ガールズ&パンツァー 鉄脚少女の戦車道   作:流水郎

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終わりの始まりです!

 

 暗い艦内線路で、九五式装甲軌道車ソキはゆっくりと停車した。鉄輪にブレーキがかけられ、甲高い音を立てながら徐々に速度を落としていく。本来はT-35の乗員を跨乗(デサント)させたまま艦首側へ向かい、歩哨として展開させる目論見だった。しかしT-35が撃破されたことで、戦車から離れていた乗員も失格となり、その場で待機するよう運営に命じられたのだ。

 三木が砲塔から顔を出し、懐中電灯で地面を照らす。その明かりを頼りに、農業学科生の四人はゆっくりと降りていった。迎えが来るまで、この暗闇の中で待機せねばならない。しかし電灯に照らされた彼女たちは、三木に笑顔を向けていた。

 

「先輩ならきっとやれますよ!」

「あたしらの分まで、頼むよ!」

 

 エンジン音に負けぬよう、大声で励ましの言葉をかける四人。悔しさや無念も当然あるだろう。自分たちが離れている間に、搭乗車両が撃破されたのだ。だがリーダーである北森の豪放磊落な性格からか、農業学科チームは常に前向きだ。もっともそうでなくてはT-35の乗員など務まらない。三木も力強く頷き、車上から敬礼を送る。

 

「ありがとう、期待に応えるね!」

 

 四人が線路から十分離れたのを確認し、操縦手に発車を命じる。前照灯で前方を照らしながら、ソキ車は力行を始めた。

 三木は惜別の意を表し、警報機を鳴らした。本来は貨車を連結するときなどに使う物である。戦車道に出られるとはいえ、ソキ車があくまでも鉄道車両であることが分かる装備だ。闇の中を遠ざかって行くライト、そしてベルの音を聴きながら、農業学科生たちは仲間の武運を祈った。

 

 

 

 

 

 

 

 タシュ重戦車が出発した後、しばらくして連盟の回収車が到着した。大型のトランスポーターの他、M4シャーマンを改造したM74戦車回収車の姿も見える。砲塔を円筒型戦闘室に換装し、折りたたみ式のクレーンとウィンチを搭載した回収車両だ。変わったところでは上半分を船型の構造物にしたシャーマンBARVの姿もある。イギリスがノルマンディー上陸作戦用に開発した車種で、今回は回収補助のため動員されたらしい。

 

 そればかりか、陸上自衛隊の11式装軌車回収車までやってきた。最新鋭MBTである10式をベースとした車両で、車体右側に力強いクレーンを備えている他、各種回収用機材が積み込まれている。T-35重戦車を回収するため、連盟があらかじめ陸自に応援を要請していたのだ。

 

 連盟のスタッフと自衛官が協力し、撃破された千種学園の戦車を牽引していく。それを間近に見ながら、大坪たち馬術部員はトゥラーンIII重戦車の修理を続けていた。トゥラーンは後部に起動輪、前部に遊動輪を有する。被弾したのは右の遊動輪であり、履帯を動かす起動輪は無事だ。しかし遊動輪の予備は積んでおらず、交換は不可能。それでも装甲貫通やエンジンブローは起こしていないので、白旗判定は出ていない。

 

「修理不能なら回収します。どうしますか?」

 

 スタッフが尋ねる。リタイアするかどうか、という問いかけだ。しかし大坪は修理を諦めていない。

 

「いいえ、まだ戦います」

 

 すでに乗員たちは作業に取り掛かっていた。トゥラーンの転輪は全部で九個。内八つはボギー式に連結されているが、最前部の転輪は独立しており、接地していない。そこへ直接履帯を巻きつけ、騙し騙し走らせるつもりなのだ。

 当然、それで本来の性能が発揮できるわけがない。特にトゥラーンはフットペダルによる機械式ブレーキがあるため、起動輪だけでなく遊動輪も歯車になっている。それがなくなる上に、履帯張度の問題もある。

