ガールズ&パンツァー 鉄脚少女の戦車道   作:流水郎

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モヤッとさんから一ノ瀬千鶴の立ち絵をいただいたので、掲載したました。
誠にありがとうございます!


登場人物・戦車メモ3

福祉学科チーム

第四章から加入。

 

去石アンナ

好きな戦車:メルカバ

好きな花:ケイトウ

・福祉学科の一年生で、SU-76iの車長を担当。

・準決勝前に入隊したため経験は浅いが、献身的な態度でチームを支えようとする。

・おっとりとした性格や言動の割に運動神経は良く、体力もある。

・UPA農業高校の遺産であるSU-76iに乗ったことがきっかけで、ウクライナ文化に興味を持っている。

 

 

使用戦車

SU-76i自走砲

武装:S-1戦車砲(76.2mm)

最高速度:40km/h

乗員:4名

・ソ連軍が鹵獲したIII号戦車、またはIII号突撃砲を改造して作った駆逐戦車。

・モスクワやスターリングラードの戦いで多数のIII号戦車を鹵獲したソヴィエトは、それらがすでに非力であることを鑑み、自走砲に改造した上で自軍戦力に組み込むことを考えた。

・車体はほとんど手を加えず、箱型の密閉式固定戦闘室、T-34/76と同じ主砲(自走砲向けに改修したタイプ)を搭載している。

・『i』は『inostrannaya(外国製)』の略であり、オープントップのSU-76対戦車自走砲とは無関係である(搭載砲も違う)。

・1943年から実戦投入され、ウクライナの公園に記念碑として残されている。

・大戦後期になってはとりわけ強力な車両でもなかったが、居住性の良さなどから乗員には好まれたとされ、第三帝国を滅ぼすまで戦い続けた。

・千種学園の車両は前身の一つであるUPA農業高校から受け継いだもので、戦闘室上にIII号戦車のキューポラを搭載した指揮車両型である。

 

 

 

 

 

 

 

一弾流について

 

大戦末期、本土決戦に備えて訓練を勧めていた戦車隊があった。

隊長は海軍の夜襲飛行隊である『芙蓉部隊』に触発され、「安直に玉砕を行わず、可能な限り踏みとどまって敵を道連れにする」ことを前提とした部隊訓練を行っていた。

終戦の際、隊員たちは無条件降伏に納得しなかったが、芙蓉部隊が武装解除したのを受け停戦、解散した。

その部隊を母体として生まれた戦車道流派が一弾流である。

基本的には戦車を偽装して敵を待ち受け、伏撃で相手を倒す戦法を用いるが、好機と見れば奇襲攻撃も行うので、防御一辺倒の流派ではない。

その一方で生身での対戦車戦闘や銃剣術といった、戦車道では全く役に立たないことも「精神・肉体の鍛錬」として教える。

また、原型が大戦末期の過酷な状況で生まれたため、『良妻賢母の育成』『格式ある伝統』といった戦車道の理念は考慮しておらず、『強靭な精神を持ちつつも、精神論に寄らぬ合理的な判断で苦難に打ち勝つ』ことのみを追求している。

多くの流派が邪道と嫌悪する強襲戦車競技(タンカスロン)も、「車両性能に頼らぬ心構えを育める」と奨励している。

そうした点が気に入らない派閥からはよく批判され、西住・島田といった大手流派からも邪道扱いされることが多い。

ただし家元も門下生も自分たちが邪道であることを認めており、王道の戦が行えない状況で真価を発揮する流派だと主張している。

また自衛隊からはドクトリン上の理由で一定の評価を得ているため、陸自で優秀な戦車乗りとなった門下生も多い。

なお、宗家である一ノ瀬家では長女の名前に『星』の一字を入れる伝統があり、これは急降下爆撃機『彗星』を使った芙蓉部隊に対する敬意とされている。

 

 

決号工業高校

男女共学の工業系高校。

いわゆる『不良学校』で、かつて学園艦は無法地帯の様相を呈しており、暴力事件は日常茶飯事だった。

文科省からは「廃校にしても生徒の受け入れ先がない」という理由で統廃合の対象外とされており、大洗女子学園などからすれば皮肉な結果となった。

戦車道においては多数の戦車を保有する強豪だったが、生徒の素行の悪さが原因で全国大会から追放され廃止。

しかし一ノ瀬千鶴の入学によって再編され、タンカスロンで徐々に名を揚げ、不良グループとの暴力的抗争にも勝利して校内での地位を確立した。

千鶴が三年生となった今では校内の治安も遥かに良くなったが、未だ全国大会への出場は認められていない。

工業系だけに工作設備は充実しており、かつて艦内工廠で自作した四式中戦車、五式中戦車のような未完車両も保有している。

また無法地帯と化してからも心底機械いじりが好きな生徒も多く、整備能力は非常に高いレベルを維持していた。

学園艦の形状は雲龍型航空母艦の設計を踏襲。

 

