黒い銃弾とは何だったのか   作:黄金馬鹿

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Q:大したネタもないのに何故やった?

A:キノコ食った頭のおかしくなった夏世を書きたかったから

Q:なんでドラマCDを殆ど基準にしてない?

A:蓮太郎をドラマCD通りにすると東京エリアが滅びるから。ってか、他のキャラの頭のおかしくなった様子も他の物に書き換えたかったから蓮太郎も変えた

Q:ぶっちゃけると見せられない程だろこれ

A:うんっ!!そりゃあもう!!正直これ投稿するか迷った

ってな訳で更新です。この話は途中までドラマCDを元に書いてるのでまだドラマCDを聞いたことがなく、ネタバレをしたくない方は回れ右をして次の話の更新を待った方がいいと思います


フィフティーンパンチ

ぐつぐつと煮えたぎる鍋。そこに浮かぶのは肉、野菜、キノコ等。

そしてまだかまだかと箸を構えてじっと待つのは天童民間警備会社の女性四人組。そしてせっせと鍋の様子を見る蓮太郎。

「……うし、そろそろか。食っていいぞ~。」

蓮太郎の合図とともに肉が高速で鍋の中から四つ消える。

早速肉かよ……と苦笑いする蓮太郎を他所に次々と鍋の中の具材を口の中に突っ込んでいくのは主に木更。

木更には負けるがいいペースで食べるのは延珠。そしてゆっくりだが肉しか食わないのが夏世で最初は肉だったが後からちゃんとバランス良く食べるのはティナ。

「今のうちに!栄養を!とっておかないと!」

「うむ、やはり蓮太郎のご飯は美味しいな!」

「肉うめぇ。」

「美味しいです。」

「俺まだ食えてねぇ……」

もっさもっさと五人で鍋を食い終わり、締めの雑炊も食べ終わった。

「ふぅ……妾は満足だ!」

「あ~……また暫くはご飯抜きで生きていける……」

「いや、抜くなよ……」

「肉最高。」

「バランス良く食べましょうよ……」

「一応キノコも食べましたよ。」

「一応って……」

「そういえば、あのキノコはなんだったのだ?見たことなかったぞ。」

延珠の一言に五人の間の空気が凍り付く。そういえば、入っていた。キノコが。

「……えぇ、すっごく毒々しい紫色のが入ってましたよね……」

確か合計七つ。丸ごとポンッと入っていた。凄い存在感を放っていた。

「……毒キノコ……みたいよね。あれって……」

木更の言葉に再び五人が凍り付く。が、無いな、無いだろ、無いでしょう、無いですね。と否定の声。

「な、なぁ、今回の鍋は皆で具材を持ち寄ったんだろ?あの紫のキノコは誰が持ってきたんだ?」

四人全員がブンブンブンと首を横に振るう。

つまり、誰もあのキノコを持ってきていない……いやいやいや、そんな訳無かろう。歩くキノコなんてある筈ないの……ない……

「……人外がいるからもしかしたら……」 「ね、え、よ!!」

バンバンバンと机を叩く。机が悲鳴を上げる。

人外はいるが歩くキノコなんている筈がない。つまり、キノコは誰かが持ってきたと言う事だ。

「いや、もしかしたら里見さんが持ってきたのでは……」

「ですよね……蓮太郎さんが持ってきたのなら疑われる事なんてないですし……」

「な、なんだよ、俺は代表して肉買ってきてやったんだぞ!!」

段々と空気がギスギスしてくる。それと同時に胃が痛くなってくる木更、延珠、ティナ。

「わ、わかった!犯人探しはもうやめだ!なんにも起こる気配ないしな!!」

「そ、そうよ!」

「か、考え過ぎですね!!」

「はいフラグ一丁。ってな訳でこの場で私の他に喋っていない延珠さんにフラグ成立でーす。」

「何言ってんだよ夏……」

「───どうせ妾がいたって何の役にもたたないのだ……」

『!?』

「はいフラグ成立。」

突如延珠が豹変。目のハイライトが消えて目が死んでグデーッと地面で寝ている。

「ど、どうしたんだよ延珠。お前らしくないな。」

「あの時も妾が血を吐いて胃潰瘍になって……もう足を引っ張ってしかないのだ……欝だ死のう。」

『わぁぁ!?待て待て待て!!』

延珠が何処からかロープを取り出して天井にくくり、輪を作ってそこに頭を通す。と、そこで木更が斬撃を飛ばしてロープを切り、蓮太郎が延珠をキャッチ、夏世とティナが簀巻きにした。

