ガールズ&パンツァー 鉄脚少女の戦車道   作:流水郎

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奥義・クマウマ戦法です!

 千種側はまだ、しっかりとした迎撃隊形を取れていなかった。しかし大洗側は整地上ということもあり、全速力で突進していた。もう距離が詰められている。射撃を急がねばならない。

 美佐子が徹甲弾を掴み、いつも以上の速度で薬室へ押し込んだ。乾いた音を立てて閉鎖器が閉じる。澪は俯仰ハンドルを回し、即座に照準を合わせた。

 

「撃て!」

 

 僚車の攻撃準備を待たずに射撃を命じる。早急な迎撃が必要であると、理論ではなく本能で判断した。大洗の車両は自動車部のチューンナップによって、通常のスペックを上回る速度を発揮する。しかも今回はエンジンへの負荷を覚悟しているかのようにアクセルを踏み込んでいた。

 澪が発砲。同じタイミングで撃てたのは砲弾の小さいカヴェナンターと、練度の高いトゥラーンIIIのみだった。轟音と共に放たれる、三発の徹甲弾。しかし西住みほの目は発砲のタイミングを読んでいた。

 

 千種側の砲撃と同時に、大洗はパンツァーカイルを崩した。瞬時に散開し、そればかりか急激に戦車の姿勢を変えたのだ。速度の乗った車体は急な方向転換で横にスライドし、履帯が塵を激しく巻き上げる。砲撃は空ぶった。

 だがその集団ドリフトは単なる回避運動ではなかった。みほがキューポラの淵に手をかけ、しっかりと踏ん張っているのが見える。ドリフトのまま相手の懐へ飛び込む、突撃機動だった。

 

 まさか!? ……以呂波は心の中で叫んだ。一見すると隊列を乱し、突然曲芸的な走りを始めたようにしか見えない。しかしその実、大洗の四両は統率の取れた動きをしていた。

 バミューダアタック。大学選抜チームの中隊長らが使う連携攻撃によく似ていた。

 

 マレシャルやSU-76iも装填を済ませていた。だが撃てなかった。変則的な動きを前にして、照準を合わせられなかったのである。当然のことだ、サンダース大付属高校随一の射手でさえ、この動きには対応できなかったのだから。

 隊列を広げた千種学園の中へ、浸透するかのように滑り込んでくる四両の戦車。一瞬で双方が入り混じってしまう。

 

「全車、後退!」

 

 咄嗟に号令をかけた。この状況で自分たちの視界まで塞ぐわけにはいかないため、煙幕は張れない。しかし操縦手たちがギアを切り替えたとき、大洗の操縦手たちは制動をかけていた。ドリフト走行から滑らかに停止し、砲口はピタリと標的を捉える。

 

 刹那、砲声が重なった。IV号が、M3が、三式中戦車が、III号突撃砲が、一斉に発砲する。徹甲弾が乾いた音を立てて装甲を割り、貫き、カーボン層で止まる。乾いた音を立て、立て続けに白旗が飛び出した。

 

「そんな……!?」

 

 豪胆な以呂波も愕然とした。カヴェナンター、マレシャル、SU-76iの三両がまとめて撃破されたのだ。ただ一両、大坪のトゥラーンIIIだけは回避が間に合っていた。否、間に合ったと言えるかは分からない。撃破は免れたものの、右の履帯にIII突の砲撃を受けたのだ。金属の帯が断裂し、最前部の遊動輪が弾け飛んでいた。

 

 それでも以呂波は応戦すべく、美佐子に再装填を命じた。同時に身を守るべく後退する。足を止められた大坪も、それを援護するため砲塔を敵に向けさせた。

 そして敢闘精神だけは誰にも負けない北森も、反撃を試みていた。

 

《二番砲塔、撃て(ヴォホーニ)!》

 

 怒号と共に、T-35が対戦車用の副砲を発砲する。標的は射界内にいたM3だ。試合では滅多に撃たないものの、訓練に手を抜いてはいない。近距離ということもあり照準は正確だった。

