島津家の天下取り物語   作:夢原光一

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第8話改

岡城にいた兵を壊滅した俺らは、府内城下についに到着する。

義弘「さて、大友宗麟の居城のある府内に到着したけどこれからどうする?」

颯馬「とりあえず、宗麟が逃げ出さないように回りを包囲しようか。これからのことはそのあとだ」

歳久「そうですね。先の戦いで我が軍の被害はありましたから、ここは天城の言うとおり包囲してからこれからの策を考えた方がいいですね」

歳ちゃんも賛成し、兵達は府内を囲んだ。

 

 

 

 

その頃、府内城内は・・・。

千熊丸「まさか、こんなに早く来るなんて、予想外ですね」

千熊丸がそう言う。

大友家家臣3「島津があのような行動をするとは、思っても見なかった」

家臣の1人もそう言う。岡城の落城の件はすでに宗茂達の耳に入っていた。

千熊丸「とにかく、この城を何とか死守しなければなりません」

大友家家臣4「そうだな。臼杵城が動けない今、我々が何とかせねばなりません」

もう1人の家臣がそう言う。

千熊丸「場内にいる兵は、5百。とても、3千の兵をどうにかできる状況ではありません!」

大友家家臣3「ああ。ひとまず籠城をして、宗麟様をなんとしてでもお守りせねば」

そう言うと千熊丸達は部屋を出て行った。

 

 

 

 

その頃、宗麟の部屋には、宗麟自身と妹の親貞がいた。

宗麟「は~、まさか敵があのような戦法をとるとは、思ってもみなかったわ」

親貞「姉上様・・・」

シスターの服を着る親貞が宗麟のため息を見て心配そうにする。

宗麟「心配しないの親貞。この城には、兵糧が蓄えもあるし、この城は臼杵城同様守りは堅い。それに、宗茂もいる。そう簡単に島津には落とせないから安心しなさい」

宗麟が親貞にそう言う。

親貞「しかし、姉上様。包囲しているのはあの島津歳久と鬼島津(義弘の別名)、それに島津の奇策を使う軍師がいます」

宗麟「親貞、安心して。どんな策が来ようとこの城は必ず落ちないようにするわ。私を信じて親貞」

親貞「姉上様・・・。わかりました、私、姉上様を信じます」

そう言うと宗麟は笑顔を見せて親貞の頭をなでたのであった。

 

 

 

 

島津軍本陣

歳久「さて、どのようにあの城を落としますか」

府内城を見上げながら策を考える私。

そこへ、ひろねえがやってきました。

義弘「歳ちゃん、ちょっといい?」

歳久「どうしたんですひろねえ?」

義弘「颯馬の姿を見なかった?」

歳久「天城ですか?少し前に見回りとか言って出て行きましたけど?」

義弘「見回りね。だったら私も連れて行けばよかったのに・・・」

ひろねえがそうつぶやいた。まったく、よしねえもひろねえも家久も天城に好意をしているみたいですけど、なんか少し妬きます。・・・って、何で、天城に対して妬くのですか私は。そんな気持ちを忘れるように策を考え始めた。

 

 

 

 

俺は、本陣から少し離れたところにいた。

府内城を見ながらいろいろと考えた。敵は、おそらく篭城するだろう。こっちが攻めれば、かなりの被害が出てしまう。けど、あの城には・・・。

颯馬「宗麟、親貞・・・」

俺は、そうつぶやく。俺は、島津家にやってくる前のことを思い出しながらそうつぶやく。

あの頃、幸せだったよ。あの日、義鑑様に追放(‥)されるその時まで。

颯馬「千・・・」

そして、吉弘家に養子に出した妹の名をつぶやく俺。

島津兵1「あ、軍師殿!」

すると、そこに1人の兵がやってきた。

颯馬「どうした?」

島津兵1「実は、府内城に兵糧米を運んできた農民をひっ捕らえました。どうやら、我々が包囲していることを知らなかったようで・・・」

兵士がそう言う。まあ、昨日の今日だ。奇襲して、相手が降伏したら、すぐに府内へ向かったからな。知るはずもないか。

颯馬「農民が運んでいたのは、兵糧米だけか?」

島津兵1「いいえ。兵糧米だけでなく、大きな樽もありました。どうやら、味噌らしく・・・」

兵士がそう言う。すると、俺は、あることを思い出した。

竹中半兵衛が、稲葉山城(現在の岐阜城)をたった16人で落としたことを思い出す。確か、あの時樽に何人か入った。そして、樽から出て、武器を取り、襲撃。見事稲葉山城を占拠した。

