目の腐ったSAO   作:ウルトラマンイザーク

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決勝

 

 

 

決勝が始まった。俺は森林にいる。なんで森林スタートなんですか…虫だけはマジで無理なんです…勘弁してください…。とりあえず、俺の目的はたくさんのプレイヤーを狩ること。死銃の殺人方法は仮想世界で撃った相手を現実世界でそのプレイヤーにもう一人の死銃が殺すことと俺は推測している。

こいつらの殺人のルールは仮想世界で誰かを撃たなければ人は殺せない。ならその根本である撃たれる側の人間を始末してやればいい。そう思いながら一秒でも早く死銃より早くプレイヤーに接近しようと俺は移動中。その時、俺の足に赤い予測線が見えた。その先にはプレイヤー。

飛んでくる弾丸を剣で払うと、俺は木と木を蹴ってそのプレイヤーに接近する。銃撃は剣で払う。そして、そいつの目の前に着いた。

 

「な……っ!?」

 

「じゃあな」

 

一刀両断。腰を見事にぶった斬り、次の敵を見つけに行く。一秒でも早くたくさんのプレイヤーを倒さないとなにが起こるか分からない。ちなみに今の俺、超かっこいい。

で、森林の中で二人ほど倒した時、山岳に繋がる鉄橋を見付けた。

そこを走って渡る。橋の四分の三辺りまで来た時、なんか倒れてる奴がいるのを見付けた。全身タイツの真っ白の奴、ウルトラマンかと思ったが違う。だが、そいつにボロマントの奴が近付いた。しかもスナイパーライフルからわざわざ拳銃に変えて。

そこから俺はダッシュで走る。そして、ボロマントが引き金を引く瞬間、俺は一応持ち合わせていた拳銃でボロマントを撃つ、牽制にはなるはずだ。それに気付いたボロマントが攻撃をかわす。そして、鉄橋の柱に隠れた。

そのまま、ウルトラマンみたいな奴の前に立つ。山の方から「エイトマン!?」とか声が聞こえた気がしたが無視。

 

「おいあんた!動けるなら逃げろ!殺されるぞ!」

 

だが、ペイルライダーには麻痺が回っているのか動こうとはしても動けない。仕方ないので俺はボロマントの方をみる。こっちにスナイパーライフルを向けていた。

 

「このっ!」

 

なんとかかわすが、一発掠った。俺は大勢を立て直すと、ボロマントを睨み、ヘラヘラ笑って言ってやった。

 

「よう。死銃、言っとくがその銃でもう誰も撃たせねぇぞ」

 

 

___________________

 

 

その頃、ALO。

 

「お兄ちゃん、なかなか映らないねーエイトくんは結構暴れてるみたいだけど」

 

リーファがそう言うと、シリカも頷きながら言う。

 

「本当に意外ですね。キリトさんのことだからてっきり最初から飛ばしまくると思ったのに」

 

「いやいや、ヤローはあぁ見えて計算高ぇからな。参加者がテキトーに減るまでどっかに隠れてる気かもよ?」

 

クラインが冗談じみた感じで言う。

 

「でもエイトのヤローがきっちりやってるのは意外だな。あいつこそ人の獲物を横から奪ったり後ろから不意打ちすると思ったのによ」

 

「確かにエイトくんもなんだからしくないよね。なんかまるで焦ってるような感じだし…アバター可愛いし」

 

アスナが肩にユイを乗せて言った。その乗ったユイも言う。

 

「そうですね。パパ二号のこれまでの言動や行動から察するにてっきり私も試合終了まで隠れてると思ってました。それとアバターが可愛いのはM-B19ボディだそうです。滅多に出ないレアアバターだそうですよ」

 

「ていうか、なんで可愛いエイトは銃ゲーで剣持ってんのよ…これキリトも剣持ってるんじゃないの?」

 

リズが呆れたように言う。

 

「でも、お兄ちゃんのことが気になります…お兄ちゃんが他人の戦いを端から見てて我慢出来るはずがありません」

 