 だが梓の反応も正確だった。砲口を向けられた瞬間、即座に斜め後ろへ旋回。放たれた45mm弾は間一髪で逸れる。

 

 反撃が来る。北森には以呂波のやったような回避はできない。しかしここで諦めないのが、彼女が女コサックと呼ばれる所以。

 

《タダでやられると思うなーッ!》

 

 刹那、T-35が前進した。操縦手がアクセルを目一杯踏み込む。後ろに回り込んだIII突が素早く信地旋回し、こちらに砲を向けようとしている。T-35では到底脱出などできまい。自分たちはここで脱落するだろうと、覚悟を決めていた。だからこそ、故障を恐れず急加速。

 重量45t、五つの砲塔を持つ異形の巨体がM3へと吶喊した。オリーブ色の戦車同士が衝突し、鈍い音が響き渡る。その直後、III突の75mm弾がT-35のエンジンルームを撃ち抜いていた。

 

《消火装置!》

 

 車体後部からは火の手が上がるのを見て、北森は即座に命じた。操縦手の操作により、エンジンルーム内のボンベから消火剤が噴射される。白煙が立ち上り、火災はすぐに収まった。しかし主砲塔から白旗が上がるのは止められない。

 

 M3は衝突後、数メートル後退した所で停止していた。ギアをニュートラルにし、衝撃を受け流したのだろう。阪口佳利奈の咄嗟の判断だ。それが功を奏し、車体や足回りに深刻なダメージは無かった。だが無傷ではない。車体から突き出た75mm砲身は付け根から折れていたのだ。北森たちは確かな爪痕を残したのである。

 

 それでも、千種学園は窮地に追いやられていた。撃破された味方車両を遮蔽物とし、以呂波のタシュ重戦車は射線を回避する。だが彼女の脳裏にある考えは一つ、ピンチをチャンスに変えることだ。今なら大洗のフラッグ車……西住みほのIV号戦車が目と鼻の先にいるのだから。

 

「ここで西住さんを倒すよ。それしかない」

 

 窮地だからこそ冷静に、そして凛々しく振る舞え。そうすればチームメイトたちは希望を失わず、過酷な戦いにも勇気を持って挑む。一弾流の矜持だ。

 以呂波以下、クルー全員が覚悟を決めた。瞬時に考えた作戦は極めてシンプルだった。みほの射弾回避技術が優れているなら、外しようのない距離まで詰め寄る。他車両から攻撃されるだろうが、その前にIV号を仕留める。逃げ回って相手の隙を突くような戦法は最早使えない。一瞬で決着を着けるのだ。

 

 IV号戦車がT-35の巨体の裏から回り込んでくる。逆方向からはM3中戦車。どちらかを倒しても、どちらかに撃破される。だがその前にフラッグ車を叩いてしまえば、勝利だ。

 美佐子が徹甲弾を装填。閉鎖器がスライドし、薬室を密封する。

 

「装填完了!」

「前進! 砲撃用意!」

 

 タシュがIV号へ向けて突進。アクセルを踏み込み、結衣は全力で戦車を加速させた。

 

 が、予想外のことが起きた。突如タシュの車体が、急激に左へスピンを始めたのだ。ガタガタと震動しながら。IV号を狙っていた砲身はあらぬ方向へ向いてしまう。

 

「結衣さん!?」

「履帯に何か巻き込んだみたい!」

 

 両手で操縦レバーを握り、懸命に車体をコントロールしようとする結衣。しかし無情にも、その隙でタシュは敵の射線に捉えられていた。背後からM3の37mm砲、正面からIV号戦車のゲルリッヒ砲、その後ろから現れた三式中戦車の75mm砲。合計三つの砲口が、以呂波たちを包囲した。

 

「総員対ショック姿勢!」

 

 叫ぶと同時に砲塔内へ滑り込む。覚悟をして……というよりはむしろ、観念して。

 その寸前、以呂波はみほの顔を見た。撃て、と命ずる唇の動きを。

 

