「オッパイを揉ませろっ!もう、それし、か!方法は無ぇっ!」
「嫌ですわっ!この変態!」
暴走した白浜の攻撃を貰いながら、乱入してきたナチュラル金髪チチデカデコメガネに声をかけるが、この作戦はまたも却下された。何とか猛攻を凌ぎながら距離を置く。
「ナマで揉ませろってワケじゃ無えっ!ブラの上からで妥協するっつってんだろっ!」
「触らないで!くださいましっ!」
白浜から距離を置きながら肩越しにまた声を掛けるが、後頭部、両の膝裏に衝撃が走りバランスを崩す。そして腰と背中に打撃を貰い、意図せず白浜との間合いが詰まる。
「ンフォォォノォォォォッくあっ!」
謎の雄叫びをあげる白浜の猛攻猛打、拳打に蹴打は当たり前で肘に膝と投げまで使ってくる。非常にやり難い。威力も速さも武田や古賀に比べると大した事無いが、攻撃の繋ぎが滑らかで、尚且つ構えからの初動が尋常じゃ無い位速い。トップスピードはそうでも無いが相対速度の落差がハンパねぇ
いけね、首相撲からの膝蹴りスカしたと思ったらコンボで大外刈りかよ!
「こぉぉのぉぉっ!ロリコンッ!がぁっ!」
何とか受け身を取ったがヤバイ、下段突きか!一撃目の顔面狙いは何とかガード。あと俺はロリコンじゃねぇ!と、二撃目の前にデコメガネが白浜にエゲツない打撃を加える。ピョンピョンと空中から俺を跨いで着地までの間に白浜をぶっ叩き、白浜が俺から正面に視線を移した時にはコイツの背後に回り込んで、首を極めながら投げ飛ばした。くそっ、ピンクのパンツが少ししか見えなかったぜ。
「おいっ!食い込みピンクパンツ見せてるんだからブラの上からオッパイ揉まれるくらいイイじゃねーかっ!」
「どこを見てますか!この人はっ!」
起き上がりながらそう言うと、白浜の攻撃を綺麗にさばきながら上履き投げて来た。イタイ。
ん?どこかから視線が。鼻血の海に沈んだ武田か?いや、アイツはまだグロッキーだな。倒れこんだままだ。それはともかく暴走白浜を止めねぇとな。クソッどーしてこーなっちまったんだ!
〜何日か前、梁山泊〜
「ココがほのかちゃんが通う道場か!」
「フサさん、何でアタイまで天使の輪を使って来なきゃならんのよ?」
梁山泊、武術を極めてしまった達人が集う所。そこに今1人の天使とロリコンがやって来た!
「フッ、愚問だなラブやん。別に入門したいワケじゃないし、覗き見たいだけだし。何より体育会系の所に1人で行くの怖いしね。」
「あっそ。みのッチに天使の輪返さないかんからさっさと行くよ〜。」
「あ、待って!心の準備が!きっと酔拳のジャッキーさんがドン引きするコトやってるかもだよ!ココ!」
「ンなワケあるかいっ!」
天使ラブやんに引き摺られて壁内に投げ込まれるロリコン、カズフサ。後を追う天使ラブやん。その目に映るのは何なのか。
ココは梁山泊、武術を極めてしまった人が辿り着く場所。
「「はぅっ!」」
「おや、目が覚めたかね?」
「あ、ステキなヒゲのおじ様❤︎」
「ぬ、俺はいったい何を?確か高校生男子がスパルタンでエックスなジャッキーさんも裸足で逃げ出す修行をしていたトコを見て………はぅっ!頭が」
ファザコンなラブやんはヒゲの紳士にコロリとやられ、カズフサはあまりにも衝撃的な修行を見て思い出すコトを脳が拒否して居る。
「無事で良かった。しかしね君達、今回みたいに弟子が飛んで来るからこんな物を使って入って来ちゃいけないよ。」
キラリと光る天使の輪×2を見せられて固まるキューピッドとロリコン。
「ハッハッハッ、天使達の生態は熟知しているから何の問題も無いし、今回何故ココに来たかも方程式を用いて先程証明しておいたよ。まぁ弟子の育成に役立ってもらうかな。」
ヒゲダンディの容赦無い進行ぶりに固まる2人。生態とか方程式とかツッコミどころ満載なのに、何かのオーラ?的なもので動けないし。
「ほのかくぅーん!この人とオセロで遊んであげなさい」
「わかった?じょ!おヒゲ師匠!」
瞬間カズフサに電流走る!ロリを恵んでくれるイイ人だ!ほのかちゃんとの時間をくれたこの人に着いて行こう!