「つまり、試合での優勝より大事なことがあるっていうの?で、でも…だとしたらどうしてエイトくんとキリトくんは一緒にいないの?」

 

リーファが言うと、アスナが顎に手を当てて考える。

 

「ちなみによぉ、これ優勝したらいくらもらえんだ?」

 

「たった今公式サイト等から情報を集めて計算してみたのですが、優勝賞金は三百万クレジットとなってるので、全額還元すれば三万円となります」

 

「ありがとユイちゃん」

 

「あぁ、三万ね…エイトなら頑張りそうな気がするわ」

 

クライン、ユイ、アスナ、リズと話している。そこで、画面が変わり鉄橋の上。ペイルライダーがダイン相手に無双していた。

 

「うっわ…あの人強いですね…」

 

「ホント、早いし…動きが猿みたい…」

 

「それ褒めてるのリズ?」

 

シリカがドン引きしてリズが共感、アスナは呆れていた。

だが、モニターではそのペイルライダーが撃たれてしまった。そのまま倒れるペイルライダー。

 

「あれ?撃たれちゃった?」

 

全員が呆気に取られる。そして、ボロマントがペイルライダーに近付き、拳銃を抜く。なんとなく流れる嫌な雰囲気、全員がそれを察した。

 

「おい、あれ撃たせていいのか?」

 

「よ、よくない…うぅんダメ!」

 

アスナが大声を上げた時、エイトマンが走って近付いていた。

 

「エイトくん!」

 

「おぉっ!さすが!」

 

盛り上がるALO組。だが、次のエイトマンの台詞がその雰囲気を壊した。

 

「よう。死銃、言っとくがその銃でもう誰も撃たせねぇぞ」

 

全員が黙る。最初に口を開いたのはアスナだった。

 

「ねぇ、シジュウってなに?」

 

「さ、さぁ…なにか人の名前なんじゃ…?」

 

「で、でもよぉ。エイトのあの目は完全に本気だぜ。ヒースクリフ戦並の…」

 

「もしかして、お兄ちゃんが昨日からおかしかったのも関係あるんじゃ…」

 

「リーファちゃん。その話聞かせてくれる?」

 

で、ALO組の討論会が始まった。

 

 

___________________

 

 

俺はボロマントと一回対峙したものの、山の方からの狙撃によりボロマントを逃がした。山にはシノンとキリトがいるのに気付いたが、俺には別に話すことなんてない。だからそこから離れた。

あの二人も用がないようでそこから移動した。さて、ペイルライダーにトドメを刺そう。こいつも死銃に狙われた以上、部屋にもう一人の死銃がいるはずなのだ。

 

「悪い」

 

トドメだけ刺して俺はそこから離れる。これで選択肢はへった。あとは銃士Xとスティーブンか。マップで追跡しようと思ったが、死銃は光学迷彩を使っているようで、どこにいるか分からない。だが、都市に銃士Xが現れている。ここから都市はすぐ隣だ。奴がいてもおかしくないが、いや…まてよ。シノンの狙撃を死銃はかわしていた。つまり、死銃はシノンやキリトがあそこにいたのを知っていたことになる。

シノンやキリトだってマップは持っている。銃士Xが都市にいることくらい知ってるはずだ。

あれ?これシノン狙われてね?俺も走ってあの二人を追い掛けた。

 

 

_________________

 

 

都市廃墟、そこで俺はスティーブンを探す。もちろん、銃士Xが死銃の可能性もあるから、警戒は怠らない。そんな中、シノンを見付けた。そして、その後ろに死銃の姿。

 

「シノン逃げろ!」

 

俺が声を出すと、シノンはこっちを見る。そして、スナイパーライフルを構える死銃。俺は無意識に拳銃を取り出した。早撃ちだと俺に勝ち目はない。やるなら銃弾を狙う、行けるか?いや、行くしかない。