 刹那、耳を劈く砲声、衝撃。車体が揺さぶられ、反射的に美佐子の肩に掴まって耐える。五人がそれぞれ衝撃に耐えながら、敗北を悟った。きっとすぐに、タシュの走行不能を伝えるアナウンスが聞こえるだろう。

 だが震動が収まったとき、以呂波は違和感を感じた。徹甲弾の直撃にしては衝撃がソフトすぎたのだ。

 

 白旗システムが作動した様子はない。しかもエンジンはまだ動いている。車内で全員が顔を見合わせた。

 

 生身の左足を座席に上げ、次いで義足を持ち上げ、以呂波は再びキューポラから顔を出す。砲塔に上に白旗は上がっていない。それどころか砲塔のどの面にも、弾痕がないのだ。ただ煤が付着しているのみである。確かに撃たれたし、華たちがこの距離で外すはずがない。

 

 

「空……砲……!?」

 

 呆然とする以呂波の前で、大洗の戦車たちはエンジンを唸らせ、後退を始めた。みほがタシュの方を顧みて、小さく敬礼を送る。

 

 以呂波は何がどうなっているのか分からなかった。だがみほたちが走り去った後にようやく気づいた。これは『返礼』なのだと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パンツァーカイルによる一点への突撃で敵の懐へ飛び込み、連携を密にした変幻自在の動きで内側から制圧する。熊本発祥の西住流と、群馬に拠を置く島田流のハイブリット……それが大洗の新戦法だった。

 

「クマウマ戦法、大成功ですね!」

 

 艦首側へ走るIV号の中で、優花里が快活な笑顔を浮かべた。二つの流派を組み合わせるという考えは、元々彼女の発案だった。そしてそれを実行できたのは、リーダーがみほだったからだ。西住まほ、逸見エリカ、島田愛里寿ら三人の協力を得て、この発想を形にしたのである。

 本来は八九式による撹乱の上、重装甲・高火力のポルシェティーガーを先頭に立てて行う想定だった。しかし緒戦で彼女たちを犠牲にしてしまった以上、覚悟を決めるしかなかった。梓の後押しもあって、みほは作戦決行を決めたのである。相手の状態が不安定なタイミングを狙うのという奇襲の定石に則り、千種学園の合流直後を狙った。

 

 そしてみほはもう一つ、全車に命令を下していた。敵フラッグ車を攻撃するときは空砲にせよ、と。救助の猶予を与えてくれた千種学園への、返礼のために。

 

「ごめんね。私のわがまま、聞いてもらって」

「いいえ! 自分は西住殿の判断を尊敬します!」

 

 きりりとした表情で答える優花里の反対側で、華も力強く頷く。

 

「これでわたくしも、次は心置きなく照準を合わせられます」

「これで貸し借りは無し、か」

 

 ギアを一段上げつつ、麻子が呟く。感情の起伏の読み取りにくい彼女だが、隊長たるみほには自分なりに敬意を払っており、友人として大切に思っている。今回の判断も正しいと確信していた。みほに慣い、前進より味方の救助を優先した梓、そして目先の勝利より名誉を優先した以呂波の判断と同じく、正しいことであると。

 幼馴染である沙織は、麻子もまた熱くなっていることを察していた。無論、自分もそれは同じことだ。

 

「全力で相手してあげよう、みぽりん!」

「……うん!」

 

 “軍神”と呼ばれた少女は、にっこりと微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 あまりに鮮やかに敵車両を撃破した、大洗の猛反撃。観客席の盛り上がりはピークに達していた。それに反して静かに見守っているのは、母親たちだ。

 

「あれは西住流的に有りなの?」

 

 星江が尋ねた。敵に情けをかけた、とも取れるその行動は、本来の西住流戦車道から外れているだろう。無論、以呂波が攻撃を中止したのも、みほがその返礼を行なったのも、情ではなく仁義からだ。

 娘の行動をじっと見守っていたしほは、星江から顔を背ける。

 

「娘の戦車道は私のものとは違っていますので。……ですが」

 

