リボーン×東方~外界異変~   作:Lan9393

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二十五話:オカイモノ

第三者Side

 

  咲夜は、雲雀の要求したハンバーグの材料を買いに出かけることにした。

人混みはそこかで多くなく、比較的通った店でもあるので、目的の材料は揃えられた。

よし、レジへ向かおう。

そう足を動かした時、見覚えのある黒いリボンが揺れた。

足音を抑えて、息を潜め、その背後に近づいた。

それは半ば反射的だった。

彼女の姿を見て、体が動いたのだ。

 

———トンッ、と。

 

「ひゃあぁああっ!!!」

「しーっ」

「あ、・・・さ、咲夜さん」

 

オーバーリアクションだ。

咲夜は冷や汗をかきながら、妖夢に黙れと声をかけると、妖夢ははたと気づき、口を塞ぐ。

こちらを認識した彼女がホッとしたように胸を撫で下ろす。

そんな怖がることであったのだろうか。

彼女の苦手な幽霊は昼間に出るはずもない。

驚かせにかかったのだから、それ相応の態度は望んで正解だろう。

彼女としても、ここまで驚きの声が出るとは思わなかったのか、顔をやや赤らめてうつむいてしまった。

ふと、妖夢の持つカゴの中身が気になった。

 

「あら。あなたも?」

「はい・・・えっと、えっと、家で食べるので・・・」

「あなたって確か沢田と同じとこに住んでなかった?」

「変な言い方はよしてくださいよっ!」

 

妖夢はやや顔を青ざめながら、咲夜の言葉に反論する。

何か嫌なことでもあったのだろうか?

だとしたら、綱吉を殴ってこなければならない。

友人を傷つけた罰なのだし。

周りを確認した妖夢は、ふぅと息を吐いた。

そんな時、ひょっこりと妖夢の後ろから、山本が現れた。

 

「よっ、二人とも」

「ひゃぁあああああああああああっ?!」

「あ、あら・・・山本」

 

なんとなく、青ざめた訳がわかった。

山本は首をかしげ、妖夢と咲夜を見比べた。

妖夢は目を逸らし、咲夜は何とも言えない表情をつくって、山本を見ていた。

 

「・・・こんにちは。どうしたの?」

「ん?ああ、まあな。妖夢の声がしたから来てみたんだ!わりぃな、邪魔した」

「いいのよ」

「ハ、ハヒ」

 

妖夢はもうかちんこちんに固まってしまっている。

本当に彼女に何があったのだか。

わかりはしないが、咲夜は去って行く山本の手を掴んでいた。

 

「「!」」

「山本、妖夢を手伝って行きなさいよ」

「・・・あ、ああ。わかった」

 

妖夢の背中を押して、咲夜はその場を離れた。

レジへ向かうのに、とんだ甘い空気を吸ってしまうところだった。

深呼吸をしてから一旦後ろを見やる。

顔を赤くした妖夢と、それを気遣う山本の姿があった。

何だかそれを見て、咲夜はフッと笑み、レジへ進んだ。




大変遅くなりました。
プロットがいけない。←

・・・次回、どうなるんだろ・・・。

では。

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