暇潰し?面白いから転生?まあいいですよ。頑張ります。★更新停止中   作:写身

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3話

3話

 

 

ドラゴンスレイヤーか。面白い、なら炎以外で攻撃するまでだ。ナツはハッピーの説明が終わるのを待っていてくれたらしい。

 

「今度はこっちから行くぞ。水遁水弾」

 

口から水の球を大量に吐き出す。

 

「なっ、火竜の…咆哮」

 

ナツも口から炎を出し、相殺する。こっからが本番だ。

 

「氷遁秘術魔鏡氷晶」

 

冷気によって自身のみを映す氷の鏡を作り出し、無数の鏡で敵をドーム状に包囲する。いきなり氷の鏡ができたことで、ナツだけでなく、回りのやつらや、マスターも驚いている。

 

そして俺は氷間を光速で移動しながら中にいるナツに氷で作った千本を投げつける。

 

「ぐわぁぁぁぁぁ!」

 

 

ナツは最初は戸惑ったが、すぐに火竜の咆哮で鏡を破壊しようとしたが、俺の攻撃の方が早く、それに対応しようとしても、俺のスピードには対応できず、そのまま倒れた。

 

「そ、そこまで。この勝負、勝者シスイ」

 

皆、俺の技に言葉が出ないようだった。

 

「お前、強いな」

 

訂正。一人だけいた。紅の髪のエルザと名乗った女性だ。

 

「ありがとう」

「私とも勝負してくれるか?」

 

あっれ~?なんでそんなことになるんですかね~?

 

「いいぞー」

「今度はエルザだ」

「俺はエルザにかけるぞ」

「俺はシスイだ」

 

まだ了承してないのに賭けが始まる。断れる雰囲気じゃないな。しかもナツより強そうだ。面倒だから一瞬で終わらそう。

 

「いいよ」

 

俺の言葉に周りが更に盛り上がる。気絶したナツを運んで、エルザ対俺が始まる。

 

「ではエルザ対シスイを始める。用意はいいか?」

「もちろんだ」

「いいよ」

 

俺は目を見られないように、下を向き答える。俺の目は赤くなり、模様が浮かんでいる。

 

「では―――始めっ!」

「いく…………」

 

エルザはそこで言葉を止め、動きも止まる。それを不振に思い周りが少しざわつく。

 

「アアアァァァァァァッ!!!」

 

いきなり声をあげ、その場に倒れる。勘のいい人なら俺が何をしたか分かるだろう。

 

「俺の勝ちだな」

「ハアッ…ハアッ…今のは…?」

「幻術だ。 ただ、エルザには三日の時間だっただろうが、現実には数秒しか経ってないぞ」

 

そう、かの有名な万華鏡写輪眼による幻術、月読だ。そして磔にしての串刺しだ。気絶しないとかすごいな。

 

「どうやら私の負けのようだ」

 

エルザは膝をつき立ち上がろうとするが、それ以上動けなかった。

 

「しょ、勝者シスイ」

 

何が起きたのか、周りにいるやつらは分からなかったのだろう。幻術だから当然だが…。マスターもエルザの負けを聞いて、慌てて勝者の名を挙げる。

 

「うぉぉぉぉっ、エルザが瞬殺!」

「シスイすげー」

「シスイ強すぎ」

「よっしゃあ、儲けた~」

「くっそぉ、エルザが負けるなんて」

 

マスターの宣言を聞いて周りも我に帰る。周りの反応を見るに、エルザは相当な実力者なんだろう。それが一瞬って……。俺、強すぎねぇ?

 

とりあえず立ち上がれないエルザを持ち上げる。力があるなら肩を貸すより、持ち上げる方が移動が楽なのだ。よってエルザをお姫さま抱っこし、ギルドの中にあるだろうベットまで運ぶことにする。動けなくなったの俺のせいだしな。

 

「お、おいシスイ。これは止めろ」

 

エルザは顔を真っ赤にしている。

 

「何で?」

「は、恥ずかしいだろ」

 

なるほど、確かに恥ずかしいな。

 

「でも一人じゃ歩けないよね?」

「そそそ、そうだが、肩を貸してくれればいい」

「でももう持ち上げたし、次はそうするよ」

「つつつ次などない!」

「ん?だからそう言ってるよね?」

「そ、そうではなくてだな……ああっ!もういいっ、好きにしろ!」

「ん、じゃあ行くよ」

 

そのやり取りを見ていたギルドの面々は開いた口が塞がらなかったという。

 

俺は中に入り、奥のベットにエルザを寝かせる。マスターとミラ、グレイやカナ、レヴィにナツ、エルフマンなど、エルザが心配らしく部屋まで着いてきていた。

 

ナツもう復活したのか。

 

「あ、ありがとう」

「まぁ俺のせいだしな」

「あれはなんだったのだ?」

「そうだ。どうやってエルザを倒したんだ?」

「私も気になるね」

「ふむ。儂もわからんかった。よければ教えてくれんか」

 

