暇潰し?面白いから転生?まあいいですよ。頑張ります。★更新停止中   作:写身

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視点が変わる場合は○を着けようと思います。


11話

11話

 

 

「着ーいたー!」

「行きなり元気になったな」

「それがナツです」

「早く探そうぜ」

 

そう言ったら、すぐに走り出すナツ。

 

「あ、待ってよ~」

 

それを追いかけるハッピー。

 

「やれやれ」

 

俺はそれを呆れながらも着いていく。逸る気持ちは分からんでもない。

 

そう。俺達は今、港町ハルジオンに来ていた。理由は簡単、火竜がこの町にいると聞いたからだ。

 

それを聞いたナツは、すぐさまハルジオン行きを決定した。俺は原作が始まったので、ナツに着いてきたわけだ。まあ、最初の方からいきなり命の危険とかはないだろうけど、心配だから一応な。

 

そしてナツがなぜ火竜と聞いてハルジオンに来たかと言うと、それがナツの育ての親である、火竜イグニールかも知れないからである。

 

ナツは、小さいときに火竜に育てられ、ドラゴンスレイヤー、滅竜魔導士となった。

 

ドラゴンがドラゴンを殺す、または倒すための滅竜魔法を教えるのもどうかしてると思うがな。自殺志願者か?

 

まぁそんなわけで、俺、ナツ、ハッピーでハルジオンに来ていた。

 

 

 

 

 

 

 

「どこにもいねぇ……」

「あい」

 

まぁそうだよな。町中にドラゴンがいるなんてもっと騒ぎになるはずだからな。

 

「どうする?」

「そうだな~……」

「あ、あっちでなんか騒ぎがあるよ」

「イグニールか!」

 

ナツは、ハッピーの指差した方に走っていく。ハッピーも慌てて追いかける。

 

「というかこの町にそんな強い力を探知できないんだけどな」

 

俺はため息をつきながら追いかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

騒いでいるのは女性ばっかりで、男性は一人もいない。ナツはそのなかに躊躇せずに飛び込む。何度か追い出されるが、根性で中までたどり着き、期待を胸に騒ぎの中心を見る。

 

「誰だ、お前?」

 

期待を外されたナツは、素直に思ったことを口にする?

 

「何よあなた、知らないの?」

「この人はね、サラマンダー様よ!」

「あ?サラマンダーってイグニールだろ?」

「何いってるの?」

「この人がサラマンダー様よ!」

「ほら邪魔だからどいて!」

 

ナツは、女性たちに押されて輪の外に出される。

 

「どうだったの?」

「イグニールじゃなかった」

 

そりゃそうだろな。

 

「君たち、今夜は船でパーティーがあるんだ、来てくれるよね」

「もちろんです」

「絶対いきます」

「私もいきます」

 

サラマンダー(笑)は去っていった。サラマンダーがいなくなったことで、女性たちも解散する。

 

「で、どうするんだ?」

 

俺がこのあとの予定をどうするか聞くと、ナツの腹が鳴る。

 

「腹減ったぁ~」

「おいらも~」

「んじゃ飯だな」

「おー!」

「おいら魚がいい」

 

まぁ港町だから魚扱ってるのはたくさんあるだろ。

 

「あの、さっきはありがとう」

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって、ここはレストラン。

 

「いいのか?これ」

 

シスイがナツとハッピーを指差して言う。ナツとハッピーは飯を食べまっくっていた。

 

「アハハハ。うん、お礼だから」

 

お色気代がパーか。トホホ。シスイって人があんまり食べないのが救いだなぁ。

 

「さっきのやつ、魅了(チャーム)って魔法を使っていたの。私も掛かってたんだけど、あなた達が飛び込んだおかげで魅了が解けたって訳」

「そうか、それはよかったな(魅了は確か発売禁止されてたはずだが……)」

「私、こう見えても魔道士なんだ。まぁギルドには入ってないんだけどね」

 

あ、ギルドって言ってもわからないか

 

「ギルドは魔道士の組合でいろんなことができる場所なの。私も入りたいギルドがあるんだ」

「そうなのか?(ならあんまり関わらない方がいいか)」

「うん、そこにはすっごい魔道士がたくさん集まってるの。入りたいけど入るの厳しいんだろーなぁ」

「頑張れよ(応援はするよ)」

「あ、ごめんね。魔道士の世界の話をしたって分かんないよね」

 

いけないいけない。話してるうちについわからない話をしてしまった。このシスイって人が聞き上手なのかな。

 

「そういえば、誰か探していたみたいだけど……」

「ああ、イグニールな」

 

イグニール?