特に延珠は何もせず、地面に簀巻きにされたままピクリとも動いていない。

「……延珠ちゃんに欝の予兆は?」

『ある訳無い。』

蓮太郎、夏世、ティナが手を横にブンブン振るう。

「と、とりあえず……俺達はキツイ判断をしなきゃならないと思う。」

「えぇ……これは明らかに異常だものね……」

蓮太郎は携帯電話をゆっくりと取り出し、ある番号に電話をかけた。

数分後、延珠はパーポーパーポーという独特な音を鳴らす赤い十字が書かれた白い車に乗せられていった。

「……なんで延珠ちゃんがあんな事になったのか考えましょ……」

「キノコだろ。」

「キノコです。」

「乗るしかない、このビッグウェーブに。ってな訳でキノコでしょう。」

「適当ね……」

だが、満場一致でキノコという結果になった。

「……そういえば夏世、さっきキノコ食ったって……」

「んなわけないでしょう!!」

「その必死さが物語ってるわボケ!!」

ギャーギャーと言い合う夏世と蓮太郎。そしてそれを呆れて見つめる木更。

だが、気付かない。ティナが横で奇行に走っている事を。

「……ねぇ、蓮太郎さん……」

「ん?なんだ、ティナ…………ティナ?」

「炎って素敵ですよね……真っ赤で、何でも燃やして……綺麗で……」

「お、おい、ティナ?」

そういえば、何か変な臭いがする。

ティナの横にはサラダ油の入っていたであろうボトル。中身はない。

そしてティナの足元は何かで濡れている。そして、ティナ手にはマッチ。

「ここの事務所、燃えたら綺麗だって思いませんか?」

ティナの目は虚ろで何処か遠くを見てるような気がする。

何かヤバイ。それを察する。

「思いませんか?私は思うんですよ。だから、」

シュッとマッチを擦って火を付けるティナ。

「燃やしちゃいましょうか☆」

「ウォォォォォォォ!!?」

ティナが地面の水のようなものに向かって火のついたマッチを投げる。これが何かなんてティナの周りを見ればわかる。油だ。

蓮太郎はマッチが落ちる寸前にマッチをキャッチ。そのまま油で滑って外に向かってストライク。

「ォォォォォォォああああああああぁぁぁぁぁぁ……」

ガッシャーンっ!!と窓を割りすっ飛んで行く蓮太郎。

ティナがそんな蓮太郎に気を取られているうちに木更が全力でティナに接近しマッチを奪ってそのまま油で滑って壁に顔から激突。さらに夏世がティナを羽交い締めにし、夏世が足を滑らせ、わたわたと暴れているうちにティナの頭を横から抑えてそのまま一緒に滑る。ティナの側頭部が机の角にダンクのように叩きつけられ、夏世がその上から頭突き。

