今回は少しシリアスな番外編です。
では、本編
秦羅と妖夢は人里を歩いていた。
2人は幽々子から休みをもらい、デートをしていた。(秦羅は大概フリーなのだが)
妖:「久しぶりね。秦羅」
秦:「そうだな。ずっと忙しかったからな」
2人はとても楽しそうだった。久しぶりに2人きりで過ごすのだ、妖夢からしたらとても楽しいだろう。
秦:「じゃあ、どうする? 何処に行く?」
妖:「そうね〜」
妖夢が考えてると、2人の男性とすれ違った。
その瞬間
秦羅の表情が変わった。
妖:「えっと......ってし、秦羅?」
妖夢は秦羅の表情を見て驚いた。秦羅の表情はとても、憎しみに満ちていたのだ。
妖:「秦羅?秦羅、秦羅!!秦羅!!」
妖夢は必死に名前を呼ぶが、秦羅は全く表情を変えない。
妖:「秦羅!!聞いて!!聞いてよ!」
秦:「あ、ああ。どうした?」
妖:「どうしたの? 怖い顔して」
秦:「なんでもないさ。とりあえず行きたい場所に行こう」
秦羅の言葉に妖夢は頷く。この時妖夢は嫌な予感がした。
〜そして、数時間後〜
先程の男性2人組は人里離れた場所を歩いていた。夜なのに人里離れた場所を歩くというのはそれほど腕に自信があるのだろう。
「夜に人里じゃない場所を散歩なんて命知らずだな」
「大丈夫だって、俺達は妖怪ハンターなんだぜ?」
男は自信ありげの口調で話す。
「でも、妖怪ハンターってあの時以来やってないだろ?」
「そうだな。あの時の仕事はやりがいだったなぁ......」
「そうそう!力のない妖怪だったなぁ。しかし、あの女美人だったなぁ......」
「ああ、もったいなかったな」
男達が話しながら歩いてると、不意に人影が現れた。
「誰だ!」
男は誰だの問いかけをするが、その人物は答えない。
そして、徐々に月明かりがその人物を照らしてく。
その人物は青い髪に青い瞳の少女だった。
「誰だよ!」(どこかで見たような......)
?:「こんな話を知ってるか?」
少女は男の問いかけを無視し話を続ける。
?:「あるアパートにある家族が住んでいました。その家族は息子である男の子の誕生日をしていました。しかし、その幸せな日にある事件が起きました」
少女の淡々とする話し方に男達は恐怖に似た感情を感じた。
?:「その事件とは、その男の子の両親が殺されたという事件です。しかも、なにもしていないのに。そして、男の子は両親を殺した犯人に復讐を誓いました」
少女は話を終えると一気に雰囲気を変えた。そして、静かに剣を抜刀する。
少女が抜刀したのを見た男達は
「お、おい!待てよ!別にお前の家族じゃないだろ!?」
「そ、そうだ!」
ひどく怯えた。
?:「そうか。覚えてなくて当然か」
少女は不気味に笑いながら呟く。少女の不気味な笑いから男達は恐怖を感じ足がすくんで動けなかった。
「お、お前は何者なんだ.........」
?:「僕?僕は......数年前にお前達が殺した守森夫妻の息子......守森秦羅だ!!」
秦羅の言葉を聞いた瞬間に男達はハッとした表情になる。どうやら思い出したようだ。母親が命懸けで逃がした幼き子供を。
「あ、あの時のガキ!」
秦:「お前達がどうやって幻想入りしたかは知らないが。探す手間が省けたな」
秦羅はゆっくりと近づく。殺気を漂わせつつ。
「ひ、ひぃ!」
秦羅は恐怖で腰を抜かした男達に一切の慈悲無き一撃を与えた。
「ぐふ!?」
しかし慈悲無き一撃とは言っても急所が外れた。いや、外したのだ。秦羅が至近距離で急所を外すなんてありえないからだ。
「ひぃ!?」
一撃を与えた秦羅を見て後ずさりして逃げようとするが
秦:「逃がすか!」
秦羅は神速のスピードで男の背後に移動した。
「しまっ......ぐふ」
秦羅は無言で男の胸に突き刺した。蒼桜剣は斬ることはできないが、突き刺す事は可能である。
だから、秦羅は突き刺す事が出来たのだ。
秦:「次はお前だ!」
秦羅は既に瀕死に近い男を狙いを定める。突き刺された男は残念ながら......絶命してしまった。
「ま、待てよ!話せば分かる!依頼なんだ!恨むならそいつを殺せ!」
秦:「黙れ!!依頼したのが誰手だろうと殺したのはお前達だ!だから、お前達を殺す!!!」
男はなんとか説得しようとするが、秦羅は聞く耳を持たない。それほど、両親を殺した男が憎いのだろう。
「や、やめ、ぐふ!?」
秦羅は突き刺した。しかし、まだ急所を刺していない。
秦:「ハァハァ......」
まだ突き刺す。何度も突き刺す。男の返り血が来ても気にせずに突き刺す。
〜数分後〜
「......」
男は何度も突き刺されて遂には絶命してしまった。
秦:「......」
一方の秦羅は、ただ佇んでいた。手に持っている蒼桜剣の蒼き刀身は、紅魔剣の如く返り血で赤く染まっていた。
秦:「ハハハ......やったよ。父さん、母さん」
殺人を犯しておいて秦羅は笑った。彼の全てを守るという決意とは真逆の事をしたのに笑った。
すると
?:「何してるのよ」
秦羅の背後から声が聞こえた。秦羅が振り返ると
秦:「姉さん......」
秦羅が姉と慕う、アリスであった。
アリスはいつもの優しい表情とは違い、怒りの表情だった。
ア:「妖夢から頼まれて付けてみれば......何してるのよ」
秦:「見ればわかるよ。父さんと母さんの仇をうったんだ。褒めてよ」
秦羅はまだ快楽の笑みを浮かべていた。それにしても殺人で褒められるとどうしてそう思ったのだろうか。
秦羅の笑みを見たアリスは
ア:「......」
無言で秦羅の頬をぶった
秦:「ね、姉さん......?」
ぶたれた秦羅は訳が分らない表情をしていた。
ア:「褒める?ふざけないで!!どうして人を殺したのに褒められるのよ!!」
秦:「じゃあ、どうすればよかったんだよ!!あのまま放っておいたら犠牲者が増えたかもしれないのに!」
アリスの怒鳴り声に秦羅は声を荒げて反抗する。
だが、反抗していても秦羅の目には涙が溜まっていた。
秦:「なんで何もしてない父さん達を殺したのに......なんであいつらを殺しちゃダメなんだよ......」
秦羅は涙を流してはいないが泣き崩れた。
それを見たアリスは優しく抱きしめる。
ア:「辛かったのね、寂しかったのね。大丈夫。もう、終わったのよ」
アリスの優しい言葉に秦羅は静かに頷く。
ア:「あなたには沢山相談出来る人がいるんだから相談する事ね。そしてね、あなたがこんな事をして悲しむ人が沢山いるんだからね。それだけは分かっていてね」
秦羅は頷くと疲れたのか眠りにつく。
ア:「あらあら......しょうがないわね。白玉楼まで送りますか」
アリスは寝てしまった秦羅をおんぶすると歩き出す。
ここで秦羅の復讐は終わりを告げた
どうでしたか?
少し文章がおかしかったらすいません!
尚、これで秦羅は両親の仇を打つことが出来ました