暇潰し?面白いから転生?まあいいですよ。頑張ります。★更新停止中   作:写身

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メリークリスマス!

寒いですねー

部屋に暖房器具がないので冬は極寒地獄です。唯一あるのが電気毛布だけ。布団にこもる時間が増えてきました

まークーラーないので夏も扇風機だけで灼熱地獄ですけどねー




25話

25話

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここよ」

「は?(おかしいな。目が悪くなったかな)」ゴシゴシ

「ほら。入るわよ」

「あ、ああ…って、ちょっと待った」

 

ドアの手前でシスイが待ったをかける。どうしたのかしら。

 

「(確認だ確認)ここってランジェリーショップだよな?」

 

男だから見ただけでは分からないのかしら。

 

「ええ、そうよ。さ、行きましょ」

「ハイ待った」

「何?」

「男がそんなとこに入るのは気まず過ぎる。すまないが外で待ってるから一人で済ませてくれ」

 

ま、まずいわ。こんなパターンは予想外よ。なんとしても引き留めないと。

 

「一緒に入ってくれないの?」

 

今シスイを連れて行くためなら、何でもやるわ。

 

「うっ(だから上目遣いは反則だって)」

「お願い」

「(目、目がウルウルしてる!これはマズイ)分かった入る。入るよ!

「ありがとう」

 

よかった。入ってくれて。

 

「(くっ、反則だ)」

 

シスイは俯いてるし、とりあえずあの辺に行きましょうか。

 

「うっ(これはマズイこれはマズイこれはマズイ!!)」

「どうかしたの?」

 

シスイの顔が赤いわね。やっぱりこんなところに男が来るのは恥ずかしいのかしら。

 

「あ、いや(言えねえ。下着がエロ過ぎるとか言えねえよ。それに回りの視線もきつい)何でもないよ」

「そう?じゃあここから私に似合うの選んでくれる?」

「はあっ!!!」

 

シスイが叫んだことで、回りから視線が集まる。

 

「シスイ、大声出しすぎよ」

「いや、だってよ(ミラが変なこと言うからだろ)」

「お客様、どんな下着をお探しですか?」

「(店員さんナイス!)」

「あ、えっと今日は彼に選んでもらおうと思って」

「(ええぇぇぇぇえええつ!!!)」

「あら、彼氏さんに選んでもらうんですか。仲が良いですね。羨ましい」

「(良くねぇよ!俺の心に会心の一撃だよ!)」

「はい」

「(はいじゃない!そして彼氏じゃない!そりゃミラは美人だし性格もよくて……)」ゴニョゴニョゴニョ

『(クハハ。まさか貴様がそこまで狼狽えるとはな。これは面白い)』

「(うるさいぞ九喇嘛)」

「それでシスイ、選んでくれないの?」

「え、や(ってかこの辺の下着、全部際どいやつばかりなんですけど!紐とかあるし!あんなん下着じゃねぇ!!)」

「シスイ?」

 

やっぱり下着選んでもらうのはやり過ぎたかな。これで引かれたらどうしよう……。

 

『(おいおい、男の癖にだらしねえな。シャキッとしろよ。仮にも儂に勝った男がなんて様だ)』

「(くっ、分かったよ!選びゃいいんだろ!!)」

「あちらの方のやつが彼女にはお似合いかと」ボソ

「(店員さんナーイス…と思ったが、あれってほぼ紐だよ?いいの、あんなの選んで?)」

「大丈夫ですよ」ボソ

 

シスイが店員さんと小さい声で話してる。やっぱり嫌だったのかな。

 

「(くっ、ミラが不安そうな顔をしている。これ以上は無理だ。ええいままよ)こ、これなんか良いと思うな」

「え!」

 

シスイが選んだのは、薄いピンク色の上下セットの下着。上下共にワンポイントに可愛いリボンが着いている。そして下はめちゃくちゃ細い……Tバック。いや、Tバックはそもそもそーゆーコーナーだからいいとして、あれは細すぎるんじゃないだろうか。はみ出すかもしれない。ナニがとは言わないけど。