もし、兵糧を運んでいる人が捕まっていないことを向こうが知らなければ・・・。

颯馬「おい。農民と兵糧は、俺の指示があるまで、見張らせろ。いいな」

島津兵1「は、はい!」

そう言って、俺は、歳ちゃんのところへ向かった。

 

 

 

 

歳久「まったく、天城は何処にいったのですか」

私は、イライラしながら待っていると。

颯馬「歳ちゃん!」

そこに天城がはきました。

歳久「歳ちゃんって言わないでください。それより、天城、今までどこに行っていたんですか?」

私がそう聞く。

颯馬「ごめんよ、歳ちゃん。それより、歳ちゃん。兵を少しばかり貸してくれませんか?」

歳久「歳ちゃんって言わないでください。それで、なんで兵を貸してほしいのですか?」

私は、天城に兵を貸してほしい理由をたずねる。

颯馬「まあ、ちょっとした策があってね。なに、兵は15人ぐらいで構わないから」

歳久「・・・・・・」

私は少し黙りました。颯馬が何故たった15人の兵を貸してほしいかわかりませんが、何か秘策があるんでしょう。これでも、10年の付き合いがあります。ここは、天城を信じてみましょう。

歳久「わかりました。天城の策を信じて兵を貸します」

颯馬「ありがとう歳ちゃん。必ず成功させるよ」

歳久「だから、歳ちゃんといわないでください」

 

 

 

 

府内城門前

門番1「おい。止まれ!」

荷車を運ぶ集団を止めさせる。

門番2「お前達は、何者だ」

農民1「じ、ワシらは、兵糧を府内城に運んできた農民です」

農民の1人がそう言う。

門番1「ああ。そういえば、今日は、兵糧を運び込む予定だったな。しかし、よく島津に見つからなかったな」

農民2「へい。わいらは、島津も知らない道を取ってきて、ここまで来ました。これも、大友様が、勝利するために、これらを命がけで運んで出来ました」

農民の1人がそう言う。

門番2「わかった。まあ、とりあえず、荷改めをする。これも、規則でな~」

農民3「それは、構いませんが、そっちの樽には手を出さないでほしいです」

門番1「何故だ?」

農民4「はい。こちらは、味噌が入っております。何しろ、親貞様がお味噌汁が大好物だと聞き、持ってきたのです。それに、なんびたりともこの味噌は、台所まで開けてはならぬと戸次鑑連様から言われてまして」

門番2「鑑連様が・・・」

農民の問いに戸惑う門番。これが、本当ならまずいと思い、樽を調べるのはやめることにした。

そして、門番は、兵糧米を1部を調べる。そして・・・。

門番1「よーし、通っても構わん」

農民2「ありがとうございます。それと、お願いですが、この城の兵士として働かせてもらえないかのう?」

農民4「どうせ、島津家がうろうろしている。このまま殺されるより、大友様のために戦って死ぬ方がいいだべ」

農民が門番にそう言う。

門番1「それは、こちらからもよろこばしいことだ。何分、兵士が少なくってな。困っていたところだ」

農民3「では!」

門番2「ああ。その兵糧米を置いたら、早速働いてもらうぞ」

門番がそう言うと農民達は、頭を下げて、そのまま城の中へ入っていった。

 

 

 

 

颯馬「大成功♪」

俺は、門を通った時にそう思った。

捕まえた農民4人と4人の兵士達を農民と装って、城の門へやって来た。捕まえた農民には、報酬を出す代わりに協力してほしいと頼んで、頷いた。そして、見事に城の内部へはいった。

