暇潰し?面白いから転生?まあいいですよ。頑張ります。★更新停止中 作:写身
14話
今日もいつも通りのギルド。ナツが暴れたり、グレイが服を脱いだり、ロキがナンパしたり、普段通りのギルドの姿。
でも、シスイとマスターはいない。もう定例会に出発した。暗殺の噂があるって言ってたけど、シスイが着いて行ったんだから大丈夫……よね。
シスイはおかしいぐらい強いしね。多分あのギルダーツよりも……。シスイはいろんなことができる。火、水、土、風、雷。それ以外の属性も色々。
そして特にあの眼が強力。あの眼はシスイの家系の者しか発現しないらしい。まず写輪眼、これは簡単に言うと動体視力がよくなる程度で魔力を見分けられるらしい。それ以外がすごい。
白眼は第二胸骨の真後ろ以外のほぼ全方向を見渡す視野があり、数百メートル先を見通す視力の他、物体の透視や、幻術や瞳術による洗脳を見破る力に長けているらしい。索敵範囲が広すぎてシスイに不意打ちなんて絶対無理。
そして万華鏡写輪眼。シスイがよく使うのは月読。これは相手を一瞬で幻術にかけ、さらに幻術の時間を自由に操作できる上に、現実では一瞬しか経っていないとか、ヤバイことができる。後は喰らえばその部分を切り離さない限り死ぬまで燃える黒炎の天照とかかな。時たま別の空間を行き来できる神威とかも使ってたわね。
そして一番強力な眼が輪廻眼。この眼にしたときのシスイは神羅天征をよく使う。神羅天征は相手を引き寄せたり吹き飛ばしたりできる技で、魔法に対してもできる。他にもいろんなことができるらしい。見せてもらったことはないけどね。
そんなシスイが着いているんだからマスターは、ううん、他のみんなも大丈夫よね。
あら?ロキがルーシィをナンパしようとして、急に辞めて出ていったわ。あ、ルーシィは星霊魔道士だからか。ロキは星霊魔道士が苦手って言ってたもんね。
と思ったら、出ていったロキが引き返してきた。どうしたのかな?
「エルザが、帰ってきた!!」
ロキの一言で回りが静まり返る。エルザ、帰ってきたんだ。
あ、エルザが入ってきた。本当に帰ってきたんだ。帰ってきて早々に回りのみんなを注意していく。相変わらずね。
「ミラ、マスターはおられるか?」
「お帰り、マスターは定例会に行ったわ」
「そうか…」
エルザは少し考える素振りを見せたけど、どうしたんだろう。
「ところでシスイはいるか?」
「シスイならマスターに着いて行ったわ」
「マスターに?」
「ええ」
言わない方が……いいわよね。シスイなら大丈夫だ思うし。
「そうか。ならナツとグレイはいるか?」
「あい」
ハッピーが二人の方を示す。ナツとグレイはギクシャクしている。
ナツもグレイもエルザが怖いからねー。その事を不思議に思っているルーシィにも説明してあげた。
「実は二人に頼みたいことがある。厄介な話を耳にしてな。マスターの判断を仰ぎたかったが、いないなら仕方ない。そこで私は早期解決が望ましいと判断した。本当ならシスイの力を借りたかったがいないなら仕方ない。二人の力を貸してほしい。ついてきてくれるな」
エルザのその言葉に回りがビックリする。かくいう私もビックリ。
「出発は明日だ。準備しておけ。詳しくは移動中に話す」
エルザはナツとグレイが了承していないのに話を進める。まあでも、二人は断らないと思うけどね。それよりこれって……。
「妖精の尻尾最強チームかも…」
思わず呟いてしまった言葉に近くにいたルーシィが、反応する。私はチームワークが心配なことを言って、ルーシィにも着いていってもらうことにした。とりあえずマスターにも知らせておこうっと。
○
地方ギルドマスター連盟。定例会会場。
「マカロフちゃん。護衛なんて連れてどうしたの?」
魔導士ギルド、青い天馬(ブルーペガサス)マスターのボブ(♂)が言う。
「妖精の尻尾の門番と言われてるやつを連れてくるなんて、マスター交代か?」
こちらは魔導士ギルド、四つ首の猟犬(クワトロケルベロス)マスター、ゴールドマイン。
「なんか暗殺を企んでるとか云う噂を聞いての、一応連れてきた。こいつがいればハメを外せるからの」
「妖精の尻尾の門番を護衛に使うだなんて贅沢ねぇ~」
「まあの」
あれからは定時報告的な話をして、ただの宴会に変わった。
「マカロフちゃんとこの魔導士はいつも元気があっていいわぁ~~。聞いたわよ。権力者をコテンパンにしたってぇ」
「おーーー!!それは新入りのルーシィじゃあ!あいつはいいぞぉっ!!特に乳がいいっ!!」
それは…そんな目で見ているのかマスター。これはお仕置きが必要かな。
「マスター。マスターはそんな風にギルドの人を見ているのですか?」
「あら~?この子こんな眼だったかしらぁ」
「ままま待てシスイ!冗談じゃから!なっなっ!!」
「それならいいですよ」
「フゥ~。あれが万華鏡写輪眼じゃ」
「へ~、あれが噂の?かっこいいわぁ~」
「ま、元気があるのはいいことだが、その内町を潰すんじゃないか?」
「うひょひょ潰されてみたいの~。ルーシィのおっぱいで!!」
「マスター?」
「じょじょじょ冗談じゃよっ!!」
まったく、いつからこんなセクハラ爺になったんだ。
「マカロフ様、ミラジェーン様からお手紙が届いています」
マスターはそれを受け取り、開くとミラが出てきた。
「マスター、定例会ご苦労様です。実はマスターがいない間にエルザとナツとグレイがチームを組んだんです」
は?
