ガールズ&パンツァー 鉄脚少女の戦車道   作:流水郎

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思わぬ新戦力と、お宝です!

 一同がざわめく中、河合は静かに思案していた。自分の母校が決戦の場になるという報せに感慨も湧くが、彼女としてはその他にも思うことがあった。

 廃艦となった学園艦は一般人立ち入り禁止だが、今回は合法的に乗り込むことができる。河合としてはこのチャンスを利用したかった。艦内に残された『ある物』の存在を、卒業生から聞いたのである。しかし会場が発表された今、これからより綿密に作戦を練り、訓練を行わねばならない。今これを言うべきか否か。

 

 悩んでいる時間はすぐに終わった。以呂波は出島から受け取ったプリントに目を通した後、丸瀬の方を見た。

 

「丸瀬先輩、今から会場まで飛べますか?」

 

 全員の視線が以呂波に向いた。一方の丸瀬は即座に携帯を取り出し、GPS機能で学園艦の現在地を確認する。目的地までの距離を計算し、次いで現在使用可能な航空機を調べ始めた。

 ここで河合は戦車道公式戦のルールを思い出した。試合前に会場の視察を行うことは許可されているのだ。今回は学園艦が舞台という特殊なケースだが、連盟から送られてきた試合要綱では視察を禁じていない。

 

「一ノ瀬隊長、フィールドを下見に行くのですか?」

「はい。私たちに有利な状況を作らなくてはいけませんから」

 

 戦車に乗っていないときも、以呂波は戦車長の目をしていた。千種学園には船橋や大坪など、旧トラップ=アールパード二重女子校の出身者がいる。彼女らは母校の学園艦の地理に詳しいはずだ。大洗に対して大きな地の利を得たことになる。

 だが廃艦になった後、工事などで環境が変わっているかもしれない。以呂波自身も実際にフィールドを見て、地の利を完全に味方につけたいところだ。

 

 その判断は河合にとっても幸いだった。口元に笑みを浮かべ、生徒会長は丸瀬に声をかける。

 

「丸瀬さんは確か、輸送ヘリも操縦できましたよね。Mi-26の使用許可を出しておきます」

「ヘイローを?」

 

 突然の申し出に驚く丸瀬。だが隣で聞いていた北森は「なるほど」と呟く。

 

「あのヘリなら車も乗せられる。着艦してからの行動が楽ってワケだ」

「それもありますが、もう一つ」

 

 思わせぶりに微笑み、ポケットに手を入れる河合。取り出したのはなんの変哲もない、小さな鍵だった。

 

「先日、アールパードOGから連絡がありました。学園艦内に残された車両を、回収したいのです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……八枚のブレードが風を切り、巨体が洋上を飛ぶ。強力なターボシャフトエンジン二基から生み出される力を、グラスファイバー製のローターが揚力に変えている。

 全長三十メートルを超える大型ヘリ・Mi-26。NATOコードネームを『ヘイロー』という。最大で二十トンというとてつもない積載量(ベイロード)を誇り、兵士八十名が搭乗できる巨大ヘリだ。ロシアやウクライナでは官民双方で使われており、千種学園は旧UPA農業高校から受け継いだ一機を保有していた。

 

 固定翼機ではコクピット左側が主操縦、右側が副操縦だが、ヘリコプターは逆だ。丸瀬はサイクリック・スティックと呼ばれる操縦桿を握り、目的地を見据える。

 広大な港には民間船の他、海上自衛隊や海上保安庁の船も見える。その向こうの陸地には役目を終えた潜水艦が、赤い船腹も露わに鎮座していた。空からでは全てが小さく見えるも、学園艦の巨大な姿ははっきりと見える。

 

「……帰ってきましたね」

「うん。まさか、こうなるとはね」

 