で、俺たちは、というと、樽1個につき、3人ずつ入れて、計4つの樽のに入った。じーっとするのは、大変だったけど、うまくできてよかった。こうして、俺らは府内城の台所に来て、樽の中から出る。

島津兵3「苦しかった~」

島津兵4「死ぬかと思ったぜ」

兵士2人がそう言う。

颯馬「さて、城には、侵入ができた。ここから2手に分かれる。まず、門を開く班5人は、農民4人とともに門へ行き、門を開けてもらう。もちろん、門番を排除しても構わない。開けたのと同時に、ほら貝を吹いて、外にいる義弘達に知らせるように」

島津兵2「わかりました軍師殿」

農民3「あ、あの。ワシらは、無事に出してくれるのじゃな?」

颯馬「もちろんさ。約束は、守る。あとで、褒美を与えよう」

俺が農民にそう言う。

島津兵5「ところで、軍師殿は、どうするんですか?

颯馬「俺らは、城で暴れるさ。門を開ける班が、門へ行けるようにしないと」

俺がそう言う。

颯馬「結構は、夜よ。その時にやるわよ」

島津兵達「はい!」

 

 

 

 

時間はかなり経ち夜になった頃。千熊丸は、宗麟と親貞がいる部屋にいた。

宗麟「敵の様子はどう?」

千熊丸「特に、変わった様子もありません宗麟様」

宗麟の問いにそういう千熊丸。

親貞「千熊丸。あまり、無理はしてはいけませんよ」

千熊丸「親貞様、心配入りません。この千熊丸、鑑連様や義姉上、義兄上、鑑盛様に劣りますけど、必ずや城を守って見せます」

千熊丸が親貞がそう言う。普段は、発言や意見をほとんど言わない親貞だが、部下思いなところがあり、家臣や兵にねぎらいを言うことがあるのだ。

千熊丸「では、私は見回りに行ってきます」

宗麟「お願いします」

そう言うと千熊丸は部屋を出て行った。

その後、2人は一緒に寝たのであった。

 

 

 

 

島津兵1「時間です軍師様!」

颯馬「よし。それでは、作戦を始める!俺と城の中で暴れる人は、俺と一緒に来い!残りは、俺らが暴れ出した直後に門へ行くんだ!この城を必ずや奪い取り、島津軍に勝利をもたらすぞ!いいな!」

島津兵達「はい!」

颯馬「じゃあ、行くぞ!」

俺がそう言うと、城で暴れるメンバーとともに、台所を後にした。

 

 

 

 

千熊丸「親貞様も心配性ですね。まあ、あの出来事があったからしょうがないか」

私は、声を出してそういう。あの出来事――二階崩れの変である。あの時、親貞様は別の場所にいて助かましたけど、母親や兄君(宗麟様から見れば弟)が殺された。だから、それ以降城の立てこもりや誰かが戦に行くと必ずと言っていいほど心配してしまうのです。普段は意見や発言などしない親貞様が唯一やる行為です。でも、親貞様同様私も兄様を失った。まだ、私が幼い頃に、義姉上のところに養子に出された。兄様も養子になればよかったけど、義兄上がいたので、家の騒動になりかねないと思ったのか兄様は、養子にならず吉弘家をあとにした。

兄様、いまどこにいるんです・・・。

千熊丸「ん?」

なんか向こうから騒がしい声がする。こんな時に兵は宴でもしているのかしら?私は、叱りに行こうとした時だった。

大友兵1「うわ!?」

突然障子が倒れるのと同時にそこに血だらけになった兵士が現れたのです。

「覚悟!」

兵にとどめを刺そうとした怪しい人物が現れて、私は刀を抜き斬り捨てました。

千熊丸「しっかりしなさい。一体何があったのです!」

大友兵1「せ、千熊丸様・・・様・・・。し、島津の兵が・・・突然・・・現れて・・・」

千熊丸「島津の兵が!?」

私は、それを聞いてびっくりしました。一体何処から侵入してきたのか。

千熊丸「誰か、この物を手当てしてください!」

私が叫ぶと別の兵がやって来た。

大友兵2「千熊丸様、何用ですか?」

千熊丸「この物の手当てをお願い。それから、見張りの兵をすぐこちらに回しなさい。私も島津の兵を倒しますから」

大友兵2「ははあ!」

そう言って、私は刀を抜き急いで島津軍の兵を倒しに向かった。

 

