暇潰し?面白いから転生?まあいいですよ。頑張ります。★更新停止中   作:写身

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28話

28話

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ!それはっ!」

 

やべぇ。この技は問答無用だ。どうする?止める?いや間に合わん。ならばどうする。答えは簡単。正面から防ぎきる!神羅天征だ。時間制限はあるが、光が通りすぎるまで耐えればいい。いくぞ!

 

妖精の法律(フェアリーロウ)!」

 

ラクサスを中心に、光が円状に広がる。

 

この魔力…やべぇ。こんなに魔力あったのかよ。こっちも全開だ!

 

「神羅天征!」

 

なんとしても耐えてやる。光が全てを包み込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?なんともないぞ?神羅天征で防げた…のか?…いや、衝撃は全くなかった。というか今更ながら神威でよかったかな。神威はラクサスに見せてないから使いたくなかったけど、他のやつらには見せてるから調べようと思えば調べられるか。

 

って今はそうじゃねぇ。妖精の法律はすり抜けたのか?神威は使ってないぞ。ならどういうことだ?

 

「何でダメージ喰らってねえ!?あれほどの魔力だぞ!いくらお前でも無傷はあり得ねえだろッ!!」

 

無傷?……そうか…そういうことか。妖精の法律は敵と認識したやつ全てが攻撃対象。ならば認識しなければ攻撃対象ではない。神威を使わなかったことが結果的にこの事に気づけたってとか。

 

「ラクサス、それがお前の心だ!本心から俺達を敵と思っていない。だから妖精の法律は不発に終わったんだ」

 

なんだよ。ラクサスはやっぱり仲間だと思ってたんだな。このツンデレ野郎。

 

「違う!!!貴様らは俺の邪魔する敵だ!!!」

 

往生際の悪い。

 

「認めろ。妖精の法律こそ、その証だ」

「違う…違う違う違う!!!いくぞシスイィィィ。雷竜の咆哮!!!!」

 

はあっ!?ラクサスが滅竜魔導士だと!!聞いてねぇぞマスター!!!

 

「神羅天征!」

 

輪廻眼じゃなければまともに喰らったぞ。てか、弾けねぇ。

 

「ぐぐぐ…らあっ」

 

ナツより強いな。当然か。ラクサスはS級魔導士なんだから。

 

「雷竜の麻拳」

 

早い!雷で身体強化しているのか!神羅天征は使えねぇ。

 

「チ、ィィィ」

 

くっ、なんとか避けれた。ラクサスは?

 

「雷竜方天戟」

 

方天戟の形をした雷を投げてくる。威力、突貫力は高いが範囲が狭い。そのお陰で避けるのは容易い。

 

「喰らえ、召雷弾」

「はあああ!!?」

 

ラクサスの回りに雷の球が無数に出現する。

 

「おいおい」

 

これはまずいなぁ。

 

召雷弾を俺に向かって放つ。当然神羅天征で弾く…と言いたいが、それは無理だ。なぜなら召雷弾が次々にラクサスの回りに生み出されている。波状攻撃では僅かだが時間制限のある神羅天征は相性が悪いからギリギリまでとっておく。それにまだ飛雷神がある。俺は飛雷神で召雷弾を避ける。避けた先にまた召雷弾が飛んでくる。それを飛雷神で避ける。そしてまたその先に召雷弾が飛んでくる。

 

ひたすら同じことを繰返し、隙を探す。途中から飛雷針のパターン(飛べる場所)を読まれている事に気づき、クナイを飛ばし飛べる場所を増やして対処した。

 

しかし、次々生み出される召雷弾により、隙を見つけるどころか逃げ場がなくなってくる。

 

「フハハハハ、俺が最強だ!!」

 

まずいな。これを避けきるのは難しい上に、技が限られる。完全に避けるには神威か須佐能乎ぐらいだろうな。須佐能乎はまだ誰にも見せたこと無いし神威だな。よし、神威。

 

神威を発動することで、ラクサスの攻撃が俺に当たらなくなる。ラクサスは何かの技だと予想し、全方位から召雷弾を放つ。

 

召雷弾同士がぶつかり大きな爆発を起こす。そしてその威力に視界が一瞬見えなくなるが、威力としては充分だろうと確信し、避ける隙間が無かったことから、さすがに喰らったとラクサスは思った。死んではいなくとも戦闘不能。よくて重傷レベルだと思った。

 

しかし俺は平然として無傷でそこに立っていた。ラクサスはその姿を見て、一瞬だが思考が止まる。自分の理解できない現象だからだ。俺はそこを見逃さなかった。

 

