暇潰し?面白いから転生?まあいいですよ。頑張ります。★更新停止中 作:写身
15話
定例会から帰ってきた翌日。俺は修理代を払おうと、お金を持ち謝りに行く予定だ。
そして出掛けようとしたとき、チャイムがなる。
「シスイー、いるー?」
俺は玄関を開けて対応する。
「はいよ。ルーシィじゃないか、どうしたんだ?」
ドアを開けるとルーシィがいた。今日何か予定あったかな?
「えっとね、今日ナツとエルザが戦うんだよ。知らないだろうと思って誘いに来たの」
ナツがエルザと?勝てねぇだろ。確か炎帝の鎧が耐火の能力があったはずだが…。
「そりゃまたなんで?」
「昨日のララバイのやつで、エルザがナツに協力を頼んだ時に、ナツが条件として戦うことを約束したの。それで帰ってきたから戦うんだって」
「なるほど」
そんな約束をしてたのか。まぁ弁償には影分身を向かわせればいいか。
「分かった。ちょっと待ってくれ」
「分かった」
俺はドアを閉める。そして影分身をする。
「俺が出た後、弁償の方よろしく」
「任せろ」
影分身は一端見えないところに隠れて貰って、玄関を開けて外に出る。ミラ達は知ってるけどルーシィにはまだ秘密にしておこう。別に見せてもいいんだけど、便利な技を見せるとそれに頼ってしまうからな。
「お待たせ。それじゃ行こうか」
ギルドの前に人だかりができて、騒いでいる。戦いはまだ始まっていないらしい。
「よっミラ」
「あ、シスイ、ルーシィ」
「ミラさん最強チームの二人が激突って大丈夫なんですか?」
「最強チーム?何だそりゃ」
ミラの横にいたグレイが最強チームに反応する。
「あんたとナツとエルザじゃない。妖精の尻尾のトップ3でしょ」
ルーシィちゃーん?俺の力のことは忘れたのかなー?かなー?別にいいけどさー。
「お前、シスイが横にいるのにそれ言うか?どう考えてもシスイの方が強いぞ。それに誰がそんなこと言ったんだよ」
グレイくーん。それ言った本人が後ろにいるよー。
「シクシク」
ミラは後ろを向き、顔を両手で押さえて泣く。俺には泣き真似と分かっている。俺と話している時もたまにするからな、ミラは。何でだ?誰か教えてくれよ。
そして最強と聞いて、近くにいたエルフマンが異議を唱える。それは周りに広がり、最強の女はエルザで決まりだが、男はS級魔導士のラクサスやミストガン、それにギルダーツに俺の名前があがる。
確かにラクサスやミストガンも強いが、俺に比べれば弱い。いや、ミストガンの実力は知らないけど、マスターからだいたいの実力を聞いた限りだと、勝てるはずだ。唯一警戒しなければならない魔法があるが、それも克服したし、たぶん勝てる。ギルダーツも不意打ちされなければ勝てる自信がある。
「なんにせよ面白い戦いになりそうだな」
「そうか?俺の予想じゃエルザの圧勝だが」
エルフマンが面白いと言い、グレイはエルザの圧勝だと言う。俺もグレイの意見に賛成だな。
「あのときはガキだった。今日こそお前に勝つ!!!」
「私も本気で行かせてもらうぞ。すべてをぶつけて来い」
エルザは炎帝の鎧を換装する。まあ、予想通りだ。周りはエルザが本気すぎだと騒いでいる。
ハッピーがエルザに賭けなおし、ルーシィが突っ込む。俺もエルザに賭けとくか。
ナツは全力が出せると言い、手から炎を出す。
「始めいっ!!!」
マスターが号令をかけ、戦いが始まる。
まずナツから仕掛ける。拳を振りかぶるが、後ろに最小限の動きで避けて、剣を横凪ぎに振るう。ナツはそれをしゃがんで避け、足にも炎を纏い、足で攻撃する。しかしこれもエルザは右に避け、また横凪ぎに振るう。ナツはバク転で避ける。しかし足がつく前にエルザに腕を蹴られ、潰れる。ナツは負けじと、口から火竜の咆哮で攻撃する。エルザはジャンプしてかわす。咆哮の炎がギャラリーを襲いナツに文句を言っている。そしてその間にナツは体制を建て直し、火竜の鉄拳で攻撃するため振りかぶる。エルザも答えるように剣を振りかぶる。そして二人の攻撃がぶつかる。
パァン。
と思ったら、大きく手を叩き何者かが乱入してくる。
