死銃が俺達の所に向かって来てる。それを確認するなり、キリトは車に乗って走った。
「シノン、たのむぞ」
「任せて」
それと共にシノンは闇風の迎撃に向かう。さて、俺はキリトを追い掛けるとしよう。見ると、死銃はライフルを構えてキリトを狙っている。その攻撃をキリトはかわしまくり、そして特攻した。
狙うならここか…。俺は拳銃でキリトの車を狙撃、キリトは爆発前に飛び降りて、脱出。死銃のマントは燃えている。
俺はキリトの横に行って言った。
「おま…」
「お前のマントは燃やした、もう光学迷彩は使えない!」
キリトさぁーん。それ僕の台詞ー。そして、燃えかすから死銃は出てくる。
「キリト、それにまさか、エイトマンまで、いるとはな」
「ようやく声が聞けたか。この人殺し野郎が」
「人殺し、か、それは、お前達にも、言えたこと、だ。だが、それも、今日で、終わる。お前らは、俺に殺され、無様に転がり、あの女が、死ぬのを、そこでただ見ている、ことしか出来ない」
「それはどうかな?俺達の実力を知らないわけじゃないだろ?」
さっきから俺の台詞が一つもないんですが…。
「まぁ、いい、俺は、お前らを、ここで、殺す」
その瞬間、ライフルを発砲。キリトは弾いて接近しようとするが、死銃の早撃ち相手に弾丸を弾くので精一杯だ。そのための俺だ。俺が横から近付き、剣をで斬りかかる。その剣が死銃のライフルを破壊する。
「さぁ、ライフルは破壊した。投降しろ…」
だが、死銃から出て来たのは金属剣。それが俺の肩を貫いた。
「ぐあっ!」
「エイトマン!」
そして、さらに振り下ろしてくるが、俺は宙返りして剣を持ってる腕を蹴り上げ、距離を取った。
「大丈夫か?」
「問題ない、まさかあいつがあんなもん持ってるとはな…」
「これは、銃剣作製スキルで、作れる。宇宙船の、装甲板、なんだそうだ。クク、ク」
「バーカ。こっちには宇宙世紀の英雄が持ってる剣があるっつの」
「名前、ビームサーベルじゃないんだけどな」
で、俺達と死銃はにらみ合う。隙をお互いに伺うように。だがこっちは二人だ。向こうの武器が強かろうが俺達に優位性はある。
だが、次の瞬間に状況は一転する。
「旦那ァ、こいつ倒しましたぜ」
横を見ると、変な眼鏡を付けたオッさんがシノンを抱えている。
「よくやった、闇風、あとで、例の報酬はやる」
「シノン!?」
キリトがそれに反応する。まさか、殺されたか?と、思ったが、闇風が説明してくれる。
「しかし、まさか本当にこんな拳銃向けるだけで動けなくなるとはねぇ…HPはあと21くらいしか残ってませんよ」
「そうか、なら、俺があとは、トドメを刺す」
そう言って死銃は拳銃をシノンに向ける。その瞬間、キリトが死銃に斬り掛かった。かわして拳銃をしまう死銃。
「エイトマン、闇風とシノンを頼む」
「任せろ」
うーわ、キリト切れてるよ…。と、まぁ俺も半分切れ掛けですけどね。
俺はシノンを抱き抱える。
「大丈夫か?」
「ごめん…なんにも、出来なかった…」
「大丈夫、お前の仇は俺達が取ってやる」
俺は闇風に向き直り、言った。
「お前を殺す」
「やってみろお嬢ちゃん!」
闇風得意のランガンとやら。だが俺は平然とかわしながら、洞窟へ逃げる。なんだ、こんなんならまだ材木座のが強い。洞窟でシノンを置くと、ようやく俺は戦闘モードに入る。
「待ってろ、すぐに終わらせる…」
「……」
シノンにそれだけ言った。なぜかシノンの頬は赤い。洞窟から出ると、闇風が待っていた。
「なんだ、待ってたのか?」
「俺はフェアプレーが好きなんでな」
その癖にシノンには拳銃を向けたのか。俺は剣を抜く。
「さて。始めようかぁ!」
闇風がまた走りながら撃って来る。俺はそれをすべて弾く。そして、俺からも近付き、残り距離が3mほどになった。闇風からしてみれば、もっと早く俺を倒してる予定だったのだろう。だが、俺とそこらの奴のスペックを同じにするな。
「俺とタイマン貼れるのは、キリトだけだ」
そして、闇風を腰の辺りから切り裂いた。バカな…って感じの顔で闇風は倒れた。さて、あとは死銃だけか。シノンとキリトの方へ行くと、死銃にキリトは押されていた。やはり、武器の性能が違い過ぎるのか…。
いや、まだ勝機はある。
「キリト…」
「シノン、一発でいい。牽制出来るか?」
「え?」
「キリトには奥の手がある」
「わ、分かった」
「5秒後に撃ってくれ」
キリトの方へ俺は走り出す。そして、後ろから発砲音。死銃の頬を上手く掠め、動きが止まる。
「キリト!」
俺は自分の剣をキリトに投げた。そう、キリトの奥の手は二刀流だ。それをキリトはキャッチし、死銃を睨む。
「久々だな、二刀流」
「くっ…」
さすがの死銃にも焦りが見える。そのまま、フルボッコで戦いは終わった。
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「さて、ようやく終わったな」
キリトが肩をコキコキ鳴らす。
「そろそろ試合も終わらせるか」
俺が言うと、キリトは頷く。シノンは俺の方をチラチラ見ていた。
「なんだよ…」
「なんでもないわよ」
「あ、そうか。お前まだ死銃が部屋にいるかもしんないから警察に連絡しとけよ。あと誰も部屋に入れるな」
「わ、分かってるわよ!」
なんでそんなにら怒ってらっしゃるので?
