水産学科チーム
第三章から加入。
川岸サヨリ
好きな戦車:特三式内火艇カチ
好きな花:小菊
・水産学科の一年生で、マレシャルの車長を担当。
・漁師の娘であり、海と魚をこよなく愛する。
・飄々とした掴み所のない性格だが根は真面目で、試合中は以呂波の指示をしっかり聞いて行動している。
・幼い頃に船から落ちて海上を漂流した経験があり、それが現在の人格形成や、戦車道への考えに影響を与えている。
使用戦車
マレシャル駆逐戦車
武装:DT-UDR No.26対戦車砲(75mm)
速度:不明(試験においてIII号突撃砲を上回ったとされる)
乗員:3名
・ルーマニアで開発されていた駆逐戦車。
・後に開発されるヘッツァーに類似した、被弾経始を強く意識した形状で、装甲厚は10mm〜20mmである。
・当初はソ連から鹵獲したT-60軽戦車の車体をベースとし、乗員は2名だったが、後にドイツから輸入した38(t)軽戦車のコンポーネントを用いることになった。
・試作5号、6号は試験の結果、射撃・走行性能においてIII号突撃砲を上回る成績を上げたとされる。
・1,000両の生産を目指していたが元々ルーマニアの工業力は低く、国内の工場・鉄道が爆撃されたことによって生産は遅れ、結局ルーマニアの降伏によって開発は中止された。
・開発にはドイツも協力しており、その形状はヘッツァーの設計に影響を与えたという説もあるが、定かではない。
・水産学科チームからは「ヒラメのような戦車」として親しみを持たれている。
ライバル校
虹蛇女子学園
オーストラリア系の学校で、民族学及び自然との触れ合いを重視している。
艦上には多数のビオトープや、アボリジニーの暮らす大地を模したエリアがあり、天然の野山への野外実習も頻繁に行われている。
学園艦で絶滅したはずのフクロオオカミを目撃したという噂も絶えず、一部の生徒によって調査が続けられている。
生徒たちは精霊信仰と自然科学に興味を持つ者が多く、それらの分野で優れた研究者を輩出している。
戦車道部は結成されてから日は浅いが、演習場を広くとれることから訓練の質は高く、優れた練度を誇る。
指導に当たったのは島田流の師範代。
ベジマイト
好きな戦車:CTL豆戦車
好きな花:アカシア
・虹蛇女子学園三年生であり、戦車道チーム隊長。右腕が義手のため、乗降が容易なCTL戦車で指揮を執る。
・名前の由来であるオーストラリアの食材が好物で、常にチューブ入りの物を持ち歩き、しょっちゅう食べている(そのため他校からは変人扱いされている)。
・ボーイッシュな性格で山歩きやバードウォッチングを好み、その中で培った野性的な勘や本能で敵の策を見破るが、右腕を失ってからはそれに加えて論理的思考も持ち合わせるようになった。
・その野生の勘は『生きたレーダー』とまで称される。
・自分と似た境遇で戦車道を続ける以呂波に興味を持ち、彼女と出会えたことを嬉しく思っている。
カイリー
好きな戦車:センチネル巡航戦車(全タイプ)
好きな花:アカシア
・虹蛇女子学園の副隊長。三年生。
・並外れた砲撃の腕を持つため、副隊長だが砲手として17ポンド砲を操る。
・マタギの血を引いており、ベジマイトと同様に山歩きが趣味で、公私ともに彼女を支える。
・寡黙で常に冷静沈着だが、自分の任務に確かなこだわりを持っており、滅びゆくマタギの狩猟文化を戦車道の中に残したいと考えている。
使用戦車
マーモン・ヘリントンCTL
武装:M1919A4機関銃(7.62mm)×3
最高速度:48km/h
乗員:2名
・オランダ領東インド軍からの発注を受け、アメリカが開発した豆戦車。
・砲塔が車体左側にあるタイプと右側にあるタイプが存在し、合わせて運用することが想定されていた。
・足回りはM2軽戦車から流用し、機銃3丁のうち2丁は操縦席正面に装備されている。
・オランダ軍の他、アメリカ軍、日本軍(鹵獲車両)などが使用し、オーストラリア軍も訓練に使用した。