 大坪と船橋が短く言葉を交わし、『故郷』を見下ろした。以呂波も戦車道連盟から送られてきた地図を手に、眼下の学園艦を観察する。

 学園艦の主流は航空母艦型だが、マジノ女学院のような潜水艦型など、例外もある。トラップ=アールパード二重女子高校の場合はテゲトフ級戦艦がモデルだった。艦橋を境として艦首側にトラップ女子校があり、古都風の町並みや森林、丘陵が見える。艦尾側はアールパード女子校が使用しており、丘陵の他広大な馬術競技場や平原が見えた。ハンガリーの『プスタ』と呼ばれる草原を再現したようだ。艦橋付近にはやはり古都風の市街地が広がっている。

 

 以呂波が主に見ていたのは高台の位置と、伏兵に向いた地形だ。脳内で戦術を組み立てる彼女の横で、介助のため同行した美佐子は興味深げに先輩たちを見た。

 

「船橋先輩と大坪先輩は『船っ子』なんですよね?」

「そう……この学園艦で生まれて、育ったの」

「小学校も艦上にあったからね」

 

 学園艦は海上都市でもあり、育児ができる環境も作られている。大洗女子学園でも秋山優花里が『船っ子』だと言っていた。小学校は大抵陸にあり、学園艦で生まれた子供は艦上の小学校に通うか、通信教育を受けることが多い。トラップ校、アールパード校はそれぞれ独立しているものの、艦上小学校は一つしかないため、船橋と大坪はその頃からの付き合いだった。

 

「艦尾側に着艦します」

 

 コレクティブレバーでローターの角度を調節し、ゆっくりと高度を下げていく。すでに連盟を通じて視察許可は取ってあった。宝物の回収を除いて。

 

 

 

 やがて巨体が発着場に脚を着け、ローターが回転を止めた。誰もいないヘリポートは不気味なほど静かだ。設備自体古びているというのも、それに拍車をかけている。ここまで航行してきたということは艦の動力も生きているし、学園艦自体は全くの無人でもないだろう。しかし賑やかだった時代を知っている船橋や大坪からすれば、故郷がゴーストタウンと化したように見えた。

 

 後部の観音開き式ハッチを開け、スロープを降ろす。積んできたのは以呂波らが引っ越しに使ったのと同じ、レヘル兵員輸送車だ。大坪がハンドルを握り、以呂波、美佐子、そしてガイドの船橋はオープントップの兵員室に乗り込む。丸瀬ら航空学科生はヘリポートで待機することになった。

 

 履帯がコンクリートを踏んで走り出す。開いたままの飛行場ゲートから出ると、草原が広がっていた。廃艦になってさほど経っていないため、自然環境は荒れていない。草が風にそよぎ、静かな景色が広がっている。

 

「この辺りもよく走ったな……」

 

 操縦席の大坪が懐かしそうに呟く。この草原はアールパード馬術部の練習場も兼ねていたらしい。

 彼女としてはこの草原をアクセル全開で走りたかったが、その前に向かう所があった。

 

「あれが第三エレベーターよ」

 

 吹きさらしのベンチシートから、船橋が指差した。飛行場の隣に、艦内へ重量物を降ろす大型エレベーターがあった。大坪がゆっくりとスピードを落とし、リフト上にレヘルを停車させる。ところどころ塗装が剥げて錆びついているが、廃艦まで使われていたはずだ。

 船橋が飛び降りて、端にある操作レバーをチェックする。動力が来ていることを確認し、カバーの割れたレバーをゆっくりと降ろした。

 

 ガクン、と音を立て、リフトはゆっくりと降り始める。レヘル兵員輸送車と少女たちは闇の中へと降下していった。

 

「よかった、ちゃんと動くわ」

 

 船橋が安堵の声を漏らした。

 

 ある程度古くて規模の大きい学園艦は艦内に線路があり、港から貨物列車が丸ごと乗り入れられるようになっていた。使われていたのは鉄道輸送が盛んだった時代の話であり、プラウダ高校などでは遺構として残っているのみだ。しかし二つの学校が同居していたこの学園艦では、廃校になるまで学校間の連絡に使用されていたという。