「いっつ……」

額を抑えながらなんとか立ち上がる夏世。真下を見ると白目を向いて気絶しているティナ。

「……証拠隠め……」

「死んでないから!ティナちゃん生きしてるからね!」

ティナを麻袋に入れて証拠隠滅しようとした夏世を押さえ付けようとした木更が誤って夏世の頭を机の角にダンク。

「あっ……」

「いっだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

とても女の子が出すような悲鳴じゃない悲鳴をあげてゴロゴロ転がる夏世。もう油まみれで滅茶苦茶だよ。みんなヌルヌルしてるよ。テカテカしてるよ。

「何するんですかおっぱい星人!!」

「い、今のは全体的にごめんなさい。」

「人の頭をダンクするって殺す気で……うっ……」

額を抑えながら抗議していた夏世だが、突然バタン。と受け身を取らずに倒れた。

「えっ……?」

いきなりの事に疑問の声が出る。

「だ、大丈夫?夏世ちゃ……」

「雑種如きが(わたし)に話しかけるでない。」

「ふぁ!?」

声をかけたらなんかドスの効いた声で拒否され、しかも口調も違って困惑する木更。

「か、夏世ちゃん?一体何が……」

木更が夏世の肩に手を置こうとする。が、手を払われる。

「立場をわきまえろ雑種。貴様のような手で我に触れるでない。万死に値するぞ。」

「か、夏世ちゃんも頭が可笑しく……」

「可笑しい?我がか?貴様、我に向かってそのような言葉を吐くとは死にたいようだな。」

「……でも何でだろう、いつもとキャラあんまり変わってない気が……」

「ふん、先程の言葉は不問にしてやる。おい雑種。我をもてな……」

豹変した夏世が歩いた瞬間、足を油に取られて転倒。顔面からいった。鼻血が出ている。

「な、なんだこれはァァァァッ!」

「油よ。」

「くっ、たかが油如きが我の足を取るとは……もういい!床ごと破壊してくれよう!王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)!!」