「アザッス!おヒゲ様っ!」
男泣きして土下座するカズフサ。それを見てドン引きするラブやん。ほのかはオセロの準備中。何やら企むおヒゲ様。そして始まるカズフサのお楽しみタイム!
一方、弟子1号白浜兼一はどうなるかと言うと。
「ウオォォォーッ!まぁだぁマダァッ!」
かつて無い程燃えていた。今は対ボクサー用に裏ムエタイ界の死神、アパチャイ・ホパチャイと稽古をしているのだが、妹のほのかが性犯罪者一歩手前の男と密室でオセロゲームをしていると聞かされて奮起。それを止めさせようとした所、相手は達人級だから修行終わってからねといつもの10倍の稽古を課せられたのだ。
普通だったら信じない。が、今の白浜兼一は普通じゃない。本日はアパチャイの蹴りで心臓が止まる事2回、その後蘇生されて中国拳法の達人である馬剣星の秘薬を飲んでいて、気分がダイブhighになっている上少し記憶が飛んでいるのだ。そして家族を守るための心が少し暴走しているのも起因している。
「レウッ!レウッ!レウッ!レウッ!レェッウゥッ!」
「イイよー!その調子よ!ケンイチ!」
師匠達はヤル気になった弟子にここぞとばかりに稽古をつける。それを眺めるラブやんはお茶を飲み羊羹を食べる。カズフサは何処からか飛んで来た吹き矢に当たって夢の世界へ。オセロゲーム代行は褌ニンジャガールがやってる。
で、カズフサが目を覚ます頃に稽古は終わり組手になる。ココで現役JKとケンイチの組手にジェラシーを燃やすロリコンが1人。アイツを殴りてぇと涙ながらに訴えてケンイチ対カズフサの組手になる。モチロン組手になるわけ無いが、其処は達人がフォローした。ケンイチとカズフサが認識出来ないスピードで動き、カズフサの動きを操りケンイチを負かしたのだ。ロリコンには賞品としてほのかちゃんとのオセロゲーム券を、弟子にはスペシャルメニューの券をあげたのだった。その為、この様な修行は何日か続いたのだった。
こうして白浜兼一は強くなっていった。
〜ほんの少しだけ前〜
「ラブやん、ケンイチ君の学校行かない?」
「えっ?何で?」
「いやさ、青春を感じたいからさ、行こうぜ?」
「そんな事いってもさぁ、」
「で、着いたわけだが。彼のクラスに行こうか。あ、コレ付けてね。」
「はっ!いつの間に学校へ!あっ、待って!置いてかないで!」
エンジェルモードで暴走する成人2人だが、始めからエンジェルモードになってワープすりゃ良かったんじゃね?と屋上から落ちておヒゲ先生のお世話になりながら思ったそうだ。
そして彼等は教室へ。丁度授業が始まった頃で、イタズラしようとしてたカズフサは軽く舌打ち。ラブやんと共にケンイチの背後に。と、その時ケンイチが何か発見!それは屋上への呼び出し!友達を人質にしてのモノ!
(フサさん、何か悪い顔してる。)
(フッ、リア充に天罰が当たったのだ!オマケに煽ってやる!)
「呼び出した奴、ロリコンだよ。」
ボソッと囁くカズフサ!ビクッとするケンイチ!