 

 それでも、大坪は自分たちが行かなくてはならないと考えていた。彼女たち馬術部チームはこれまでの試合で毎回撃破されている。だがそれは練度が劣っているからではなく、最前線で撃ち合うのが役目だからだ。貫通力の高い砲、それなりの装甲、そして回転砲塔。千種学園の戦車でこれらの要素を兼ね備えているのは、隊長車のタシュとこのトゥラーンIIIのみなのである。

 逆にT-35は数が多いだけで脆弱な砲、大きいくせに薄い装甲、回転はするが射角の限られる砲塔という設計だ。そのため基本は撃ち合いに参加せず、比較的生存率が高い。もちろん北森らの努力もあってこそだが。

 

 以呂波が決戦に挑もうとしている今、ここで愛馬の足を止めることはできない。自分たちは最前線へ向かわねばならない。先に脱落した友人たちのためにも。

 全力で修理にあたる大坪を見て、回収車のスタッフは微笑みつつ背を向けた。彼女らは特定の選手に肩入れできない立場である。ただ同じ戦車乗りとして、この少女たちの幸運を祈っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえばさ、イロハちゃんってもう一人お姉ちゃんがいるんだよね?」

 

 美佐子がふと尋ねた。彼女たちは学園艦の市街を見下ろす丘に陣取り、雑談を楽しんでいた。苦戦中だからこそ余裕を持とうとしているのだ。すでにタシュ重戦車は草などを被せてカモフラージュを終えている。しかし周辺警戒は怠っておらず、特に美佐子は降車して見張りを行っていた。

 

「うん、実星姉は陸自の機甲科で働いてる。多分次の家元になるんじゃないかなぁ」

「じゃあイロハちゃんも自衛隊に入るの?」

 

 無邪気に尋ねられ、砲塔上に腰掛ける以呂波は苦笑した。自分が障害者であることを、友人たちは当然知っているし、忘れてもいない。だがやはり一緒に戦車に乗って暴れまわっていると、感覚が麻痺してくるのだろう。

 

「この脚じゃ雇ってもらえないよ」

「あっ、そっか」

 

 義足を指し示され、美佐子はやっと気付いた。戦時中には義足や義手の戦闘機乗りもいたが、平時の自衛隊がハンディキャップ持ちの少女を採用するとは思えない。仮に入隊できたとしても、自ら戦車に乗り込むことはできないだろう。戦闘機のパイロットは任務を終えれば帰還できるが、戦車乗りは戦場に留まらなくてはならないのだ。そうなると隻脚の不利は大きくなる。以呂波が問題なく戦えているのは、これがあくまでも戦車道……スポーツだからである。

 操縦席のハッチから顔を出した結衣が、砲塔上の以呂波を顧みる。

 

「陸自に入ればやっぱり、戦車道も強くなるかしら」

「そうとも限らないかな。ハイテク戦車に慣れすぎちゃうことがあるから。実星姉もそのせいで千鶴姉に負けたことがあって、悩んでたよ」

「なるほど……」

 

 結衣は眼鏡のずれを直し、何やら考え込んだ。彼女は好奇心旺盛なため、競技に使えない現用MBTについても自分で調べていた。だからそれらが二次大戦期の戦車とはかけ離れた存在だと理解している。コンピューター制御が多用されたMBTにばかり乗っていては、アナログな競技用戦車を操る腕は鈍ってしまうかもしれない。

 

「結衣さん、自衛官になりたいの?」

「というより、将来社会人になっても戦車道を続けたいのよ。父さんからも、お前は好きな仕事に就けばいいって言われたし」

 

 その言葉を聞き、ふと彼女の家族のことが気になった。両親のいない美佐子や、実家と微妙な関係になっていた自分や晴がいるせいか、普段あまり家族の話が出ないのだ。話題に上るのは千鶴のことくらいである。

 