 

「ミラ、やっぱ嫌だったか?」

 

あ、シスイが悲しそうな顔をしてる。そうよね。選んでもらっといて拒否はダメだよね。分かった。私着るよ。

 

「ううん。 大丈夫。それじゃ試着するから待っててね」

「ああ(って、また一人か!?)」

「可愛い彼女ですね」

「(よかった。一人じゃない。そして彼女でもないが、ここで否定するのは何かと面倒そうだ)アハハ、ありがとうございます」

「ジャーン。どうかな?」

 

シスイと店員さんが、仲良く話してるのが嫌で急いで着替えちゃった。大丈夫よね?

 

「ブッ(待て待て待て。それは見せたらダメだろ。それに一瞬だが黒いものが見えた!いや、不可抗力だ!俺は悪くない!)」

 

あ、良かった。さっきよりさらに顔真っ赤になってる。意識してるってことよね。恥ずかしいけどしたかいはあった。

 

「似合ってるかな?シスイ」

「似合ってる似合ってる。だから早く着替えろ」

「はーい」

 

シスイ可愛い。目を手で塞いで見えないようにしてる。

 

「初々しい。若いって良いわねー」

「店員さんもそんなに年取ってないでしょ(良かったミラが戻ってくれた。それにしても急にどうしたんだ、ミラのやつ)」

「そう見えるだけよ」

「え?」

「女は外見では分からないものよ。じゃあね彼氏くん」

「あ、はい。ありがとうございました(あの店員さん。いったい何歳なんだろう)」

「お待たせ。それじゃ行こう」

 

シスイが私の事気にしてくれてるのは分かったし、後はあの事ね。シスイがオッケーしてくれるといいんだけど。

 

会計をして外に出る。

 

「次は?」

「もう終わり。後は夕飯の材料買って帰るだけ」

「そか、んじゃ行くか」

「ええ」

 

今のうちに心の準備をしておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

買い物から帰って、今はシスイの家で夕飯の準備をしているところ。買い物のお礼ということで、シスイはリビングでくつろいでもらってる。

 

「これで終わりっと。シスイ~できたよ~」

「はーい」

 

シスイがこっちに来て、お皿を運んでくれる。

 

「さあ、食べましょう」

「そうだな、いただきまーす」

 

私はシスイが、食べるのを待つ。

 

「さすがミラ。美味しいよ」

「良かった。じゃあいただきます」

 

いつも通りに作ってるからマズイことはないと思ってたけど、口に合わないかもしれないから内心ドキドキだったのだけど、心配なかったみたいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今は洗い物をしてる。これが終わったら話そう。

 

「よし、これで終わり」

 

いよいよね。

 

「ねえ、シスイ。話があるんだけど」

「なんだ?(来たか。飯食ってるときから少し思い詰めた顔してたからな。悪い話かな)」

「グレイの師匠のウルさんいたでしょ?」

「いたね」

「シスイが生き返らせたんだよね」

「そうだな。ウルティアを改心させるにはそれしかないと思ったからな」

「シスイは誰でも生き返らせれるの?」

 

これが大事。お願い。

 

「まあ個人を特定できる肉片とか、生前にずっと持っていて、魔力が残ってたりすると誰でも生き返らせれるよ(生き返らせたい人がいるのかな)」

「ッ!!そうなんだ」

 

じゃあこの髪飾りを使えばあの子も生き返らせるってことよね。

 

「ミラ?」

 

言うのよ。私はシスイのことが……でも、これに決着着けないと私は前に進めない。

 

「生き返らせたい人がいるんだけど、お願いできない」

 

シスイの目を見ることができず、俯いてしまう。どんな顔してるのかな。

 

「そうか。いいぞ」

「そう。やっぱりダメだよね」

 

………………あれ?