 

 連盟から送られてきた会場見取り図によると、その艦内線路は発砲禁止区域に指定されているが、進入禁止にはなっていない。エレベーターさえ稼働していれば、九五式装甲軌道車の通路として使えるはずだ。

 そして河合から回収を頼まれた『宝』も、この中にある。

 

「なんか探検みたいでワクワクするね!」

 

 冒険心旺盛な美佐子は興奮気味だ。

 

 降下時間は思ったより長かったが、やがてゆっくりと減速し、僅かな衝撃で停止した。以呂波は耳に若干の痛みを感じたが、唾を飲むとすぐに消えた。艦内の電灯は消されているようで、暗闇に包まれている。

 大坪が前照灯を点け、車体をゆっくりとリフトから降ろす。予想より広い空間だ。美佐子も懐中電灯で周囲を照らし、一直線に伸びる線路と、敷き詰められた砂利(バラスト)を見つけた。

 

「おおっ。ちゃんと登りと下りがありますね!」

「うん、連絡移動にはモーター付きトロッコとかが使われていたわ」

 

 車上に戻った船橋が感慨深げにカメラを構え、シャッターを切る。フラッシュの光で一瞬だけ艦内が明るくなった。

 

「これなら、使えますね……」

 

 笑みを浮かべ、以呂波はヘッドライトを装着する。地図を照らし、ボールペンでメモを書き込んでいった。

 大坪がレヘルを旋回させ、前照灯で壁を照らしていく。線路を挟んだ向かい側に、古いシャッターが見えた。整備機材を収納しておく倉庫だ。彼女は喜び勇んで叫んだ。

 

「隊長、多分あれよ。『開かずの倉庫』!」

「このまま照らしていてください。総員、降車!」

 

 顔を上げて号令をかけた直後、以呂波の体が浮いた。美佐子にお姫様抱っこをされたのだ。装填手として鍛錬を重ね、彼女の腕力はますます強くなっている。義足の親友を軽々と持ち上げ、軽い足取りで車上から降りていく。

 船橋が写真を一枚撮った。宣伝用ではなく、思い出として。

 

「足元危ないから、このまま抱っこしてるね!」

 

 以呂波のヘッドライトに目をすぼめながら、美佐子は陽気に笑う。義足に慣れたとはいえ、この暗闇で足元に線路や枕木があるのは確かに危険だ。以呂波は気恥ずかしげに、親友の肩に手を回して掴まる。普段戦車への乗り降りを手伝ってくれる美佐子だから、このようなことでも素直に頼れた。

 

「いつもありがとう。重くない?」

「平気平気! あたしと以呂波ちゃんはこういう仲で丁度いいんだよ!」

 

 足元に注意しながら、ゆっくりと線路をまたぐ。大坪や船橋も倉庫へと向かった。

 

「イロハちゃんは脚が悪くて、あたしは頭が悪い。でも足せば弱点なくなるじゃん!」

 

 美佐子の強引な理屈と自虐ネタに、他三名は思わず吹き出した。だが障害の有無に関わらず、友達というのはそうして助け合うものかもしれない。勉強は苦手でも、美佐子は決して馬鹿ではなかった。結衣たちも本人の前では言わないが、内心ではそう認めている。

 

 レヘルのライトを頼りに、船橋が河合から託された鍵で解錠する。卒業生が『宝』の情報と共に送ってくれたものだ。

 

 ガラガラと音を立ててシャッターが開け放たれた。レヘルの前照灯で、中に鎮座した戦車がはっきりと見えた。全幅百五十センチ足らずの豆戦車で、平たい形状だ。リベット止めの装甲に、足回りはボギー式という古めかしいデザインだ。

 回転砲塔など存在せず、向かって右側の席から太い機関銃が一本突き出ている。太い、と言っても口径は一般的な車載機銃と変わらない。その周りに被せられた冷却ジャケットが太いのである。装甲板にはサンドイエローの地に、緑の斑点という迷彩が施されていた。