「結衣さんのお父さんって、何やってる人なの?」

「社会を人の顔に例えるなら、うちの父さんはニキビ菌みたいなものね」

 

 あまりにもさらりと言われ、以呂波は唖然とする。心優しく品行方正、ステレオタイプな優等生の結衣が、実の親をそこまで悪く言ったことに驚く。普段はせいぜい美佐子を脳筋呼ばわりしたり体力バカと呼んだり、ナチュラルにアホの子扱いする程度なのに。

 一瞬思考が停止した以呂波に、晴がいつも通りの笑みを向ける。

 

「師匠。ニキビ菌ってのは厄介だけど、あいつらが顔からいなくなるともっと悪いバイキンが来ちゃうんだよ。お結衣ちゃんのお父っつぁんはそういう仕事をしてるんじゃないかい?」

「正解です」

 

 あっさり頷く結衣を見て、以呂波もなんとなく理解した。『もっと悪いバイキン』というのはおそらく、海外の同業者を指しているのだろう。聞いておいてよかった。いずれ結衣の家族に出会った時、もし顔に刀傷があったり、背中に刺青があったとしても驚かずに済む。

 

「まあとにかく、もしプロの選手になれればそれもいいし、八戸社みたいな所へ就職するのも面白そうだし。まだまだ漠然としてるわね」

「でもこの中で将来設計がしっかりできてるのって、お晴さんくらいだと思うよ」

「こりゃ師匠、落語家志望がしっかりした将来設計ってことはないよ」

 

 だからお父っつぁんにも反対されたんだ、と晴も苦笑する。

 だがその表情はすぐに真剣なものへと変わった。ヘッドフォンに味方からの通信が入ったのだ。

 

《こちら三木。目的地点に到達しました。索敵を行います》

「三木先輩が目的地に到着」

 

 それを聞き、以呂波は砲塔内へと潜り込んだ。結衣と晴もそれぞれハッチから頭を引っ込め、美佐子もすぐさま乗車する。動きはすでに場慣れした戦車乗りだ。

 いよいよ決戦である。この作戦の成否が勝負を分けることになるだろう。観客はおそらく先の大洗紛争や、西住姉妹の一騎打ちのような激戦を期待しているのだろう。もしかすると西住みほもそれを予測しているかもしれない。千種学園が一回戦で見せたような殴り込みを仕掛けてくると。

 

 だが、以呂波にその気はなかった。これから行うのは決闘などではない。この『士魂杯』で様々な選手と出会い、多くのことを学んだ。

 自分と同じく体の一部を失い、それでも明るさを持って戦車道に望むベジマイト。

 慈愛と恐怖の両方で夜の魔女たちを従えるカリンカ。

 軽薄に見えて揺るぎない誇りを持つアイヌの少女トラビ。

 自分と向き合い、大きな成長を遂げた矢車マリ。

 そしてずっと憧れていた姉……千鶴。

 

 彼女たちから得たものを活かす。

 

「澪さん。よろしくね」

 

 砲手席でメンテナンスをしていた澪に笑いかける。布切れで一心不乱に磨いた照準器には埃一つ着いていない。澪は顔を上げ、力強く頷いた。作業に集中していたため、友人たちの会話は耳に入っていなかった。もし気づいていれば、便乗して自分の将来について語ったかもしれない。

 澪はロボット工学に関心を抱いていた。特に機械による二足歩行の技術について。それらのことを学び、いつか自分が以呂波により良い脚を作ってあげたい。自分に強さをくれたお礼に、彼女や、同じ切断障害に苦しむ人々の助けになりたい。共に戦車に乗るうち、いつしかそんな思いを抱くようになっていた。

 

 そう、今の自分は少し強くなれた。澪はそう信じている。そして相手が“軍神”と呼ばれた西住みほでも、自分の撃つ弾は必ず当たる……と。

 

「コンターック!」

 

