霊夢Sido
私と妖夢のスピードでたどり着いたのは、マフラーをつけた少年と、それを追う黒スーツ二名。
はい、変態決定。
私は妖夢に視線を送って、妖夢が頷いたのを見てすぐに駆け出す。
黒スーツの片っぽに踵落としをくれてやる。
「変態はッ!死刑ッ!」
踵落としが決まったあと、そのまま回し蹴りでその肩を蹴る。ま、首を折るわけにもいかないから肩なわけだけど。
ふふん、と得意気になっていると、もう一名の黒スーツが私の肩をつかんだ。
「よくお前、仲間を———!!」
「・・・ッ!?」
体が強張る。動けない。
それは、こいつがどうのじゃなくて——私の問題。
振り下ろされる拳に、どうすることもできず、私は目をつむった。
「いけ、ダメツナ」
「う、うぉおおおおおおおおおおおお!!!」
黒スーツの頭が殴り飛ばされる。
その後、私は誰かに抱えられていた。
・・・沢田だ。パンツ一丁の。
とりあえず、殴り飛ばしたいけれど・・・抑える。
「ちょ、お、降ろしなさいよ?!」
「・・・はっ!あ、ええっと、博麗大丈夫?」
「私は大丈夫!ってかあんた、なにしにきたの?」
「なにしにって・・・助けに来たに決まってるだろ!お前、男嫌いだから行って大丈夫かなって」
「余計なお世話!そろそろ降ろせっ!」
沢田を押して私は降りる。
ああもう、調子が狂うわね・・・心配されると、どうもね。
すると、視界のはしにホッとした表情の妖夢と、その方にいるリボーンさん。
「・・・あと、早く服着なさいよ」
「うわぁ!ご、ごめん!り、リボーン!!」
「ほいよ」
「さ、さんきゅー」
沢田がそんなバカなことをやっている合間に私は少年に近づく。
「す、すごい・・・ケンカランキング低いのに・・・」
「沢田のこと?」
ランキングって・・・もし私がつけられてるとしても、それはムカつくわね。
格付けされるのはあまり好きじゃないのよ・・・。
・・・沢田って弱いんだ。ぷっ。
「そう!男子ケンカ強いランキング!あ、博麗霊夢さんは・・・・」
ああやっぱり格付けされてんのね。
急にボソボソ言い出したかと思えば、急に周りのものが浮き出す。
な、なに?!なんなの?!
「・・・並盛中学校、女子ケンカ強いランキング・・・一位、博麗霊夢さん、二位、霧雨魔理沙さん、三位、十六夜咲夜さん・・・ただし、フランドール・スカーレットさんは論外」
・・・ふぅん、魔理沙が強い、ね。
てっきり妖夢が入るかと思ったけど。
「と、言った感じだね。ええっと、霊夢姉って呼んでいい?」
「別に構わないわ・・・あなたは?」
「フゥ太だよ!よろしく、ツナ兄、霊夢姉!」
「お、オレも?!・・・よ、よろしく、フゥ太」
沢田は照れ臭そうに笑った。
・・・なんか、嫌な予感がする。
誰かが霧の中で、笑っているような・・・。
私はしっかりフゥ太を見た。
「フゥ太・・・けっして、この中の誰かと離れないで」
「え?な、なんで?」
「嫌な予感がするの・・・あまり当たって欲しくない」
「あ、そういえばさ、フゥ太。男子ランキングは三位まで・・・誰なの?」
フゥ太は沢田の問いにキョトンとする。
それを聞きますか、今。
すると、フゥ太が爛々と目を輝かせて言った。
「ああ、それはね!一位が雲雀さん。二位が山本さん、三位が獄寺さんだよ!」
へぇ、あの三人が・・・。
総合も知りたいけれど・・・まあいいか。
私はフゥ太の手と妖夢の手を繋がせる。
そして、さっさと帰る。
あーもう、疲れた。寝たいわ。
フゥ太登場。このこの設定めんどいけど彼自身は好きです。
じゃあ、予定が狂ってしまったが次こそは笹川兄妹行ってみよう!
うん!
では~!