 

 

一ノ瀬 千鶴

 

【挿絵表示】

 

好きな戦車:一式砲戦車ホニI

好きな花:チューベローズ(花言葉:危険な快楽)

・決号工業高校を率いる三年生。一ノ瀬家の次女で以呂波の姉。

・荒くれ者揃いの戦車隊を率いる姿から『山賊の親玉』『梁山泊の頭』などと呼ばれているが、他者の気持ちを察する能力に長け、優れた人心掌握能力を持つ。

・一弾流らしく伏兵戦術を得意とする狡猾さと、タンカスロンでは火炎瓶による肉薄攻撃まで行う過激さを持ち合わせている。

・姉妹三人の中でも特に優秀でありながら後継者候補から外され、当人も自分はアウトローだと割り切っている。

・以呂波を大事な妹として可愛がる一方、彼女に対して複雑な感情も抱いていた。

 

黒駒 亀子

好きな戦車:二式軽戦車ケト

好きな花:フジザクラ

・決号工業高校の副隊長で、建築学科の三年生。山梨県出身。

・千鶴とは入学時からの付き合いで(名前が縁起が良いという理由で無理矢理副官にされた)、互いに「鶴」「亀」と呼び合うほど仲が良く、また彼女の命令しか聞かない。

・物事に抽象的な価値を見出さない性格で、戦車を「高価な棺桶」程度にしか考えていない。

・その一方で自分なりの義侠心を持って戦車道に臨んでいるため、後輩からは「黒駒の親分」と慕われている。

・一弾流に入門する気はないが、それは千鶴の命令にしか従いたくないからであり、千鶴が師範代にでもなれば弟子入りしてもいいと考えている。

 

清水 奈緒

好きな戦車:九七式軽装甲車テケ

好きな花:ツツジ

・決号工業高校三年生。静岡県出身。

・古参の隊員だが、最初は整備担当だったため機械類に造詣が深く、試合中にもそれを生かして自車のコンディションを保つ。

・姉御肌で、後輩の面倒をしっかり見る性格。

・冷静な判断力を買われ、五式砲戦車の車長を任される。

 

 

使用戦車

五式中戦車チリ

武装:試製七糎半戦車砲(75mm)、一式三十七粍戦車砲(37mm)、九七式車載重機関銃(7.7mm)×2

最高速度:45km/h

乗員:5名または6名

・大戦末期に日本で設計されていた中戦車で、試作車は主砲以外完成していた。

・主砲の75mm砲は当時の日本人の体格では装填が困難とされ、半自動装填装置が開発されていたが、終戦まで不調を解決できなかった(決号の車両では調整されている)。

・車体前面に搭載された37mm副砲は二式軽戦車の砲と同じものだが、搭載された理由についてはよく分かっていない。

・車体はティーガーII並の巨体となっており、旋回を容易にするため幅広の両端だれ履帯を採用し、軽快に走行したという。

・装甲は最大で75mm、エンジンは航空機用の液冷ガソリンエンジンをデチューンして搭載、砲塔は日本戦車初のバスケット構造を採用している。

・装甲の割に大きな車体、副砲の存在意義など、無駄の多い戦車ではあるが、千鶴は「だからこそ決号のシンボルに丁度良い」として隊長車に選んでいる。

 

四式中戦車チト

武装:五式七糎半戦車砲(75mm)、九七式車載重機関銃(7.7mm)×2

最高速度:45km/h

乗員:5名

・歩兵支援用戦車に限界を感じた日本陸軍が、最初から対戦車戦闘を目的に開発した中戦車。

・当初は長砲身57mm砲の搭載を予定していたが、列強の戦車の発達を鑑み、75mm砲を採用した。

・車体は溶接、砲塔は鋳造で作られたが、砲塔部は鋳造技術の不足により一部ボルト止めで、T-34やM4シャーマンには防御力・生産性共に劣る。

・資源の枯渇などにより、終戦までに試作車が2両(6両との説もあり)作られたのみで、本格量産は行われていない。

・トランスミッション等は戦後、国産MBTの試作に活かされている。

・決号では主力を担い、一弾流のゲリラ戦術で他国製戦車に対抗する。

 