「もちろんハッピーとルーシィも一緒です。私が思うに妖精の尻尾最強チームだと思うんです。一応報告しときますね。それでは~~~」
手紙が終わる。確かにチームを組んでるやつらのなかでは最強だな。
じゃなくて!!!え?え?マジであれらがチームを組んだの?…………ルーシィ、頑張れよ。無事に帰ってきたら飯くらい奢ってやるよ。
そしてマスターが椅子から倒れた。多分町がなくなる事でも想像したんだろうなぁ~。余裕でやりそうで怖いな~。
宴会は夜まで続いた。
暗殺の噂があると言うのこの人たちは全然辞める気がしない。心配して飲めないこっちの身にもなってほしい。
「うひょひょひょひょ!シスイ、飲んでおるか?」
「マスター……まぁ飲んでますよ」
本当、こっちの身になってほしい。これが穢土転生体とかなら全然心配しないんだけどな。
「そうかそうか」
マスターは上機嫌だ。
それと、飲んでると答えが、飲んでるのはノンアルコールのものだけだ。護衛を頼まれてるのに飲んで酔っぱらって万が一があれば後悔しても仕切れないからな。
「ならこれも飲め」
そう言って置かれる大量のアルコール。その量、何と樽三杯。え?俺にカナと同じことをしろと?
「マスター。あのですね…っ!!」
これは…一人か。
「マスター」
俺はマスターに目配せする。
「うむ」
マスターもしっかり気づいていた。しかも酔いが覚めている。他のギルドマスター達も、顔は赤いが頭は回っているようだ。
「一人のようですし、マスター達はここで。俺が行ってきます」
俺は出ていこうとする。
「いや待て、儂が行こう」
マスターが俺を止め、先に出ていく。
「親心かねぇ~、マカロフちゃんが自ら行くなんてねぇ」
「まったく、あいつもお節介が好きだな」
ボブとゴールドマインが俺の両横に来てそんなことを言う。
まあ、余程油断でもしてないとマスターがやられることはないだろう。それぐらいの力量差がある。その相手が美人の女性ならわからないが……。
「ほらシスイちゃんも外に行くわよ」
「あ、はい」
俺たちも外に出る。
「どうした?聞かせてくれるんじゃろ?早くせんか」
そこには既にマスターが暗殺者?に曲を聞かせてもらうらしい。
何だ?あの三つ目の髑髏の着いたやつは…あれが笛?
ん?あれはエルザか。それにナツにグレイ、ルーシィにハッピーじゃないか。何でここに?もしかしてこいつがエルザがチームを組んでまで追っていたやつか?
ボブがエルザ達が出ていくのを止めている。
俺は少し警戒を強め、一応換装でクナイを取り出す。換装はこの世界に来てから覚えた魔法だ。物を収納するのに便利だ。
神威でもいいんだけど、換装の方が魔力の消費が少ないのだ。神威は生物も送れるから利便性は高いが、道具だけなら換装の方が燃費がいい。
「何も変わらんよ」
マスターは暗殺者?が動かないのを見て、心を読んだように言う。
それに暗殺者?も驚愕し震え出す。マスターはそのあとも、そいつの心を見透かしているようにギルドは…、人とは…、と説得して行く。
「そんな笛に頼らなくてもな」
その言葉がトドメとなり、そいつは笛を落としす。そして膝を着き、土下座をする。
「参りました」
それを皮切りに、エルザ達がマスターの元に行き、称賛する。
エルザ達を見てマスターが驚いている。あいつには気づいたのにエルザ達には気づかなかったのか。すごいのかどうかわからんくなってきたな。
まぁ何はともあれ、俺の心配は杞憂に終わって良かった。俺もマスターのところに行く。
「マスター、これは俺の役目だぜ?」
「うひょひょ、うまくいったのじゃからオッケーじゃ」
「ま、否定はしませんよ。俺なら言葉で止めることはできなかっただろうしね」
エルザ以外のメンバーが、俺がここにいることに驚いている。俺もお前達が来たのは驚いたからお相子だ。
「カカカカ。どいつもこいつも根性のねぇ魔導士だ」
笛が喋りだし、煙が出る。その煙は形となり、異形を形成する。
「ワシ自ら喰ってやろう。貴様らの…魂をな!!!」
なんだこいつは?魂を喰う?屍鬼封尽みたいなやつか?