 

 

 

一方その頃、城門に向かっていた5人の兵は農民とともに隠れながら向かっていた。

そんな時多数の兵が来たのであわてて隠れた。

大友兵3「急げ、早く向かうんだ」

大友兵4「一体、何処から島津兵は現れたんだ」

大友兵5「とにかく、早いところ討たなければ!」

そう言いながら走り去っていく。

島津兵1「どうやら、軍師様達が向こうで暴れているらしい」

島津兵2「陽動作戦だからな」

島津兵3「とにかく、早くしないと軍師様達が危ない」

島津兵4「軍師様が殺されたら、義弘様や歳久様に殺されかけないからな」

島津兵5「早いところ城門に向かわなければな」

そう言いながら農民とともに城門へと向かっていった。

 

 

 

 

颯馬「とりゃあ!」

俺は、次々と兵を倒していく。陽動とはいえこんなに相手にするのはきつい。前の俺ならためらってしまうけど、戦国の世殺し合いが当たり前な時代だから俺は、迷わずに斬れるようになっていく。でも、剣術では普通の人より上ぐらいしかないので、ここで武将クラスが来ると俺も苦戦しがたい。

島津兵6「軍師様、大丈夫ですか?」

颯馬「平気だが、流石に人数が多いな」

島津兵6「こちらは、すでに3人もやられています」

島津兵7「くそ、城門へ行った奴らは何をしているんだよ」

愚痴を言う兵。

颯馬「もう少しの辛抱だ、今はなんとか耐えるんだ」

俺がそう言って斬り捨てる。

島津兵8「うわ!?」

すると味方の兵が倒される。

大友兵3「あ、吉弘様!」

それを聞いてびっくりする。吉弘、まさか、鎮理がここに?いや、まさか、鎮理は、今は臼井城にいる。じゃあ、一体一体誰なんだ?

俺は、身構えたが、その顔を見た瞬間驚きを隠せなかった。

颯馬「え!?」

せ、千!?

 

 

 

 

私は、島津兵3人に出くわす。

島津兵9「てりゃあ!」

斬りかかり斬り捨てた。

島津兵10「この!」

1人を斬り捨てさらに1人も斬り捨てた。

島津兵8「うわ!?」

大友兵3「あ、千熊丸様!」

味方の兵が声をかけられるとその場にいた兵が喜ぶような顔をする。私は、敵側の方へ向いた時だった。

千熊丸「(え?)」

あ、兄様!?そんな、兄様が兄様がなんで、島津側にいるの。私、混乱をしてしまうのであった。

 

 

 

 

まさか、千だなんて・・・。そうだ、吉弘家に養子と出されたなら吉弘と言われても不思議ではない。

千熊丸「・・・・・・」

向こうも黙り込んでいる。これはどう打開を・・・。

その時、法螺貝の聞こえた。

島津兵6「どうやら、成功したみたいですね軍師様」

千熊丸「成功?ま、まさか!?」

千が何かに感づいたようだけど、もうすでに遅かった。

 

 

 

 

5人の兵が城門へ向かうと、そこには見張りの兵が3人いた。

島津兵2「どうやら、見張りのほとんどは軍師様のところに行ったみたいだな」

島津兵4「さて、早く見張り兵を倒さないと」

島津兵5「ああ」

そう言うと5人は刀を抜き、見張り番に斬りかかる。

門番1「な、何者・・・ぎゃあ!?」

門番2「うわ!?」

門番兵3「こ、ぎゃあ!?」

門番達が気づいた時にはもうすでに遅く3人とも斬り捨てられる。

島津兵1「さあ、早く城門を」

そう言うと島津兵2人が城門を開ける。そして、持ってきた法螺貝を鳴らす。

 