 

「アンシャルド豆戦車!」

「わぁ、ちっちゃい!」

 

 大坪と美佐子が声を上げた。

 イタリア製のCV.35豆戦車。名前は『快速戦車(カルロベローチェ)三十五年式』という意味である。前身のCV.33はアンツィオ高校の主力として(良くも悪くも)有名だが、改良型のCV.35も設計は変わっていない。生産性向上のため、溶接装甲をリベット止めに変えただけだ。

 

 これらCVシリーズはブルガリアやオーストリア、果ては中華民国やブラジルにまで輸出され、広く使われた。ハンガリーでは製造元の名を取り、35Mアンシャルド豆戦車の名称で使用し、一部には独自の改良も行った。

 今目の前にある車両はその仕様で、車長 兼 銃手席上に四角いキューポラが設けられていた。視認性を高めるための改造で、おそらく指揮官用だろう。

 

「車体はハンガリー仕様、武装はオーストリア仕様みたいですね」

 

 知識豊富な以呂波が言った。ハンガリー仕様の武装は8mm機銃二丁だと聞いていたが、この車両にはオーストリア製のシュワルツローゼ水冷機関銃が積まれていた。一次大戦で使われた傑作重機関銃だが、冷却水を入れるウォータージャケットが嵩張るため、一丁しか積めなかったらしい。

 旧アールパード校の戦車道チームが、どういう意図でこのような折衷型を作ったのか、今となっては分からない。どちらにせよ戦力としては偵察くらいにしか使えないだろう。

 

 だがこの豆戦車の中に、重要な物が隠されていた。船橋が夢中で写真を撮る中、大坪がハッチを開けた。次いで、歓喜の声を上げる。

 

「あった!」

 

 美佐子の腕の中から、以呂波も車長席を覗き込んだ。黄ばんだ本が車長席に積まれている。表紙に『Tarcay』の文字が書かれた、ハードカバーの本だ。手にとってページを開くと、中身はハンガリー語である。しかしその下あるノートに、鉛筆でびっしりと日本語訳が書かれていた。

 

 これこそもう一つの『宝』。唯一ハンガリーで生まれた戦車道流派・タールツァイ流の指南書だった。

 

「……門下生は戦後散り散りになって、資料もハンガリー動乱で消失。失われた流派か……」

 

 感慨深げに息を吐き、撮影を続ける船橋。シャッター音が断続的に響いた。

 旧アールパード校で戦車道が廃止された後、愛車の処分に反感を抱いた生徒がここへ封印したのだ。貴重な資料を共に隠したのは学校への抗議だったのかもしれない。千種学園に移った後輩らの活躍を知り、これを託すことに決めたのだろう。

 

 この豆戦車は戦友たちとの思い出を抱きながら、倉庫で眠り続けていたのだ。

 

「うん、大丈夫。メンテすれば使えるわ」

 

 船橋は写真を撮りながら、車体の各部を確認していた。トゥラーンやトルディと同様、このアンシャルド豆戦車も千種学園に所有権があるはずだ。回収さえしてしまえば書類上は誤魔化しが効く。千種学園への移送時に紛失していたことにすればいい。大洗女子学園も似たような手口で文科省を出し抜いたらしい。豆戦車ならレヘルでもなんとか牽引できるし、Mi-26の積載量なら余裕だ。

 重要度が高いのは資料の方である。しかし折角の遺産を置き去りにする手はない。

 

「迎えに来たよ。遅くなってごめんね」

 

 埃を被った装甲板を撫で、大坪が戦車に語りかける。

 千種学園に新戦力が加わったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……以呂波は視察を続け、自分の目で地勢を見て、頭に叩き込んだ。そして三日後、今度は戦車と共に訪れた。

 学園艦が接岸する直前、千種学園の車庫からは戦車が一両残らず搬出され、トランスポーターによる移送準備に入った。吹奏楽部の奏でるラコッツィ行進曲に見送られながら、決戦の地に向かう。

