1000001回生きた男   作:61886

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バトル描写が難しい…
今回は凄く見にくいかもしれないです。


5話

 

 

アリーナ上空

 

「あら、逃げずに来ましたのね」

 

セシリア・オルコットの専用機。

鮮やかな蒼をしており白と黒が織り交ぜられた機体 、まるで姫を護る様な中世ヨーロッパの騎士を思わせる様なIS

ブルーティアーズが一夏のソードフィッシュと対峙していた。

 

 

セシリアは腰に左手を当てて、右手を一夏の方へ突き出していた。まるでお決まりのポーズのように様になっていた

 

 

 

 

 

 

「………………」

 

「最後のチャンスをあげますわ」

 

「チャンス?」

 

「わたくしが一方的に勝利を得るのは自明の理。ですから、ボロボロの惨めな姿を晒したくなければ、今ここで謝るというなら、許してあげないこともなくってよ」

 

「そうかい…そいつは魅力的だな、反吐が出そうになる位」

 

「どこまでも!……そうですか、残念ですわね。それならー」

 

警告!敵IS射撃体制に移行。トリガー確認、初弾エネルギー装填。

 

 

…わかってる。

 

 

「お別れですわね!」

 

 

その瞬間、セシリアのレーザーライフル《スターライトmkⅢ》の銃口から放たれた閃光が一夏の体を撃ち抜くように襲いかかった。

 

しかし、一夏は紙一重で躱し、更に上空へと上昇していった。

 

 

「あら、外してしまいましたか、まあいいですわ。

さあ、踊りなさい。わたくし、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でる円舞曲《ワルツ》で!」

 

「…お生憎様、ワルツは好きじゃねえんだ」

 

一夏に向かい、射撃が集中して降り注いでいるが、それを全て躱しながら一夏は更に上空へと上昇していきセシリアとの距離を離していった、そして

 

 

「!!」

 

 

乾いた音と同時に、セシリアの眉間に痛みが響いた。

 

 

ダメージ30。シールドエネルギー残量550。

 

 

「一体何が…まさか!?」

 

軌道の先を見てみると、ハンドガンを装備している、対戦相手の一夏の姿を確認することが出来た。

 

おおよそセシリアと一夏の距離は約200mほど離れている、

熟練した狙撃士のライフルならば眉間を撃ち抜く事など造作もないであろう。

しかし、…今、戦っている相手は稼働時間20分足らずと言われている素人も同然の男だ、しかも、スナイパーなど一切無いハンドガンで、…………ありえない、その一言に尽きた。

セシリアの背筋に冷たい汗が流れ始めていた。

 

 

「っち、…対してきいてねえな」

 

 

「…唯の素人と思って甘く見ていましたが、いいでしょう…」

 

 

セシリアが手を横に降ると周囲の空間に待機していたビットが二つ残し一斉に一夏に向けて飛んで行った。

 

 

「認めて差し上げますわ、貴方が唯の素人では無い事を」

 

 

無数のレーザーが一夏を襲う

 

 

「…上等!」

 

 

……………………………………

 

 

「…27分。持った方ですわね。褒めて差し上げますわ」

 

 

「…………」

 

最初は舐めて掛かられ無傷を保つ事が出来たのだが、…さすが代表候補生、一夏の想像を上回っていた、ビットや《スターライトmkⅢ》からのレーザーで既にシールドエネルギーは80を切っていた。

 

だが、セシリアのシールドエネルギーの残量も100を切っていた、しかし互いに牽制し合い主導権を握っていたのだが、ここぞとばかりに一夏が押され始めていた。

 

 

「…貴方は代表候補生であるわたくしをここまで追い詰めた、これは誇ってもよろしいことですわ」

 

 

「そうか、…なあ、一つ聞いてもいいか?」

 

 

構えていた銃を下ろして問いかけた、あろうことか試合中無防備な姿を晒した、この瞬間にも撃墜されても文句は言えないにも関わらず。

 

「…なんですの?」

 

しかし、セシリアは依然構えてはいるもののそんな真似事はしなかった、彼女の中のプライドが許さなかった。

 

外部からの通信システムを切り、セシリアのみに聞こえるようにセットし、同じくセシリアも一夏のみに聞こえるようにセットした。

 

 

「前にも言ったが何故そこまで俺…いや男を毛嫌いしている?男嫌いな女は腐る程見てはきたがお前は……いや、とにかくなんでだ?」

 

 

一夏の疑問は最もであった、入学してから飛び交う声は黄色い声援、興味の声だけではなかった、それこそ同じ同族ですら引く程の罵倒、吐き気がする程の差別言葉、…どれもうんざりであった。

