島津家の天下取り物語   作:夢原光一

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今日は、僕の誕生日です。
ですので、記念として2本投稿します。
もう1話は、12時ごろに投稿します。


第7話改

島津が二手に分かれて、岡城と臼杵城を攻め始めた。臼杵城に入城した戸次鑑連、吉弘兄妹、蒲池鑑盛は、城の防衛の支度や兵糧を貯え始める。そして、数日後島津軍9千が城を包囲する形で集結した。

鎮理「すごい数ですね義姉様、兄上」

鎮信「そうだな鎮理」

鑑連「情報によれば1万2千の兵を引き連れてやってきたので、1/3の兵がこの臼杵城に攻略のためにやって来たんでしょう」

鑑盛「となると、残りの兵は岡城攻めですか。数は少ないけど大丈夫でしょうか鑑連殿?」

鑑連「心配入りませんよ鑑盛殿。彼らも必死で城を死守するでしょう」

鑑連が鑑盛にそう言う。

鑑盛「だといいですけど・・・」

それでも、心配する鑑盛。

鎮信「さて、鑑盛殿。人の心配する前にまずは、この城を守りぬかなければなりませんよ」

鑑盛「そうでしたね」

鎮理「では、兄上。城の中を巡回してきます」

そう言うと鎮理は部屋を出て行った。

 

 

 

 

臼杵城の回りを包囲した私達は、本陣でお父さんや豊ちゃん、家ちゃんとともに座っていた。

豊久「予想通り、敵は篭城しましたねお父様」

貴久「そうだね~」

義久「なら、颯馬くんの言うとおり、ここは兵糧攻めね」

私は、お父さん達にそう言った。

貴久「ちょっと、義久。いつ、そんなことが決まったんだ。俺は、聞いていないんだけど・・・」

家久「出陣する直前だよお父様」

豊久「臼杵城攻めに関する詳しい策を夜遅くまで考えて、それをよしねえちゃんに教えたんだ」

貴久「おのれ、天城め。当主である俺より義久に教えるなんて~!!!!!!!!!!」

島津家家臣1「貴久様」

 

ピキーン←当主の顔になる

 

貴久「どうしたんだ?」

島津家家臣1「はい。臼杵城の回りを完全に包囲しました」

貴久「そうか、わかった。これより、兵糧攻めに入る。命令がない限りその場で待機するように伝えておけ」

嶋津家家臣1「わかりました貴久様。では、失礼します」

そう言うと家臣さんが出て行った。

豊久「臼杵城は、これでよしとして。あとは岡城か」

家久「大丈夫かなソウちゃんやひろねえ達は・・・」

義久「そんなに心配しなくてもいいのよ家ちゃん。きっと颯馬くんには秘策があるに違いないよ」

豊久「そうだといいけど・・・」

颯馬くんを心配する豊ちゃん。でも、私は信じているわ。颯馬くんならきっとね。

 

 

 

 

弘ちゃんと歳ちゃんと俺は、3千の兵を引き連れて岡城を目指していた。

そして、岡城まであと少しというところで分かれ道にさしかかる。

義弘「分かれ道だね。歳ちゃん、岡城は、どっちなの?」

歳久「岡城は、左の道を行った先です。ちなみに右は、府内へ行く道です」

歳ちゃんがそう言う。

義弘「府内か。でも、今は岡城を攻略しないと」

弘ちゃんがそう言うと全軍に左へ行く指示を出そうとした。

颯馬「待って、弘ちゃん」

義弘「どうしたの颯馬?」

颯馬「俺らが行くのは、左じゃない」

義弘「え?」

颯馬「右さ」

俺がそう言う。

義弘「え・・・ええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!」

弘ちゃんが驚く。

歳久「天城、それは本気ですか。岡城を攻略しないで府内へ行くと挟み撃ちに・・・」

颯馬「歳ちゃん」

歳久「歳ちゃんって言わないでください」

颯馬「心配するな。そんなことにはさせないさ」

歳久「・・・・・・。わかりました」

義弘「と、歳ちゃん?!」

歳久「ひろねえ、ここは天城を信じてみましょう」

義弘「わかったわ」

歳ちゃんがそう言うと全軍に号令をかける。

歳久「これより、右へ進みます!全軍、遅れをとらないように!」

そう言うと軍勢は右へと進み始めた。

 

 

 

 