 大洗の学園艦も同様に入港していた。そして観戦に訪れた、第三者たちも。

 

「見事に全員揃ったな」

 

 一ノ瀬千鶴が愉快そうに笑った。警視隊風のタンクジャケットではなく、学校指定のセーラー服姿だ。

 彼女の言う全員というのは、その場に集まった友人たちのことである。友であると同時に、好敵手でもある者たちだ。

 

「そりゃもう、大洗VS千種……この試合を見逃す手はないからね。見逃す『手』はないからねっ!」

 

 能動義手の右手を振り回し、ベジマイトが楽しそうに叫ぶ。腫れ物に触るような扱いを嫌ってか、彼女はたまに自分の体をネタに使う。

 

「二回も言わなくていいわ。体を張ったシャレだってことくらい分かるから」

「カリンカちゃん、もうちょい気の利いたツッコミしたりぃや」

 

 冷めた反応をするカリンカと、呆れ顔のトラビ。二人とも雪国育ちのため、瀬戸内海の気候は少し暑そうだ。彼女らの副官……カイリー、ラーストチュカ、そして代理ではあるが矢車マリも側に控えている。

 千種学園と戦った面々が一堂に会していた。いずれもあの義足の戦車長との試合には思い入れがあった。そして西住みほは戦車道ブームを巻き起こした張本人。その両者の戦いは、彼女たちにとっても重要なものだった。

 

「トラビちゃん。副隊長はまだ治らならないの?」

「うん、良さそうやったんやけど、昨日から再入院や。疫病の神(パヨカカムイ)に嫌われたんかなぁ……」

「好かれた、じゃなくて?」

「アイヌの神様は気に入った人間に悪させぇへん」

 

 そんな会話をしているところへ、駆け寄ってくる者がいた。辺りを見物に行っていた亀子だ。千鶴同様、紺のセーラー服を着ている。

 今回はスパイに行ったわけではない。しかしとある情報を持ち帰っていた。

 

「鶴! アンツィオ高校が屋台出して、ナポリタン弁当売ってるぜ。四百万リラだと」

「マジか。ちょっと買ってきてくれ」

 

 千鶴は財布から百円玉を四枚取り出し、相棒に預けた。カリンカもアンツィオの商魂たくましさに呆れつつ、同じように小銭を取り出す。亀子は嫌な顔一つせず、それを受け取った。殊勝なことに、最初から全員分を買ってきてやるつもりだったらしい。

 ベジマイトたちからも金を預かり、ポケットへ押し込む。小銭ばかりで重くなったそこを手で支えながら、踵を返した。

 

「亀! もしアンチョビさんが来てたら失礼の無いようにしろ!」

 

 駆けていくその背中へ、千鶴が叫ぶ。亀子は足を止めて振り返った。

 

「はァ? あの人は卒業しただろ!?」

「後輩の様子見に来てるかもしれないだろ! 世話焼きだからな!」

「おめェと同じだな!」

「やかましい! さっさと行け!」

 

 亀子が笑いながら走り去った後、カリンカが千鶴をじっと見た。サディスティックな戦い方から“恐るべきカリンカ”と呼ばれる彼女だが、好敵手には一定の敬意を持って接する。千鶴に対しては性格的に気が合うため、友情も感じていた。

 

「ねえ。あんたはどっちが勝つと思う? 大洗と千種と」

「さぁな。どっちも予想外のことをしでかす連中だからな……」

 

 率直に答え、ニヤリと笑う千鶴。心の中ではすでに、妹の策を一つ見抜いていた。

 

 

「試合はもう始まってるようなもんだ。以呂波はとっくに罠を仕掛けているんだからな」

 




お読みいただきありがとうございます。
新車両、そして失伝した戦車道流派の記録発見……最初番外編のネタとして考え、ボツになった回です。
次回から試合に入ります。
今回の話にも実はとあるフラグが隠されており、今度は勘の良い方なら読んでみて「ん?」と思ったかもしれません。

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