 

「イグニール?」

「火竜がこの町に来るって聞いたから来たんだけどな」

「火竜って見た目じゃなかったんだね」

 

ナツとハッピーが会話に入ってくる。

 

「見た目が火竜って、人間じゃないの?」

「イグニールは本物の竜だ」

「そんなの街にいるわけないでしょー!!」

 

ナツとハッピーの顔が、ハッ!ってなる。

 

はぁー。この様子だとシスイは知ってたのかな。

 

「あたしはもう行くね。お金は置いとくからゆっくり食べなよ」

 

立ち上がり店から出ようとする。

 

「ごちそうさまでしたっ!!!」

「でした!!!」

「ごちそうさま」

 

ナツとハッピーがいきなり土下座してきた。シスイは普通に座って言って手を挙げてきた。

 

 

 

 

 

 

 

「はぁー、どうやったら妖精の尻尾に入れるんだろー。面接とかあるのかなー」

「君、妖精の尻尾に入りたいんだ」

 

ビクゥ!

 

「サ、サラマンダー!?」

「な、なにしに来たの?言っとくけどあたしに魅了は効かないわよ」

「パーティーに招待しに来たんだ」

「アンタみたいなやつのパーティーなんて行く訳ないでしょ!」

 

なによこいつ。こんな魅了なんて使うえげつない男のパーティーなんて誰が行くもんですか!

 

「ふーん…君、妖精の尻尾に入りたいんだろ?」

 

いきなりなに?

 

「妖精の尻尾のサラマンダーって、聞いたことない?」

「ある!!!」

 

妖精の尻尾のサラマンダーなの?じゃ、じゃあ…………

 

「アンタ妖精の尻尾の魔道士だったの!?」

「まあね。入りたいならマスターに話してあげるけど?」

 

これは行くしかないわね。

 

「パーティー行きます!」

「ありがとう。それじゃパーティーで会おう」

 

サラマンダーと別れる。

 

「……妖精の尻尾に入れるんだ……。~~~やったー!!!」

 

思わず大声を出してしまったけど、仕方ない。念願のギルドに入れるんだから!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふ~、食った食った。もう腹一杯だぜ」

「そりゃあ、あれだけ食えばな」

 

結局金足りなかったし、食い過ぎだ。ったく。

 

「んで、これからどうすんだ?もう夜だし、どっか泊まるか?」

「あ、あの船かな?サラマンダーの船上パーティーって」

 

ハッピーが海を指差して言う。

 

「うっぷ。想像するだけで気持ちわりぃ」

 

ほんと、重症だな。

 

「さて、じゃあ宿を――――」

「あ、見てみて、サラマンダー様の船。あの妖精の尻尾の魔道士なんだって」

「へー、そんなすごい人なんだ」

 

あんなやつ、いた覚えはないが……。

 

「聞いたか?」

「ああ」

「妖精の尻尾って言ってた」

「そうだな。で、どうする?」

 

おそらく騙っているだけだ。

 

「決まってんだろ!」

 

ナツの反応はやっぱり予想通りだな。

 

「……そうだな」

「行くぜ」

 

ああ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ううう~、気持ち悪い。どうしてこんなやつのご機嫌とらなきゃいけないのよー。

 

「ほら、葡萄酒の宝石が入っていくよ」

 

魔法で葡萄酒を操り、口にまで持ってくる。

 

全く面倒ね。でも今は仕方ないか。

 

「!!これはなんのつもり?睡眠薬よね」

 

口にはいる寸前に手で払い落とす。

 

「気づいちゃったか。残念」

 

パチン。

 

「え?」

 

サラマンダーが指を鳴らすと奥から男が大勢出てきて腕を掴まれる。

 

「くくく。ようこそ、我が奴隷船へ。このまま君にはボスコに行ってもらうよ」

 

そ、そんな。なんなのよ、こんなことするやつが……こんなことするやつが……。

 

「ん?なんだこれは?」

「門の鍵か、星霊魔道士か。僕には必要ないな」

 

鍵を外に捨てられる。

 

「いいんですかい?」

「いいんだよ」

 

これが妖精の尻尾の魔道士か!!!