・貧弱さからアメリカ軍では嫌われたが、オランダ軍では信頼性の高さが評価されていた。
・ベジマイトは感覚を研ぎすませるため生身に近い状態で戦うことを好み、乗り降りがしやすいこともあって、小型軽量なこの戦車で指揮をとる。
センチネル巡航戦車ACI
武装:オードナンス2ポンド砲(40mm)、ヴィッカース重機関銃(7.7mm)×2
最高速度:38km/h
乗員:5名
・イギリス連邦の一員としてオーストラリアが開発した巡航戦車。
・鋳造で作られており、キャデラックV8エンジンを3基搭載している。
・『番兵』の名の通りに日本軍を迎え撃つべく開発されたものの、活躍の機会はイギリス・アメリカ製の戦車に奪われており、実戦には使われなかった。
・武装を25ポンド砲に強化したACIIIの他、連合国最強の対戦車砲である17ポンド砲搭載のACIVも試作された。
・17ポンド砲搭載に向けた反動試験のため、25ポンド砲2門を搭載した試験車両も存在した。
・虹蛇学園の基本戦術ではACIIIが煙幕弾と成形炸薬弾で味方を援護、ACIが接近して機動戦を行い、切り札のACIVは単独で狙撃に当たる。
アガニョーク学院高校
ロシア系の学校。
生徒は制服の代わりにサラファンを着ており、ロシア文化と歴史学の教育に力を入れている。
平等を重んじ、権威を好まない校風。
戦車道は縁の深いプラウダ高校から指導されたトゥハチェフスキー流を基盤としているが、カリンカの隊長就任後は非公式に『インターナショナル流』と称するようになった。
チームの歴史が浅い故の柔軟性を見せ、戦車の調達においてもロシア製にこだわらず、入手しやすいM3中戦車で頭数を揃えている。
夜戦においては時に強豪校を破るほどの高い能力を持ち、『夜の魔女』と呼ばれる。
カリンカの就任以降は格式を廃する傾向が一層強くなり、戦車道部へ気軽に入部できる風潮ができた。
カリンカ
好きな戦車:SU-152ズヴェロボーイ自走砲
好きな花:弟切草
・アガニョーク学院高校の隊長で三年生。BT-7またはSU-100で指揮を執る。
・高校入学後に戦車道を始めたためキャリアは短いが、急激に頭角を現して隊長に抜擢された。
・戦車に関わっているときは常に無表情だが、実際には純粋に刺激を求めて戦車道を楽しんでおり、歴史が浅い故伝統に囚われないことがアガニョークの良さと考えている。
・サディスティックな性格から“恐るべきカリンカ”の名で呼ばれるが、一方では面倒見の良い性格で仲間たちから慕われ、強いリーダーシップでチームをまとめている。
ラーストチュカ
好きな戦車:2S1グヴォジーカ122mm自走榴弾砲
好きな花:カーネーション
・アガニョーク学院高校の三年生で、池田流戦車道を習得。BT-7快速戦車を好み、流派の象徴である『士魂』の文字を砲塔に書いて使用する。
・流派に囚われず戦車道を楽しみたいと考え、同時に池田流が仮想敵としているトゥハチェフスキー流をよく知りたいという思いからアガニョークへ入学(プラウダより歴史の浅いアガニョークなら他流派経験者でも受け入れられやすかった)。同年齢で自分より戦車道歴の浅いカリンカをリーダーと認め、忠実に付き従う。
・前衛での遊撃・撹乱などを得意とし、敵からすれば彼女のBT-7は夜の魔女たちが総攻撃に出る前触れのため、“災厄のラーストチュカ”と呼ばれる。
・無表情で冷静沈着に見えるが、表現が不器用なだけで感情の起伏は激しく、また普段は菓子作りが趣味の優しい少女である。
使用戦車
BT-7快速戦車
武装:20K戦車砲(45mm)、DT機関銃(7.62mm)×1
最高速度:装軌時62km/h、装輪時86km/h
乗員:3名
・ソ連で開発された快速戦車の最終型。
・BTは『Быстрый танк(素早い戦車)』の略で、アメリカで開発されたクリスティー戦車を参考にしている。
・ゴムタイヤ付きの転輪を有し、履帯を外して装輪走行が可能。
・BT-7は先代のBT-5ではリベット留めだった装甲を溶接式とし、1937年以降は傾斜装甲も導入されている。