「そこまでだ。全員その場を動くな。私は評議院の使者である」
その容姿は蛙を擬人化したような容姿で、俺はそちらに注目していたが、周りは評議院の使者と言うところに食いついていた。唯一ルーシィだけが容姿を気にしていて、周りの反応にビックリしている。
「鉄の森のテロ事件において、器物損壊罪他11件の罪の容疑でエルザ・スカーレットを逮捕する」
はあっ?意味わからんぞ。周りも文句を言っているが、マスターが止める。
「マスター?」
マスターは俺の目を見て頷く。そーんーことかよ。スケープゴートってことか。まあ、鉄の森を壊滅させたとは言っても、被害が被害だからな。ま、釘だけはしとかないとな。
「待てよ」
評議院の使者がエルザを連れていこうとしているのを、呼び止める。
「おい、シスイ」
マスターが俺を止めるが、手を向けて、大丈夫だと示す。
「あんまり調子に乗ってると、全員まとめて潰すぞ!そう伝えておけ」
できるだけ殺気を押さえて言う。あいつらは老害だからな。しかしあいつらを消すと世界が混乱するのもまた事実。故に手が出せない。だが、仲間のためならそれぐらい構わずやってみせる。
「おいシスイ!」
「何やってんだよ!!」
「早く謝れって!」
ギルドのみんなは謝れと言っているが、俺は謝らないし、向こうもこちらを見たまま沈黙する。
しばらく沈黙し、漸く声を出す。
「貴様の名前は?」
「シスイ」
「妖精の尻尾の門番か、図に乗るなよ」
俺に喧嘩を売るか。
『クハハ。本当に貴様は面白いな。貴様の中に要るだけで全く退屈しないぞ』
『少し黙っててくれ』
九喇嘛に少し黙っていてもらう。楽しんでくれるのはいいが、今は静かにして欲しい。
「それはこちらのセリフだ」
俺は押さえていた殺気を解放し、威圧する。
「ま、まあいい。今日の目的はエルザ・スカーレットだ。妖精の尻尾の門番、次はないと思え」
そそくさとエルザを連れて行く。ビビってるのが丸わかりの反応に、九喇嘛はメチャメチャ笑い、俺は苦笑する。
俺達はギルドに入った。ナツは蜥蜴にされ、瓶に入れられていて、出せと騒いでいる。まあそれは本当は、身代わりになったマカオで、ナツの物真似をしているだけだけどな。マスターが何も言わないから、俺も特に何も言わない。
しっかし、ギルドのみんなはメチャメチャ落ち込んでいる。俺はスケープゴートと分かったから特に何も心配していない。
その後、マスターが瓶を割り、マカオだと言うことをバラし、みんなに動揺が走る。ナツの行動を心配しているのだろう。
その後、みんなの心配は的中し、本来すぐに帰れるはずだったエルザは、ナツが暴れたせいで、牢屋に1日泊まることになった。
「眠いな」
強制的な眠り、ミストガンが帰ってきたのか。みんなは次々と眠りだす。マスターも眠そうにしている。
眠りに耐えているうちに、ミストガンが入ってくる。俺は元々ミストガンの眠りの魔法に耐えられず寝ていたが、九喇嘛が俺の中に要るから無理やり神経を刺激し、なんとか起きている状態だ。
「よう、初めましてミストガン。シスイだ」
「どうやら眠りの魔法に耐性が着いたようだな」
「なんとかな」
ほんと、一応神の使徒として、チート能力を手に入れたはずなんだがなぁ。
ミストガンはクエストボードに行き、依頼書をとって、マスターのところまで戻ってくる。
「行ってくる」
「これっ、眠りの魔法を解かんか!!」
「伍、肆、参、弍、壱」
ミストガンが出ていくと同時に、眠りの魔法が解ける。みんながミストガンの仕業だと騒ぐ。
「ミストガン?」
その中で、唯一ミストガンのことを知らないルーシィが首をかしげる。
そして何故か星霊魔導士が苦手なロキがルーシィに妖精の尻尾最強候補の一人だと説明する。ロキは誰に説明したか気付き、そーっとその場を離れる。
グレイが誰も顔を知らないと言い、ルーシィがあやしいと驚く。
「ミストガンはシャイなんだ。あまり詮索してやるなよ」
「ラクサスいたのか!!」
「珍しいな!!」
「もう一人の最強候補だ」