二式軽戦車ケト

武装:一式三十七粍戦車砲(37mm)、九七式車載重機関銃(7.7mm)

最高速度:50km/h

乗員:3名

・九五式、九八式の後継として開発された軽戦車。

・基本的に九八式軽戦車を改良したもので、より強力な主砲を搭載すると同時に砲塔の内部容積を増やし、乗員の作業性を高めている。

・平地では50km/hを出すことができ、日本戦車としては高速だった。

・空挺戦車としての運用も考慮されており、グライダーに搭載するため滑らかな車体形状をしている。

・1944年に29両が完成したものの、搭載する輸送グライダーの開発が難航しており、そもそも戦局の悪化で空挺作戦を行う機会さえなくなったため、本土決戦用に温存され終戦を迎えた。

・決号は新造車両を含めて複数保有しており、一部はタンカスロン用に規格外の改造が施されている。

 

三式砲戦車ホニIII

武装:三式七糎半戦車砲II型(75mm)

最高速度:38km/h

乗員:5名

・オープントップの一式砲戦車ホニIの改良案から生まれた車両で、密閉された固定戦闘室を持つ。

・主砲は三式中戦車チヌと同じく九〇式野砲をベースとした物。

・砲戦車は榴弾や煙幕弾で戦車部隊を支援するための車両だが、本車は対戦車戦闘も想定し、直接照準装置を搭載している。

・車体は九七式中戦車からの流用だが、前方機銃は撤去されている。

・生産数は90両とされるが、本土決戦用に温存され、実戦投入はなかった。

・決号では味方の支援や敵の足止めに使われる。

 

二式砲戦車ホイ

武装:九九式七糎半戦車砲(75mm)、九七式車載重機関銃(7.7mm)

最高速度:44km/h

乗員:5名

・対戦車砲陣地を排除するために開発された砲戦車。

・一式中戦車チヘの車体をベースとして回転砲塔を有し、大口径歩兵砲の四一式山砲を改造して搭載している。

・四一式山砲は対戦車砲として使われることもあり、徹甲弾も用意されていた。

・大戦後期には100mmの装甲を貫通できる二式穿孔榴弾(成形炸薬弾)が開発されており、対戦車兵器としても期待がかけられた。

・30両が生産され、本土決戦用に配備されていた。

・決号では2両を保有しており、煙幕弾による支援を主な任務としているが、場合によっては穿孔榴弾による直接戦闘も行う。

 

試製新砲戦車(甲)ホリII

武装:試製十糎戦車砲(長)(105mm)、一式三十七粍戦車砲(37mm)、九七式車載重機関銃(7.7mm)

最高速度:40km/h

乗員:6名

・大戦後期に日本軍が開発していた無砲塔戦車で、五式砲戦車とも通称される。

・独ソ戦における戦車の恐竜的進化を鑑み、M26パーシングさえ撃破できる105mm砲を搭載、車体は五式中戦車をベースとした。

・装甲厚は正面125mm、側面25mmとされる。

・I型とII型があり、前者はエレファント、後者はヤークトティーガーに似ている。

・主砲はほぼ完成していたが、車体が製造中に終戦を迎えた。

・千鶴は『士魂杯』を通じて一弾流の短所を考え、それを補うため八戸タンケリーワーク社からII型を購入、測距儀も搭載し遠距離支援に用いた。

 

 

 

 

 

 

ドナウ高校

ドイツ系の学校。

建築などの技術・芸術に関する教育が盛ん。

コーヒーには拘りがあり、生徒の大半が自前のコーヒーメーカーを持っているという。

艦上設備はドイツの古都をモチーフとしたレトロなデザインで、それに惹かれて入学する生徒も多い。

戦車道もIV号系列の車両を中心として十分な戦力を持っているが、校長や生徒会は黒森峰との関係に配慮し、公の戦車道大会への出場は消極的だった。

しかし『大洗の奇蹟』以降、隊員たちに世に出たいという機運が高まり、トラビの策動によって士魂杯への出場が決まった。

学園艦はドイツ商船を改造した空母『神鷹』をモデルとしている。

 

 

