島津家の天下取り物語   作:夢原光一

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第23話

その頃、大友軍は、順調に進んでいた。その後、佐賀城を無血開城に追い込み、佐賀城を落とした。

そして、大友軍は、佐賀城に入城して、休んでいた。

鎮理「それにしても、義姉様。まさか、こうも簡単に佐賀城が無血開城するなんて」

鑑連「龍造寺本隊は、島津家を相手にしています。兵糧攻めをしても、無駄だと判断して、無血開城したんでしょうね」

鑑盛「まあ、佐賀城を任された武将の賢明な判断だと私は思いますが」

鑑盛がそう言う。

伝令兵「伝令!伝令!」

そこに、伝令兵が慌ててやって来た。

伝令兵「鑑連様!大変てす。龍造寺隆信の本隊が、こちらへ向かってきています!」

伝令兵がそう言う。

鎮理「義姉様!」

鑑連「予想通り、龍造寺は、こちらへ向かって来ましたね」

鑑連がそう言う。

鑑盛「なんと、鑑連殿と鎮理殿は、このことを予想されていたのですか!?」

鑑盛がそう言う。

鑑連「はい。あちらには、軍師・鍋島殿がいます。何かしらの方法で、島津家を足止めさせて、こちらに戻ってくると予想したのです」

鑑連がそう言う。

鑑盛「そうだったのですか。では、急ぎ宗麟様にお伝えせねば」

鑑盛がそう言うと鑑連、鎮理ともに宗麟のところへ向かった。

 

 

 

 

佐賀城・軍議の間

鑑連「・・・というわけです」

鑑連様が宗麟様にそう報告した。

大友家家臣1「く、まさか。龍造寺が、そのように動いてくるとは・・・」

家臣の1人が驚きを隠せていません。

鑑盛「いかがしましょうか宗麟様?」

大友家家臣2「たずねる必要はない鑑盛殿。ここは、野戦して、龍造寺を壊滅するのみ!」

大友家家臣3「その通りだ!」

かしんの2人がそう言う。

鎮信「野戦か。数は、どのくらいなんだ鑑連殿」

義兄上が鑑連様に聞いた。

鑑連「龍造寺は、島津に向けて8千の兵を向けたと聞いています。そのほとんどが、こちらへ向かっているかと」

鑑連様がそう言う。8千の兵のうちのほとんどがこっちに来ているなんて・・・。

鎮理「こちらは、5千。数では、圧倒的有利。そして、龍造寺四天王も幾人かいる。状況は明らかに私達の不利ですね」

義姉上がそう言う。

宗麟「つまり、このまままともにぶつかっても、こちらが不利ね」

鑑連「そう言うことです宗麟様。そこで、私はこの城で籠城することを提言します」

鑑連様がそう言う。

大友家家臣2「籠城ですか鑑連殿!?」

鑑連「はい。幸い、この城は無血開城で手に入れて、城の耐久度は大丈夫でしょう。また、この城は意外と守りが堅い城です。それに、龍造寺は、きっと、無理に攻城戦を仕掛けてくると思います」

宗麟「無理に攻城戦を?」

鑑連「はい。龍造寺は、島津軍にバレないように兵のほとんどをこちらへ戻しました。となりますと、島津軍の方はほとんど手薄な状態。あまり長くなると島津家が気づいて攻撃を仕掛けるでしょう。そうなれば、龍造寺は完全に挟み撃ちになります」

鑑連様がそう言う。

宗麟「つまり、籠城した方がこちらにとって有利ということになるのね」

宗麟様の問いに鑑連様が頷いた。

宗麟「わかった、鑑連の策を是とする。そして、ただちに城を防衛準備するよう指示を出すのよ」

宗麟様の問いかけに私達は、返事をしました。そして、一斉に軍議の間から出ていきました。

兄様。見ててください!

 

 

 

 

時間を少しさかのぼって、龍造寺本隊。

隆信「何!?佐賀城が無血開城したですって!?」

隆信は、その報告を聞いてびっくりする。

伝令兵「はい。城の城代は、援軍の期待ができないと判断して、大友に助命する代わりに無血開城をする約束をして、それを大友宗麟が受け入れたと」

伝令がそう言う。

成松「いかがします隆信様?」

隆信「どうするもこうするも、決まっている!佐賀城に向かうわ」

信胤「佐賀城にですか。しかし、大友は、きっと籠城をするはずです。兵の数では不利ですし、四天王は、信常を除いて全員いますから」

信胤がそう言う。

隆信「なら。佐賀城に攻撃を仕掛けるまでよ!」

隆信がそう言うと直茂が止めに入る。

直茂「隆信様!佐賀城に攻城戦を仕掛けるのですか!?それはいけません!あの城は、守りが堅いことは、隆信様もご存じのはずです!」

直茂が隆信の攻城戦に反論する。

隆信「そんなの百も承知よ。けど、兵糧攻めしても、時間がかかる。そうなれば、島津が勘付いてしまう。そうなれば、信常が危ないわ。だったら、被害を出してでも、城を落として龍造寺に勝機をもたらすのよ!」

隆信がそう言うと直茂は、反論できなくなってしまう。元々は、自分の案、しかもいつ島津家が気づくかもわからないのだ。しかし、直茂は、こんなにも早く佐賀城が落ちるとは思ってもいなく、また野戦ではなく籠城することまでは、計算外であった。

隆信「皆の者!これより、佐賀城へ攻城を開始する!城へ向かって突き進め!」

龍造寺兵達「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

昌直「よーし、ひと働きするぞ!」

隆信の問いに兵士並びに昌直がおたけびを叫ぶ。

そして、龍造寺は、佐賀城へ突き進み、攻城戦を始めたのであった。




次回の更新は、7月です。月に最低2~3回ぐらい更新したいと思っています。

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