グレイがルーシィに説明する。
ナツがラクサスに勝負を挑む。ラクサスはエルザごときに勝てねぇやつは俺に勝てねぇ、と言い、それにエルザが怒りを表すが、周りのやつが宥めて押さえる。
「降りてこい!このやろう!!」
「お前が上がってこい」
「上等だ!!!」
ナツは走って階段に向かうが、マスターに止められる。
「妖精の尻尾最強の座は渡さねえよ。エルザにもミストガンにもあのオヤジにもな。もちろんてめえにもだぜ、シスイ」
何故か何も言っていない俺にラクサスが絡んでくる。最強の座が欲しいならアドバイスぐらいしとくか。
「ラクサス、お前は弱いよ」
「はっ!あんときは負けだが、今ならてめえにも勝てるさ」
「無理だな」
「なんだと!」
俺とラクサスの言い合いに、周りは押し黙る。
「貴様は自分を知らなすぎる。技もごり押しが基本」
「それがどうした?それで勝てるんだからいいだろうがっ!!!」
「それで勝てるなら、な。お前では俺に勝てない。自力は充分、後は技の多彩性があれば俺より強くなれるだろう」
「ウルセェ!!!俺は今でも勝てるって言ってんだろうが!!!!」
「ふぅ…月読!」
「ぐ、あ、あぁぁぁぁっ!!!!」
ラクサスが大声を上げる。
「この程度の不意打ちも防げないようじゃ、最強には程遠いな」
「てめえ……覚えてろよ!!」
その後、ルーシィが2階の意味について聞いて、驚いていたことがあったぐらいで、その日は帰った。
次の日、俺はギルドに来て、ナツがクエストに行くのを待っていたが、一向に現れず不思議に思っていると、ミラが慌てて2階から降りてきた。
「マスター!2階の依頼書が1つなくなってます!!!」
その言葉にマスターは飲んでいた酒を吹き出し、周りもざわつく。俺も飲んでいたら危なかった。
しかし、その依頼書につい、ラクサスが羽のはえた泥棒猫が持っていったと言う。
言わずともハッピーだとわかる。そして犯人がハッピーということは、ナツとルーシィもう一緒ということがすぐに想像できる。なに考えてんだよナツは。
周りはナツを馬鹿だと言ったり心配したりと五月蝿くなる。
「これは重大なルール違反だ。じじい!!奴等は帰り次第破門…だよな。つーかあの程度の実力でS級に挑たァ…帰っちやこねえだろうがな」
ハハハハとラクサスが笑う。マスターは黙っている。
「ラクサス!知ってて何で止めなかったの?」
「俺には泥棒猫がハッピーでナツがS級行っちまったなんて思いもよらなかったなァ」
調子に乗ってるなー。ギルドの仲間だけど潰していいのかなー。てか、ミラが物凄く怖い顔してるんですけどー。
「消えた紙は?」
そこでやっとマスターが声を出す。
「呪われた島ガルナです」
「悪魔の島か!!!!!」
マスターが焦った顔をする。
「ラクサス!知らん振りしたんじゃからオマエが連れ戻せ!!!」
「冗談だろ?オレはこれから仕事なんだ。それにてめえのケツをふけねえ魔導士はこのギルドにはいねえだろ?」
「ふざけんじゃねえぞ!!ラクサス!!」
「はっ!そんなに大声だしてどうしたよ」
ちっ。俺はラクサスを無視しマスターに話す。
「マスター」
「なんじゃ」
「俺が行きます」
「そうか!頼むぞ!!」
「はい」
「オーオー、お優しいねー、シスイさんはー」
「黙れラクサス!殺すぞ!!!」
「やってみるか?」
どうやら昨日やられた事はすっかり忘れたようだな。
「シスイ!今は相手にしている暇はない!!」
「そうですね。それと、そのクエスト俺が受けますよ。S級魔導士がついていればS級クエストに行ける。これでナツ達は破門じゃない。いいでしょう?」
「いいじゃろう。受注しよう、頼んだぞ」
「お願いね、シスイ」
「行ってきます。グレイ、行くぞ」
「何で俺が?」
「クエストが危ないものだったら誰がルーシィ守るんだよ。あのナツに任せるつもりか?」
「……そうだな。分かった、着いていくよ」
俺はグレイを連れて、悪魔の島…ガルナに向かう。
アンケート2終了します。ご協力ありがとうございました。
希望通りにならなかった人、ごめんなさい。