コピーさせてもらったゾ。おかげでアナタたちの作戦は全部分かったゾ」

『ぼくたち、コピーした相手の考えまで分かるんだー』

「なんだと!?」

「まずは二人だゾ。本当はシスイも仕留めたかったけど、まぁいいゾ」

 

エンジェルは立ち去ろうとする。

 

「待て!」

「早く手当てしないと死んじゃうゾ」

 

エンジェルはジュラを指差して言う。

 

「バイバイだゾ。シスイ相手に正面からは危険だから退散させてもらうゾ」

「くっ」

 

シスイはエンジェルを苦汁を舐めながら見逃し、ジュラを治療する。

 

「すまんシスイ」

「いや、俺が先に狙われたら俺もかわせなかった。とりあえず治す」

「助かる。それにしても不覚だ」

「そうだな。考えまで分かるとはバラバラになってから成りすまされると厄介だな」

「そうだな。早く行ってやらねば。シスイ、早く一夜殿も治して追いかけよう」

「分かっている」

 

シスイは影分身をして、分身に一夜のところに行かせる。

 

六魔将軍討伐は最初からピンチを迎えていた。

 

 

 

 

 

 


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