俺が試行錯誤していると、ボブがエルザ達に説明していてた。俺もそれを聞く。
あれはゼレフの造り出した悪魔で、ララバイ。呪いの呪歌。そして生きた魔法。
大昔に生きた、黒魔導士ゼレフ。それが残した負の遺産。それがゼレフの悪魔。
「全員まとめて喰ってやる」
あぁん!!?
エルザとナツ、グレイが飛び出そうとしたがそれを止める。
「何でだよシスイ!!」
「そうだ、何を考えているっ!!」
「おい、ララバイ」
俺の発した声に、回りは静まり返る。ゼレフの悪魔も俺に注目し、技を中断させる。
「し、シスイ?」
「俺の仲間を…喰らうだと?」
「それがどうした?」
俺の問いにそれが当然であるかのように聞き返す。
「ならまずは俺の相手をしてもらおうか」
「フッ、貴様一人で何ができる?」
何ができるだと?何でもできるわっ!!!!
「おいシスイ!みんなでやればいいじゃねぇか!」
「そうだぜシスイ、急にどうしたんだよ?」
「ナツ、グレイ…黙ってろ」
俺は振り返り、二人を見る。すると、怯えたように震え出す。
「なら望み通り、貴様から喰ってやる!」
ララバイが腕を振り上げ、叩きつけるように攻撃する。
「遅い」
俺は瞬身で素早く避ける。
「ぬ」
「行くぞ」
俺は素早く印を組む。氷遁秘術魔鏡氷晶!ララバイの周りに氷の鏡が取り囲むように無数にできる。
「あ?なんだこれは?」
俺は鏡の中に入る。そして高速移動から氷で作った千本で、ララバイを攻撃する。その数、万を有に越えて、億に届くかというぐらいに叩き込んだ。しかしララバイの図体からしたら少ないかも知れない。
そう思いながらも、一端攻撃を止める。
ん?
「どうした?ナツ」
「な、なんでもありません!」
「シスイ~、さっきの技はナツにはトラウマなんだ」
「そうなのか?ナツ」
「あい」
まあ確かにこの技を最初にくらったのはナツだったな。
「このガキがぁぁぁぁっ!!!」
俺の後ろでララバイが起き上がり、すぐさま魔弾を放ってくる。
俺の後ろには仲間がいるため避けることはできない。
土遁土流壁。
土の壁を作り、魔弾をすべて防ぐ。そして瞬身で近づき、螺旋丸を叩き込む。
「ぐおっ!」
ララバイは吹き飛ぶ。そしてその近くには定例会会場がある。
しかし俺はそれには気づかず、さらに攻撃をする。
「もう許さん!全員まとめて殺してやる!!」
ララバイが笛を吹こうとするしかしそれは遅く、既に俺は攻撃準備が完了している。
風遁螺旋手裏剣。
それはララバイの胴体に当り、体を真っ二つにする。そしてそのままララバイは倒れる。定例会会場を巻き込んで。
「あ……」
俺はそこでやっと冷静になる。
「ゼレフの悪魔がこうも簡単に…」
「これが妖精の尻尾の門番の力か」
みんなが興奮している隙にマスターに近寄る。
「マスター、申し訳ありません」
指を指しながら小声で言う。
「!!!」
マスターがそれを見て驚き、それにつられて他のマスターがそっちを向こうとしている間に、そーっと逃げ出す。
そして他のマスター達が定例会場が粉々になったのを見て、追いかけてくる。
「ごめんマスター。キレててそこまで見てる余裕なかった」
「いーのいーの。どうせもう呼ばれないから」
そんなことを言いながら俺達は逃げる。
今はお金持ってないし、逃げ帰ってから修理費送ろう。
初めて5000字越えたー!やったー!
風遁螺旋手裏剣ですが、シスイは一人でできます。チートです。チート万歳\(^o^)/
報告です。活動報告にアンケート2を載せました。募集は次回の投稿までです。よければご協力お願いします。
また次回(^^)/~~~