夏休みが終わり一月半が過ぎた。ラグナレクはその規模を拡大させておりでっかくなって来た。その為か構成員に強さを見せなくてはならないという方針の元、ラグナレクの中でトーナメントみたいのが開催される運びに。ぶっちゃけるとどうでも良いイベントだけど出なきシャーない。気は乗らないけど馬のオッさんから習った技を使うのにちょうど良いか。
ヤル気の無いままアジトに行くと結構盛り上がっている。しっかし街の喧嘩屋といった風情の奴等しかいない。やっぱ帰るかな。と思ったら声を掛けられた。なんと相手は第一拳豪だ。言うには、何でもどれくらいの強さの奴が来て居るかを見に来たが期待外れなので、エキシビションマッチということで参加希望者VS宇喜田孝造をやりたいとのこと。断る理由も無いし、教わった技は対多人数にちょうど良いので了解した。
さ・て・と、来ました揃いました。向こう見ずが三十六人。これくらいの人数だったら何度も潰して来てるので緊張はしてない。しかし奴等のヤル気スイッチが第一拳豪の、宇喜田に勝ったら拳豪入りを認める発言でリミッターを振り切ってONされている。まーコッチもその方がやり易いからいっか。
始めの合図で何人かが一斉に殴り掛かってくる。カウンターで決めますか!
「
無数の拳打が四、五人を纏めて飛ばす。無論他の奴等にも続けて拳のラッシュを浴びせて行く。
「オォーラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオォラアっ!」
気分はスタープラチナかザ・ワールドか。馬のオッさんに教わった翻子拳の技は自分にピッタリだ。ザコを一斉していると、拳の範囲から逃れるのが何人かいて結局五人が残った。ソイツらは一様に攻めあぐねて居るようで掛かってこない。イラつくので一気に決めようと新しい必殺技を発動する。自分の中にある青い色の静かなやつと、赤い色をした激しいやつを内に留めたまま爆発させるイメージ。この時のコツは赤を外、青を内側にすること。原作知識にある静動轟一と違うのは気を発動させずに暴走させる所にある。名付けて
「
一気にゾーンに入り込み、スローに動く手前二人をソー◯ン節のリズムに乗りながら殴っていく。第五拳豪に習ったリズムに乗りながら闘うやり方だ。嵐の様な拳打で残りも沈めようとしていると、一人を盾に二人が突っ込んで来た。ナイスな判断だが、この技は外側が嵐の様な激しさなら内側はまるで凪いだかの様な静かさで敵を撃つのだ。一人を生贄に拳域を突破して来た二人にはプリッキャーOPのリズムに乗りながら拳打を浴びせて、
「
馬のオッさんからのアドバイスを受けてついに完成したこの技をトドメに使う。今までは内勁が足りないために吹き飛ばしていたが、今ではしっかり内も外もダメージを与える一撃と化した上、左右両手で撃つことも可能となった。少々思ったよりダメージを与えているが双気騒嵐のせいだろう。両手にグッタリしたザコをポイっと投げ捨てて双気騒嵐を解く。瞬間身体の至る所に痛みが奔り、関節が悲鳴を上げるが耐えられない程では無い。やっぱり静と動の両方を使うのは時間制限があるらしい。
エキシビションマッチの後片付けをぼんやり眺めていたら白いフードを着たマッチョなオッさんに声を掛けられた。何でも良い技を見せてくれてありがとうとのこと。お礼に各種身体の鍛え方と緒方流、打突寸破という技を教えてくれた。今日の収穫としては中々のものだ。そのまま白フードのオッさんは去って行き、オレは痛む身体を引きずりながら家路に着く。明日はプリッキャーの声優さん達の公開ラジオ収録があるのだ。何としても行かねばなるまい。
拳聖さんちょびっと登場。