…このIS学園は将来を期待されている女子が集い学ぶ場であり、現場を理解し立場をわきまえている学生が多く存在していた、しかし…少なからずではあるが"女尊男卑"の考えを持つ者も存在しない筈が無い、大した理由すら無く世間一般的に流れている社会の風潮に流された思考を持った自分の考えを持たない愚かな愚者…。

…しかし、そんな奴らですら目の前には立たず、離れた場所から適当に陵辱し、それを終えると満足したように元の場に戻っていった。

影から陰湿に欲求、鬱憤を発散していくようにして。

まあ、腹は立っていたが聞く耳を持たず左から右に流していたのだが…

だが、この女だけは違っていた。気に入らないから潰すなどと理由が曖昧で罵倒せずってのは変わらなかったが、なんとも言えぬが最初から憎む様にして俺に突っかかってきた、男に対して…過去に何か心に刻まれた様に。それこそ理由も無く女尊男卑を崇める馬鹿とは違っていた。誇れているものではないだろうが自分の考えを持ち、それでも認められないと…

 

 

 

 

 

 

 

「…いいでしょう、答えて差し上げますわ。私の父は他者に媚びることしか出来ない…母の顔色ばかりうかがう人でした、まるで強く憧れる母とは対照的な弱い人間。

ISが発表され更に男は弱くなり、私は理解しました…男なんてみんなこんなものなんだって…だから私は許さない、女性よりも優れている男など!」

 

 

 

「…そうか」

 

 

話を聞き終わると一夏は、数日前にセシリアに見せた哀れむような悲しい目をしていた、…まるで迷子になり泣き叫んでいる子供を見るような目であった。

 

 

「まるでガキだなと思ってはいたが………そうか」

 

 

「何がですの!?」

 

 

「いや、何でもない。ただお前は取り憑かれているだけなんだ………見えない、いや存在しない筈の亡霊に…」

 

 

「はあ?何を言っているんですの…」

 

セシリアの疑問は最もであった。

いきなり見えない亡霊に取り憑かれている?

この人は何を言っているのだろうか…

 

 

「…もういいですわ、これでフィナーレといきましょう!」

 

 

「なっ!くそっ…」

 

 

先程までのビットとは違い、今まで待機していた残りのビットが動き出した、しかも先程までのレーザー射撃を行うビットではなく、ミサイルであり、避けようとする一夏は上空へと上昇していき距離を離そうとするが、いかんせん追撃型ミサイルだ、慣れないISの操縦に四苦八苦し回避しようとするが、無情にもミサイルは一夏を追跡し、そして

 

 

ドカァァァンッ!!

 

 

一夏に激突し黒煙を上げた、その爆風と光に一夏は包まれていった。

 

 

…………………………

 

 

「!?…………」

 

 

モニターに釘付けであった山田先生は声を上げないまでも、心配はそうな眼差しで画面を見つめていた。

 

「ふん」

 

 

しかし山田先生とは対照的に焦らずただ千冬は表情を変えずに鼻を鳴らしていた。

 

「機体に救われたな、馬鹿者め……篠ノ之、やけに落ち着いているな…」

 

「…落ち着いている訳ではありません、ちふ…織斑先生、結構動揺はしていますけど……なんとなく大丈夫な気がしまして、あいつなら…と」

 

「…そうか」

 

千冬は胸ポケットから的の書いてあるタバコを取り出し火を付けた。

禁煙9ヶ月を破り

…………………………

 

 

フォーマットとフィッティングが終了しました。確認ボタンを押して下さい。

 

 

 

黒煙が晴れ始めると、先程迄とは違う形に変化していた、ソードフィッシュと一夏の姿があった。

 

「なんですの!?…ま、まさか一次移行!?まさか貴方は今まで初期設定の機体で戦っていたっていうの!?」

 

 

「なんだか分からねえが…終わりにしようぜ」

 

 

再びセシリアはビットを操り一夏へ向けて飛んできたが、それ以上のスピード攻撃を避けてセシリアへと突撃し始めた。

 

そして

 

 

バコ!!

 

上昇から加速を付けた飛び蹴りが無防備な状態のブルーティアーズにクリーンヒットし、セシリアは大地へと叩きつけられ、その衝撃でシールドエネルギーが底を尽きたようであった。

 

「同時攻撃が出来なくて助かったな…生きてるよな、あいつ」

 

 

そして、決着を告げるブザーが鳴り響いた。

 

《試合終了、勝者織斑一夏》

 

 

 




…書いている途中自分でもなにをしたいのかがよく分からなくなってしまいましたが、ご了承ください…

バトルが上手く描けない(泣)

千冬さんがタバコを吸い始めましたが、なんとなく似合いそうなので書かせて頂きまして、吸っているのはあのタバコです!
あと箒さんが大分原作とは違い落ち着いていますが、ご了承ください

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