東方翔霊録~守りたい未来~   作:来翔

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どうも来翔です。
更新遅れて申し訳ないです!!
多少文がおかしいかもしれませんが暖かい目でご覧下さい。
では、本編


約束

あらすじ

翔聖と霊夢は『神依・極限状態』を発動させ、輝月を打ち倒した。

翔:「未来は!」

霊:「譲らないわ!」

 

輝:「......ハァハァ......」

 

あの攻撃を食らっても尚、輝月はよろけながら立ち上がる。

しかし、瞳には敵意はなかった......が、涙は溜めていた。

 

輝:「......麗奈......ごめんなさい......」

 

輝月は涙声で発言するとそのまま膝をついてしまう。

恐らく立つのが限界であったのと麗奈との誓いを守れなかった悲しさからだろう。

 

輝:「麗奈......見えないわ......。争いがない世界なんて......」

 

その後も輝月は麗奈に泣きながら謝罪をした。それほど麗奈は輝月にとって大切な存在だったのが理解できる。

そして、そんな様子の輝月を見た翔聖はというと......

 

翔:(そっか、麗奈って言う人が輝月さんが誓いを立てた人なんだ......。麗奈さん、ただ1人のために.....)

 

翔聖は脳裏を横切った少女が麗奈だと理解した。

そして、翔聖はゆっくりと輝月に近づく。

 

霊:「翔聖!近づくのは危険よ!」

秦:「そうだ!まだ、奴には裏があるかもしれないんだぞ!」

 

霊夢と秦羅が輝月に近寄ろうとする翔聖を止めようとするが、聞こえてるにも関わらず翔聖は輝月に近寄る。

 

対して、近寄られた輝月はというと止めを刺されると思い少し怯えた表情になる。

しかし、翔聖は

 

翔:「.....輝月さん」

 

優しく輝月に声をかけた。

まるで泣いてる子供を慰めるように。

 

輝:「翔聖......殺さないのですか?」

翔:「殺す?どうして?」

輝:「どうしてって......私が幻想郷に混乱に陥れたからですよ」

 

翔聖の問いかけに輝月は若干驚きながらも答える。

 

翔:「そうだけどさ、輝月さんって大切な人のためにやってたしね。自分の欲望のためじゃなくて、大切な人のためにね」

輝:(甘いわ......神代翔聖。でも、とても心地よ......い彼の言葉が。ふふふ......博麗霊夢が惚れたのも理解出来るわ)

 

輝月は心の中で翔聖について思っていると

 

翔:「だからさ、こんなやり方じゃなくて別のやり方で世界を変えていこうよ! 1人だと無理だけど、僕達が協力すればきっと出来るさ!」

 

翔聖は輝月に手を差し出す。

 

輝:「翔聖、なにを」

翔:「何をって手を差し出してるのさ」

輝:(それは分かってますが......)

 

輝月はそう思いつつも翔聖の手を取る。そして、どうして手を差し出した行為を問いかける。

 

輝:「どうして翔聖は手を差し出したのですか? 先程も言いましたがさっさと殺せばいいのに」

翔:「僕に誰を殺す事は出来ない......だって、僕は弱いから。それに僕が手を差し出したのは、輝月さんにはもっとこの世界を見て欲しいからのと、一緒に変えていきたいから、世界を」

 

翔聖の言葉を聞いた輝月は一瞬大きく目を見開いた。それほど翔聖の言葉は輝月の心に響いたのだ。

そして、輝月は次第にいつもの表情になり微笑む。

 

輝:「いいですよ。共に手を取り合って変えていきましょう」

 

翔聖はその言葉は待ってましたと言わんばかりな表情になる。

 

翔:「輝月さん......」

 

ここで2年間に及ぶ因縁が断ち切られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、ここである事が起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊:「じ、地震!?」

 

突如として揺れ始めたのだ。霊夢と紫は驚くが秦羅は逆に落ち着いていた。

 

秦:「地震じゃない、この塔だけが揺れているんだ」

霊:「なんですって!?」

 

秦羅は恐らく景色が揺れてないのを確認したから、そう判断したのだろう。

 

〜その頃、最上階に続く階段〜

 

魔:「うわっ!?地震か!?」

妖:「その様ですね.....上で何かあったのかも知れません」

 

最上階に続く階段でも魔理沙と妖夢は地震を感じていた。

 