 結衣がエンジンを始動させた。戦闘機乗りの掛け声を使ったのは丸瀬たちへのリスペクトだ。二基のエンジンが唸りを上げる。決戦の始まりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 旧トラップ女子高の市街地はオーストリアの古都を模していた。レンガ造りの美しい建物が並び、優雅な風景を形作っている。生徒や住民で賑わっていた頃はさぞかし素晴らしい場所だったのだろう。今は潮風が通り抜けるだけの廃墟だ。公園には石像などのモニュメントもあったようだが、それらは撤去され千種学園に運ばれたらしい。台座のみが虚しく残っている。

 

「これも歴史の流れと言うべきか?」

「ならば、私たちはそれに逆らったことになるのか」

 

 石畳の上を進みながら、カエサルとエルヴィンが言葉を交わす。大洗の戦車隊はIV号を中心とし、公園に陣取っていた。四両で互いの死角をカバーし、相手を待ち受ける態勢だ。千種学園の残存戦力を考えれば、まともに突撃してはこないはずだ。だがもし仕掛けてくれば「クマウマ戦法」で迎撃する。相手が守りに転じても待ち伏せ場所を予測し、数の利を生かして包囲できる。

 

 ジャーマングレーのIII号突撃砲は石畳がよく似合っていた。市街での試合は住民を退去させて行うことも多いが、本物の廃墟はそれとは違う寂しさがある。街並みは美しいが、よく見ると建物の壁に落書きが見受けられた。「さようなら、故郷」「忘れない」などのメッセージ、そして名前。千種学園へ移った生徒たちのものだった。もしかしたら船橋らの書いたものもあるかもしれない。

 エルヴィンたちは昨年度のことを思い出した。学園艦から退去を命じられたときのことを。もし諦めていれば、自分たちの学校もこうなっていた。

 

「私は正しいことをしたと信じているぜよ。後は後世の判断に委ねるのみ……」

 

 操縦席のクラッペを覗いたまま、おりょうが口を開く。エルヴィンも頷いた。彼女たちが尊敬する歴史上の偉人たちもそうしてきたのだ。

 

「その頃には人々の間で意見が分かれて、勘違いも発生するだろうな。かく言う私も、高射砲の水平射撃はロンメルの発案だと勘違いしていたことが……」

「さもありなん。この左衛門佐も、石田三成が西軍の総大将だと勘違いしていた時代が……」

「少し話は違うが、私は恐竜の研究も考古学だと思っていた時期がある……」

 

 声を震わせ、己の黒歴史を語り合う歴女たち。しかし会話は中断された。建物の影から戦車が姿を現したのである。正確には戦車モドキが。

 

「ソキだ!」

 

 カエサルが気づいた途端、ソキの砲塔から顔を出した三木は明らかに慌てていた。操縦手に後退を命じ、あたふたと逃げ込んでいく。

 みほの命令が無線機に入った。

 

《アリクイさん、カバさんは追撃してください! 私たちとウサギさんは右手から回り込みます! 待ち伏せに警戒しつつ撃破しましょう!》

「心得た! 行くぞ!」

「ぜよ!」

 

 位置が知られた以上、止まっているのは得策ではない。

 おりょうがギアを前進に入れ、クラッチを繋ぐ。V型12気筒エンジンが唸り、III突は走り出した。ソキ車は建物の陰で信地旋回し、反転した上で逃げていた。道は戦車が二両並んで通れる幅であり、回転砲塔を持つ三式中戦車が先行し、III突はその斜め後方から援護する。

 

 船橋のトルディ軽戦車と並び、三木のソキ車はアヒルさんチームの千種学園版だ。蛇行運転を繰り返し、なかなか攻撃のチャンスを与えない。だが元々は鉄道の警備車両であり、その装甲は小銃弾に耐えられる程度のもの。左側面の冷却機や排気ダクトといった急所を至近距離から狙えば、機関銃でも貫通する可能性はある。あんこうチームと連携し、確実に仕留めるのが吉だ。

 