 

「いいのッ!!?」

「あ、ああ」

 

良かった。なんでか分からないけどけてくれた。

 

「でもミラ引き受けてくれないよりいいから今は理由は聞かない。にその覚悟があるならな」

「覚悟?どーゆーこと?」

「穢土転生。これが生き返らせる技の名だ。この技はさっきの条件と、さらに一人を生き返らせるために一人の犠牲がいる」

 

そ、そんな………。せっかくあの子が戻ってくるかと思ったのに、そんな事って……。

 

「生き返らせるのはいい。けど、犠牲にするやつはどうする?その辺から誘拐でもするのか?」

 

そんなこと……できない。できるはずがない。

 

「とりあえず、理由を聞こうか」

 

私はシスイに生き返らせたい人の話をした。何で生き返らせたいのか、その人は私にとってどんな人かを。

 

「そうだったのか(ミラの妹。リサーナか。二人兄弟だと思ってたぜ。でも、そうか)」

「うん。だから、あの子が死んだのは私のせいだから。生き返らせたい。でも、生き返らせる方法が、そんな方法だったなんて……」

 

やっと前に進めると思ったのに。

 

「(犠牲は犯罪者にして生き返らせるか)ミラ」

「何?」

「リサーナを生き返らせてやる」

「え?」

 

シスイ、今なんて?

 

「でも、犠牲がいるんでしょ?どうするの?」

「こいつを使う」

 

そう言うと、シスイは神威から巻物を取り出して広げ、何かをすると、目隠しされ、動けないように拘束された人が出てくる。

 

「この人は?」

「改心しない犯罪者」

「どーゆーこと?」

「こいつはクエスト中に捕まえたんだけど、改心する余地がないから、巻物に封印していたんだ。脱獄されると、関係ない人が犠牲になるからね」

「そうなんだ。それでまさか、この人を犠牲にするの?」

「ああ」

「ダメよそんなの!!」

 

いくら犯罪者でもこうして拘束していれば大丈夫なんだし、命を奪うのはダメよ。

 

「だがこいつは全く改心しない。暇があるときとか、ちょくちょく改心するように説得しているんだが変化なしだ」

 

そんなことしてたんだ。

 

「でも……」

「ミラ。こいつは百人以上殺してる罪人だ。そして改心の余地がない」

「百人も……」

「だからこいつはもう生かしておいても意味がない。だからこいつを犠牲にする。実はウルのときも、こーゆー犯罪者を犠牲に生き返らせたんだ」

「そうなんだ」

 

いい……のかな。でも……。

 

「ミラ、何かリサーナを特定する物はないか?」

「あ、この髪飾り。ずっとあの子が着けていたの」

 

シスイは私から髪飾りを受け取り、犯罪者の上に置く。

 

「いくよ」

 

せっかくシスイがやってくれるって言ってるのよ。ここで躊躇したらダメ。

 

「う、うん」

「穢土転生」

 

シスイが穢土転生をする。でも……。

 

「あれ?何も変化してないけど?」

 

どーゆーことなの?

 

「失敗したの?」

「いや穢土転生は間違いなく発動した」

「でもリサーナは生き返ってないわよ」

「この状況で考えられるのは1つだ」

「どーゆーこと?」

「生き返らせる必要がない。つまり……」

 

そんな!それって…!

 

「リサーナは間違いなくどこかで生きている」

「あ、ああ。リサーナ…良かった。生きてるのね。良かった」

 

嬉しくて涙が止まらない。シスイも私の事を気づかってくれたのか何も言わない。私はシスイに抱きついて思いっきり泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう大丈夫か?」

「うん」

 

うぅ~恥ずかしい。シスイに思いっきり抱きついて泣いてしまった。まあ今も抱きついてるけど。

 

「さて、じゃあこいつは戻すか」

 

シスイが放置されていた犯罪者を巻物にしまって、その巻物を神威で異空間にしまう。

 

「良かったな。妹が生きていて」

「うん」

 

リサーナが生きてる。これで私も前に進める。

 

「ねえ、シスイ」

 

ぅぅぅ。絶対今顔真っ赤になってる。でもこれを逃すと、次にいつ覚悟できるか……今しかないよね。

 

「ん?」

「好きよ」


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