史上最強の弟子ケンイチ〜宇喜田転生伝〜   作:夏野菜固定金具

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お待たせ。







憂鬱と変態さん

うむ、プリッキャーの映画は素晴らしかった。まさしく人生の縮図そのもの!あの中には愛と勇気、希望と志しが詰まっていて、まさに人生賛歌といって過言ではない!これを、この映画を白鳥に見せればきっと許してくれるはずだ。

 

つい先日、オレは白鳥の着替え中に突撃をかましてしまった。モチロン更衣室に行く前にキサラちゃんに声を掛けたんだけど、サンドバッグを蹴るのに夢中だったから上の空で生返事だったよ。

で、更衣室に入ったらコッチに尻を向けた全裸の白鳥がいたんだ。結構顔を会わせる仲だから裸の付き合いも大切かなと思って奴の尻を叩きつつ隣りに並んだらさ、見てしまったよ、あいつの秘密を。

 

 

 

 

 

大胸筋矯正サポーターって知ってるか?

 

 

 

 

 

うん、つまりは男用のブラジャーだ。椎間板ヘルニアとか胸骨の矯正とかの治療に使われたりもするんだ。それを白鳥が使ってたんだ。別にね、それだけだったらこんなに驚かないよ?ただ白鳥が使ってた大胸筋矯正サポーターがね、レースが使われていた女性用でさ。しかもパンツまでブラジャーに合わせたかの様なデザインのやつでね、もうね、白鳥って男なのに女性用下着を装着する変態さんなのかな〜ってね、思ってしまってね。

 

いや、オレも流石にそれは早計だと思って話し掛けつつ観察をしたよ?白鳥さ、何て言うか見られてしまったオーラ全開で固まっちゃってて会話ができないと言う事態になった上、男同士で許されるボディタッチにも無反応でどうしようもなくなったんだ。

 

でね、横目でチラチラと観察してたんだけど、白鳥の奴アンダーヘアーを、所謂インモーを剃ってたんだ。コレで確信したね。白鳥は女装癖のある変態さんだと。その秘密を知られてしまって動揺していると。キサラちゃんにバラされたらどうしようかと脳味噌フル回転してると。

 

さて、オレもその時は動揺しててさ適当に話してその場から退散。その後プリッキャーの映画を見るための準備をしたんだけど、白鳥が変態であるということをキサラちゃんに伝えようか悩んだ末、白鳥自身に任せるコトにしたんだわ。きっとアイツなら折り合いが着けられるだろうし、なんかオレのこと避けてるし。それにこの更衣室の出来事はオレも蒸し返したく無い。初めてだぞ、横目でも見えない位小さいチ○コってさ。

 

 

 

まぁ白鳥の事はアイツ自身に任せるということで、当面の問題は白浜ケンイチをどうやって誘い出すかだよな。友達でも誘拐して誘い出すかな。そこら辺を武田と詰めて実行するか。よし、その方向で行こう。取り敢えず今日は夕飯買って帰ろう。ん?プリッキャーのオープニングが聞こえる。あ、オレの携帯電話か。

 

 

「はい、もしもし。」

 

 

なんだよ!ラグナロクのメガネ野郎からの電話だよくそったれ!こいつは最近ちょくちょく電話やらメールやらで連絡して来ては、やれクーデターが起きるだのコッチの陣営に来いだの幹部待遇だのと五月蝿くしつこい。適当に相槌を打ってはぐらかす。相手は腐っても拳豪様だからな。失礼な物言いは避けるに限る。いつもの一通りの会話が終わったので通話終了だ。

 

 

「さて、今日は刺身で良いかな?」

 

 

そう独り言を言いながら携帯電話をしまうと、路地裏に進む人影を見た。同じアパートに住むカズフサさんだ。ちなみに彼は三十路でオタクでロリコンだ。さらに同居人のラブやんさんのせいでオレの母親は同族のロリコンと再婚していたりする。母親が幸せなら良いんだが、最近義父がウザい。年頃ならこういうのも必要だろう?と言ってエロ本を渡して来る。その全てがロリなのだ。

と、そんなことよりカズフサさんが何処かに行く。なんか怪しい。きっと幼女によからぬコトをしようとしているのだろう。追いかけてみよう。

 

 

「ハァ、ハァ、お嬢さん、お名前は?」

 

「?白浜ほのかだじょ!」

 

「ほ、ほのかちゃんは今どんなパンツ履いてるんだい?」

 

「んー?普通の白だけど、なんでそんなコト聞くんだじょ?」

 

「ぐぅっはぁーっ!」

 

 

遅かった。やらかしやがったよこの性犯罪者。いっそのこと埋めるか?何か自分で質問して悶えてるカズフサさんをどうしようかと考えていると、幼女が何処かに行ってしまった。まぁ大丈夫だろう。とにかく今はコイツを……

 

 

「天誅ーぅっ!」

 

「なっなんだよ!このガキ!」

 

 

ん?路地の先から喧騒が聞こえる。しかもさっきの幼女の声もだ。なんだ?行ってみるか。

小走りに行くとビックリ、なんとあの幼女カツアゲの現場に突貫してやがる。あ!しかも殴られそうだしカツアゲされてた方は逃げてるし、やべぇ、助けるか。

 

 

「待ちたまえ君たち!」

 

 

うおっ!いつの間にか復活したカズフサさんが不良に向かって啖呵切ってる!

 

 

「ホットなミルクを気持ち良く出す機会をくれたほのかちゃんを叩こうとするとは恥を知れっ!」

 

 

アンタも恥を知れっ!ホットなミルクって何事だよっ!しかももう袋叩きにされてるし!ん?なんか雄叫び?みたいのが聞こえるぞ?

 

 

「アーパパパパパーッ!ほーのかー迎えに来たよ〜!」

 

「あっ!アパチャイッ!」

 

 

褐色の巨人襲来!ビルから飛び降りて来たと思ったら、うわっ、マジか〜。あの幼女?ほのかちゃんが見上げた一瞬で不良達を瞬殺だ。たぶんほのかちゃんは強い風が吹いたなくらいにしか感じてないんじゃ無いか?

 

 

「お兄ちゃんは?」

 

「ケンイチは今逆鬼と特訓よ〜!」

 

 

ん?ほのかちゃん→白浜ほのか。お兄ちゃん→ケンイチ。白浜ほのか→白浜ケンイチ。あ、白浜ケンイチの妹さんか〜。おおーすげぇな、あのアパチャイとかいう人。ほのかちゃん背負って飛んで行ったわ。ヤベェわ。白浜の妹に手を出すとマスタークラスが文字通り飛んでくると。

よし、白浜の家族には手を出さないようにしないとな。

 

さて、カズフサさん拾って帰るか。

 

 

 

ラブやんさんに何があったか説明して引き渡しました。

 

 

 

 

 

 

 

 




つまんなかったらキチンと言ってね。

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