「達人級になると姿を消して声だけ届けることもできるんだぜ?で、そいつら次はほのかちゃんを要求してくるぞー。」
達人のハードルを上げているがあながち嘘でもない。一方のケンイチ君はイジメられ耐性は高いが煽り耐性は低い模様。即座に先生に言い訳して呼び出し場所に向かった。
「フッ、さて、リア充がボコられるのを見るとしますかね。」
悪い顔をするカズフサと、何でコイツ偉そうなの?という顔をするラブやんは屋上へ向かう。途中で人質とすれ違い、どうなったんだろーねーと顔を見合わせながら到着すると、ケンイチと殴り合う知り合いの姿が見えた。
〜そんでもって現在〜
「ラブやん、きっとあの道場には俺専用のフィールドパッワーが溢れてるに違いない。」
「うん。あたいもそー思う。」
ちょっと現実から逃避気味な二人が直視せざるをえない光景が其処に広がっていた。血の海でピクリとも動かない誰かと、ロリコンは死ねぇっ!消えろぉっ!とか、ほのかぁーっ!て叫びながら攻撃する普段は大人しいケンイチ。その攻撃を受けながら反撃するパツキングラサンの宇喜多。時々俺はロリコンじゃねーと声を張り上げるが効果はない様だ。しばらく見ているとナイスバディな風林寺なんとかさんが乱入。ケンイチを止めようとしている様だ。三人の動きは映画さながらである。
「ねね、フサさん。ちょっと移動しない?」
「だね。ココだと巻き込まれそう。」
エンジェルモードの二人はフラグを立てつつあるぞ!そんな事をしているうちに戦いは佳境に!
「オッパイ揉ませろ!そうすりゃロリコンじゃ無い証明になんだろ!」
宇喜多はケンイチの背後からタックルを仕掛ける。丁度デコメガネとで彼を挟む立ち位置だ。ケンイチは攻撃に夢中だからそのまま締め落とす算段なのだろう。だが、
「シャッ!」
「!」
ケンイチの見せる超反応!身体をコマの様に回転させて避ける!このままラッキースケベのオッパイダイブかと思いきや、
「いやですわっ!この変態!」
「グペッ!」
デコメガネの蹴り上げが顎に当たり、
「ソォォーク!クラブ!」
「ガッ!」
ケンイチのムエタイ仕込みな回転肘打ちがコンボの様に決まった。しかし、頑丈な身体を持つ宇喜多は後頭部付近にある腕を咄嗟に掴み己の真正面に投げた!そのまま叩きつけるつもりだったが、またもやケンイチの超反応、腕を宇喜多に引っ掛けて勢いを殺す。不完全な姿勢からの不完全な投げは不発に終わり、ケンイチは顔面からデコメガネのオッパイに突っ込んだ。オッパイに!
フリーズする空気!場が凍る!
「結局お前が揉むのかよぉっ!散々人をロリコン扱いしておいてっ!」
いち早くフリーズが解けた宇喜多が咆哮する。ケンイチとオッパイ女子も動き出す!しかしオッパイの動きが早く、ケンイチを絞め落とした!自分のオッパイに押し付けながら!
「目の前でイチャつくなよ!てーか俺にも揉ませろ!」
「いい加減に、しなさい!ですわ!」
「ゲボォっ!」
人をロリコン扱いしておきながらオッパイの中で気持ち良さげに落ちているケンイチを見て宇喜多が暴走。しかしデコメガネの会心の一撃で吹き飛ぶ!こんな細腕の何処にこんな力が?と感じる暇も無くフェンスに
「あれ?」
当たら無い。なんか見え無い誰かに当たった気がしただけだった。しかしフェンスは壊れてる。もしや武田に当たったか!と辺りを見回して武田発見。不思議な事もあるもんだと納得して、白浜兼一が目覚めるのを待つ事にした。
〜その後〜
風林寺という名前のデコメガネの知り合いが経営する接骨院へ行く事になった。其処で治療を受ける。一番の重傷は武田。左手が動かなかったらしいが治る目処が着いたそうだ。良かった。次は白浜兼一。身体中の関節と筋肉が限界ギリギリだったらしい。無茶しやがって。次はラブやんさんとカズフサさん。骨折したらしい。二人して悪い事は出来無いねと言いあっていたわ。
最後に俺。打ち身と打撲だとよ。
ケンイチ?動の気を発動するんじゃね?