トラビ

好きな戦車:KPz.70

好きな花:エゾルリソウ

・ドナウ高校の隊長で三年生。アイヌ人の父と大阪出身の母の間に生まれ、当人は関西風の言葉を喋りながらもアイヌ系であることに拘っているため、周囲からの評価は「わけのわからない人」で一致している。

・常に飄々として掴み所のない言動を繰り返す一方、体調が悪いメンバーは戦車に乗せないなど、チームのコンディション管理は徹底しているため、仲間からの信頼は厚い。

・グデーリアン流を学んでおり、正攻法と変則的な戦法を組み合わせて相手を追い込む。

・しかし彼女の本当の恐ろしさは、八九式を排除するためにわざわざクーゲルブリッツを持ち出すなど、予測不能な策を考える発想力である。

・趣味はムックリの演奏とブレンドコーヒーの研究で、後輩たちとの交流にも役立っている。

 

矢車マリ

好きな戦車:レオパルト1

好きな花:エーデルワイス

・ドナウ高校一年生隊員のリーダー。黒森峰女学園を受験したが不合格となり、滑り止めでドナウ高へ入学。

・黒森峰に入れなかった悔しさから高慢な態度を取っていたが、トラビの影響と精神的に余裕ができたことで、すっかり砕けた性格になった。

・共に過ごすうちにトラビへ尊敬の念を抱くようになり、彼女からもらったマタンプシ(アイヌの鉢巻)を大事に使っている。

・練習試合以降、以呂波のことが強く印象に残っており、再戦を望んでいた。

・トラビからも『士魂杯』を通じて腕を上げたことを認められ、副隊長の代理、そして大洗八九式中戦車の排除という大任を任される。

 

シェーデル

好きな戦車:VT1

好きな花:キスツス

・ドナウ高校二年生。I号戦車C型の車長。

・搭乗車両の高速故にか、搭乗時は髑髏の描かれた目出し帽とゴーグルで顔を防護し、同じく骸骨が描かれた手袋を身につける。

・スピード狂と思われているが、実際は常にテンションが高いだけで、どんな戦車でも楽しく乗れるのが長所だとトラビに評されている。

・背が高い割に胸が小さいこと、そして童顔なことを気にしている。

 

 

Pz.Kpfw.KW-1 753(r) mit 7.5cm kwk L/43

武装:kwk40 L/43戦車砲(75mm)、DT車載機関銃×2(7.62mm)、MG34(7.92mm)×1

最高速度:28km/h

乗員:5名

・ドイツ軍がソ連軍重戦車KV-1を鹵獲し、改造を加えたもので、少なくとも一両の存在が確認されている。

・主砲はIV号戦車の43口径75mm砲を防盾ごと移植し、同じくIV号のキューポラ、そしてT-34の換気装置を搭載した。

・元となったKV-1は1942年型で、正面装甲120~130mmという重装甲を持つが、装甲強化に対して足回りの改良はされておらず、トラブルが絶えなかった。

・当時のドイツ軍は慢性的な戦車不足に悩んでおり、鹵獲戦車を使用した事例は多く見受けられる。

・ドナウ高校は砲身のないKV-1を安価で入手できたので、IV号用の予備砲身等を搭載、足回りにもチューンナップを施して滑らかな走行を可能にした。

・同校では『KW-1改』の名で隊長車として運用されており、その重装甲を活かして部隊の先陣を切る。

 

I号戦車C型

武装:EW141対戦車ライフル(7.92mm)、MG34機関銃(7.92mm)

最高速度:78km/h

乗員:2名

・ドイツ軍が開発した偵察・空挺用戦車で、I号の名を持つが他のタイプのI号とは別設計である。

・マイバッハ社製HL42Pエンジンを搭載、後のティーガーと同じく上部支持転輪のない大直径転輪を採用し、最高78km/hもの高速性能を誇った。

・装備するEW141対戦車ライフルはこの車両特有の武装で、機銃と同じ口径だが、300m先から30mmの装甲を貫通できる威力を持っていた。

・III号・IV号といった主力戦車の生産が優先されたためか、少数の生産に止まった。

・ドナウ高校の車両は史実で計画のみに終わったHL61Pエンジンを搭載、さらに規約の範囲内で改造が施されており、校内の速度試験(もちろんベストコンディションの状態でだが)にて90km/hの記録を出した。