 横目でちらりと相手を見つめ、再びモニターへ視線を戻した。

 

「一弾流に借りを作っておくのも癪ですからね。その借りを即座に返したという点では、褒めるべきでしょう」

「あらあら。うちの娘はあの程度、貸しだと思ってないわよ、きっと」

 

 星江の推測は正しかった。以呂波はあくまでも『チームの目的は勝利ではなく名誉』という考えに基づき、あの行動を取ったのだ。恩を売ったつもりはない。その点について、彼女は娘のことをよく分かっている。

 

「さて、ここからは小兵法の戦いになるわね」

 

 

 

 

 ……一方、千鶴たち各校隊長陣は興味深げに画面を見つめていた。大洗の新戦法に舌を巻き、その技量を賞賛する。

 

「みほちゃん、可愛い顔して大泥棒やな。あの子熊(エペレ)ちゃんの技を盗みはった」

 

 いつも通り飄々とした笑顔を浮かべながらも、トラビは鋭い視線で試合を見ていた。あの曲技飛行じみた戦車の動きが、島田流を参考にしたことを一目で見抜いたのだ。子熊こと島田愛里寿や、その副官たちの動きに西住流本来の突破戦術が合わさったこの戦い方は、まだ歴史の浅いチームだからこそできたことだろう。あらゆる物を受け入れる土壌だからこそ、このようなハイブリット戦法が可能となったのだ。

 

「まさかこんな荒技を使うとはな」

「それだけ以呂波が大洗を追い詰めてたってことだよ、兄貴」

 

 守保の呟きに、千鶴が応える。

 以呂波が今の奇襲を防げなかった理由は、壁役(レオポン)撹乱役(アヒルさん)をすでに叩いていたからだ。この二両がなくては、大洗が正面からの突撃を行うのは不可能……そう読んでいただろうし、千鶴たちもそう考えていた。西住みほにとっても、これはリスクの大きい作戦だったはずだ。それでも決行したのは、必要に迫られてのことだ。

 千種学園の欺瞞作戦により、緒戦で三両を失った。その後は互いに相手の裏を読みあい、泥沼の消耗戦に陥りかけた。その結果、編み出した新戦法、そして自分が鍛えた仲間たちの技量に頼らなくてはいけなくなったのである。それを後押しした澤梓は、指揮官としての決断力を手にしていたと言える。

 

「これで千種学園の戦力は残り三両。タシュとトゥラーンと装甲軌道車」

 

 画面に表示される残存車両を、カリンカが読み上げる。トゥラーンは履帯と誘導輪を破壊されており、修理可能か怪しい。継戦可能なのはタシュと、別行動をとっていた九五式装甲軌道車ソキのみだ。大洗の残存車両四両に挑むには、あまりに貧弱である。

 カリンカはサイドテールをかき上げ、次いで横目で千鶴を見た。少しだけ微笑んで。

 

「でも、まあ。あんたの妹だものね」

「……そうさ」

 

 珍しく笑みを見せたカリンカに対し、千鶴も白い歯を見せて笑った。守保も頷く。以呂波がここで諦めると思う者は、誰一人いなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「西住先輩も粋なことをしなさるねぇ」

 

 額の汗を拭い、晴が感想を漏らす。

 トゥラーンが被弾した際に吹き飛んだシュルツェンの一部が、タシュの駆動輪に巻き込まれていた。もしみほたちの撃ったのが実弾であれば、勝負は決していたはずだ。五人で協力して破片を取り除き、以呂波はぽつりと呟く。

 

「……やっぱり、西住さんは凄いや」

 

 その言葉には自分への反省も含まれていた。用意周到に仕組んだ作戦、仲間と共に上げた大戦果、それらを一瞬でひっくり返された。この土壇場での捨て身の勇気こそ、大洗の最後の切り札だったのだ。

 

 次いで、大坪のトゥラーンIII重戦車に目をやる。左の履帯が最前部で断裂し、誘導輪も吹き飛んでいた。乗員たちがあれこれ話し合っているが、履帯の予備はもう無いようだ。そして転輪ならともかく、誘導輪の予備は積んでいない。