魔:「妖夢!早く最上階に行くぞ!」

妖:「はい!」

 

妖夢と魔理沙は意気投合すると階段を上っていく。

 

〜またその頃、月神の塔外〜

 

神:「塔が揺れている......」

 

最上階を目指してない神楽達は塔の外に出ていた。

そして、塔だけが揺れているのを確認する。秦羅の予測は当たっていたのだ。

 

ヒ:「一体何が......」

 

ヒカルが考えていると

 

魁:「まさか......」

 

魁人は心当たりがあった。そして、メアリも心当たりがあるような表情をしたので何かあるのだろう。

 

ミ:(秦羅君......皆、無事でいてね)

 

ミレイは大切な人達の無事を祈った

 

〜そして、最上階〜

 

輝:「くっ......破壊の矢か!」

 

輝月の破壊の矢の発言に一同は輝月を見やる。

 

紫:「まさか......破壊の矢って」

輝:「ええ、そうです。2年前に使用したあの球体です」

 

輝月の言う破壊の矢とは2年前に迷いの竹林の決戦時に出現した黒い球体の事である。

全盛期の秦羅によって大破されてから全く姿を見せてなかったが、輝月が裏で直していたのだ。

 

紫:「どうなるの?まさか、発動とかないわよね?」

 

紫は心配そうな声を出すが、そんな心配はいらなかった。

 

輝:「その心配はないです。私の計画では、翔聖を打ち倒した後に破壊の矢を放ち、創生の能力を持つ月詠を発動する計画でした」

 

発動する心配はないらしい。

だが、ここで月詠には創生する能力がある事が告げられた。

翔聖が勝って良かったとここにいる、輝月を除く誰もが思った。

 

秦:「しかし、この揺れはなんだ?」

 

発動しないのならどうして揺れが生じるのか、秦羅はそう思い問いかける。

 

輝:「恐らく......発動はしませんが、出現はするでしょう。そうなったら何者かに使用されてしまうかも知れません」

翔:「......使用されるなんて」

 

輝月の言葉により皆の雰囲気が暗くなるなか、秦羅が

 

秦:「暗くなってる暇はない。輝月、それを防ぐ方法はないのか?」

 

秦羅がこれから起きる悲劇を避けるために何をすべきか、それを輝月に問いかける。少しでも解決させたいのだろう。

 

輝:「方法は1つです」

翔:「その方法は!?」

 

翔聖はその方法に賭けてみる。例え無駄足でも構わない、幻想郷を救えるのならば。

 

輝:「それは、この階の中心から破壊の矢を覆っている結界を超える威力の攻撃を放つこと。上回る威力ならば結界ごと破壊の矢を破壊出来ます」

 

翔聖達には心当たりがあった。それは2年前に破壊まではいかないが秦羅が『ルナティックセイバー』で大破させている。

この事から『ルナティックセイバー』で大破なのならばそれを上回る威力のスペルを放てばいい。

しかし、現在においてそれを上回る威力のスペルはない。

翔聖の『ホーリーアルファランス』でさえも『ルナティックセイバー』と同威力なのだ。

神依が極限突破すれば話は別だが。

 

だが、これ以外にも心配はあった。

 

秦:「上回る威力か......!?」

 

突如として柱が崩れだしたのだ。

そう、塔が徐々に崩れ始めているのだ。

 

翔:「く、崩れてきてるの!?」

霊:「多分......。ん?待って......破壊の矢を破壊するためにスペルを放つ人は、この崩れ始めている塔に残らないといけないの?」

 

霊夢の言葉に輝月は静かに頷く。

 

秦:「くっ......誰が残る? 」

紫:「霊夢はダメね。彼女がここで死んでしまったら博麗の巫女がいなくなるわ」

 

皆が悩んでるなか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔:「僕が残る」

 

なんと翔聖が名乗り出た。

 

秦:「翔聖!?分かってるのか!? もし、ここでお前が死んだら霊夢は!」

翔:「うん、分かってるよ」

 

ここで翔聖が死んだら、霊夢は再び

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

独りぼっちになってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊:「翔聖!いやよ!」

輝:「そうです。元はといえば原因は私です!私が残るべきです!」

翔:「言ったよね。輝月さんには世界を見て欲しいって」

 