死銃の予測線に合わせて俺も発砲。狙い通り銃弾と銃弾がぶつかり合う。さすがの死銃も狼狽えたのか、怯む。その隙にシノンの腕を引っ張って、ビルの中に押し込んだ。

 

「なんで、死銃が…、ここに?」

 

「お前らの考えが甘過ぎなんだよ!俺が奴を引き付けるからお前はキリトと…」

 

「いや」

 

「はぁ!?」

 

「一人にしないで…お願い」

 

くっそ…仕方ない。俺はスタングレネードを投げ付け、そのまま逃げた。途中で車と馬を見付けたので車を拝借。

シノンを後ろに乗せて、走り出した。

 

「シノン、後ろの車を壊せ!」

 

「え……?」

 

「あいつが使うにきまってるだろ。早くしろ!」

 

「う、うん…やってみる…」

 

シノンはライフルを構え始める。俺は運転に集中しようと前を向く。だが、後ろからライフルの発砲音が聞こえない。

 

「え……なんで……」

 

「どうした?」

 

「引けない…なんでよ、トリガーが引けない…」

 

その声は、掠れた悲鳴のようにも聞こえた。キリトがどこまで死銃について説明したかしらないが、あの男に対する恐怖が出てきたみたいだ。

見ると後ろから死銃が馬に乗って、銃を構えて追い掛けて来ている。

 

「ダメ、ダメよ逃げ切れない…馬の方が踏破力が高いの…車なんかじゃ…とても…」

 

なんで馬の方が車より早いんだよ。なんて思ってる場合じゃない。さっきからシノンは震えが止まっていないし…。仕方ない、こうするしかないか…。

 

「シノン、ちょっと怖いかもしれない」

 

「え?」

 

俺はUターンして、ハンドルを離して椅子の上に立った。死銃が容赦無く発砲してくる。それを剣で弾きながら奴の馬にまっすぐ接近する。

 

「え?ちょっ…なにするつもり…?」

 

「トムクルーズさ」

 

そして、車と馬がぶつかる直前に俺はシノンを抱えて大ジャンプ。そして、俺の後ろでは大爆発が起きる。

 

「きゃあぁぁぁぁっ‼︎‼︎‼︎」

 

シノンの悲鳴が響き、俺は着地する。そのままさっき車があった所に走る。そこで、キリトとすれ違った。

 

「エイトマン!?これどういう…」

 

「状況の説明をしてる暇はない。シノン連れて車に乗って逃げろ」

 

「お前は?」

 

「車をぜんぶ破壊してあいつに追わせないようにする。その後は死銃と一騎打ちかな。」

 

「勝てるのか?」

 

「知るか」

 

俺はシノンをキリトに預けて死銃に向き直る。おそらくあいつも生きているだろう。俺は拳銃と剣を握る。だが、そんな俺の手が後ろから握られた。シノンだった。

 

「なんだよ」

 

「お、願い…一人にしないで…」

 

「キリトがいんだろ?」

 

「ダメ…置いてかないで…死んじゃうよ…」

 

なんだ、まだこの二人は死銃のカラクリに気付いてないのか。まぁ、今はその説明をしてる暇はない。

 

「キリト、行け。お前は死銃のカラクリに気付いてない。あいつには勝てない」

 

「……!分かった」

 

「え?待ってよ…」

 

「それと、」

 

シノンの制止を無視して、俺はキリトに言った。

 

「お前がどこまで説明したか知らないが、その結果が今のシノンの現状だってのを忘れるな」

 

「!」

 

「行け」

 

「……あぁ」

 

そのままキリトは車に跨る。

 

「待って!エイト、離れ離れはイヤァァァッッ‼︎‼︎」

 

シノンの声も虚しく、車は無情にもそこから離れて行った。俺は残りの車と馬を全部破壊し、おそらくまだ死銃がいるであろう方向を見る。

 

「来るなら来やがれ…」

 

そう吐き捨てて、俺は剣を構えた。

 

 


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