皆も気になってるみだいだ。ほんとは教えたくないけど、仲間になるんだからいいか。

 

「さっきも言ったけど幻術だよ」

「それはわかった。だが、なんで時間が経過していない。幻術ではお前は三日と言った。だがそれが終ると実は一瞬しか経っていない。どういうことだ?」

「もっとよく思い出して。この空間ではとか言ってなかった?」

「そういえば言っていたな。しかし、それが関係あるのか?」

「あるよ。あれは普通の幻術じゃないんだ」

「どういうことなんだ?」

 

俺は目を万華鏡写輪眼にする。

 

「お前!目が!」

 

皆が俺の目を見て驚く。

 

「これは万華鏡写輪眼」

「万華鏡…」

「写輪眼?」

「そうだこの目は特殊で、色々なことができる。普通の幻術なら幻術空間と現実の時間の流れは一緒だが、この目で掛ける幻術はひと味違う」

「どう違うんだ?」

「この目で掛ける特殊な幻術は月読という」

「月読?」

「そうだ。この力で掛けた幻術は相手を精神世界に引きずり込み、相手に実際に体験していると錯覚させられる上に通常では掛かったことすら認識できない。そしてその空間では時間さえも自由に操れる。だから幻術空間では三日でも現実では一瞬しか経っていないということもできる」

「凄まじいな」

「掛かったことすら認識できないとは」

「時間自由って」

「シスイよ。その目で他に何ができる?」

「じっちゃん、どういうことだ?」

「さっきシスイは色々なことができるといった。他にも強力な力があるんじゃないかと思ってな」

「確かに言ってたな」

「どうなんだシスイ?」

 

失言だったな。まぁ天照くらいならいいか。

 

「他にも強力な力はあるよ」

「それは教えても大丈夫なものか?」

「大丈夫ですよマスター」

「なら教えてくれ?」

「その力の名は天照」

「天照?」

「そう、これは万華鏡写輪眼で目視した場所ピントが合うだけでを燃やすことができる」

「見るだけで…」

「すごいな」

「燃やすってことは炎か。なら俺には効かねぇな」

「そうだな、ナツなら意味ないな」

「甘いな。その炎は普通の炎ではない」

「ふむ。どういうことかの?」

「天照の炎は太陽の如き高温の黒い炎で、使用すると相手の火さえも燃やし、その黒い炎は対象物が燃え尽きるまで消えない。仮に対象が逃げようとしても、視界に入る限り逃れる事はできない」

「なっ」

「そんなことが…」

「やばすぎるじゃねぇか」

「これから逃れるには視界に入らないことだ」

「なるほど視界に入らなければ喰らわないのか」

「ならなんとかなるな」

「馬鹿かお前たち?」

「どういうことだエルザ?」

「視界に入らなければ確かに喰らわないが、どうやって倒す?シスイの実力から言って、相当隠密に長ける技でもないと無理だぞ」

「確かにの、火すら燃やすならそれ以外のものも燃やせるじゃろうな」

「てことは俺たちの技も燃やされるってことか」

「無敵じゃねぇか」

「そうでもないさ。俺が反応できないスピードなら天照も関係ないからな」

「それはそうだが」

「どれくらいなら反応できないんだ?」

「テレポートされれば視界に入らないな」

「無理だ!」

「んなの誰ができるんだよ」

「じっちゃんできるか?」

「無理じゃ」

「やっぱ勝てねぇな」

「そうだな」

 

ありゃりゃ、諦めちゃったか。

 

「シスイ。次のS級試験受けさせてやるからな」

「何でだよ!俺にも受けさせろよ!」

「じゃあシスイに勝てるなら受けさせてやろう」

「よっしゃあ!勝負だ、シスイ!」

「月読」

「あ…」

「ナツ…」

「ナツはどうなったんだ?」

「幻術空間で俺と闘ってる幻を見せてる。今回は時間は操ってないが直に戻ってくるさ」

「ナツゥ」

「憐れだな」

「ところでS級ってなに?」

「知らないのかシスイ?」

「魔導士にはランクがあって、それによって受けれる依頼が変わるんだよ」

「そうそう。んでS級になると報酬も桁違いだからな」

「なるほど」

「エルザはS級だぜ」

「そうなのか?」

「そうだ。シスイならS級試験も余裕で受かるだろう」

「そうだな。エルザに勝ったんだしな」

「グレイ、それは私が弱いと言いたいのか?」

「いっ!ち、ちげえって。シスイがそれだけ強いって話だよ!」

「ならいい」

「マスター、お金がないから早速依頼行ってきていい?」

「そういえば言っておったな。ならクエストボードから依頼書を持ってきて儂かミラに見せて受注すればオッケーじゃ」

「わかった。じゃあエルザ、安静にしてろよ」

「わかっている」

 

俺は部屋を出て、クエストボードのある方に向かった。

そしてクエストボードから依頼書を取り、マスターに見せて、クエストに行った。


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