翔聖の言葉に輝月は言葉を失う。

そして、翔聖は中心を目指し歩んでいく。

 

秦:「翔聖!本当に理解しているのか!」

 

秦羅はなんとかして翔聖を止めようとするが

 

翔:「......」

秦:「......!」

 

振り向きざまに放った覇気により秦羅は背筋を凍らせる。

更に、追撃をかけるように

 

翔:「この行動は僕の意志によるものだ。君に何かを言われる筋合いはない」

 

覇気の籠った言葉を投げかける。

 

秦:「そうか......」

 

秦羅は言葉を失い、ただ翔聖の言葉に従うしかなかった。

 

霊:「秦羅まで......。ねぇ、紫。破壊した瞬間にスキマで翔聖を救えないかしら」

 

霊夢はやはり心配なようだ。確かにスキマを使えば翔聖を救い出すことは出来る......が

 

紫:「それは無理ね。恐らく彼は神依を発動するでしょう。そうしたら闇の象徴とされる妖怪である私は触れることは出来ないわ」

 

神依は妖怪を初めとする邪な者には触れることが出来ないようだ。

 

霊:「そん......な」

紫:「悪いけど......これが現実よ」

 

霊夢は紫の言葉により落胆の表情を見せる。

それを見た翔聖は、何かを思った表情になったが直ぐ様前を向き、何かを呟く。

 

翔:「神よ......我が身に宿れ......。神依!!!」

 

その時、翔聖の背中に光輪が出現する。

そして、紫は翔聖に近づく。

 

紫:「皆、早く逃げなさい。皆が脱出したのを確認したら翔聖に知らせるから」

 

皆が頷くなか、ある1人の人物は翔聖達に近づく。

その人物は

 

霊:「翔聖......」

 

霊夢であった。

 

翔:「霊夢......ってわっ!」

 

霊夢は翔聖に近づくなり抱きつく。涙を流しつつ。

 

霊:「今度は......今度こそはちゃんと帰ってきなさいよ。約束よ」

翔:「うん、約束する」

 

翔聖は霊夢と約束を誓うと、誓いのキスをした。

 

翔:「さぁ、行って」

 

霊夢は頷くと秦羅達と一緒に下の階に向かう。

 

〜そして、下の階〜

 

妖:「!?皆さん!」

 

下の方から妖夢と魔理沙が上ってきた。

 

魔:「どうして......って輝月!?」

妖:「どうして輝月さんが!?」

 

妖夢と魔理沙はやはり驚いた。

 

秦:「説明してる暇はない!今すぐ脱出するんだ!」

 

確かにここで立ち止まっていては意味がない。

秦羅の言葉に頷くと階段を下っていく。

 

霊:(翔聖......)

 

〜そして〜

 

翔:「......」

紫:「霊夢達が外へ出たわ」

翔:「そっか......じゃあ、紫さんは霊夢達の元へ」

紫:「ええ、分かったわ」(必ず戻ってきなさい)

 

紫はスキマに入っていく。

翔聖はそれを確認すると中心部に剣を突き刺す。

 

翔:「聖夢剣......今一度、力を貸してくれ!!!」

 

聖夢剣の刃が煌めく。

 

翔:「いくぞ、『ホーリーアルファランス』!!」

 

突き刺された刀身から下にあると思われる破壊の矢に直撃した。

直撃した瞬間にレーザーを通して翔聖の身体にビシビシと何かを感じる。

 

翔:(っ......すごいな。ホーリーアルファランスでギリギリかよ......。でも......)

 

翔聖は更に力を込める。

 

翔:「諦めたり......するもんかぁぁぁぁ!!!!」

 

その時、放っていたレーザーが更に強力になり破壊の矢を覆っている結界にヒビを入れていく。

そして......遂に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結界を打ち砕き破壊の矢を直撃し、撃破した。

その瞬間......衝撃から塔が早いスピードで崩れていく。

 

翔:(やばいかも......。でも、霊夢、約束は守るよ......)

 

翔聖がそう思いながら崩れていく塔の最上階に立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊:「翔聖......約束よ。信じてるから」

 

続く




どうでしたか?
翔聖は霊夢との約束を守れるのか!
次回で終章に入ります。
では、次回を楽しみに

ー次回予告ー
ミレイは新たなる道を歩み始める。その道が吉と出るか凶と出るか、それはミレイに次第

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