何か技名のようなものを叫んだ夏世だが、勿論そんな武器が沢山飛んできそうな技が発動するわけもなく。

「……なに!?何故何も発動しない!!」

「……ごめん里見くん。私には手に負えない……」

木更はゆっくりと電話に手をかけ、番号をプッシュする。

そして数分後。

「えぇい!そこの雑種!早く我をもてなさ……なんだ貴様ら!くっ、触るでない雑種!!離せ!離さんか!!HA☆NA☆SE!!」

ティナと夏世は救急車で延珠と同じく病院送りにされました。

「……ねぇ、これ完全にあのキノコのせいよね……」

「十中八九そうだろ……」

疲れた表情の木更とさっき戻ってきたばかりの蓮太郎。

「……なぁ、木更さん。」

「……なによ。」

「実はさ……見ちまってたんだよ……木更さんが悪い顔してキノコを鍋にぶち込んでるの……」

「……」

「しかもさ、それ、俺も食っちまってんだよ……」

「はぁ!?里見くんがあれ食って豹変したら世界が滅ぶわよ!?」

突然のカミングアウト。だが、これは大体木更のせいである。

「……どうしよう。」

「せ、先生ならなんとかしてくれるわ!だってあれ先生の研究室から持ってきたやつだから!!」

「さらっとあんたはなんてどエラいところから持ってきてんだよ馬鹿か!あの人ゲロッグ錬成して平気で食う人だぞ!!」

「何それ初耳よ!?」

「聞かれなかったからな!!」

なんかテンションがハイになって叫び続ける蓮太郎と木更。

ギャーギャー言い合っていると電話が菫と繋がる。

『やぁ木更。君からかけてくるとは珍しいね。今日も研究室に来てたが、何か用かい?』

「それが……」

木更は延珠とティナと夏世が鍋を食った時を境にまるで頭が可笑しくなったかのような言動や行動をとったのを話した。

そして、そのキノコは紫色で毒々しかったのを話した。

『ふむ、それはあたまがおかしくなる茸だな。』

「あたまがおかしくなるだけ?」

『いいや、あたまがおかしくなる茸だ。』

木更の頭が痛くなった。

『あれは症状が出てから一時間以内に解毒薬を打ち込まないと一生頭が可笑しくなったままになるという毒を持った珍種でね。』

「……それを里見くんが食べちゃっ」

『早く延珠ちゃん達の搬送された勾田病院に連れて来い頭がおかしくなったら世界が崩壊しかねんぞ!!』

ブチンッ!!と電話の切れる音。その前にドッタンバッタンと慌ただしい音が聞こえた事から本当にマズイ状況らしい。

確かに、頭が可笑しくなって中二病的な行動を起こしたら東京エリアの壊滅どころか日本、世界が崩壊しかねん。

「里見くん、まだ正気!?」

「ん?あぁ。なんか頭がボーッとするけどな……」

「早く病院行くわよ!!」

「別にいいんじゃね?だって面倒だし……」

あれ?何か変だ。と木更は異変に気付く。

蓮太郎はこんなにめんどくさがりではなかった筈。

いや、その前に正気でない人間に正気かと聞いたところで正気じゃないと答える馬鹿はいないだろう。

つまり、蓮太郎は……

「残り一時間!ええい、とっとと行くわよ!!」

「面倒だぜ木更さん……ここは一度昼寝して……」

ブチン。と木更の中の何かが切れた。

気付いた時には漫画やアニメでよく見る豚を丸焼きする時のように雪影に蓮太郎の手足を縄で括り付けていた。

仕方ないのでこのままえっさほいさと病院に連れていくことにした。

「周りの目が痛いわ……」

ひそひそと近所の人から何か言われてるが気にしない気にしないと自分に言い聞かせて走る。

「キャー!ガストレアよー!」

「邪魔!里見くんハンマー!!」

なんか途中ガストレアが居た気がするが、蓮太郎を武器にしてガストレアを撲殺。すぐに病院にたどり着いた。

「やぁ、やっと来たね、菫……ってなんだいそのモザイクがかかっても可笑しくない肉塊は。」

菫が指をさす所には赤黒くてグチャグチャしたものの塊が。

「え?なんのこ……きゃあキモイ!!」

雪影を壁にぶん投げる。赤黒くてグチャグチャした肉塊は壁にぶち当たり、弾け、中から蓮太郎が出てきた。

「何をしたんだ一体。」

「里見くんでガストレアを撲殺した気がする。」

「彼はハンマーではないぞ。」

菫は懐から注射器を取り出し、蓮太郎の額に逆手でぶっ刺して中の液体を注入した。蓮太郎は気絶した。

「これで大丈夫だ。」

「思いっきり逆手でぶっ刺してましたけどそれは。」

「彼の腕に注射針が通るとでも?」

「逆になんで額ならぶっ刺さるのよ。」

「さぁ?補正だろ。」

「なんのよ……」

暫くしてから蓮太郎が目を覚ました。

「……え?どこだここ?って何で俺縛られてんだ?ってか血なまぐさっ!?って横に何かの肉塊!?」

「君、ここは病院だ。」

「え?先生?何で病院にいるんだ?」

「それでは私が引きこもりみたいじゃないか。」

「実際そうだろ。」

「うるさい黙れ生きたまま解剖するぞ!!」

「やれるもんならな!!」

「ぐっ……」

勿論蓮太郎の体にメスは入らないし高水圧のウォーターカッターだってシャワー程度にしかならないだろう。

「ってキノコ!あれどうなったんだ!?」

「里見くんの胃の中でさっき解毒薬を注入したのよ。」

「なんだ、ならよかっ……」

「れ~んたろ~!!」

突如蓮太郎に真横から突進し蓮太郎と共に病院の外にすっ飛んで行く赤い影。

「あ、延珠ちゃんも元に戻ったのね。」

「毒キノコを三個も食ったせいで胃がさらに悪くなったがな。」

「……ほんとごめん、延珠ちゃん。」

「彼女ももう三回も吐血して胃潰瘍になってここに運ばれているんだ。いい加減休ませてやれ……」

「でも……あの子、どれだけ里見くんと離そうとしても親鳥についてく雛みたいに里見くんの後ろをついていくのよ……」

「……せめてこの先幸せになってほしいな……」

「健気過ぎて泣けてくるわ……」

「いやほんともう……彼がロリコンにしてもいいから彼女を幸せにしてやってくれ。じゃないと報われん……」

「分かってるわよ……」

木更よりも胃が悪化してる延珠に二人とも涙を流す。

病院の外でロープを引きちぎった蓮太郎と戯れている延珠を見て木更と菫は再び涙を流した。

彼女がやさぐれてしまう日も近いかもしれない。




お願いですから感想で何時もより出来低いとかつまらないとか言わないでください次からちゃんとした話に戻りますのでお願いします

ついでに豹変まとめ

延珠:元気っ子→鬱

ティナ:真面目な子→放火魔。と、言うかファイヤージャンキー

夏世:腹黒ドSの愉悦大好きロリ→AUOが憑依。夏世の精神はどっか遠いところに

蓮太郎:キビキビ働く主夫→なまけもの




夏世「な、なんか金ピカの変な男の人に憑依して黄金の剣持った女の人にビーム撃たれる夢を見ていた気がする……」
ティナ「えっ、何それ怖い。」

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