クナイを8本ラクサスに向けて投げる。もちろん飛雷神のマークはしてある。ラクサスはすぐに我に帰ったが時すでに遅し、ラクサス正面のクナイがラクサスに当たる寸前に飛雷神で飛び、ラクサスの前に現れる。

 

そしてラクサスを蹴り飛ばす。先に投げたクナイはラクサスに追従するように回りを飛ぶ。俺は影分身をして、本体は攻撃準備。分身は飛雷神で縦横無尽に飛び、ラクサスにダメージを与えていく。

 

『九喇嘛、力を貸せ』

『ったく、ほらよ』

 

分身がラクサスにダメージを与えている間、俺は九喇嘛から魔力を貰い九尾モードになる。そして螺旋丸を作る。

 

そして螺旋丸を生成したので、分身がラクサスと一緒に俺の前に飛雷神で飛んでくる。

 

飛んできたラクサスに思いっきり振りかぶった螺旋丸を叩きつける。ラクサスは分身ごと飛んでいき、爆ぜる。

 

飛雷神・時空疾風閃光連の段・零式

 

これはどこぞの4代目の技だ。まあ螺旋手裏剣にしなかったのは死ぬかもしれないからだ。

 

俺はラクサスの無事を確認しに行く。

 

「おう、俺の勝ちだな」

 

ラクサスは大の字で倒れていたが意識はあったので声をかける。

 

「ちっ…くしょう」

 

そこにレヴィがやって来る。そしてマスターが危篤だと言う。

 

「なん…だと!おいラクサス!行ってやれ」

 

こんなことをしたとはいえ、ラクサスはマスターの孫だ。行くべきだ。

 

「はっ、無理だな」

「なんでだよ!!?危篤なんだぞ。家族なら行ってやれよ!意地張ってる場合じゃねぇだろ!!」

「別に意地じゃねえ。お前のせいだよ」

「なんで俺のせいなんだよ?」

 

意味わからん。なんで俺のせいになるんだ?

 

「お前にやられて一歩も動けねえ」

「……………………………そうだったのか」

 

いや、うん。確かに俺のせいだけど、認めたくない!それにラクサスがこんなことするから俺はラクサスをぶっとばしただけだしな。つまりこんなことしたラクサスが悪いってことだ。うん、そうなのだ。俺は悪くない!!

 

ってそうじゃねぇ!!!!!

 

「レヴィ、マスターはどこだ?」

 

ポーリュシカさんのところか?

 

「ギルドの医務室よ。ポーリュシカさんが来てくれてそこにいるわ」

「よし、行くぞ。レヴィ来い」

 

レヴィの手を引っ張り、ラクサスの元まで連れてくる。そしてラクサスに触れて飛雷神でギルドに戻る。

 

そこからラクサスを医務室まで運び、とりあえず二人っきりにする。

 

神鳴殿はラクサスを運んだ後、影分身で同数の数に分身し、螺旋丸で潰した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、ラクサスも重傷ということで、治療する。その後、マスターは意識を取り戻し、治療を終えたラクサスと話したがラクサスを破門にする。

 

破門はやりすぎじゃないかと進言はしたが、妖精の尻尾を危険にさらしたことや、仲間を傷つけたことにより、ラクサスの破門は撤回されなかった。

 

食い下がろうとしたが、マスターが涙を流して声が震えていたので食い下がるのは止める。ギルドマスターだからこそ、実孫でも許してはならいのこともあるのだろう。

 

ちなみにパレードは明日の夜に延期された。そして怪我人が多くて、人手不足だと言うので、俺は怪我人全員の治療をした。なぜか九喇嘛が魔力をくれず(ツンデレが発動か?)、ラクサスとの戦いで魔力がほぼ空になっていた俺は倒れた。多分影分身を使いすぎたんだろう。

 

そして倒れた俺はミラに付きっきりで看病されていたと、起きてからすぐに理解した。ミラがベッドの横で寝ていたからだ。太陽的に朝なので一晩中看病してくれたんだろう。俺はミラに毛布をかけておいた。

 

ギルドに行って、俺が倒れた後のことを聞くと、魔力の使いすぎで倒れたと、ポーリュシカさんはちゃんと言っていたらしい。時間が経てばもとに戻るのに、ずっと見ていてくれたわけだ。

 

わざわざポーリュシカさんを呼んできたんだ。と言ったら、ミラが泣きそうだったから動けるやつ全員でポーリュシカさんを呼びにいったらしい。なんで全員?とは思ったが、善意?でやってくれたんだし突っ込まなかった。

 

それを聞いたミラが顔を真っ赤にして「言っちゃダメ」って止めていて可愛かった。ミラがいるのはミラが起きるのを待ってからギルドに来たからだ。

 

そしてパレードも滞りなく終わり、収穫祭が終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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