・独ソ戦時には旧式化しており、T-34の数が揃ってからは二線級任務に引き下げられ、満州侵攻で再び日本軍と戦うことになった。
・M型はV-2ディーゼルエンジンを搭載し、ガソリンエンジン搭載の旧型に比べ炎上の危険が減り、出力も向上した。
・アガニョークの車両は1937年型だが、エンジンのみV-2に換装されている。かつてはM3リーと共に主力だったが、SU-85が揃ってからは偵察・撹乱に用いられる。
SU-85自走砲
武装:D-5S戦車砲(85mm)
最高速度:47km/h
乗員:4名
・ソ連の対戦車自走砲で、ドイツ軍のティーガーIに対抗するため作られた車両の一つ。
・T-34中戦車の車体を流用したSU-122自走砲をベースとしており、被弾経始を意識した傾斜装甲が特徴。
・85mm砲の対戦車火力で歩兵・機械化部隊を支援することを任務としており、回転砲塔を持たず、対人用の機銃は装備していない。
・ティーガーI重戦車に対抗するには力不足が否めなかったが、V号戦車パンターを撃破した実績を持ち、多数の戦果を上げている。
・同じ主砲を搭載し、尚且つ回転砲塔を有するT-34/85が配備されると存在意義が薄れたが、東側諸国に供与された車両は1960年代まで運用されていた。
・アガニョーク学院高校では攻撃面での主力となっているが、やはり無砲塔故に待ち伏せを行うことが多い。
SU-100自走砲
武装:D-10S戦車砲(100mm)
最高速度:48km/h
乗員:4名
・SU-85の火力強化型として開発された車両。
・搭載している100mm砲は艦砲を改造した物で、最強の重戦車とされたティーガーIIの正面装甲さえ貫通できる。
・車体の設計は概ねSU-85と同じだが、生産性に配慮した形状の単純化や、T-34と同じ車長用キューポラの採用などの改良が施された。
・大型の主砲を搭載したためサスペンションも改良されたが、それでもフロントヘビーであり、操縦には注意を要した。
・対ティーガー用の車両ではあったが、戦線へ投入された頃にはドイツ軍の重戦車はほとんど見かけられなくなっており、敵陣地への砲撃などが主な任務だった。
・戦後も改良を加えながら1970年代まで運用されており、エジプト軍の車両が第四次中東戦争にも参加している。さらに2015年に始まったイエメン内戦でも目撃された。
M3グラントCDL
武装:カーボン・アーク灯(光度800万カンデラ)、M2またはM3戦車砲(75mm)、M1919A4機関銃(7.62mm)×2、ベサ機関銃(7.92mm)×1
最高速度:38km/h(原型のグラントの数値)
乗員:5名
・イギリス軍が開発した夜戦特化戦車で、CDLは『Canal Defense Light(運河防衛ライト)』の略。
・アメリカから供与されたM3グラントの副砲塔を、光度800万カンデラのカーボン・アーク灯を搭載したCDL砲塔に換装。砲塔の砲身はダミーである。
・夜間に横陣を組んで照射することで光の壁を作り、敵の目をくらませると同時に味方の砲撃を援護することを想定していた。
・カーボン・アーク灯は砲塔内でミラーに反射させ、スリットから照射される仕組みで、装甲シャッターの開閉でモールス信号を送ることも可能。
・ホバート将軍率いる工兵第79機甲師団(通称「ホバーツ・ファニーズ」)に部隊が編成され、訓練も行われていたが、実戦ではライン川渡河作戦などで使われた程度だった。
・アガニョークではM3を改造してCDL仕様とし、夜間にアウトレンジ攻撃を行うための切り札としていた(補給面での問題から、砲塔機銃はベサ機関銃からM1919A4に変えている)。
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装脚戦車様からのご指摘と情報提供を受け、BT-7及びグラントCDLについての記述を修正しました。
誠にありがとうございます。