目の腐ったSAO   作:ウルトラマンイザーク

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キバオウの文句は、一応エイトマンがボンヤリしてた時に起こったという設定です。忘れていたというわけでは断じてありません。断じて(冷や汗



1層ボス攻略

 

攻略会議が終わったあと、俺達は狩に出た。俺は早く帰りたかったので「じゃっ、おつかれっした」とかテキトーなこと言って逃げようと思ったのだが、「背中預ける人の腕くらい見ておきたい」というフードの人の提案でフィールドへ出ることになった。

ていうか、パーティ組んでるのに名前知らないってどーいうことなの?

 

「さて、まずは俺からやらせてもらおうかな」

 

キリトが小さななんか変なソルジャー?みたいな奴の前に立つ。

 

「よっと」

 

そいつを、キリトは正面から叩き斬った。ソルジャーはシールドを構えるが、そんな物関係ない。それごと一刀両断してしまった。

俺もフードの人も驚いた。こんな奴がうちのパーティにいんのかよ…。キリトは剣をしまうと、にこやかに笑って言った。

 

「じゃあ次アスナ頼む」

 

へぇーこの人アスナって言うのか。どうやら、この二人は俺と会う前に自己紹介していたみたいだ。

 

「ちょっとどうして私の名前知ってるのよ」

 

……してなかった。え、ていうかそもそもなんでこの人名乗らなかったの?

 

「え、どうしてって…」

 

「それからさっきから聞こうと思ってたんだけど、あの攻略会議でちょくちょく出て来たスイッチってなに?」

 

「あ、それ俺も思ってた」

 

それだよな。これだからゲーマーは嫌なんだよ。自分達の単語だけで会話すんなっつーの。

フードを被ってても分かるくらいのアスナの威圧感にビビったのか、キリトは気まず気に聞いた。

 

「あの、ちょっと聞きたいんだけど二人ともパーティ組むの初めて?」

 

「うん」

 

「おう」

 

俺達の返事にキリトは不安気に深くため息をつく。

 

「その辺も含めて今から説明するから、よく聞いとけよ」

 

キリト先生のパーティ戦闘授業、はーじまーるよー。

……ふぅ、結局三人の腕の見せ合いではなくなってしまった。俺はと言えば二人の練習中にこっそりとフェードアウトした。スイッチの意味とかを知った以上、明日の攻略以外で二人に用はない。

明日の攻略が終わればまた赤の他人の関係に戻れるし、俺はぼっちを維持できる。俺は誰とも組まない。この世界はリアルと同じだ。作り物である限り結果、嘘と欺瞞で溢れている。

だから、俺はこの世界でも変わらない。

 

 

_____________

 

 

 

当日。寝坊した。殺される。

そう速攻判断した俺は急いで準備して走ったが、すでに集合場所に皆はいない。仕方ないので、索敵スキルを使う。

キリトとアスナは…あれか。もうボス部屋に向かっていた。あーあ…キリトに怒られる。いやアスナのがこわそうだなぁ…。ていうか遅刻した時のあの雰囲気が嫌なんだよなぁ…。

が、今さらごねても仕方ない。ここでバックレるのはディアベルに悪い。

走って向かうと、すでに門の前でディアベルとみんなが向き合っていた。うーわ…明らかにキリトもアスナも不機嫌だよ…。もう土下座するしかないな。

 

「みんな、俺から言うことは一つだ。勝と」

 

「すいやせーん!寝坊で遅れましたぁっ!」

 

からの土下座。完璧だ、媚びる時はプライドを捨てて全力で媚びる。それが、俺のプライド。恐る恐る目だけで上を見ると、今にも踏み付けて来そうなくらいの雰囲気のアスナが仁王立ちしていた。

こ、怖い!ボス戦前に狩られる!そう思った瞬間、ぷふっと真上から声が漏れる。

 

「あはははっ!げ、ゲーム内でジャンピング土下座って…あはははっ!あー可笑しい…」

 

アスナが笑っている。それをはじめとして、周りの人達も笑ってくれた。いや、あのもやっとボールだけ笑ってねぇな。そりゃそうか。

そこで、ディアベルが苦笑いしたような顔で言う。

 

「まったく、こんなことは今回限りにしてくれよ?」

 

「は、はぁ」

 

「まぁ、今回はいい感じにみんなの緊張感も溶けたみたいだしな。その代わり油断はしてくれるなよ」

 

「うす!」

 

やっぱりディアベル好い人。遅刻しただけでボディを抉る平塚先生とは大違いだ。

 

「よし、じゃあみんな行くか!」

 

今度こそ、ディアベルの号令で俺達はボス部屋の扉を開けた。

 

 


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