 エルヴィンもねこにゃーも、脇道からの伏撃には十分注意していた。三木の慌てようからして偶然の遭遇だったらしいが、このままタシュの射線上へおびき出される可能性は高い。その前に撃破したいところだ。

 

「やっぱり回る砲塔が欲しい……!」

「無駄だと分かっていても言いたくなるな」

 

 喋りながらもちらりと左を見て、路地を確認する。高い建物の間に挟まれた、戦車で待ち伏せするにはあまりに狭い道だ。豆戦車でもない限り入ることはできない。

 大丈夫だろう……そう判断して通過しかけたときだった。

 

「うわっ!?」

 

 突如、強烈な衝撃を受けた。車体後部が弾かれ、煙が噴き出す。エルヴィンがハッチに掴まって耐えている間、III突は数メートル走ったところで行き脚を止めた。

 何が起きたのか。理解しきれていないうちに、車両から白旗が上がる。弾痕が穿たれたのは後部エンジンルームの側面。待ち伏せを受けたのだ。しかし敵にはもう、あのような狭い路地へ隠れられる車両は無いはず。

 

「……もしや!」

 

 消火を頼むと言い残し、エルヴィンは突撃砲から飛び降りた。カエサルらも消火器を引っ掴んで降車し、出火したエンジン部へ噴射する。

 それを尻目に、エルヴィンは件の路地を除いた。やはりそこには何もいない。幅二メートルもない、狭苦しく暗い路地だ。そこを通り抜けた向こうには別の建物が、そしてそのまた向こう、遥か遠くには小高い丘が見えた。

 丁度、細い路地を通して自分たちを見下ろせる高さの高台が。

 

「あそこか……!」

 

 歯噛みしつつ、エルヴィンは理解した。あの丘から建物の隙間を通し、針の穴を通すが如き狙撃を見舞ってきたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「陣地転換!」

 

 初弾発車後、以呂波は即座に号令した。タシュ重戦車は砲身に陽炎を纏いながら後退し、丘の稜線に隠れる。その直後にIII号突撃砲の走行不能を知らせるアナウンスが入った。

 障害物の隙間を狙い、遠距離から狙撃……一回戦で虹蛇女子学園に使われた手だ。予め敵の通る場所に照準を合わせておいたとはいえ、相手がそこを通るのは一瞬。澪の技量もさることながら、逃げながら敵の位置を的確に伝えてきた三木の功績でもある。慌てて逃げ出す演技も上手くやってくれた。待ち伏せを警戒していたであろうみほも、このような狙撃までは予測し得なかった。

 

 だが、このような芸当ができる狙撃ポイントは多くはない。また相手が都合良くそこへ来てくれるわけでもない。一方的な試合運びにはできないと、最初から分かっていた。

 

「バキちゃんたちから連絡。トゥラーンの応急修理が終わったから向かうとさ」

 

 晴がいつものニヤけ顔で報告した。バキとは『馬キチガイ』の略で、馬を溺愛する騎兵を揶揄した戦前のスラングである。もっとも当の騎兵達はこれを褒め言葉として受け取ったし、大坪たち馬術部員もそうだ。

 

「了解。次は『悪ガキ作戦』でチヌ車を狙います。三木先輩に連絡を」

「あいよっ」

 

 元気よく返事をする晴もまた、気分が高揚していた。まるで自分が寄席で主任(トリ)を任されたような、そんな心持ちでいたのだ。

 

「まずは一両だね!」

 

 歓喜の声を上げつつ、美佐子が空薬莢をハッチから放り出す。発車後の空薬莢は邪魔になる上熱いため、暇を見てこまめに捨てるのも装填手の仕事だ。もっともその場に痕跡を残すことになるため、捨てるタイミングには注意せねばならない。

 頷きつつ、以呂波は澪の肩を軽く叩いた。

 

「狩りを続けるよ。西住さんを確実に倒せる状況を作る!」

「ん……!」

 

 





お読みいただきありがとうございます。
次回で最終回の予定です。

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