 

 

 

義弘「ん?法螺貝!?」

ひろねえと本陣にいた時、法螺貝の音が聞こえた。どうやら、天城は策を成功したらしいようです。

歳久「ひろねぇ、すぐに全軍に城の突撃命令を」

義弘「え、うん。わかった」

ひろねえは言われたとおり全軍に突撃するよう指示を出す。

天城が策を始める前、法螺貝を鳴らした時、全軍に城門から突撃するように言われたので私は、天城の言うとおりにした。さて、私も行きますか。

私は馬に乗るとひろねえとともに城門に向かいました。城門は、開けっ放しでそこには島津兵が数人と農民らしき人達が立っていた。

島津兵1「義弘様、歳久様。軍師様の策は成功しました」

歳久「そのようですね。ところで、天城は何処にいるのです?」

島津兵2「軍師様なら、城内にて陽動隊とともに戦っています」

義弘「なんですって!?」

それを聞いてひろねえが驚く。

義弘「すぐに颯馬を助けに行かないと!」

そう言ってひろねえは天城のところへ向かう。まったくひろねえは・・・。

歳久「城を全力で占拠します。それから、当主の宗麟と親貞は捕縛するように」

私がそう命令して兵は、去って行く。さて、私も行きますか。

 

 

 

 

キンキンキンキン

 

俺は、千と刀を斬りあいしていた。でも、吉弘――千を殺したくない。なんとかしないと。

千熊丸「・・・・・・」

向こうも黙っているけどどうするべきか・・・。

千熊丸「やあ!」

千がかかってくる。俺は、すばやく避けると隙が見えて俺は、千の腹に刀を入れ込む。もちろん、峰打ちである。そして、千が倒れて俺が受け取る。よかったよ、毎日弘ちゃんと鍛錬していて・・・。

義弘「とりゃあああああああ!」

大友兵達「うわわわわわわわわわ!!!!!!!!!」

それと同時に弘ちゃんが現れて大友兵を倒す。

颯馬「弘ちゃん!」

義弘「あ、颯馬!」

俺を見つけると弘ちゃんが俺のところに来る。

義弘「颯馬のバカ!何で、無茶な策をやるのよ。死んだらどうするのよ!」

颯馬「ごめん、弘ちゃん・・・」

俺は、弘ちゃんにそう言う。

歳久「まったくです天城」

そこに歳ちゃんも現れる。

颯馬「歳久」

歳久「相変わらず奇策ですけど、命を落としたらどうするんですか!天城を犠牲にして勝利を得るなんて私は全然うれしくありません!」

歳ちゃんが真剣にそう言う。

義弘「ところで、颯馬。あんた、その女の子は何?」

弘ちゃんがそう指摘する。しまった、千を受け止めたままだった。

颯馬「誤解しないで、弘ちゃん!この女子と一騎打ちしていて、それでみねうちしたらこっちに倒れたから受け止めただけだよ!」

俺は、そう言う。

歳久「そうですか?で、その人物の名は?」

颯馬「下は、わからないけど、性が吉弘と名乗っていたよ歳ちゃん」

歳久「歳ちゃんって言わないでください!吉弘ですか。となると、吉弘家の関係者かもしれないですね」

歳ちゃんがいつものようにそう言う。

島津兵4「歳久様、義弘様」

そこに兵がやって来る。

歳久「どうしたんです?」

島津兵4「大友宗麟、大友親貞を捕縛しました」

兵がそう報告する。すると縄で縛られた宗麟と親貞がやって来る。

宗麟・親貞「「!?」」

俺を見るや驚く顔をする。俺は、慌てて歳ちゃんと弘ちゃんの方を向く。

歳久「よくやりました。では、牢に入れておきなさい。ついでにこの子も牢に連れて行きなさい」

兵にそう指示を出すと兵は、千を連れて牢へ向かう。

こうして、府内城は島津が占拠したのであった。


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