 

「さて、奴隷の烙印を押させてもらうよ」

「さいってー」

 

バキッ

 

天井から人が落ちてきた。

 

「ナツ?」

「ルーシィ何してるの?」

「騙されたの!妖精の尻尾に入れてくれるって。それで…あたし……。って、ハッピー。アンタ羽なんて生えてたっけ?」

「説明は後の方がいいね。逃げるよ」

 

ハッピーが私を持ち上げて飛ぶ。

 

「ナツはいいの?」

 

なんか酔ってたし。

 

「ナツなら大丈夫。それに…」

「それに?」

「二人は無理」

 

そのとき、船から銃や魔法が飛んでくる。ハッピーはそれを器用に避ける。

「そういえばシスイは一緒じゃないの?」

「シスイは海に潜ったよ」

「何で?」

「さあ?」

「って危なぁ!!!」

「ルーシィ聞いて」

 

こんなときに何よ!!?

 

「変身解けた」

 

は?

 

呆けている間にも体が落ちていく。

 

「くそネコー!!」

 

海に落ちる寸前……

 

「っと。ハッピー、ルーシィ、大丈夫か?」

「シスイ!?」

「さすがシスイ」

 

シスイに抱き止められていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、今の状況は?」

「はっ!そうよ、ナツがあのなかに一人で…って、何で海の上に立ってんの!!?」

「魔法だ」

「アンタ魔道士なの?」

「そうだ」

「ナツもね」

「ナツも!!」

「それより不味いな」

「あい」

「何が?」

「ナツ、半端ない乗り物酔いだからな」

「!そうだった。早く助けにいかないと」

「まあ待て…水遁水龍弾」

 

水龍弾で船を押上、港まで押し戻す。これで揺れが無くなり、ナツは戦えるはずだ。

 

「すご!!」

「さすがシスイ」

 

軽く走りながら船まで行く。その間に事情を聞いた。

 

「俺は妖精の尻尾のナツだ。お前なんか見たことねぇ」

 

船に入ると、ちょうどナツがサラマンダーの素性を確認しようとしていた。

 

「え!!?ナツが妖精の尻尾の魔道士!」

「おめぇが誰かは知らねぇし、正義か悪かもどうでもいい。だか、妖精の尻尾を騙るのだけは許さねぇ」

 

ナツが周りの雑魚を倒しながら、問題の魔道士まで歩いていく。

 

魔道士はナツに炎の魔法で攻撃するが、ナツにそれは無意味で、逆にナツの力になる。

 

ルーシィがそれに驚いて、ハッピーがナツの魔法の説明をしている。

 

「よーく覚えとけよ、これが妖精の尻尾の魔道士だ!」

 

ナツは火竜の鉄拳を顔面に叩き込む。それだけでは終わらず、その後も暴れまわり船は全壊した。それでも止まらず港がメチャクチャになる。

 

「こらぁ!!そこで何をしているー!!?」

「軍隊!!」

 

マジかよ。

 

「やべぇな…ナツ!」

「おう!」

「逃げるぞ!」

 

あいつをやっつけた後も暴れたせいで言い訳できねぇ。俺はルーシィの手を引き、ルーシィを挟むようにしてナツの横を走る。

 

「な、何であたしまで!?」

「だって妖精の尻尾に入りたいんだろ?来いよ!」

「うん!!!」

 

さすが主人公。いいこと言うねー。

 

てかこれ、絶対新聞のるよな?俺が着いていながらこれって……。ナツは制御出来ないってことだな、うん。

 

俺達はなんとか逃げ切り、ギルドまで帰った。

 




祝日なので投稿しました。

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