目の腐ったSAO   作:ウルトラマンイザーク

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MAXコーヒー

 

俺とキリトはエギルさんの店の二階でダラけてた。疲れが残っていたというのもあるが、アスナに「ここから一歩でも出たら刺す」と、精神的に釘を打たれた。まぁそんなことしなくても、外に出れば俺達のエクストラスキルのことで色んな人に聞かれるので動けない。

ちなみにキリトはエギルと話しているが、俺は一人でMAXコーヒー(仮)を啜りながらボンヤリしていた。三人いるのにぼっちってどーいうことなの?そこに、バタんっ!とドアが開きアスナの登場。

全員、ビクッとする。あの、MAXコーヒー零れたんだけど…。

 

「よ、ようアスナ…」

 

キリトはとりあえず挨拶し、俺も軽く会釈する。だが、アスナは酷く焦ってなおかつ泣き出しそうな声で言った。

 

「どうしようキリトくん…大変なことになっちゃった……」

 

 

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アスナの話を要約すると、アスナの一時活動休止したけりゃキリトと俺を団長に立ち会わせろってことらしい。

 

「面倒臭ぇ…」

 

つい口からその言葉が漏れると、アスナが「あう…」と、縮こまり、キリトは俺を睨む。ちょっ、キリトさん最近アスナのことになると厳し過ぎないですか?なんなんですか?しかし、あの伝説のヒースクリフさんとご対面ねぇ。HPゲージが黄色以下にならないようなのと会わなきゃいけないとは。ま、俺もあいつに確かめたかったことがあるし。

で、なんだかんだで本部に到着。

 

「いいかエイトマン、お前は絶対に余計なこと言うなよ」

 

「え、なんで」

 

「いいから」

 

キリトに釘を刺され、仕方なく頷く。

で、団長室へはいる。

 

「お別れの挨拶にきました」

 

「…喧嘩売りに来たのお前」

 

アスナの言葉につい俺が反応してしまった。その瞬間、キリトに脇腹を指でドスッと刺される。

 

「そう結論を急がなくてもいいだろう。彼らと話させてくれないか」

 

「あの、要件だけ言ってもらえます?俺、帰ったらMAXコーヒーをさらに進化…」

 

「エイトマン、次はないぞ」

 

あ、ヤバイ。キリトテンションフォルテッシモ!ただし、怒りのオーバーヒート中。

 

「なに、MAXコーヒーだと?今あるかい?」

 

「飲みます?」

 

「いただこう。さてあちらに掛けようか」

 

で、俺とキリトとアスナとヒースクリフは恐らく来客用であろうソファーに座る。

 

「ほう、中々いい出来じゃないか」

 

「そうなんすよね。我ながらよくここまで再現できたと思います」

 

「あとで作り方を教えてもらえるかな?」

 

「いいですよ」

 

おぉ!心なしかヒースクリフの表情が柔らかくなったな!やっぱすげぇわMAXコーヒー。甘さは世界を救うな。

ドヤ顔でキリトとアスナを見ると全力で呆れてた。

 

「さて、いい情報を得たところで本題に入ろう」

 

仕事モードに入るが若干頬が緩んでるヒースクリフ。

 

「単刀直入に言わせてもらう。私と君達がデュエルし、勝てばアスナくんを連れて行くがいい。だが、負けたら君達が血盟騎士団に入るのだ」

 

「ケツメイシ?」

 

「エイトマンもうないから。もう許さないからお前」

 

「団長、私はケツメイシ…血盟騎士団を辞めたいわけではなく一時的な脱退を…」

 

惑わされたなアスナ…。ってヤバイヤバイ、キリトがヤバイ。激おこぷんぷん丸。

と、そろそろ俺も真面目にならないとな。

 

「なら、俺が血盟騎士団に入ればいいですか?」

 

俺が言うと、アスナ、キリト、ヒースクリフは驚く。

 

「用は俺とアスナのトレード。エクストラスキルとか一応持ってるんで、おそらくそちらにとっても利益があるとは思うんですけどね」

 

「おいエイトマン!」

 

キリトが口を挟みかけるが、俺はそれを防ぐ。

 

「ふむ、狙いはなんだ?」

 

「狙いなんてないですよ。あ、でもこれはお願いなんですけど、あなたの命令以外で俺を誰かと組ませるのはやめてください」

 

「と、いうと?」

 

「ギルドには参加してるけど実質的にソロってことで」

 

「ギルドに入っていてそんなことが許されるとでも?」

 

「こう考えてください。俺がギルドにいるだけで毎日MAXコーヒー飲み放題っすよ」

 

「いいだろう。承諾しよう」

 

ぶふっと吹き出すキリトとアスナ。ふっ、やはりMAXコーヒーは世界を救う。

 

「では、解散としよう」

 

 

___________________

 

 

 

早速、俺はMAXコーヒーを200個ほど作り、ヒースクリフに渡した。あのジジイ、あとで覚えてろよ…。

で、その帰り道。エギルさんの店の二階でキリトとアスナに迫られる。

 

「どういうつもりなの!?」

 

「お前…また自分を犠牲にするようなことを!」

 

「待って!違うんだって!ちゃんと狙いがあるんだって俺には!」

 

その台詞に二人はようやく落ち着く。

 

「前に話したラフィンコフィンのこと、覚えてるか?」

 

俺の台詞に二人とも頷く。

 

「実はその中の一員が血盟騎士団にいるような気がしてならないんだよ」

 

「…本気?」

 

アスナに聞き返され、俺は頷く。

 

「この前、ラフィンコフィンのあのシンボルをしてるやつが白と赤の防具をしててな。もしかしたらって思って顔を見ようとしたけどすぐに転移しちまった」

 

「でも、偶然ってことも…」

 

「別に他のギルドなら偶然で終わらせてもいいんだが、血盟騎士団に限っては攻略組のトップだ。あそこが内部的に壊されたら攻略は間違いなく不可能になる。1%でも可能性があるなら調べた方がいい」

 

「だからって…エイトくんもあぶないじゃない!」

 

「だから基本はソロと同じ形にしてもらったんだよ。誰かと一緒にいて中途半端に警戒を解くくらいなら一人でビンビン警戒してた方がいい」

 

「……」

 

アスナはそこで思い留まる。キリトが別の質問をしてくる。

 

「ホントにそれだけか?」

 

どーいう意味だ?と、視線で問う。

 

「それだけで動かないだろお前は。1%も俺やアスナを庇ったってのはないんだな?」

 

「……自意識過剰すぎだバカ」

 

誰がお前らなんかの為に動くかよ。まぁ別の理由があるのは確かにそうなんだけどよ。

 

「お前達が助かったのなんて副産物に過ぎねぇよ」

 

「……」

 

「じゃ、そろそろ行くぞ。ぼっちを余り人と関わらせるな」

 

それだけ言って、俺はエギルの店から出た。

 

 

 


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