遂に最終話です!
遂に来ました......長かった。
では、本編!
あらすじ
秦羅は心の余裕ができて笑えるようになった。
秦:「桜花......見ててくれ」
決戦が終わり、皆がそれぞれの道を歩んでるなか、1人の少年が未だに姿を見せていない。
その少年とは、異変の黒幕、輝月を霊夢共に打ち倒した、神代翔聖である。
彼は、破壊の矢を破壊するために崩れていく塔に1人残ったのだった。
少なくとも、霊夢は心の傷を負ったに違いない。
〜博麗神社〜
魔:「なぁ、霊夢」
魔理沙は霊夢を元気づけるために博麗神社に来ていた。
霊:「なによ、魔理沙」
魔:「何って......お前を元気づけにきたんだ」
魔理沙......いや、皆の予想とは裏腹に霊夢は悲しみの表情をしていなかった。
魔:「お前......結構元気だな。てっきり決戦時の時のようにかと思ってたぜ」
〜決戦時〜
魔:「と、塔が......」
妖:「崩れていく......」
霊夢達は、最上階から巨大な光が放たれると同時に崩れていく塔を見ていた。
恐らく、皆の予想ならばここで翔聖が「ふぅ......死ぬかと思ったよ」と笑いながら出てくると思っていた。
だが、翔聖の姿は出てこない。
霊:「......翔聖......」
霊夢は崩れ終わった塔に近づく。翔聖の名前を呟きながら。
輝:「近づかない方がいいです。何があるか分からないのですから」
紫:「ええ、彼女の意見にこれだけは賛成するわ。破壊の矢が完璧に破壊されたとは限らないのだから」
輝月と紫の言葉が霊夢の頭に来たのか
霊:「元はといえばあんたが、こんな事をしなきゃ良かったのよ!!」
霊夢は輝月の胸ぐらを掴む。それほど翔聖が心配なのだ。
輝:「私に八つ当たりされても翔聖は来ませんよ? それに泣いても彼は来ません」
霊:「あんたって奴は......!」
霊夢は輝月の言葉にワナワナと体を震わす。冷静を失っているのだ。
しかし、ミレイの一言により冷静になる。
ミ:「翔聖君を信じないの?約束は守るって言ったんでしょ? 翔聖君は約束を破るような人じゃないよ」
霊:「......そうね」
しかし、冷静にはなっても涙は流れ続けた。
〜そして、今に至る〜
霊:「ああ......あったわね」
魔:「もう立ち直ったのか?」
魔理沙の言葉に霊夢は無言で首を横に振る。まだ、立ち直ってはないようだ。
魔:「だよな......でも、どうしてそんなに和やかなんだ?いくら日にちが経ったからってそんなに和やかにはならないと思うぞ?」
霊:「確かにそうかもしれないわね。でも、いつまでも悲しそうな顔なんてしてたら、翔聖が帰ってきた時に心配されるしょ? えっ!?大丈夫!?ってね」
魔理沙は思わず翔聖のモノマネを見て吹き出してしまう。
別にモノマネが面白い訳ではない。霊夢が翔聖のモノマネをしたのに吹き出したのだ。
魔:「わ、悪い......悪気はないんだ」
吹き出さした魔理沙を見て霊夢はものすごい形相で見ていたので魔理沙は謝罪をする。
霊:「全く......」
霊夢は吹き出している魔理沙をよそに外に出ようとする。
魔:「霊夢......また行くのか?」
霊:「ええ、行くわ。だって彼との約束の地だもの」
霊夢はそのまま飛んでいく。
霊夢と言う「約束の地」とは2年前にて2人が離ればなれになった時にここで再会しようと誓った場所である。
そして、1人残された魔理沙は
魔:(霊夢......私は知ってるんだ。お前は1人だったりする時に悲しそうな顔をするのを)
魔理沙は先程すれ違った時に悲しそうな表情だったのを確認していた。
その事から、霊夢は人前で気丈に振舞うが1人になると思いを開放すると確信した。
魔:(なぁ、親友(翔聖)......なんでお前はこんな方法しか選択しないんだ? もっといい方法があっただろうに)
魔理沙は親友である翔聖に語りかける。
〜約束の地〜
霊:「......今日もいない......」
霊夢はその場所に降り立つと誰をいないことを確認すると崖付近に座る。
霊:(また、まただ。やっぱり私は、1人がお似合いなのかも。こんなにこの場所に来ると落ち着くんだもの)
過去に霊夢はこの場所が落ち着くと語っていた。翔聖が来る前のいつも1人だった時に。
霊:(でも、怖い......怖いよ。翔聖......早く帰ってきて!)
