Kranteerl y io kladi'a   作:xelkener

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13.信条

「お疲れ、負傷者は奥で治療するから。」

アレスが言った。

 

戦いから一日後、私たちは研究所に到着した。負傷者が奥の部屋へ運ばれてゆく。ヴァレスもその中に居た。

「これからもあんなのがいっぱい居るんですよね。」

ファフス・ファリーアが言う。そうだ、こんな状態では翔太に勝つことなど叶わない。

「いえ…それが、最近入った情報では、直近の八ヶ崎勢力の基地がこちらの攻撃無くいきなり、爆破し全滅したようなの。」

アレスが戸惑いながらも言う。連邦勢力の攻撃無しに八ヶ崎勢力の基地が潰れた。新たな戦力が興隆したということだろうか、しかし、あれだけの戦力を一晩程度で破壊できるとすると内乱でも発生したと考えるのが普通かもしれない。

「今日はゆっくり自室で休みなさい。あとで、爆発の調査結果を報告するわ。3:00にクラディア、ファフス・ファリーア、イェクトの三人は二階の研究会議室に集合して。」

そういって、アレスは白衣を着て負傷者たちの下へ歩いていった。

 

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コンコンと扉を叩く音がする。

「開いてますわ、どうぞ。」

ファフス・ファリーアの声が聞こえたのでドアノブを捻りドアを開ける。

「どうしましたの?」

ファフス・ファリーアが痛んだ腕を包帯で巻きながらクラディアを神妙な面持ちで見上げた。一つ、聞かねばならなかった。彼女はリファーリンを見つけて戦闘してからリファーリンのことを執拗に殺そうとしていた。まるで、リファーリンを前から知っていたかのように。

「ファフス・ファリーアさん、お疲れ様でした。一つだけ聞きたいことがあります。」

ファフス・ファリーアがクラディアを見つめている。さすが、お嬢様の品格は消えていない。

「なんですの。」

声を荒げずに滑らかに問う。

「貴方は、戦闘の前にリファーリンを知っていましたか。」

ファフス・ファリーアが目を開く。そして、ため息をしてうつむいた。

「リファーリンは私の義理の妹ですわ。」

なんだと。

「彼女は私と同じファフス家の人間ではありません。私の母であるファフス・ファフス・ファリーア・イヴァナファ・フォン・ファッファリヴはDAPEで戦争孤児になったリファーリンを養子に貰った。彼女はファフス家で私より座学に優れWP造形も美しかったものです。しかし、リファーリンはファフス姓を名乗らず。何時までも、ターフ姓を名乗っていたの。学校では怪しがられて、家では、何時も叱られていたのわ。でも、あの学校でファフス一族は私だけでリファーリンは何時も相手になってくれたのですわ。あの事件が起きるまでは。」

 

--

「リファーリン、貴方は高貴なるファフス一家に入ったのであればファフス姓を名乗らなくてはなりません。」

背の高い女性が言う。

女性はファフス一族特有の黒い服に身を包んでいる。リファーリンは黙ったままだ。

「聞いているのですか、リファーリン。返事をしなさ」

言い終わる前に女性が吹き飛ばされ壁を破壊してデッキから落ちた。

あたり一面に土ぼこりが立ち込めた、数秒すると視界は晴れ手にプラズマを誘導しているリファーリンが居た。下を確認してリファーリンがプラズマを放つと破裂音に続き粘着性の音が聞こえた。

「リファーリン!?何をしているの!」

もう既に何が起こっているのか予想できてしまう。リファーリンがウェールフープでお母様を殺した。そういうことだ。リファーリンはカーナの方へ向きかえる。

 

「お嬢様、私はもうこの家…いや、あなた方が居るこの世界で生きてゆくことは出来ません。」

「・・・。」

「私は、ファフス一族ではなくターフ一族の人間だ。それを皇族の権力で穢れたもののように扱い、捨てさせようとした。重い罪だ。」

リファーリンの口調がどんどん変わってゆく。今まで、私に対して触れ合ってきた口調でない、リファーリンの本心。リファーリンは私のただ一人の友達。嫌。嫌だ。

 

「お前らは皆私の敵だ。」

 

止めて、私の敵にならないで。

 

気づかなかった。

 

いや、何れ敵になる事などもう既に気づいていた。

 

「ハハハアハハハハハ、死ぬがいいィ!」

そういって、リファーリンは突撃してきた。

 

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「その後は、知りませんわ。リファーリンは私の目の前から消え、その日に私がケートニアーとしてウェールフープの制御が出来るようになったことが分かりましたわ。私はその能力を伯父様に認められ特別警察研究所に就職しましたの。」

「伯父様。」

「ファフス・ファフス・ファリーア・ザシミ・フォン・ファッファルザスですわ。」

「え。」

ファフス・ファリーア・ザシミというとアロアイェールの事ではないか。それの系列だという言うのか。

「お、父親の名前は…」

「? ファフス・ファフス・ファリーア・ラヴヌトラート・フォン・ファッファラヴですわ。」

…凄い危ない人間が特別警察に居るものだ。本当にお嬢様だ。

しかし、さすがに重い話だった。あんな戦闘の後、こんな話をさせるのはさすがにまずかった。

クラディアは向きかえりドアノブに触れる。

「ゆっくり休んでください。」

そういって、部屋を後にした。

 

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11:25


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