・半面多岐にわたる改造の結果、原因不明の不調が頻発し、機関部を叩くと調子が良くなるなど妙な癖を持ってしまったが、トラビやシェーデルは「そのくらいは愛嬌」であるとして問題にしていない。

 

IV号戦車J型

武装:kwk40 L/48戦車砲(75mm)、MG34機関銃(7.92mm)×2

最高速度:38km/h

乗員:5名

・ドイツ軍のワークホースたるIV号戦車の最終型。

・戦局の悪化に伴い、前タイプであるH型を簡略化した型で、各部のパーツが減らされ、構造も単純化されている。

・主砲は強力な48口径75mm砲だが、砲塔旋回用の補助エンジンが廃止されており、人力で旋回させる必要があった。

・その分燃料タンクが増設されて航続距離は伸びているが、これは戦場での給油が極めて困難な、悪化した戦況を鑑みてのことである。

・シュルツェンは資源節約のため『トーマシールド』と呼ばれる金網に変更され、対戦車ライフルは防げないものの、成型炸薬弾には効果があった。

・ドナウ高校では二両が配備されているが、砲塔旋回が人力のため嫌われており、その部分のみH型仕様に改装すべきとの意見が出ている。

 

IV号突撃砲

武装:kwk40 L/48戦車砲(75mm)、MG34機関銃(7.92mm)

最高速度:40km/h

乗員:4名

・IV号戦車の車体に、III号突撃砲G型の上部を組み合わせて作られた突撃砲。

・IV号戦車ベースの突撃砲は1943年4月から計画されていたが、同年11月の空襲によってIII号突撃砲の生産が止まってしまい、代用として量産が決定された。

・同時期に開発されたIV号駆逐戦車ラングより防御力は劣るものの、重量バランスの良い本車の方が機動性と操縦性に優れていた。

・尚、それまでIII号突撃砲は単に「突撃砲」と呼ばれていたが、本車と区別するため「III号」と付けられるようになった。

・ドナウ高校では主戦力の一角であり、乗員たちから愛されている。

・グデーリアン流と西住流を基本とするドナウ高校だが、待ち伏せを得意とする本車の存在により、さらに臨機応変な戦術が取れるチームになった。

 

クーゲルブリッツ対空戦車

武装:Flakzwilling103/38連装高射機関砲(30mm)、MG34機関銃(7.92mm)

最高速度:38km/h

乗員:5名

・IV号戦車の車体を改設計し、密閉砲塔と連装機関砲を搭載した対空車両。

・砲塔は二重構造になっており、外殻で横旋回を行い、内側の球形砲塔自体が俯仰することで仰角をとる(-7~+80度まで。砲塔内の乗員もそれに合わせて姿勢が変わる)。

・車体はIV号J型がベースだが、砲塔リングがティーガーと同じサイズに拡張され、それに伴い操縦手・通信手用ハッチの形状が変更された。

・搭載された機関砲は対戦車攻撃機Hs129に搭載されていたMK103型を連装にした物で、弾薬はベルト給弾で合計1200発(砲一丁につき600発)携行できる。

・極少数が生産されてベルリンの戦いに使われたとされるが、その戦歴は伝わっていない。

・一両がドナウ高校の船倉に分解状態で保管されていたが、機関砲の連射性能に目をつけたトラビが対八九式に使うことを考え、急遽組み立てられた。

 

E-100超重戦車

武装:kwk44/L38戦車砲(150mm)、kwk44/L36.5戦車砲(75mm)、MG34機関銃(7.92mm)

最高速度:40km/h(予定値)

乗員:5名

・重量ごとに戦車のパーツ規格を共通化する『E計画』の一環として開発されていた超重戦車。

・全長10.27m、重量140tを超え、装甲は最大200mmの厚さを誇り、避弾経始を考慮すればマウス以上の防御力を誇る。

・武装はマウスの物を流用した128mm砲の搭載が予定されていたが、最終的には150mm砲搭載、さらに駆逐戦車型として170mm砲の搭載も予定されていた。

・無茶なスペックにも関わらずEシリーズの中では最も開発作業が進んでおり、終戦後もアメリカ軍の命令で作業は続行され、車体のみ完成した。

・車体は走行できなかたとされ、興味を失ったアメリカ軍はイギリスに本車を提供したが、イギリス本土に持ち帰った後の記録は残っていない。

・ドナウ高校では入手経路は不明なれど一両を保有しているが、運用面の問題から一度も使ったことはなく、『士魂杯』準決勝で初めて日の目を見た。


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