霊夢は泣きながら翔聖の帰りを思った。
〜数十分後〜
霊:「ん......?」
霊夢は目を覚ました。どうやら泣き疲れて寝ていたようだ。
もう、太陽が沈みそうな時間帯だった。
霊:「あ、そろそろ帰らないと。ご飯の支度しないと」
ご飯の支度もそうだが、いくら霊夢でも妖怪の奇襲には対応できない。
だからそこ、暗くなる前に帰りたいのだ。
霊:「......翔聖......」
霊夢が呟き立とうとすると、背後から何者かが歩いてくるのを感じ取った。
木々がガサガサと揺れているのも理由の1つだ。
霊夢は身構える。
すると
?:「やっと見つけた」
そこには、綺麗な黒い髪に優しい青い瞳で、青い刀身の刀を持った、1人の少年が立っていた。
霊:「あなたは......
翔聖......」
翔:「そうだよ。遅くなってごめん。霊夢」
やはり、翔聖であった。間違えるはずがない。
翔聖の持っている刀が聖月であるのと、ずっと一緒にいたのだ。間違える方がおかしい。
霊:「翔聖......翔聖!」
翔:「うわっ!」
霊夢は翔聖に抱きつく。
霊:「心配したのよ! 馬鹿馬鹿馬鹿!」
翔:「あはは......ごめんごめん」
翔聖は微笑みながら涙を流す霊夢を撫でる。
霊:「でも、どうして? どうして翔聖は生還できたの?」
霊夢は翔聖を信じてはいたが、どうして生還出来たのか不思議だった。
霊夢はあの後、塔の跡地に行ってみたが翔聖らしき遺体すら無かったのだ。
翔:「僕もよく分かんないんだよ。覚えてるのは塔が崩壊しかけた瞬間に何かが僕を包んだんだよ。そして、気がついたら妖怪の山にいたんだ」
霊:「そう......でも、よかった」
翔:「うん!」
霊:「ところで翔聖」
翔:「?」
翔聖はどうしても聞きたいことがあった。それは......
霊:「どうしてここにいるってわかったの?」
どうして自分がここにいるのかを聞いた。
普通なら、博麗神社にいると思うはずだが、翔聖はここにきた。
翔:「当たり前だよ。だって、約束したじゃん?僕達が離ればなれになったらここに来ようって」
翔聖は2年前の約束を覚えていたのだ。
だから、ここに来た。
霊:「覚えててくれたのね」
翔:「霊夢との約束だしね」
翔聖の言葉に霊夢は頬を紅くした。
一方の翔聖はなに食わぬ顔であった。
やはり、鈍感翔聖と言ったところか。
霊:「まぁ、行きましょ。私達の家に!」(正確には神社だけどね)
翔:「うん、行こう!」
翔聖と霊夢は手を握り約束の地を去る。
2人は歩み続ける。どんな困難にぶつかっても。
何故なら隣には大切な人がいるから......
~東方翔霊録、完結~
どうでしたか?
遂に完結しました!
皆様の応援のおかげでございます!
そして、本編は終了致しましたが番外編を投稿していきます!
今までありがとうございました!