その頃、岡城には、4千の兵と将がいた。

大友家家臣1「そろそろ来る頃です」

大友家家臣2「この岡城を守りきるのだ。そして、島津を大友領内から追い出すんだ!」

気合が入る一同。そんな時だった。

伝令兵「伝令!伝令!」

そこに伝令兵が走りこんできた。

大友家家臣2「どうしたんだ。島津がついに来たのか?」

敵家臣がそう言うが伝令は首を振る。

伝令兵「島津軍3千は、岡城を無視する形で府内城へ攻めて行きました!」

大友家家臣1「な、なんだと!」

家臣がそれを聞いてビックリする。

大友家家臣2「おのれ、島津め!我々を無視していくなんて許さん!全軍、すぐに兵を集めろ!敵を追いかけて撃ちに行く!」

そう命令を発すると兵達は、集まり、そして、30分後に家臣達は兵を引き連れて島津を追いかけていった。

 

 

 

 

その頃、府内へ進軍する俺らは何事もないように進んでいった。

伝令兵「天城殿!」

そこに伝令兵がやって来た。

伝令兵「岡城を守っていた大友軍が出てきて、こちらに向かっているとのことです」

それを言うと当たりはざわつく。

颯馬「そうか」

俺がそう言う。

颯馬「まんまとかかったな」

義弘「え!」

俺の言葉に反応する弘ちゃん。

そして、俺は、号令をかける。

颯馬「全軍、方向転換!これより、岡城へ攻めて来る連中を迎え撃つ!」

俺がそう言う。

歳久「なるほど、そういうことですか」

義弘「どういうことなの歳ちゃん?」

弘ちゃんが歳ちゃんに聞く

歳久「おそらく、天城の考えはこうです。岡城はおそらく篭城します。その敵を野戦に持ち込むためには相手を城から出さなければなりません。そこで、天城は軍勢を城へ向かわせず、府内へ進行を変える。敵は岡城を無視されて出て来るだけでなく、府内には大友宗麟がいます。出ていかなければ、宗麟が危ない。そして、城から出てきた相手を野戦で蹴散らす。そう言うことです」

弘ちゃんにそうわかりやすく説明する歳ちゃん。

颯馬「流石歳久。俺の考えを見抜くなんて」

歳久「10年も一緒にいればわかりますよ」

義弘「そう言うものなのかな?」

弘ちゃんが首をかしげる。

歳久「まあ、いいです。全軍、敵を迎え撃ちますよ!」

兵達「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

そう号令をかけると兵達は勢いよく進んだ。そして、俺達もその後を追いかけた。

 

 

 

 

大友家家臣1「急げ、宗麟様が危ない!」

敵家臣がそう叫ぶ。

大友兵1「た、大変です!」

大友家家臣2「どうした!」

大友兵1「前方に島津軍が!」

大友家家臣2「なんだと!?」

 

 

 

 

軍勢を引き返して、少し進むと、そこには、大友軍がいた。

歳久「予想通り来ましたね」

義弘「颯馬って、すごい軍師に成長したようだね」

弘ちゃんがそう言う。

颯馬「さて、蹴散らしにいきますか」

そう言うと号令をかけた。

颯馬「始めるぞ!第1陣、進め!」

島津兵達「おおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!」

そう言うと兵達が前へ出た。

大友家家臣1「来るぞ!」

大友家家臣2「者ども押し出すんだ!」

そう指示を出すと兵が前へ出る。

義弘「よーし、私も行って来る」

そう言うと弘ちゃんが前へ出た。

敵の勢いはとても強かった。しかし・・・

義弘「てりゃああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」

弘ちゃんが勢いよく敵兵を倒していく。敵兵の士気はどんどん下がっていく。

大友家家臣2「コラ、何をしている!」

大友兵2「そう言われても、鬼島津のせいで、わが軍の被害は拡大しています。これ以上無理です!引くべきです!」

そう進言する。だが・・・。

大友家家臣1「ここで、引くわけにはいかん!俺が前へ出る!続け!」

そう言うと家臣が前へ出た。

義弘「やあ!」

弘ちゃんは、敵を斬りつけていく。

大友家家臣1「島津義弘と見た!我が大友家臣が相手だ!」

義弘「いいわよ。かかって来なさい!」

そう言うと馬に乗ってお互いが槍を持って向かう。

義弘「てりゃああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

大友家家臣1「おりゃああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

そして、ぶつかり、家臣は討ち取られた。

大友兵3「討ち取られたぞ!」

大友兵2「に、逃げろう!」

その光景を見た敵兵は逃げ出していく。

その後、この戦いはもう1人の大友家の家臣も討ち取られてしまい、軍勢は壊滅。岡城の兵は降伏した。

前世の知識にあった、敵城を無視する形で、敵を城の外からおびき出し、野戦に持ち込む。武田信玄、徳川家康がやった戦法を見事に成功させた。

こうして、早期に決着が着き、俺らは、府内城へ向かって行った。


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