「で、でも…あんたが助けに来てくれてもいいんだよ?」
「あ?なんか言った?」
「な、なんでもないわよ!」
「あ、いいなそれ。俺とエイトマンが落ちたらそっち行くよ」
「え…?」
「流石に犯罪者でも男二人いれば襲いには来ないだろうし」
「えー面倒臭ぇ」
「いいから行くぞエイトマン」
で、そろそろ決着をつけなければならない。すると、シノンは俺とキリトの手を握る。
「せっかくだからさ、三人一緒に散ってみよっか?」
「「は?」」
「北米サーバーの第一回Bobは二人同時優勝だったんだって。理由は優勝する人が油断してお土産グレネードなんていうけち臭い手に引っかかったから」
「お土産グレネード?それ、なに?」
キリトがアホみたいに聞くが俺には分かった。おいこれやだよ助けて。
「負けそうな人が巻き添え狙いで死に際にグレネード転がすこと。ん、ほら、これあげる」
シノンはキリトにグレネードを渡す。
「へ?これって…」
「キリトバカ投げろそれヤバイって!」
俺は逃げようとしたが、シノンに抱き着かれて動けない。
あはははー走馬灯が見えるー。
決勝は終わった。
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大会が終わり、俺とキリトはログアウト。病院で目が覚めると、看護婦さんと結城の姿があった。
「お前なんでいんの?」
「あなた達、また私達に嘘付いて危ないことに首突っ込んだわね?」
俺と桐ヶ谷の背中からギクッと音がする。って、それどころじゃない。
「悪い結城、説教は後でいいか。この後用があるんだ」
「へぇ、どんな?」
「人の護衛」
「結城は危ないから来るなよ」
俺と一緒に桐ヶ谷は病室を出た。走ってシノンの家へ。
「比企谷、間に合うかな…」
「一応、誰も入れるならとは言っといたはずだけど…」
で、アパートの前。えーっと…そういえばシノンの本名しらねぇや…。と、思った瞬間、ドタドタと暴れる音がした。その部屋は「朝田」と書かれている。人違いだったらすごく恥ずかしいので入ろうか迷ってると、桐ヶ谷がなんの躊躇もなく入った。マジかこいつ。
「アサダサンアサダサンアサダサン」
「い…や……」
マジかよビンゴかよ。しかもなんかすごいカオスなんだけど。とか言ってる場合じゃない。
「シノン!」
桐ヶ谷はアサダサンを連呼してる変なのに膝蹴りを決めると、そのままドタドタと暴れる。俺も中に入った。
だが、桐ヶ谷は胸に注射器を打たれてしまう。あれ?これヤバくね?と、思ったらシノンがラジオでアサダサン男を殴って、あれ?俺ここになんで来たんだっけ…。
「桐ヶ谷!大丈夫か!?」
「キリト!」
シノンが桐ヶ谷の服を捲り上げ、刺された場所を確認。だが、そこには心電モニター装置の電極が貼ってある。
「ねぇ、ちょっと」
「うう…ダメだ…呼吸が、苦しい…」
「ねぇ、ちょっとってば」
「ちくしょう…咄嗟に遺言なんて、思いつかねぇぜ…」
少しイラッとしたので俺は桐ヶ谷の顔を蹴る。
「ってぇな!なにすんだよ!」
「うるせぇバカ。なにが呼吸が苦しいだ」
その桐ヶ谷の襟をシノンがグイッと掴んだ。
「死んじゃったかと思ったんだからね!」
なんてやってる二人を捨て置いて俺は辺りを見渡す。だってこの先女の子の部屋に入る機会なんてないだろうし…すると、俺は気付いた。アサダサン男がいない?
そう思って後ろを振り向くと、アサダサン男がナイフを持って桐ヶ谷を睨んでた。
「危ねぇ!」
間一髪、俺が二人を庇うように前に出て、ナイフを持った手をキャッチ。だが、グググっと力を入れてくる。
「お前達が…僕のアサダサンをぉっ!」
「エイト!」
とうとう、肩にナイフの先端が刺さる。
「っ痛ぅ…」
そのまま、ぐぐっとどんどん肩に食い込むナイフ。このままじゃ死ぬと思った俺は、右手を離して顔面を思いっきり殴った。そして、桐ヶ谷がアサダサン男をぶん殴る。
そこで、ようやく警察が来た。
「比企谷!大丈夫か!?」
「大丈夫に見えるかよ…車の次はナイフか…」
「エイトマン!」
シノンが泣きながら俺を見る。いやそんな泣かれても困るんですが…。だが、俺は気付いた。肩から血が出てない。
あれ?これって…。服を捲ると、また電極。
「これはもうあれだな…」
桐ヶ谷が言う。
「まさにミラクル…」
と、そこでシノンが俺に抱き着く。
「バカ!今後とこそ死んじゃったと思ったんだからね!?」
「…悪い」
抱きついてくるシノンの頭を軽く撫でてやった。これで、ようやく一件落着である。