 作業を終えた美佐子、結衣、澪、晴の四人が、以呂波の言葉を待つ。ポニーテールを風に小さく揺らしながら、義足の戦車長は友人たちへ向き直った。金属製の右脚が乾いた音を立て、地面を踏む。

 

「動けるのは私たちのタシュと、三木先輩のソキ車だけ。相手はあの西住みほさん」

 

 淡々と告げるその表情は、萎縮しているわけでも、自信に溢れているわけでもない。ただまっすぐに仲間を見据え、凛々しく立っていた。

 そして、問いかける。

 

「さて。みんなはどうしたい?」

「それ、訊く必要ないでしょ」

 

 真っ先に答えたのは結衣だった。にこやかな笑みを浮かべ、傾斜した前面装甲をポンと叩く。普段はステレオタイプの優等生だが、今は薄汚れたタンクジャケットがワイルドさを醸し出し、そのギャップが不思議とよく似合っていた。

 

「私はいつか一ノ瀬さんみたいに、車長をやってみたい。だから模範を見せてもらわないと」

 

 堂々と野心を口にする結衣。その横で、晴はいつものようにニヤニヤと笑っていた。『戦車道楽』の扇子を掲げて。

 

主任(トリ)が高座に上がってから帰るなんて、そんな無粋な人間じゃないよ。サゲまで付き合わせておくれ、師匠」

「……私も……一緒に行く」

 

 澪が小さく頷いた。自分の白い手を見つめ、握り拳を作る。決意の表れだった。

 

「いろはちゃんのおかげで……私、ちょっと強くなれた。お礼がしたい……!」

 

 そう言う彼女の笑顔には出会った当初の、消え入りそうな印象がなくなっていた。しっかりとした芯を、勇気を守った笑顔だった。

 そして美佐子はよりシンプルな方法で決意を表した。またもや以呂波に抱きついたのだ。

 

「むぐっ」

 

 義足が少しよろけるも、美佐子はただ抱きつくだけでなく、しっかりと親友の体を支えていた。最初に手を差し伸べてくれた時を思い出す、向日葵のような笑顔で。

 

「イロハちゃんのおかげで、高校生活が百万倍は楽しくなったよ! これからもっともっと楽しくなるよ!」

「……その言葉、美佐子さんにそのまま返すよ」

 

 いかにも彼女らしい言葉に、以呂波の表情からも笑みが溢れた。そう、全ては彼女が自分に手を貸してくれたときから始まったのだ。それからずっと、最良の相棒として側にいてくれた。

 

 北森、川岸、去石、河合、大坪。他車両の乗員たちが皆、近くに集まっていた。後は頼んだ……言葉ではなく視線から、そのメッセージが伝わって来る。大坪が前に出た。お守りとして持ち込んだ馬上鞭で愛車を指し示し、そして宣言する。

 

「一ノ瀬隊長。履帯の予備も、誘導輪もないけど……それでもまだ走ってみせる。必ず追いつく。だから、戦って!」

 

 大坪は本気だった。修理が無理でも撃破判定が出ていない限り、無理を通して戦い続けるつもりなのだ。その確かな覚悟を感じ、以呂波は一つ頷いて手を差し出した。しっかりと固い握手を交わす。

 

「……それじゃ、行こっか! 千種学園戦車隊は!」

 

 溌剌とした表情で、以呂波は拳を振り上げる。仲間たちが一斉に唱和した。

 

 

「勇敢! 冷静! 仲良し!」

 

 




お読みいただきありがとうございます。
ガルパン最終章の公開が近づいてきましたが、私はまだ風邪が完治していなかったりしますw
ですがこの長い連載にも終わりが見えてきたので、この調子で頑張ります。
「終わってしまうのが悲しい」と言ってくださる方もいて、作者冥利に尽きるというものです。
だからこそ、きっちり完結させたいと思います。
ご感想・ご批評などございましたら、よろしくお願いいたします。

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